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1© 2015 The MathWorks, Inc.
モデルベースモータ制御アプリ開発~解析・設計から実装・試験まで~
MathWorks Japan
アプリケーションエンジニアリング部 制御
山本順久
2
はじめに:皆様からよく頂く声
モータユーザー/装置ベンダー
実機レスでシステム全体の早期検証を行いたい
検討結果をすぐに実験で確認、設計に活かしたい
モータドライバメーカー
実機で様々なモータ・運転環境を用意できない
制御パラメーターの調節に手間がかかる
モータメーカー/テストベンチメーカー
動的/現実的な挙動を再現・入力したい
3
本講演でお伝えしたいこと:モデルベース&マスワークスソリューションのご利益
モータユーザー/装置ベンダー
モデリング&シミュレーションによる早期のシステム検証
コード自動生成&デバイス実装による実験/試作の迅速化
モータドライバメーカー
パラメータスタディで様々なモータ特性・運転環境に対応
応答最適化ツールで制御パラメーター調節を効率化
モータメーカー/テストベンチメーカー
メカエレモデリングツールで動的/現実的な挙動を再現
4
モータ制御アプリ開発上の目標・課題
高効率化(省エネ化)
高精度化
高速化
高信頼性・安全性
高経済性(低価格)
快適性(振動/騒音抑制)
装置小型化
・・・
※「モータの省エネ化が日本を救う」から引用 http://www.nikkeibp.co.jp/article/reb/20110622/275169/
5
モデルベースソリューション概要 ~解析・設計から実装・試験まで~
仮想実験・解析
周波数応答パラメータ最適化
モータ/
負荷モデル
制御ロジックモデル
+
制御装置試験
モータ制御実験
RCP
MCU/DSP
FPGA/SoC
モータ/
負荷
制御ロジック
HILS
モデリングC/HDLコード自動生成
シミュレーション制御系設計
6
例題を通じてモータ制御開発に便利な機能を紹介します
~DCブラシレスモータの位置センサレス速度制御の開発~
電流
制御装置速度・電流制御
駆動回路インバータ
DCブラシレスモータ
負荷駆動対象
位置(角度)センサ無しで電流情報から演算で位置を推定 エンコーダ・レゾルバ等のコストダウン(コストと性能のトレードオフはアリ) 高温・高圧等のセンサ不適なシステムへの対応
7
位置センサレス速度制御ブロック図
dq
αβ
dq
αβ
αβ
abc
αβ
abc
PWM
Driver
PWM
HW
ADC
Driver
ADC
HW
駆動回路
PI
PIPI
モータ負荷
角度推定
速度計算
ω*
id*=0
iq*+ー ー
+
+ー
vd*
vq* vβ*
vα* da
db
dc
ta
tb
tc
vDC
θeω
1kHz処理 10kHz処理(FOC/ベクトル制御)
va vcvb
ia
ib
ia
ibiβ
iα
iq
id
位置センサレス制御部
8
デモ紹介の流れ
①基本環境紹介 ②位置センサレス開発 ③Cコード生成→実装
位置センサ付きモデル紹介
各種モデリング機能
制御系設計機能
位置センサレス制御紹介
推定精度の改善
センサレス化に伴う性能劣
化の確認
制御モデルから組み込みC
コードを自動生成
TI C2000プロセッサで評価
9
①基本環境紹介
負荷トルク
速度目標
センサ制御ロジック
駆動回路
DCBLモータ
結果表示
制御系全体を1つの環境で表現できます
モータ制御系モデル全体図
10
モータのモデリング
Simulink®:ブロック線図モデリング SimPowerSystems™ : モータライブラリ
伝達関数を用いたdq軸モデル例 理想モータモデルブロックを提供
同期モータ 誘導モータ
モータ仕様を設定してすぐに利用できます
様々なモータを表現できます
11
負荷・駆動対象のモデリング 様々な運転条件やメカ挙動を再現しやすい
負荷トルク入力定型トルクパターン
ベルトコンベヤ プレスマシン
メカ/物理モデルによるトルク計算
ボールねじ 3Dメカ EV/HEV
SimMechanics™ : 3D機構系
Simscape™ : 1D物理モデリング
SimDriveline™ : 駆動系
SimHydraulics® : 油圧系
12
駆動回路のモデリング
SimPowerSystems™ : 電気系/半導体素子ライブラリ
半導体素子ブロックを提供 3相インバータモデル例
様々なパワエレ回路を表現できます
計算を高速化する平均電圧モードを提供
(機械系挙動の確認に便利)
13
電流/速度用PI制御の開発
Simulink Control Design™ : PID制御チューニング
①PIゲイン調整
②制御性能調整
③時間・周波数応答確認(開/閉ループ)
④調整結果を反映
PID制御設計・確認に便利です
性能はゲインに依存最適なゲインをどう求める?
14
状態監視制御の設計 条件分岐/シーケンス制御に便利です
Stateflow®:状態遷移図/表・フローチャート
正常
制御中
緊急停止
0.2秒経過?
偏差許容外?
目標値変化アリ?
状態ロギング結果
回転数
目標値変化から0.2秒経過後、偏差許容外なら停止する
15
②位置センサレス制御開発
位置センサ付き相当の速度・負荷応答
定常回転数誤差:目標値±2%
制御目標
位置センサレス手法
課題/チャレンジ
目標性能を達成できる?
