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板鍛造 サーボプレスを用いた 摩擦を低減する荷重振動鍛造 豊橋技術科学大学 前野 智美 摩擦大 荷重大 薄板の圧縮 板鍛造 板鍛造成形の問題点 厚板材に複雑な板厚分布を成形 サイベックコーポレーションHP 段差加工 つぶし 段差 機能部品精度 つぶし だれ サーボプレスを用いた荷重振動鍛造 ACサーボプレス フリーモーション サーボモータ クランク クランク式サーボプレス 成形途中における除荷 クランク 振動 時間 スライド位置 荷重振動鍛造による荷重の低減と メカニズム 鍛造加工への適用 ステンレス鋼部品の段差付け加工

TechBiz Expo 荷重振動plast.me.tut.ac.jp/present/TechBiz Expo oscillation.pdf10mm 2.0mm 潤滑剤:水溶性プレス油 素材:アルミ合金板 A5052-H34 圧縮工具 変位計

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  • 板鍛造

    サーボプレスを用いた摩擦を低減する荷重振動鍛造

    豊橋技術科学大学 前野 智美

    摩擦大

    荷重大薄板の圧縮

    板鍛造

    板鍛造成形の問題点

    厚板材に複雑な板厚分布を成形

    サイベックコーポレーションHP

    段差加工つぶし

    段差

    機能部品→精度

    つぶしだれ

    サーボプレスを用いた荷重振動鍛造

    ACサーボプレス フリーモーション

    サーボモータ

    クランク

    クランク式サーボプレス

    成形途中における除荷

    クランク

    振動

    時間

    スラ

    イド

    位置

    目 次

    •荷重振動鍛造による荷重の低減とメカニズム

    •鍛造加工への適用

    •ステンレス鋼部品の段差付け加工

    ToMoタイプライターテキストサーボプレスを用いた摩擦を低減する荷重振動鍛造     豊橋技術科学大学 前野智美

    ToMoタイプライターテキスト板材断面を複雑に成形する板鍛造においては摩擦の影響が大きく金型面圧などが問題となっている。この板鍛造においてサーボプレスを用いて成形中の荷重を振動させることによって、摩擦を低減させる荷重振動鍛造について紹介する。この加工では成形中に圧縮荷重の一部を除荷することで潤滑液を板材の外周部分に自動的に再潤滑させる。圧縮荷重は荷重振動によって顕著に低減し、圧縮された板材の板厚は大きく減少した。アルミニウム合金板の圧縮において荷重低減のメカニズムを調査し、フランジ成形やステンレス合金板の板鍛造に適用して荷重低減と形状精度を向上した例について紹介する。

  • ⌀10mm

    2.0mm

    潤滑剤:水溶性プレス油

    素材:アルミ合金板A5052-H34

    圧縮工具

    変位計

    圧縮試験機

    荷重 F

    s素材

    3535

    荷重振動すえ込み加工実験に用いた素材と工具形状

    ストローク s

    ×Fi

    0

    荷重

    F

    F1

    F2

    Fi

    Fn

    Ff最大荷重:Ff =80~325kN荷重振動回数:n=0~30除荷率 :=0~90%

    実験条件

    素材

    金型

    すえ込み加工における荷重振動の経路

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    0.5 1 1.5ストローク s /mm

    荷重

    F/kN

    振動=75%, n=4

    F振動なし

    圧縮率54.2%

    圧縮率65.6%

    15.4 mm

    18.2 mm

    荷重振動すえ込み加工における荷重-ストローク曲線,Ff =200kN

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    50 55 60 65 70最終圧縮率 rf /%

    最終

    荷重

    F f/kN

    振動なし

    振動=50%, n=4

    振動=75%, n=4103

    50%低減

    各種の条件における最終荷重と圧縮率の関係

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    50 55 60 65

    中央

    と端

    部の

    板厚

    t/ m

    振動なし 振動=50%, n=4

    振動=75%, n=4

    t c t et=tc-te

    荷重低減による平坦度向上

    最終圧縮率 rf /% 端部拡大図

    素材

    圧縮工具

    素材

    圧縮工具

    =75%, n=4, Ff =200kN

    ストローク

    荷重

    有限要素シミュレーションによる変形挙動

  • 75% 90% =0%

    腐食部

    5mm

    (b) 除荷,10分放置(a) 負荷,腐食液注入

    腐食液注入

    3%NaOH(a)

    (b)

    腐食実験による隙間の発生の確認

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    25 50 75 100除荷率 /%

    素材

    の接

    触面

    積率

    /%

    実験計算

    素材面積素材面積-腐食面積

    接触面積率 =

    途中除荷時の素材の接触面積率と除荷率の関係

    金型素材 潤滑剤

    除荷時

    負荷時

    素材:塑性変形凸形状

    面圧

    金型:弾性変形凹形状

    =75%除荷

    金型:弾性回復

    すきま

    潤滑剤浸入

    荷重振動による自動再潤滑のメカニズム

    0

    0.05

    0.1

    0.15

    0.2

    0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6ストローク

    平均

    摩擦

    係数

    振動なし(Ff=200kN)

    振動 α=75%

    加工中の摩擦係数の変化

    0.5 1 1.50

    0.5

    1

    1.5

    2

    時間 /sec

    スラ

    イド

    位置

    /mm

    0.15mm

    0.23mm振動

    振動なし

    サーボプレスを用いた振動モーションすえ込み実験

    振動モーション平均除荷率70~80%,除荷回数6回

    素材

    圧縮工具

    サーボプレスを用いたすえ込み実験

  • 荷重振動なし

    荷重振動あり

    ストローク s/mm

    圧縮

    荷重

    F/kN

    0 0.5 1 1.5 2

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    rf=70%における振動モーションとクランクモーションの荷重 -ストローク曲線

