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アプリケーションノート SeqStudio ジェネティックアナライザ SeqStudio ジェネティックアナライザを 用いた MLPA アッセイ 概要 新しい Applied Biosystems SeqStudio ジェネティックア ナライザは、 MRC-Holland 社によって開発されたMultiplex Ligation–dependent Probe Amplification MLPA )アッセイ から高品質のデータを取得することができます。 • SeqStudio ジェネティックアナライザは、迅速に効率よく結果 を提供します。 1回のランでMLPA 4反応分のサンプルに対応 し、 45分で完了します。 • Cloud機能を利用することにより、キャピラリ電気泳動装置か MLPA データファイルを個人または共有スペースアカウン トに自動転送することができます。 Thermo Fisher Cloud 用いて、インターネットに接続されていればどこからでもデー タファイルにアクセスし、すぐにデータをレビューが可能です。 • SeqStudio ジェネティックアナライザは、高いダイナミック レンジを示し、 MLPA プローブアンプリコンの高いサイジン グ精度とピーク高の安定性を実現します。 フラグメント解析データファイル(.fsa )はCoffalyser.Net MLPA データ解析ソフトウェアに容易にインポートでき解析す ることができます。 はじめに Multiplex Ligation–dependent Probe Amplification MLPAは、ヒト遺伝子疾患の研究において、 DNA配列のコピー数変異 を検出する分子生物学的手法として広く使用されています [1]この手法は、対象の遺伝子座にハイブリダイズする最多50ルチプレックスペアのプローブオリゴヌクレオチドのライゲー ションとPCR増幅にもとづきます。 各オリゴヌクレオチドペアは、それぞれ特定の増幅産物長となる ように設計されており、また、末端にはタグシーケンスが配置さ れているため、ライゲーションされたすべてのプローブは、単一プ ライマーペアで増幅することができます。 Applied Biosystems 6-FAM で蛍光標識されたフォワードプライマーを含むPCR物は自動キャピラリ電気泳動(CE)システムでサイズ分別され、 検出・定量することができます(図1 )。 1 MLPAの概略図 LPO Probe A (170 nt) Probe B (299 nt) Probe C (216 nt) プローブ 1. 変性とハイブリダイゼーション:左と右のプローブオリゴ(LPO RPO)がターゲット DNA に結合 2. ライゲーション: ハイブリダイズされたプローブオリゴはライゲース酵素により連結化 3. 増幅: 連結化プローブを蛍光PCRプライマーで増幅 ハイブリダイゼーション配列 ハイブリダイゼーション配列 サンプル DNA プローブターゲット 結合部位 リバース PCR プライマー 結合部位 フォワード PCRプライマー スタッファー配列 RPO リバース PCR プライマー フォワード PCR プライマー (蛍光標識)

SeqStudio ジェネティックアナライザを...Manager から、あるいはサーバーやUSB接続により別のコン ピューターから行うことが可能です。SeqStudio

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Page 1: SeqStudio ジェネティックアナライザを...Manager から、あるいはサーバーやUSB接続により別のコン ピューターから行うことが可能です。SeqStudio

アプリケーションノート SeqStudio ジェネティックアナライザ

SeqStudio ジェネティックアナライザを 用いたMLPA アッセイ概要• 新しい Applied Biosystems™ SeqStudio™ ジェネティックアナライザは、MRC-Holland 社によって開発されたMultiplex

Ligation–dependent Probe Amplification(MLPA™)アッセイから高品質のデータを取得することができます。

• SeqStudio ジェネティックアナライザは、迅速に効率よく結果を提供します。1回のランでMLPA 4反応分のサンプルに対応し、45分で完了します。

• Cloud機能を利用することにより、キャピラリ電気泳動装置から MLPA データファイルを個人または共有スペースアカウントに自動転送することができます。Thermo Fisher Cloud を用いて、インターネットに接続されていればどこからでもデータファイルにアクセスし、すぐにデータをレビューが可能です。

• SeqStudio ジェネティックアナライザは、高いダイナミックレンジを示し、MLPA プローブアンプリコンの高いサイジング精度とピーク高の安定性を実現します。

