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SDGsと廃棄物管理・ JICAの国際協力による取り組み 2019年2月6日 廃棄物管理責任者研修会 (独)国際協力機構(JICA)地球環境部 近藤

SDGsと廃棄物管理・ - city.kobe.lg.jp · sdgsはビジネスの世界での「共通言語」へ 参照資料:環境省(2018)持続可能な開発目標(sdgs)活用ガイド

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SDGsと廃棄物管理・ JICAの国際協力による取り組み

2019年2月6日

廃棄物管理責任者研修会

(独)国際協力機構(JICA)地球環境部 近藤 整

本日のご説明内容

1. SDGsとは

(背景、概要、国内外の状況について)

2. SDGsと廃棄物管理との接点

3.途上国の課題、JICAの具体的な取組事例

ジャイカとは?

ジャイカ(独立行政法人国際協

力機構:JICA) は、

日本政府と協力し、開発途上国

の様々な課題を解決するための

事業を実施する団体です。

世界、そして開発途上国とは

※後発開発途上国と呼ばれ、49カ国ある

世界の人口(約73億人)の約8割が開発途上国で暮らす

「持続可能な開発のための 2030アジェンダ」とは? 持続可能な開発目標(SDGs)とは

2015年9月国連で採択。2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するための先進国を含む世界共通の目標(17ゴール、169ターゲット等で構成)

社会・経済・環境の3側面と5つのP(人間(People), 豊かさ(Prosperity), 地球(Planet), 平和(Peace), パートナーシップ(Partnership)を重視、キーワードは「誰一人取り残さない」(No one left behind)

開発援助機関に加え、 政府、企業、大学・ 研究機関、市民社会な どあらゆるアクターに よる取組が期待されて いる

気候変動 都市化

各国が表明済みの気候変動緩和策に取り組んだ場

合でも、2008年から2020年までに世界の一次エネルギー需要は20%増加する見込み。

開発途上国主導の経済成長により、エネルギー・

資源・食料の需要が拡大し、供給が不安定となるリスクがある。

開発途上国と先進国が共通して直面する グローバルな課題

持続可能な開発を阻むもの

アジア地域の高度成長に伴い、エネルギー由来の温室効果ガスの排出量が増加。 経済成長と気候変動対策の両立が課題

NOAA(2016)

都市人口は、現在、世界人口の50%(35億人)。2030年には60%を超える見込み。特に、アジアとアフリカの都市化が急速に進む。

廃棄物・大気汚染等の環境問題、 災害等への対応 莫大なインフラ投資が必要

資源・エネルギー・食料

アジア各国の都市化人口比率の推移

途上国への資金フローの変化

途上国へ流入する資金全体の中でODAが占める割合は10%未満 外国直接投資などODA以外の民間資金が増大

出典:OECD Report

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MDGsからSDGsへ 取組の方向性、姿勢の変化

MDGs SDGs

先進国による途上国への 援助が中核

過去のデータや現状を基に 目標を設定(積み上げ)

マクロ統計指標で達成度を 把握(格差に目が届かない)

貧困削減に向けた 社会開発課題への対応

社会、経済、環境の3側面を 包括的に対応

先進国・途上国、政府・民間等 あらゆるアクターによる取組が

必須

2030年に理想とする世界を 描き、その実現のために設定

された野心的な目標(未来志向)

「誰一人取り残さない」包摂的 な社会を目指すもの

SDGsのターゲット例

1.1 あらゆる場所で極度の貧困を「撲滅」

3.6 道路交通事故死傷者を半減

4.1 男女区別なく無償、質の高い初等・中等教育を修了

5.1 あらゆる場所ですべての女性・女児への差別を撤廃

12.3 食品廃棄ロスを半減

HLPF2018閣僚級会合オープニング

国連など:SDGsの取組レビュー

毎年7月、国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)で各国が

SDGsの取組状況を報告(これまで100ヶ国以上が報告)。

国連はHLPF前にSDGs進捗を示すグローバルレポートを公表。

民間シンクタンク等が各国の取組状況をランキング(SDGs

Index&Dashboard):日本は世界15位(2018年:←2017年

11位)。

2018年の日本のSDGs Dashboard(緑は達成見込み、赤は達成危うい、黄・オレンジは部分的に課題あり。毎年7月更新 (参考:http://www.sdgindex.org/ )