センサレス化に伴う性能劣化は問題ない?応答性能が悪化すると騒音・振動悪化に直結
– 逆起電力が弱い低速度の挙動
– 負荷応答 スライディングモードオブザーバを用いた
逆起電力推定に基づく位置推定
𝑖𝑒𝑠𝑡 𝑛 + 1 = 𝐹𝑖𝑒𝑠𝑡 𝑛 + 𝐺 𝑣 𝑛 − 𝑒𝑒𝑠𝑡 𝑛 − 𝑧 𝑛
𝑒𝑒𝑠𝑡 𝑛 + 1 = 𝑒𝑒𝑠𝑡 𝑛 + 𝑘𝑠𝑙𝑓 𝑧 𝑛 − 𝑒𝑒𝑠𝑡 𝑛
𝑧 𝑛 = 𝑘𝑠𝑙𝑑𝑠𝑖𝑔𝑛 𝑖𝑒𝑠𝑡 𝑛 − 𝑖 𝑛
𝜃𝑒𝑠𝑡 𝑛 = 𝑡𝑎𝑛−1 −𝑒𝛼 , 𝑒𝛽
課題解決にモデルを活用した設計・
解析・最適化がお役に立ちます
※位置センサレス手法には他にも様々な手法が提案・実用化されています
16
スライディングモードオブザーバを用いた位置推定ロジックモデル
モータモデルスライディングモード
コントローラ
逆起電力推定
電気角推定
角速度計算
𝒌𝒔𝒍𝒅, 𝒆𝟎 𝒌𝒔𝒍𝒇
制御ゲイン
17
位置推定精度&制御性能はスライディングモード制御ゲインに依存します
最適なゲインをどう求めるか? ksld kslf e0
5 1 1
ksld kslf e0
0.5 2 3
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目標性能を達成できる? 最適値探索で調節作業を効率化できます
Simulink Design Optimization™ : パラメータ自動調節による応答最適化
初期結果位置センサレス結果
目標応答位置センサ付き結果
②目標応答に追従するようパラメータを自動調節
誤差2%未満を達成
①設定 ③確認
ksld kslf e0
初期値 0.5 2 3
最適値 2.14 2.00 5.20
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性能劣化は問題ない? 実機では検討困難なロバスト解析や
トレードオフ設計に便利
目標性能を達成できる速度下限の評価
センサレス
許容最大負荷:0.25 [N*m]
許容最大負荷:0.24 [N*m]
センサ付き
Simulink APIを用いたパラメータスタディ例
許容最大負荷の評価
20
③Cコード自動生成→
MCU/DSPへ実装・評価
マイコンを用いた実験/量産ソフト開発に対応
Serial
over USB
入出力アナログ/
デジタル/
PWM等
MCU検証キット/エミュレータ
Simulinkモデル
Embedded Coder®:
量産/組み込みCコード生成
量産/組み込みに適した可読性/効率性
固定小数点演算コード生成に対応Fixed-Point DesignerTMが必要
特定MCU向けブロックライブラリを提供
21
位置センサレス制御の実装例:TI社 C2000 F28027プロセッサへの実装
22
モデルを実装・試験にまで活用できます
モータ/
負荷モデル
制御ロジックモデル
+
制御装置試験
HILS: Hardware In the Loop Simulation
RCP: Rapid Control Prototyping
RCP
MCU/DSP
FPGA/SoC
HILS
C/HDLコード自動生成
用途に合わせて様々な
デバイスで制御実験可能
モータ・負荷挙動を
模擬した試験環境構築
モータ制御実験
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Simulink + TI C2000 実装連携ソリューション概要
モデル成果物をCコード化して実験・試作に活用できます
Simulink/Stateflowモデリング&シミュレーション
Embedded Coder Support
Package for TI C2000
TI C2000コード生成アドオン
Embedded Coderモデル→Cコード自動生成
Code Composer Studioビルド・実装
controlSUITEデバイスライブラリ
C2000動作・検証
評価ボード実験・試作
24
ルネサスエレクトロニクス社提供モデルベース環境
MATLAB EXPO 2014 講演
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RCPマシンによる制御実験・試作 制御モデルをすぐに実験に利用可能
Simulink Coder™:試験用Cコード生成 MCU評価キットよりも便利でお手軽
– 複雑・大きなロジックも試しやすい
– データ型設計不要(倍精度でOK)
– 高速な信号表示&パラメータ調節
ホストPC RCPマシン ハードウェア
Simulink Real-Time™:RCP/HIL用環境
26
27
FPGA/SoCへの実装
VHDL/Verilog HDLコード生成
ZYLINX Zynq, Altera SoCや
各種FPGAボードに対応
FPGAを用いた高速制御ニーズに対応
Interface FPGAHDLコード
ARM
プロセッサCソフト
HDL Coder™:HDLコード生成Embedded Coder®:
組み込みCコード生成
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モータHILS:モータシミュレータ開発事例
引用元:http://news.mynavi.jp/series/mw_casestudy/009/
世界一の自動車開発を支える検証技術 - TTDCのモータHILS「MotorBox3」
モータ用HILSのFPGA実装にHDL Coder(Simulink)を適用
動作クロック10nsの実現で次世代モータ制御の評価/検証が可能に
TTDC:トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
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まとめ:モデルベースでモータ制御アプリ開発をより迅速・快適に!
モータユーザー/装置ベンダー
モデリング&シミュレーションによる早期のシステム検証
コード自動生成&デバイス実装による実験/試作の迅速化
モータドライバメーカー
パラメータスタディで様々なモータ特性・運転環境に対応
応答最適化ツールで制御パラメーター調節を効率化
モータメーカー/テストベンチメーカー
メカエレモデリングツールで動的/現実的な挙動を再現
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ご清聴ありがとうございました
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