• フラグメント解析データファイル(.fsa)はCof falyser.Net

MLPA データ解析ソフトウェアに容易にインポートでき解析することができます。

はじめにMultiplex Ligation–dependent Probe Amplification(MLPA)は、ヒト遺伝子疾患の研究において、DNA配列のコピー数変異を検出する分子生物学的手法として広く使用されています [1]。

この手法は、対象の遺伝子座にハイブリダイズする最多50マルチプレックスペアのプローブオリゴヌクレオチドのライゲーションとPCR増幅にもとづきます。

各オリゴヌクレオチドペアは、それぞれ特定の増幅産物長となるように設計されており、また、末端にはタグシーケンスが配置されているため、ライゲーションされたすべてのプローブは、単一プライマーペアで増幅することができます。Applied Biosystems™

6-FAM™ で蛍光標識されたフォワードプライマーを含むPCR産物は自動キャピラリ電気泳動(CE)システムでサイズ分別され、検出・定量することができます(図1)。

図1:MLPAの概略図

LPO

Probe A (170 nt) Probe B (299 nt) Probe C (216 nt)

プローブ

1. 変性とハイブリダイゼーション:左と右のプローブオリゴ(LPO と RPO)がターゲット DNA に結合

2. ライゲーション:ハイブリダイズされたプローブオリゴはライゲース酵素により連結化

3. 増幅:連結化プローブを蛍光PCRプライマーで増幅

ハイブリダイゼーション配列 ハイブリダイゼーション配列

サンプル DNA プローブターゲット

結合部位 リバース PCR プライマー 結合部位

フォワード PCRプライマー スタッファー配列

RPO

リバース PCR プライマー

フォワード PCR プライマー(蛍光標識)

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この方法は、ひとつ以上のエクソンの欠失や重複が原因であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)や BRCA1/ BRCA2 遺伝子の解析など、数多くのアプリケーションに効果的に使用されてきました。また、MLPAの変法は、さまざまなゲノム配列の定量メチル化解析にも応用されています。

MRC-Holland社は、市販のヒト遺伝子疾患やがん研究向けのMLPA アッセイを数多く開発してきました。アッセイの種類、MLPA プロトコル、推奨されるMLPA データ解析ソフトウェア Coffalyser.Net に関する詳細は www.mlpa.com に掲載されています。本アプリケーションノートでは、新たに開発された SeqStudio がMLPA アッセイを実施する上で適切なジェネティックアナライザであることを実証しました。

SeqStudio ジェネティックアナライザ新製品の SeqStudio ジェネティックアナライザは、キャピラリ電気泳動テクノロジーにもとづいた30年にも及ぶ Applied

Biosystems™ ジェネティックアナライザの歴史の上に成り立っています。ジェネティックアナライザは、ゲノムサイズの小さいさまざまな微生物ゲノムや、ゲノムサイズの大きい植物、哺乳類、ヒトゲノム

図2:SeqStudio ジェネティックアナライザ と カートリッジ

図3:MLPA ワークフロー(DNAからデータまで)の概要

などのマッピングとシーケンシングを可能とし、科学に飛躍的な進歩をもたらしました。当社のジェネティックアナライザの大きな特長は、蛍光によるサンガーシーケンシングと、マルチカラー蛍光標識と高精度サイジングによる DNA フラグメント検出の2つのモードを備えていることです。SeqStudio ジェネティックアナライザは、スペースに余裕がないラボでも容易に設置できるコンパクトなデザインで、8連チューブおよびスタンダード96ウェルPCRプレートの両方に対応します。また、この機器の使いやすさの要となるのが、4本キャピラリ、ユニバーサルポリマー、陽極バッファー、送液系を一体化したオールインワンカートリッジを使用していることです(図2)。一体型カートリッジにより、よりフレキシブルにデータを取得することができます。ランのセットアップは、グラフィカルユーザーインターフェースを介した機器搭載のコンピューターから、または、Thermo Fisher Cloud(www.thermofisher.