各国政府による取組 国名 主な動き

中国 2016年9月にSDGs国家計画を策定・公開。貧困・飢餓撲滅を優先事項に掲げ、17ゴール・169ターゲット毎に具体的な施策を列挙。

インドネシア SDGs国家調整チームを創設。SDGs国家ターゲット・指標、モニタリング体制を構築中。2017年7月、SDGs実施に係る大統領令も公布。

ケニア 長期経済プランVision2030とSDGsの整合性を分析。資金動員、パートナーシップ、CDなど重要な実施手段を含むロードマップも策定。

エジプト 2015年12月、関係省庁によるSDGs国家フォローアップ委員会を創設。持続可能な開発戦略「エジプト・ビジョン2030」も策定・公開。

スウェーデン 全省庁がSDGs行動計画を策定。2016年3月、SDGs国家委員会を創設し、中央・地方政府、企業、市民社会、研究者の対話を促進。

ドイツ 首相府がSDGs戦略、各省庁が各分野の実施を担うほか、議会での議論も活発。2017年1月、国家SDGs戦略を策定・公開。

国内の動向1:ビジネス界

• 金融業界の動き

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資

(企業に投資する際に企業価値の測定に環境

(Environment)、社会(Social)、ガバナンス

(Governance)という非財務情報を考慮する投資)

を導入。

• 日本企業の動き

SDGsを用いた既存事業の再点検、サステナブルレ

ポート作成、オープン・イノベーションなど。GCNJ

(グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパ

ン)を中心にSDGs関連セミナーも多く開催(東京)。

• 経団連の動き

経団連は新たな成長モデルSociety 5.0とSDGsへの貢

献を柱とし、企業行動憲章を改訂(2017年11月)。

(参考)GCNJ/IGESによるSDGs調

査レポート

http://ungcjn.org/SDGs/pdf/eleme

nts_file_4001.pdf

国内の動向2:自治体

東京都:SDGsの視点を踏まえた資源循環・廃棄物処理5か年

計画を策定

北海道下川町:自治基本条例にSDGsを位置づけ、森林総合産

業、エネルギー自給と低炭素化、超高齢化対応社会に取り組む

(日本政府から表彰:後述)

横浜市:環境・国際の両面でいち早くSDGsに着手

滋賀県:知事のリーダシップ、シンポジウムやイベント

大阪府:2025年万博誘致とSDGs推進を結び付け

福岡市:「アジア太平洋都市サミット」をホスト

高知県:伊藤園とモデル事業、地産外商にSDGsを活用 など

国内の動向3:メディアなど

• 朝日新聞:SDGs特集を紙面・ウェ

ブで掲載・イベント実施

• 日本経済新聞:経済界のSDGs取

組・ESG投資を紙面・ウェブで掲

載・イベント実施

• 博報堂:日本語版のSDGsロゴを作

成、各イベントで繋ぎ役

• 電通:SDGs認知度調査(14%認知、

男性20代に多い)実施、企業向け広

報ガイド作成

• 吉本興業:国連と連携、沖縄映画祭

や各種イベントでタレントがSDGs

広報

朝日新聞紙面http://www.asahi.com/special/sdgs/ https://miraimedia.asahi.com/

吉本興業http://walk.min-wara.com/ http://www.yoshimoto.co.jp/SDGs/

日本政府の対応① • SDGs推進本部

安倍首相が本部長、全閣僚で設置(2016年5月)

• SDGs実施指針 本文で日本政府のビジョン、経済、社会、環境の分野における8つの優先課題等を提示。140もの国内・国外施策も策定(2016年12月)

• ジャパンSDGsアワード 優れた取組を行う企業・団体等を表彰。第1回(2017年12月)受賞は北海道下川町、金沢工業大学、住友化学、吉本興業など。

第2回は年内決定・発表。

第二回SDGs推進本部会合で発言する安倍首相(2016年12月)(内閣広報室HP)

3.日本政府・JICAの取組①

【参考】日本政府SDGs実施指針の概要

日本政府の対応②

• SDGsアクションプラン2018 ※2019年版は策定中。 (2017年12月・拡大版は2018年6月) 実施指針に基づいた取組の実施、具体化を明記。拡大版では「Society5.0の推進」、「地方創生・まちづくり」、「次世代・女性のエンパワーメント」が3本柱。