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    62 64 66 68 70 72 74 76 78最終圧縮率 r /%

    最大

    荷重

    F f/kN

    荷重振動なし

    荷重振動あり

    40%低減

    サーボプレスによる最大荷重と最終圧縮率の関係

    目 次

    •荷重振動鍛造による荷重の低減とメカニズム

    •鍛造加工への適用

    •ステンレス鋼部品の段差付け加工

    ビレットの圧縮

    振動あり振動なし

    ⌀10mm10

    mm

    ビレットの圧縮における焼付き低減

    振動なし

    振動あり

    (d)振動あり

    (a) 振動なし

    後方押出しへの荷重振動の適用

    4.2

    11.3

    押出し比:2.9

    コンテナ

    パンチ

    φ17

    φ21

    s

    4

    2

    φ16.3

    素材

    0.45μmRa

    0.2μmRa

    Ff =240kN,∆s=0.1mm

  • 5

    上ダイス

    上ピン

    下ダイス

    下ピン

    1510

    30

    素材

    ストロークs

    荷重振動

    加工前 予備成形 フランジ成形

    素材: A5056アルミ合金丸棒⌀10mm

    55mm

    荷重振動フランジ成形実験に用いた素材と工具形状

    22.8mm

    25.2mm

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    450

    0 10 20 30 40 50 60 70 80最終直径拡大率 rd /%

    最大

    荷重

    Ff/kN

    振動なし振動あり=100%

    37%低減

    rd =d – d0

    d0

    dd0

    最大荷重と最終直径拡大率の関係

    47.0

    d= 21.6

    46.5

    24.8

    振動なし 振動あり =100%, =20%

    軸中間部にフランジ成形された軸部品(α =0, 100%, β =20% Ff=200kN)

    10 20 30 40直径拡大率 rd / %

    軸長

    さ増

    加量

    l/m

    m

    0

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    50 60 70 80

    1.50

    1.75

    振動なし

    =100%, =20%

    軸長さ増加量と直径拡大率の関係

    負荷条件

    =100%, Ff=200kN175kN→0kN

    素材

    下ダイス

    上ダイス

    上ダイス側

    下ダイス側

    腐食実験結果

    75m

    79m

    荷重振動による除荷によって生じる素材-工具間の隙間

    目 次

    •荷重振動鍛造による荷重の低減とメカニズム

    •鍛造加工への適用

    •ステンレス鋼部品の段差付け加工

  • 0

    FfFn

    Fi

    ×Fi

    s1 si sfパンチストローク s

    荷重

    F段差付け加工に用いた工具と荷重負荷方法

    ダイス

    圧縮板

    ⌀10 ⌀14 3

    荷重振動回数:n=0~10回除荷率 :α=0~90%

    試験片:SUS430 (173HV5)潤滑剤:水溶性プレス油

    振動なし

    振動ありとなしにおける素材断面

    振動ありα=90%,n=10

    くぼみ

    だれ

    1mm

    0.1mm

    焼付き

    焼付き

    0 25 50 75フランジ圧縮率 r /%

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    平均

    接触

    面圧

    /GP

    a

    SUS430 振動なし

    SPCC α=90%,n=10SPCC 振動なしSUS430 α=90%,n=10

    フランジ圧縮率 r = t 0– tt0

    振動ありとなしにおける

    平均接触面圧とフランジ部圧縮率の関係

    接触面t 0 t

    くぼ

    み深

    さh 1

    /mm

    0.2

    0.4

    0.6

    25 50 75フランジ圧縮率 r /%

    h 1

    0

    振動ありとなしにおける底部くぼみ深さとフランジ圧縮率の関係

    振動なし

    振動あり

    0

    0.2

    0.4

    0.6

    25 50 75

    凸部

    だれ

    高さ

    h 2/m

    m

    フランジ圧縮率r /%

    h 2

    振動ありとなしにおける凸部だれ高さとフランジ圧縮率の関係

    振動なし

    α=90%,n=10

    0 25 50 75フランジ圧縮率r /%

    0.05

    0.1

    0.15

    0.2

    凸部

    側壁

    そり

    h 3/m

    m

    振動なし

    振動ありとなしにおける凸部側壁凹みとフランジ圧縮率の関係

    h3α=90%,n=10

  • 5mm 1 mm 5mm 1 mm

    r =62%, 振動ありとなしにおけるフランジ底部焼付きに及ぼす荷重振動の影響

    振動なし焼付き

    α=90%,n=10

    r =62%, 振動ありとなしにおける荷重振動の影響

    0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    平均

    接触

    面圧

    /GP

    a

    SPCC(98HV)

    SUS430(173HV)

    なし

    振動

    くぼ

    み深

    さ/m

    m

    0

    0.1

    0.2

    0.3

    SPCCSUS430

    なし

    振動

    0

    0.05

    0.1

    0.15

    側壁

    反り

    /mm

    SPCCSUS430

    なし

    振動

    0

    2.0

    4.0

    6.0

    凸部

    表面

    粗さ

    /μm

    Ra

    SPCCSUS430

    なし

    振動

    測定箇所

    振動ありとなしにおける内壁傾斜角度とフランジ圧縮率の関係

    α=90%,n=10

    振動なし

    5 mm

    5

    10

    15

    20

    内壁

    傾斜

    角度β

    振動なし

    α=90%,n=10

    0 25 50 75フランジ圧縮率r /%

    25β