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SHARPENING Bookシャープニングブック
ナイフの切れ味は紙を切ることで確かめることができます。切れ味が鈍ったナイフでは、紙をスムーズに切ることができません。また、トマトやタマネギを切ろうとして刃がすべるようであれば、切れ味が鈍ってきた証拠で、そのまま使用し続けることは事故に繋がることがありますので、ご注意ください。
どれほど高品質なナイフであっても、使い方を誤ればブレードは劣化してしまうものです。
凍った食材、固いカッティングボード等、固いものに切り込むと、刃先が欠けたり、早く摩耗してしまいます。また、レモンなどの食品に含まれる酸や自動食器洗い乾燥機の高温や洗剤の成分が原因で、腐食や錆が発生する恐れがあります。
刃先の損傷は、下記によって回避されます。
● 目的によってナイフを使い分ける
● まっすぐに切る
● 使用後はすぐに洗い、水気をとる
プロの料理人にとって、ナイフはなによりも重要なツールであり、その料理人の性格を表すものです。
どんなに高品質なナイフであっても使い続ければ切れ味が鈍り、必ず研ぎ直しが必要になります。プロの料理人はもちろん、一般家庭でも毎日のように使うナイフを自ら研げるようになり、より愛着をもっていただくことが理想であると、私達 ZWILLING J.A. HENCKELS は考えます。
研ぎ方、ケア方法を身につけ、ご愛用の 1 本を末永く、大切にご使用ください。
ZWILLING J.A. HENCKELS から皆さまへ
あなたは自分のナイフの 切れ味に満足していますか?
To Customer Is your knife sharp?
ユーザーの使い心地、機能と品質を追求し生まれる
美しいデザイン、そして高品質の材料と 1731 年の創業当時から
培われてきた技術、これらを合わせて作られている
ZWILLING J.A. HENCKELS の製品には、
『最高のものを持つ歓び』というカンパニースローガンが
込められています。
使う方の用途に合わせた豊富なラインナップを揃え、「鋭い切れ味」
「切れ味の持続性」「耐食性」に優れたナイフを開発するために、
ツヴィリングのナイフは 6 つの要素にこだわって作られています。
1. 鋼材
ナイフに必要な性能を決定づけます。
2. 熱処理
鋼材に最適な熱処理をすることで、潜在的な性能を最大限引き出します。
3. ブレード構造と形状
シリーズごとにふ最適な構造を採用し、ラインナップを豊富に揃えています。
4. カッティングエッジ(刃先)
ツヴィリング独自の刃付けにより、鋭い切れ味を追求しています。
5. ハンドルとバランス
握りやすさ、重さ、ブレードとのバランスを考慮することで、長時間の作業もスムーズに行えます。
6. 仕上げ
ブレードからハンドルまで手作業で研磨することで、最上級の仕上がりを追求しています。
一つ一つの製品に熟達した職人の技術と、時代の先端を行く
技術を駆使し「一生もののナイフ」を作り続けます。
ドイツのテクノロジーと日本のクラフトマンシップの融合
ZWILLING Knives ZWILLING Knives
ナイフの各パーツ名称 ツヴィリングのナイフとは?