3.日本政府・JICAの取組②

• ウェブポータル「JAPAN SDGs Action Platform」 (2018年6月)

外務省による、日本の企業やNGO団体等のSDGsに関する取り組みを一括して閲覧できるサイト

Japan SDGs Action Platform(外務省HP)

(1)企業活動との接点、示唆 最近の大きな流れ(例)

ESG投資の主流化(前掲):投資の意思決定への前提条件化

バリューチェーンの持続可能な調達:ISO20400等の標準化、

バリューチェン全体の見直し、サプライヤーへの影響

国の政策への主流化、自治体への波及(前掲)

Circular Economy(循環経済)への注目:世界全体で4.5兆

ドル(2030年)、日本で20兆円以上のGDP増の可能性

海洋ごみ、プラスチック対策:G20に向けた流れ(プラスチッ

ク資源循環戦略、中国の廃プラスチック禁輸)

SDGsはビジネスの世界での「共通言語」へ

参照資料:環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド 村上(2017)自治体にとってのSDGs-導入の意義、目的、方法ー(SDGs推進本部円卓会議資料) 環境省(2019)プラスチックを取り巻く国内外の状況

環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド(概要), p.3 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

SDGsの活用によって広がる可能性

廃棄物に関連するSDGsのゴール、ターゲット

Goal 11 包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市及び人間居住を実現する

Goal 12. 持続可能な生産消費形態を確保する

• 11.6 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別

な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽

減する

• 12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料

の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロ

スを減少させる

• 12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイク

ルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康

や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への

放出を大幅に削減する

• 12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、

廃棄物の発生を大幅に削減する

ターゲット(概要) 指標

11.6 都市の一人当たり環境上の

悪影響の軽減

11.6.1 都市で生成される廃棄物について、都市部で定期的に

回収し適切に最終処理されている固形廃棄物の割合

12.3 一人当たり食料廃棄半減、

食品ロス減少

12.3.1 グローバルな食料損失指数

12.4 化学物質や廃棄物管理の実

現、化学物質や廃棄物の大

気、水、土壌への放出の大

幅な削減

12.4.1

それぞれの関連する協定に要求された伝達情報におい

て、約束や義務に適した危険廃棄物や他の化学物質に

関する国際多国間環境協定に対する締約国の数

12.4.2

1人当たりの生み出された危険廃棄物、処理された危

険廃棄物の割合(処理形態別)

12.5 発生抑制と3R等を通じた廃

棄物の発生の大幅な削減

12.5.1 各国の再生利用率、リサイクルされた物質のトン数

廃棄物関連のSDGsターゲットとグローバル指標

環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド(資料編), p.34から抜粋 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド(資料編), p.34 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド(資料編), p.38 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

バリューチェーンにおけるSDGsのゴールとの関係図

環境省(2018)持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド(資料編), p.44 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

バリューチェーンにおけるSDGsのゴールとの関係性(例)

途上国における廃棄物問題

ごみの散乱 不法投棄

オープンダンピング 公衆衛生の悪化

世界全体の廃棄物量のうち、途上国から排出される廃棄物量の割合:56%

従来のシステムでは 対応不能に

廃棄物管理の予算・体制・運搬及び処理施設・ 行政及び市民の意識改革などあらゆる面で対応が必要

急激な都市化や人口集中、ライフスタイルの

変化等による 廃棄物発生量の急増・

多様化

*World Bank(2012) “WHAT A WASTE”, p.8-9

アフリカ、南アジアなど、開発途上地域では今後も廃棄物量が増大傾向

*UNEP(2012) “Global Waste Outlook Management Outlook”, p.64

*World Bank(2018) “WHAT A WASTE”, p.17

世界全体の廃棄物発生量は2050年までに現状から170%増

JICA広報誌「Mundi」2018年5月号特集「ごみに挑む」 https://www.jica.go.jp/publication/mundi/past_feature/1805.html

JICA広報誌「Mundi」2018年5月号特集「ごみに挑む」 https://www.jica.go.jp/publication/mundi/past_feature/1805.html