com/cloud)から操作するスタンドアローンのソフトウェアPlate

Managerから、あるいはサーバーやUSB接続により別のコンピューターから行うことが可能です。SeqStudio ジェネティックアナライザとThermo Fisher Cloud との優れた接続性により、データ共有、リアルタイムでのランのモニタリング、データ解析がいつでもどこでも行えます。

• サンプルのゲノム DNA 調製

• ガイダンスおよび詳細のプロトコルは www.mlpa.

com を参照

• 適切なMLPAアッセイと試薬キットを選択しMRC-

Hollandまたは正規販売代理店から購入

• 詳細な製品情報およびプロトコルは www.mlpa.com

を参照

• ローカス特異的な MLPA

プローブをサンプルDNAに一晩かけてハイブリダイズ

• ライゲーションとPCR反応(~2 時間)

• MLPA PCR 増幅産物の希釈液を準備しHi-Di Formamide

とsize-standardを添加・混合

• SeqStudioジェネティックアナライザでキャピラリ電気泳動: フラグメント解析ラン(4サンプルで45分)

• 自動的にサイジングされた.fsa データファイルが作成され、すぐにフラグメント解析を実施可能

• Coffalyser.Netソフトウェアを使用し(www.mlpa.com

より無料でダウンロード可)MLPAデータを解析

• プロジェクトの設定とプローブワークシートのインポート(www.mlpa.com);

SeqStudioからサンプルファイル(.fsa)を追加

• フラグメント解析とクオリティレビュー

• テストサンプルをリファレンスサンプルと比較

DNA MLPA CE Data

図2:SeqStudio ジェネティックアナライザ と カートリッジ

陰極電極ブロック レーザー検出ウィンドウ

POP-1 ポリマー ポリマーデリバリーシステム(PDS)アセンブリ

4本キャピラリアレイ

陽極バッファー

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陰極電極ブロック

材料と方法

1. MLPA 反応の準備

MLPA反応産物は、製造元の MLPA スタンダードプロトコルにもとづき(www.mlpa.com)、市販のSALSA™ MLPA™ プローブミックスと既知のDNA サンプルから準備しました。

2. キャピラリ電気泳動に使用するサンプルプレートの準備

ラン(インジェクション)を行う4サンプル用に、50 µLの

Applied Biosystems™ Hi-Di™ Formamideと 0.5 µL のMRC550 size standard(MRC-Holland)を混合しました。このプールから、12 µLを、96ウェル Applied Biosystems™

MicroAmp™ プレートの4つのウェルに分注し(縦列、サブセット A–D または E–H 方向)、1.5 µL の10倍希釈MLPA

サンプルを各ウェルに加えました。希釈されていないサンプルはオフスケールピークを引き起こすため、オリジナルの

MLPA PCR 産物は、TE バッファーまたは分子生物学研究グレードの純水での希釈が必要です。プレートを短時間遠心させて気泡を除去し、キャピラリ電気泳動を行うためにSeqStudio ジェネティックアナライザのサンプルホルダーにセットします。

3. ランを行うためのSeqStudioのセットアップ

CE サンプルシートとラン条件の設定を、機器上のGUI あるいはPCからPlate Manager ソフトウェアを用いて行い、サンプルシートをThermo Fisher Cloudまたは USB ドライブ経由で機器へ転送しました。FragAnalysis ランモジュールを使用し、カスタム size standard MRC550 はApplied

Biosystems™ ROX™ dye標識、MLPAサンプルは 6-FAM

dye標識のため、Dyeセット DS-30(D)を選択しました。MLPA サンプルはまた、Applied Biosystems™ GeneScan™

500 ROX Size Standard:Dye セット「D」、またはLIZ™

標識した GeneScan™ 500 LIZ™、または 600 LIZ™ Size

Standard:Dye セット「G5」を用いて電気泳動を行うことも可能です。他メーカーの適切な蛍光標識とサイズスタンダードも選択肢となりますが、MLPAピークのサイズ値が解析テンプレートのビンセッティングとマッチしていることが条件となります(下記参照)。

