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小野坂 健(京都大学大学院 理学研究科) SMILE39: SMILE-II+ ETCCの性能評価と予想検出感度 谷森達, 高田淳史, 水村好貴, 古村翔太郎, 岸本哲朗, 竹村泰斗, 吉川慶, 中増勇真, 中村優太, 谷口幹幸, 齋藤要, 水本哲矢, 園田真也, 窪秀利, 黒澤俊介(東北大NICHe, 山形大理), 身内賢太朗(神戸大理), 澤野達哉(金沢大数物) ETCC 全体像 SMILE-IIからの変更点 シンチレーター シンチによるスペクトル TPCガス検出器 ガス圧増大によるTPCの性能向上 アウトガス問題 ガス純化による安定性 イメージング コンプトンイベント 実際に得たイメージ シンチ2Hitイベント まとめ 目次

SMILE39: SMILE-II+ ETCCの性能評価と予想検出感 …...SMILE-IIからの変更点 ガスをAr 1 atm からAr 2 atmへ変更 シンチレータのゲインを半分に シンチレータをガス容器内に設置

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Page 1: SMILE39: SMILE-II+ ETCCの性能評価と予想検出感 …...SMILE-IIからの変更点 ガスをAr 1 atm からAr 2 atmへ変更 シンチレータのゲインを半分に シンチレータをガス容器内に設置

小野坂 健(京都大学大学院 理学研究科)SMILE39: SMILE-II+ ETCCの性能評価と予想検出感度

谷森達, 高田淳史, 水村好貴, 古村翔太郎, 岸本哲朗, 竹村泰斗, 吉川慶, 中増勇真, 中村優太, 谷口幹幸, 齋藤要, 水本哲矢, 園田真也, 窪秀利,

黒澤俊介(東北大NICHe, 山形大理), 身内賢太朗(神戸大理), 澤野達哉(金沢大数物)

ETCC 全体像 SMILE-IIからの変更点

シンチレーター シンチによるスペクトル

TPCガス検出器 ガス圧増大によるTPCの性能向上 アウトガス問題 ガス純化による安定性

イメージング コンプトンイベント 実際に得たイメージ シンチ2Hitイベント

まとめ

目次

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SMILE-IIからの変更点

ガスをAr 1 atm からAr 2 atmへ変更

シンチレータのゲインを半分に

シンチレータをガス容器内に設置・シンチを用いて反跳電子を取得可能 ・シンチ同士の隙間激減

・より高エネルギーの電子を取得可能 ・検出効率の上昇

・シンチのレンジを高エネルギー側に

SMILE-II ETCC

ガス容器 Ar 1 atm

GSO(1R.L.)

SMILE-II+ ETCC

ガス容器 Ar 2 atm

GSO(底面2R.L. )

今回は…

9月中に…底面シンチレータの厚さを1放射長から2放射長に

・より高エネルギーのガンマ線を取得可能

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シンチによるスペクトル

シンチレータのゲインを半分にしたことで観測するエネルギー帯を高エネルギー側に

シンチレータで検出したトリウム/タングステン棒のスペクトル

0 1000 2000 3000Energy[keV]

10

102

103

104

105

Count

2.6MeV

1.5MeV (40K)SMILE-IIでは数百keVから ~1MeV程度までを観測

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ガス圧増大によるTPCの性能向上

SMILE-II (Ar 1 atm)

SMILE-II+ (Ar 2 atm)

より高エネルギーの電子を取得

線源 137Cs

TPCで得たスペクトル

・飛跡がTPC内で  閉じているイベント・イベント数で規格化

・絶対値での比較は  現在計算中

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TPCガス飛跡検出 アウトガス問題

ドリフト速度[cm/μsec]

SMILE-IIにおけるドリフト速度の変化

6.3

6.4

6.5

6.6

~4Days

~ -0.05 cm/μsec/Day

SMILE-IIは長期間安定して動作

SMILE-II+ではシンチをガス容器内に 設置した為、より大量のアウトガスが 発生すると予想

フランスのHARPOのものを参考に 新たにガス純化システムを開発

ガス 容器ポンプ

吸着剤

ガスの流れ(M. Frotin et al. arXiv:1512.03248)

ガス純化システムの概略図

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ガス純化による安定性

3.2

ドリフト速度

[cm/μsec]

経過時間[日]0 7 14 21

3.64.04.44.8

~3日間

ガス純化 ~7時間

ドリフト速度の時間変化

1ヶ月間程度ガス交換なしで動作可能

経過時間[日]0 7 14 21

1.0

0.8

1.2

1.4

相対ゲイン

ゲインの時間変化

測定可能ライン

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0 100 200 300 400 500TPC[keV]

02004006008001000

シンチ[keV]

10

100

コンプトンイベント行ったCut

抽出

Fiducial Cutガス容器内の端から 5mmのところをカット

飛程[mm]

エネルギー[keV]

dE/dx Cut

コンプトン散乱の式においてEgとKeの 組み合わせとして不適なものをカット

Eg-Ke Check

0 100 200 300 400 500TPC[keV]

02004006008001000

シンチ[keV]

10

100

SMILE-II+ エネルギー相関

SMILE-II エネルギー相関

高エネルギー側まで伸びている

線源 137Cs

線源 137Cs

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ETCC イメージングφ相関

再構成した散乱角

線源位置に対応する散乱角

イメージング結果

有効面積は現在計算中 今後・底面シンチの厚さを1放射長から2放射長へ増強 ・シンチ2Hitイベントの解析プログラムの開発・実装

…などを行う事で、さらなる性能向上を図る

線源 137Csエネルギーカット 662keV ±10%

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ETCC シンチ2Hitイベント

・シンチを用いて反跳電子を検出している ・コンプトンイベントを観測できている

今回初めてETCCで TPC 1Track シンチ2Hitのイベントを取得

137Csの1Hitと2Hitのスペクトル

102 103 Energy[keV]0

4000

8000

Count

662keV

1480keV(40K)

1Hit

2Hit 2Hit イベントの詳しい解析はこれから

線源 トリタン棒

散乱ガンマ線候補 494keV

飛跡 58keV

反跳電子候補 1.8MeV

Hitしたシンチレータの位置

計算すると線源付近に再構成された (~79°の散乱)エネルギーから計算したcosαkin = -0.028飛跡から計算したcosαgeo = -0.044

シンチレータをガス容器内に設置して

α

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まとめ・SMILE-II+ ETCCの底面シンチ1放射長モデルの完成

・ガス純化システムは1ヶ月程度問題なく動作

・ガス圧を1 atmから2 atmに変更することでSMILE-IIと  比べて2倍程度高いエネルギーを持った電子を取得可能に

・イメージングも確認

・TPC 1Track シンチ 2Hitのイベントが取得可能に  (今後解析予定)

・有効面積, ARM, SPD は現在解析中

・今秋には解析終了、実際に観測可能な状態になる予定