ベトナム・ハノイのリサイクル村

途上国に特徴づけられる廃棄物管理の課題

廃棄物の区分

一般的な区分は、都市廃棄物(一般廃棄物)・産業廃棄物・有害廃棄物だが、

合わせて処理される場合もある。また、都市ごとに区分・定義・扱いが様々。

廃棄物資源循環システムの持続性確保

・持続的な仕組みが未構築。 ・インフォーマルセクターの活動が中心でありシステム化が困難(弱者へのしわ寄せ) →適切なインセンティブの付与、回収・再利用システムの再構築 有害廃棄物管理(特に医療廃棄物)に対する規制

法はあっても執行能力が不十分な場合がある →不法投棄対策も含めた法(規制)による強制力と執行力の確保 広域管理に対する対応

→小規模市町村における、行政事務の効率化、廃棄物の減量化、リサイクル、処分の高度化、適切な技術水準の処理施設確保等

環境社会配慮

• 生計手段としての廃棄物(ウェイストピッカー) →生計手段の確保 • 迷惑施設としての最終処分場・中間処理施設 →透明性確保・慎重な対象地選定(先進国共通) 市民の参画

廃棄物管理が安定的な行政サービスであり、高コスト事業であることへの市民理解の欠如 →啓発活動を通じた市民の協力と理解による効率的な廃棄物収集・料金徴収等 廃棄物管理政策の財政面

廃棄物管理への政策優先度が相対的に低い傾向にあり、財政基盤がぜい弱 →維持管理(O/M)費用の確保 現地民間セクターの参加

利益重視になりがちな民間委託 →十分な事前検討・行政側の能力強化(適切な事業設計、官民の役割分担、公正な競争による業者選定、業者マネジメント等)

ウェイストピッカー/ネパール

ハノイ婦人会による巡回指導

(1)総合的廃棄物管理の「7つの側面と5つの過程」

廃棄物管理の実施体制構築を目指した協力

① 法制度の整備 ② 組織の改善 ③ 財政の改善 ④ 民間セクターとの適切な連携の促進 ⑤ 排出事業者の取組み促進 ⑥ 市民の参画促進 ⑦ 文化・社会への配慮

廃棄物管理の全体のプロセスを考慮した改善策の支援

各レベル・アクターが有するキャパシティの評価を行いつつ、協力の主対象である行政への支援を通じ、社会全体として廃棄物管理体制の確立を図るため、

7つの側面から協力内容を選択・検討。

「廃棄物管理のプロセス全体の中で、

以下の5つの過程のどの過程で問題

が発生しているか」に着目し、各段階における技術的課題の問題の要因を整理した上で、協力を実施する。

①生産・消費の適正化 ②発生・排出の適正化 ③収集・運搬の改善 ④中間処理・再利用・再生利用の促進 ⑤最終処分の改善

(2)国の発展段階に応じた支援:3つの段階

第一段階

•廃棄物管理の取組みの初期段階、廃棄物の適切な収集が不十分

•放置された廃棄物による公衆衛生の悪化

第二段階

•最終処分場から発生する浸出水や嫌気性ガスによる環境への影響を低減する必要がある。

•産業化の進展により、有価物のリサイクルや有害廃棄物の規制への必要性が高まる。

第三段階

•「循環を量の側面から廃棄物の減量化に重きをおいて、3R政策を推進する」段階から、「循環を質の面からも捉え、安心・安全を確保した上で、廃棄物を資源・エネルギー源として有効活用する」段階へ移行

途上国

図:JICA広報誌「Mundi」 2018年5月号特集「ごみに挑む」

高い親和性

JICAの取組①: JICAのビジョン・ミッションとSDGs ビジョン:信頼で世界をつなぐ ミッション: JICAは、開発協力大綱の下、人間の安全保障と質の高い成長を実現します。

SDGsの理念:

「誰一人取り残さない」包摂的な社会(子ども、高齢者、女性、障害者、難民・避難民等、多様な人々の開発への参加や裨益)

持続可能でレジリエント(強靭)な世界へ(前文)。農業、都市、インフラなどで強靭性を重視。

質の高い成長:「包摂的」、「持続可能」、「強靭性」を備える

人間の安全保障:

「人々を中心に据えた協力」

「社会的弱者への裨益」

日本企業など

技術

ノウハウ

アイデア

資金 連携

JICA (数字は2017年度実績)