ブレード(刀身)
切っ先
峰(ミネ)
三徳包丁▶30887 ー 186
ハンドル
アゴ
刃先
ボルスター
リベット
柄尻
TWIN®Cermax MD67
ナイフを研ぐということは、砥石や研ぎ棒のようなツールで研削・研磨し、
ナイフの刃を鋭くするプロセスのことです。新品のナイフはすばらしい
切れ味ですが、使い続けることにより刃先が欠けたり、摩耗して
切れ味が落ちてきます。切れないナイフで切った食材の断面は組織が
潰れてしまい、食感が悪いだけでなく、料理したときに
味がしみ込みにくくなり、味にばらつきが出てしまいます。
切れ味の良いナイフを準備することは良い食材を準備することと
同じくらい、その料理の味をも左右します。
目的・種類・状態に応じて研ぎを変える必要があります。
例えば外科用メスは非常に鋭利ですが、その反面もろくもなっていて
衛生上の観点からも研ぎ直しはせずに、一般的には処分してしまいます。
床屋でシェービングに使用されるカミソリは、非常に鋭利である
必要があるため、一般的に革砥で毎日メンテナンスを行います。
同様にナイフにも、それぞれの種類に応じた
メンテナンスの方法があります。
ナイフを研ぐ際には、刃先の
「修復」と「維持」という目的に応じて、砥石、シャープニングスチール、
シャープナーなどの研ぎ器を使い分けます。ご自身の大切なナイフを
末永く使っていくためには、目的・種類・状態に合わせた研ぎ方を
身につけていくことが大切です。
【刃先の修復】
シャープニング(研削、研磨):刃先を鋭角に形成するために金属を除去します。(下図①参照)いくつかのタイプの砥石をステップごとに使い分けます。
荒研ぎ(荒い目の砥石を使用)
中研ぎ(細かい目の砥石を使用)
仕上げ(非常に細かい目の砥石を使用)
【刃先の維持】
ストロッピング:メンテナンスやシャープニングの仕上げ工程で刃先を整える道具です。ストロッピングとは本来、革砥のことを指しますが、代用品として新聞紙やフェルトなどのやわらかく厚い布を使用することができます。刃先を整えることで、より滑らかで鋭い刃先をもたらします。
スチーリング:西洋のシャープニング文化で、刃先の角度を修正し、
一時的に切れ味を回復させるのに役立ちます。
About Sharpening About Sharpening
“なぜ”ナイフを研ぐことが 重要なのか?
ナイフを研ぐということ
濃い部分を削る 粗い部分を磨くナイフ切先断面拡大図
新品のナイフ刃を磨く
切れなくなったナイフ 刃を削る
研いだナイフPoint 1 Point 2
ナイフ切先断面拡大図
メンテナンス前のナイフ 革砥で擦る
刃先を整えたナイフ
Point
②【刃先の維持】①【刃先の修復】
■ 刃先は摩耗し、欠けて
いる場合もあり、
切れ味は劣化しています。
家庭で通常に数ヶ月間使用した刃先
正しいメンテナンスのためにも、適切な砥石選びが不可欠です。
砥石には、天然砥石と合成(人造)砥石があり、マイルドな研ぎ味の
天然砥石には今でも多くのファンがいます。しかしながら現在では、
ステンレス鋼材に適した合成(人造)砥石が
多く販売されています。
日本の砥石(人工と天然)は非常にキメが細かく、使用前に砥石を
水に浸したり、研いでいる最中にも時折水をかけ、ナイフの
ブレードに新しい砥粒を析出させます。その砥粒と水、
ナイフの材料の混合液は研削液になって刃先の研磨を円滑にします。
刃の種類と研ぎ方
両刃:両刃包丁の場合は両面とも同じ角度を保ちながら、同じ回数研ぎます。
片刃:片刃包丁はオモテ側から研ぎます。
1. 角度のついた平らな面を砥石にしっかりと合わせて研ぎます。
2. ウラ側は「裏すき」と呼ばれるくぼみがあり、砥石にナイフ全体を平らに合わせることで刃先とミネだけが接触するように作られているので、刃先に研ぎ跡が 1 ㎜程度残るくらい軽く研ぎます。
種類としては、目的別に荒砥、中砥、仕上砥と大きく3つに
分けられます。これらは砥石の中に含まれる「砥粒」の大きさが
基準となる「粒度」により区分けされています。できるだけ
3 種類の砥石を使い分け、短時間で研ぎ上げることが重要です。
時間をかけるほど角度の狂いが生じやすく、鋭利に
研ぎにくくなってしまいます。砥石は美味しい料理を作る上で、
ナイフを良く切れる状態に維持するための最も大切なパートナーです。
ツインストンプロ粒度 250 / 1000磨耗した刃先を修正することができます。