4. Coffalyser.Net ソフトウェアを用いたMLPA データ解析ラン完了後、SeqStudio ジェネティックアナライザはフラグメントのサイジングを行い、フラグメント解析データファイル(.fsa)を作成します。このファイルは、クラウドまたはネットワークサーバーへエクスポート、あるいはローカルに保存しUSB ポート経由でマニュアルエクスポートが可能です。データファイルは、Coffalyser.Net ソフトウェア(www.mlpa.comで無料ダウンロード可)で作成されたMLPAデータ解析プロジェクトにインポートされます。

注:本ソフトウェアの機器設定では、「3500」を代わりに選択しました。今後のバージョンの Cof falyser.Net にはSeqStudio ジェネティックアナライザ用のセッティングが追加されます。

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結果

MLPAを用いた欠失の検出SeqStudio ジェネティックアナライザを用いたMLPA 解析が実施可能か実証するため、ヒトヘモグロビンアルファ(HBA)遺伝子内の特徴的な欠失をターゲットとするMLPA アッセイを使用しました。HBA 遺伝子内の東南アジア ダブルアルファグロビン遺伝子欠失(– –SEA)は、完全なHBA1 および HBA2 遺伝子を含む19.3 kb のアルファグロビン遺伝子クラスター欠失から成り、主に東南アジアで見られます [2]. ヘテロ欠失保因者のDNA

研究サンプル(「サンプル」)と、3つの正常な二倍体研究サンプル(そのうち一つを「リファレンス」として表示)を、SALSA™

MLPA™ probemix P140 HBAを用いて、MLPA解析しました。

図4:特徴的な欠失をMLPAで検出・解析(A)リファレンスサンプル(上)とSEA 保因者(下)のMLPA アッセイピークプロファイル。HBA ローカスを検出するプローブのピーク高が後者で減少していることがわかります。X軸はMLPA プローブアンプリコンのヌクレオチド(nt)における相対的サイズを示し、Y軸はターゲットのピークの高さをrelative fluorescence units(RFU)の値で示しています。(B)Coffalyser.Net MLPA解析ソフトウェアで生成された比率チャート(SEA 保因者)。比率が1の場合は正常なコピー数を表し、プローブ比率が0.5の場合はヘテロ欠失を表しています。

図4Aは、リファレンスおよびテストサンプルの電気泳動図で、注釈付き MLPA ピークを示しています。欠失領域のプローブシグナルが、リファレンスサンプルと比較して、ピークの高さが約半分に減少していることがわかります。図4Bは、比率チャートを用いた同じプローブミックスの定量解析を示しています。各々の点は、テストサンプルとリファレンスサンプル間のプローブ比率を表します。21データポイント連続で0.7の比率を下回っていることがわかり(赤で表示)、テストサンプルにおける大きな欠失を示しています。

Reference

Sample (SEA carrier)

A B

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MLPAを用いた重複の検出ヒトゲノムにおける重複の検出を実証するために、DMD 遺伝子内にエクソン 2–30に重複をもつことがわかっている被験者からDNAサンプルを解析し、正常なリファレンスDNA サンプルと比較しました。この実験では、SALSA™ MLPA™ probemix P034 DMD-1 を使用しました。図5Aは、注釈付きMLPA ピークパターンを示し、図5Bはそれに対応する比率チャートで、DMD 遺伝子の重複領域をターゲットとするプローブの比率を示しています。重複領域では青で示した閾値ラインより上に見られ、プローブ比率で1から1.5への増加で示されました。これはコピー数において2から3への増加を示しています。

図5:DMD 遺伝子内の重複領域の検出(A)重複を有する被験者(下)とリファレンスサンプル(上)のMLPA probemix P034 DMD のピークプロファイル(B)比率チャート:重複を有する被験者が~1.5のプローブ比率を示し、 コピー数の増加を示しました。

Reference

Sample (duplication)

A

B

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BRCA1 遺伝子における欠失の検出BRCA1 およびBRCA2 遺伝子の突然変異は、遺伝性乳がんおよび卵巣がんで頻繁に見られます。遺伝子のコーディング領域に欠失が存在すると、しばしばタンパク質の機能障害につながります。SALSA™ MLPA™ probemix P002 BRCA1 は、ヒト BRCA1 遺伝子内の欠失および、または重複のスクリーニングとして臨床研究者の方々に広く使用されています(図6)。