ODA資金

ODA資金

2兆2千億 円

公的機関との つながり

援助対象の 開発途上国・

地域数

154 カ国・地域

国内外の拠点 ネットワーク

海外拠点数

96ヵ所

専門人材

専門家派遣

10,284人

研修生受入

17,613人

協力隊派遣

1,475人

SDGsへの貢献

JICAは民間セクターとのパートナーシップで途上国の課題解決=SDGs達成を目指す

民間とのパートナーシップ

途上国の開発上の課題※

の解決に向け、 WIN-WINの事業を展開

支援

JICA

日本企業 途上国

海外展開したい 自国が抱える

開発課題を解決したい

日本企業の海外事業展開の促進 地域経済の活性化の促進

中小企業・SDGsビジネス支援事業:途上国のニーズと企業の製品・技術のマッチングを支援

特許技術を用いたバイオマス装置

ごみ問題が深刻化するケニア都市部で「バイオマ

ス装置」を用いて、有機ごみから生成された炭化

物を燃料や肥料として再利用

民間とのパートナーシップ

【中小企業の海外展開支援:

明和工業㈱@石川県金沢市×ケニア】

処分場の実態。大気汚染や健康被害の原因。

提案企業の技術・製品

【民間技術普及促進事業:新日鉄住金エンジニア

リング株式会社×フィリピン・ダバオ市】

日本企業側に期待される成果

都市廃棄物の減量化(最終処分量の大幅な削減)、最終処分場の周辺への環境影響の抑制

温室効果ガスの排出削減(最終処分場からのCH4排出削減及び廃棄物発電に伴う化石燃料代替によるCO2削減)

都市圏及び社会経済活動の拡大に伴い、廃棄物発生量が増大。ダバオ市では日平均500から600トンの廃棄物埋め立てにより処分場容量が逼迫。

フィリピン国側に期待される成果

普及促進事業の内容

ストーカ炉式焼却炉を利用した廃棄物発電(Waste-to-Energy)技術の普及

北九州市によるごみ量・ごみ質調査の指導管理、廃棄物管理、行政への提言、本邦受け入れにおけるプログラム作成・実施 ストーカ式焼却炉

フィリピンでは焼却がこれまでは実質的に規制されていたため、廃棄物発電施設の設置実績なし。

日本の自治体と官民連携した廃棄物発電施設のフィリピン、東南アジアでのビジネス機会の拡大

現状

今後

開発 ニーズ

関西SDGsプラットフォーム

2017年12月16日設立。

SDGsへの取組みが、関西の民間企業、市民社会・NPO/NGO、大学・研究機関、自治体・政府機関、すべての人々にとって重要であることを広くアピール。

多様な参加者の自発的取り組み、新たな連携と協働を促進し、関西での持続的社会の構築に向けた活動、高い社会的価値を生み出す経済活動を加速。

【右上】プラットフォームのウェブサイト(JICA関西センター運営)http://kansai-sdgs-platform.jp/ 【右下】設立シンポジウムで基調講演を行う北岡理事長

4.JICAのSDGs取組事例⑪

~地域レベルでSDGsに取り組む日本初のプラットフォーム~

まとめ・メッセージ 1. SDGsとビジネスをからめ、国内外の課題解決に取り組む動きが

加速。「取り組むか取り組まないか」ではなく「どう取り組む

か」という議論に。

2. SDGsは多様なパートナーをつなぐ共通言語。JICAも地域のパー

トナー間・途上国と日本の各地域をつなぎ、広げる役割を担って

いきます。

現在の事業や業務は、SDGsとどうつながっているでしょうか?

環境問題は世界中でつながる課題です(他人事ではありません!)

事業者として、市民として、何ができるでしょうか?

• 環境インフラ海外展開基本戦略 https://www.env.go.jp/press/104372.html

• 「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」 http://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html

• JICAウェブサイトのSDGsページ https://www.JICA.go.jp/aboutoda/SDGs/index.html

• マルチメディア映像教材「SDGs達成に向けたJICAの取り組み」 http://JICA-net-library.JICA.go.jp/ja2/topics/topics_180402.html

• 関西SDGsプラットフォームサイト http://kansai-sdgs-platform.jp/

• JAPAN SDGs Action Platform(外務省) https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html

参考資料