ツインフィニッシングプロ粒度 3000 / 8000さらなる切れ味と輝きのある刃先に仕上げるのに最適です。
■ 荒砥で研削することで、刃の角度を鋭角に修正します。
■ 中砥で研削することで、刃先を整え持続性のある切れ味を出します。
■ 仕上砥で研磨することで、刃先の目を細かくし、繊細な切れ味を出します。
■ 光沢仕上砥で研磨することで刃先の目をさらに細かくし、鏡のような輝きとさらなる切れ味を出します。
ツインストンプロ▲荒砥(粒度 250)で研いだ刃先
ツインストンプロ▲中砥(粒度 1000)で研いだ刃先
ツインフィニッシングプロ▲仕上砥(粒度 3000)で研いだ刃先
ツインフィニッシングプロ▲光沢仕上砥(粒度 8000)で研いだ刃先
32505 ー 100 ▲ 32505 ー 300 ▲
About Sharpening Stone About Sharpening Stone
砥石
10°~20°
粒度をチェック
粒度をチェック
粒度をチェック
粒度をチェック
4準備■ 砥石を濡れていない平らな場所に置
き、少量の水を砥石の表面にかけます。(ツインストンプロはあらかじめ水に浸けておく必要はありません。水をかけてすぐにご使用いただけます。)
ウラ面を研ぐ
■ オモテ面と同様にナイフのミネを起こし、一定の角度を保ちながら研ぎます。
■ 刃に親指で触れてオモテ面、ウラ面どちらか全体に均一な「カエリ(ザラつき/刃先に出る金属の薄いまくれ)」が出たのを確認します。
ナイフと砥石の構え方
■ ナイフを砥石に対して 45°の角度におき、刃先を手前に向け研ぎ始めます。砥石の面とナイフのミネとの角度は 10°〜 20°(お好みの仕上がりに合わせ角度を設定します。)
仕上:「カエリ」を取る
■ 両面が研げたら、「カエリ」を取ります。数回軽く手前(刃のカーブに沿って)に砥石を撫でるイメージで動かします。
オモテ面を研ぐ
■ 刃を 3 本の指(人差し指・中指・薬指)でしっかり押さえ(研ぐ刃の少し上部分)、ナイフの角度を一定に保ちながら前後にリズミカルに動かして研ぎます。砥石全体を使うように大きく動かしながら、アゴから切っ先までを刃の長さに応じて分割し全体が均一になるように研ぎます。
試し切り
■ 研ぎが終わりましたら、研いでいる時に出た泥状の液体を洗い流し、乾いた手拭いなどで水気を取ります。
■ 研ぎ上がりを確認するために、新聞紙などを使い、切れ味を確認します。紙の側面に斜めに切り込んでスムーズに切れれば研げた証拠です。スムーズに切れなかった場合は、②〜⑤の手順で研ぎ直します。
■ 十分に乾燥させて収納します。
【ポイント】砥石の表面が濡れた状態を保つ必要があるので近くに水を準備します。
(砥石面が乾かないように少しずつ水を足してください。)
【ポイント】最後に革砥(新聞紙でも代用可)に刃をこすりつけ、細かいカエリを落とし刃先を整えることで滑らかな仕上がりになります。
【ポイント】研いでいる際に出る泥状の液体は最も効率よく滑らかに研ぐために必要ですので洗い流さないでください。
【ポイント】10 円玉 2 〜 3 枚分くらいミネを起こし、この角度を保ちます。
【ポイント】刃の「カエリ(ザラつき)」がしっかり研げているサイン。
※砥石で波刃のナイフを研ぐことはできません。
How to use Sharpening Stone How to use Sharpening Stone
1
3
2 5
6
カエリ
シャープニングスチールは、ヨーロッパで主流の研ぎの
スタイルです。刃先に脂がついて切れが悪くなった時や、
刃先の角度修正をするときに使用します。
しかし、一時的に切れ味を戻すことはできますが、
持続的な切れ味は求められません。
刃先のみの修正ツールのため、シャープニングスチールを
使用していても切れ味が戻らなくなった場合は砥石で
研ぐことをおすすめします。
【選び方】
シャープニングスチールは様々な素材から選ぶ事が出来ます。使用しているナイフよりも硬度が高く、サイズは約 5 ㎝長いものを選びます。
【研ぎ方】
シャープニングスチールに対して、お好みの仕上がりに合わせて角度を設定します。仕上がり目安の角度 10°〜 20°を保って研ぎます。常に角度を一定にして研ぐことがポイントです。
終了後には、ナイフとシャープニングスチールを洗い、金属粉末を除去します。
構え方
■ 左手でシャープニングスチールの先端が斜め 45°になるように構えます。右手はナイフをクロスするように斜め 45°に持ちます。