図6:MLPAによって検出されたBRCA1遺伝子内の欠失(A)MLPA probemix P002 BRCA1のピークプロファイル: エクソン15 および 16にヘテロ接合性BRCA1 欠失を有するCoriell DNA サンプル(下)とリファレンスサンプル(上)。 (B)Coriellサンプルの比率チャート:0.5のプローブ比率を示す領域はヘテロ接合性欠失を示します。

Reference

Sample (deletion)

A

B

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3130xl とSeqStudio ジェネティックアナライザのMLPA プロファイルの比較MLPA アッセイは、幅広く使用されている Applied Biosystems™ 3130xl ジェネティックアナライザを含め、さまざまなキャピラリ電気泳動装置で解析することができます。3130xl とSeqStudio ジェネティックアナライザの電気泳動パターンを比較するため、この2つのジェネティックアナライザを並べて、前述のサンプルから調製したMLPA 産物を解析しました。図7

の結果は、上のグラフが3130xl ジェネティックアナライザを、下のグラフがSeqStudioで生成されたピークプロファイルを示しています。

3130xl とSeqStudio ジェネティックアナライザ間には、キャピラリ長、ポリマー、ランの電圧、ラン時間の違いがあるため、多少サイズ値に影響を与える可能性があります。しかしながら、リファレンスサンプルを各々同一の条件下でランしているため、この外見上およびサイズ値の差は、MLPA アッセイのデータには影響を与えません。

図7:Coffalyser.Netソフトウェアによって視覚化された(A)3130xl ジェネティックアナライザと(B)SeqStudio ジェネティックアナライザのMLPA ピークパターンの比較

A

B

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結論Applied Biosystems™ のキャピラリ電気泳動装置製品群に新たに加わったSeqStudio ジェネティックアナライザは、サンガーシーケンシングとフラグメント解析の両方行うことができます。

今回の実験で、MLPA反応産物から信頼性の高いデータを生成するプラットフォームとして、SeqStudioジェネティックアナライザが適していることを実証しました。本装置によって生成されたフラグメント解析の一次解析データファイル(.fsa)は、MLPA 専用Coffalyser.Net ソフトウェアに容易にインポートでき、データ解析を行うことができます。遺伝性疾患研究において現在MLPA や他のフラグメント解析およびシーケンシングを行っている、あるいはこれから行う予定のあるラボにとって、SeqStudioジェネティックアナライザは、手頃で使いやすく、メンテナンスにも手がかからない、必要不可欠なプラットフォームです。

References1. Schouten JP et al. (2002) Relative quantification of 40 nucleic acid sequences by multiples ligation-dependent

amplification. Nucleic Acids Res 30(12):e57.

2. Nicholis RD et al. (1987) Recombination at the human alpha-globin gene cluster: sequence features and topological constraints. Cell 49(3):369–378.

Ordering information

製品名 サイズ 製品番号

GeneScan 500 ROX dye Size Standard 800 reactions 401734

GeneScan 500 LIZ dye Size Standard 800 reactions 4322682

GeneScan 600 LIZ dye Size Standard 800 reactions 4366589

Hi-Di Formamide 25 mL 4311320

SeqStudio Genetic Analyzer(Lap top PC付) 1 式 SEQ-L(1年保証)

SeqStudio Cartridge 500 サンプル A33671

MLPA 製品とCoffalyser.Net ソフトウェアにつきましては、www.mlpa.comをご参照ください。

サーモフィッシャーサイエンティフィックライフテクノロジーズジャパン株式会社

研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続上での使用はできません。 記載の社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures. © 2017 Thermo Fisher Scientific Inc. All rights reserved. All trademarks are the property of Thermo Fisher Scientific and its subsidiaries unless otherwise specified. SALSA and MLPA are trademarks of MRC-Holland. 価格、製品の仕様、外観、記載内容は予告なしに変更する場合がありますので予めご了承ください。標準販売条件はこちらをご覧ください。 www.thermofisher.com/jp-tc

販売店

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