■ シャープニングスチールの側面部分とナイフの刃先を適切な角度(10°〜20°)に合わせます。
オモテ面を研ぐ
■ シャープニングスチールを軸に、ナイフをアゴから切っ先に向かって全体を弧を描くように研ぎます。その際シャープニングスチールとナイフの角度を一定に保ちます。
ウラ面へ持ち替える
■ 刃先をシャープニングスチールのウラ面に当てます。シャープニングスチールの側面部分とナイフ刃先部分を適切な角度(10°〜 20°)に合わせます。
ウラ面を研ぐ
■ ②と同様にシャープニングスチールにナイフの刃先全体をこするように一定の角度で研ぎます。
■ 刃先が修正されるまで、ステップ②〜④を繰り返します。片面 5 〜 10 回ほど行います。シャープニングスチール▶
研ぎ部:23 ㎝32576 ー 231
※波刃以外のナイフを研ぐ際の方法になります。
About Sharpening Steel How to use Sharpening Steel
シャープニングスチール
1
2
4
3
1
2
革砥はナイフのメンテナンス、または研ぎの最終工程として
使用されます。刃先を革砥にあてて擦ることで刃先を
非常に細かく整え、切れ味を向上させます。
シャープニングスチールに不慣れな方にはシャープナーでも安全に
簡易的にナイフをお手入れすることができます。しかしながら
シャープニングスチール同様、一時的に切れ味を戻すことはできますが
持続的な切れ味は求められません。また、シャープナーのみでの
メンテナンスを継続しますと、いずれ切れ味が戻らなくなります。
そのような状態になりましたら、ナイフ全体の角度を
鋭角に修復するためにも、砥石で研ぐことをおすすめします。
【注意】
力を入れすぎると刃こぼれの原因となります。新品の状態のナイフ製品や刃先部を鋭角に仕上げているナイフ製品は、刃先部が薄くなっておりますので、シャープナーを使用すると刃がこぼれる場合があります。
刃先に欠け・刃こぼれなどの損傷が生じている場合は、刃先の状態を悪化させてしまうことがあります。
※ステンレス製の両刃包丁のみ対応しています。
※波刃のナイフには対応しておりません。
【ポイント】擦るときは刃先を前後に往復させるのではなく前方向のみにします。
【ポイント】擦るときは刃先を前後に往復させるのではなく引きつけるだけの一方向にします。
オモテ面を研ぐ
■ 平坦で安定したテーブルなどの上に置きます。ナイフを革砥に対して45°の角度におき、刃先を手前に向け、刃先全体を擦るように前へ押します。
ウラ面を研ぐ
■ ナイフを裏返して革砥の奥側に 45°の角度に置きオモテ面と同様に刃先全体を擦るように手前へ引きつけます。
ツヴィリング ストロッピングレザー▶32501 ー 100
ツインシャープ(黒)▶32591 ー 100
ツインシャープセレクト▶32601 ー 000
当社製品の中で通常のナイフよりも硬度が高いツインセルマックス MD67、M66 シリーズ、ツインホウチョウ D60、ツヴィリングディプロム、ツヴィリングアークシリーズは対応していないため、砥石を使った研ぎ直しをおすすめいたします。
【ZWILLING シャープニングセンター】東京/ TEL:03-3847-5922 ・ 岐阜/ TEL:0575-22-1863詳しくは →https://www.zwilling.com/jp/ja/use-and-care/knife-sharpening.html※弊社では波刃のナイフの研ぎ直しは承っておりませんのでご了承ください。
【ZWILLING シャープニングクラス&イベント】ツヴィリングではシャープニングクラスやイベントを随時開催しております。詳しくは → ツヴィリング アプリのニュースにて情報を発信いたします。
About Stropping Leather Sharpener Attention
革砥
● ツヴィリング製品に関するお問い合わせは
※本文中のチャートは ZWILLING ナイフの特長を表したもので、製品の優劣を表したものではありません。※予告なく、製品の仕様や価格が変更されたり、廃番になる場合がございますので、ご購入時にご確認く
ださいますようお願い申し上げます。
1608
/999
90-9
91
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