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The Japanese Association for the Study of Taste and Smell NII-Electronic Library Service The Japanese Assoclatlon for the Study of Taste and Smell 本味 匂学会誌 Vo122 No 2 PP 165 1692015 8 特集 うま 味研究会 シン ウム 「食 のお しさにお 役割 多感覚 5 Temporal Dominance of Sensations TDS による 風味 経時変化計測 とそ 素株 式会社 研究 品や料を上でや風 経時 化は重要な情 と して お しさに寄与するTemporaldomi nance ofsensations TDS 最も dominant (注意 向け 印象的)な味風味 食感な 感覚情報 質的経時変化を計測する能評価 ある品や飲料における 告がなされ きたが 本味 など礎的 知見 不足 ここでは 本味 とそ 混合水溶液 TDS 計測 報告す また味や風味 のデ ザイ を 他 者 と共 有 化 す る としTDS を活用した 例としたチ トを プシ ラテ 開発 した 報告す 質的経時変化計測 基本 味混合 味デザ イン は じめ に 味覚嗅覚 「質」「強度」「時間」 情報 を脳に運ん 1 官能評価はれら 評価 脳を 由した アウ トプ トと し測する法であると える強度は Quantitative DescriptiveAnalysis QDA によ 計測され Time ntensity TI 測 され TemporalDominance of Sensations TDS 食品 風味 食感 質的経時変化 計測す 官能評価手法 開発 され た手法 比較 的新 るため れま 発 され QDA TI 比較研究がなされ TDS QDA にお ては Dinnella らが トラ オリ ブオイ 関する QDA TDS TDS QDA のよ うな記述分析 補完す 手法 ありトリ ト問 な相互 ては TDS QDA され る して 1 TDS TI にお ては TDS TI は似た形 に な るが TI 対象 となる 特性 強 さを注 意深 く追 う評価TDS は対象 な る特性 問 相 互 作 用 を説 明 す 手法 報告 され ている 2 3 Sokolowskyらは ンの 味に QDA TITDS 比較をしおりQDA おけ 味強度は TI 動的な苦 味感覚 を反 TI には halo dumping ef fect があ ため 過大 評価 TDS 順序 がわかるが さは から ため これら評価手法はお互 を補 関係 で あ る と し4 れまトな ど 食品 報告 多く なされ 結果 考察す 基礎 的な見が不足し今後 おけ TDS 本味水溶 よび 混合基本味水溶液 質変化を TDS 法に り計 測 したまたTDS 風味 質 的経 時 変化 える きる 手法 るため 風味 的経 時変 化 を設計 ザイ ため TittleMeasuring temporal taste a d flavor perception by temporal dominance Qf scnsations TDS and itg application Hiroya Kawasaki lnstitute for 1nnovation Ajinomoto Ce Inc1 1 Suanki cho Kawasaki ku Kawasaki shi Kanagawa 210 8681 E m i1 address hiroya _ kawasak ajinomoto com TEL 81 44 223 4172 Fax 81 44 246 6196 165 N 工工 Electronlc Llbrary

Temporal Dominance SensationsTDS(dominanGe rate ;DR)を算出し、経時的にプロ ッ トす ることでTDSカーブを描出する。 また 、 特性用語 を選んだ時間の合計〔duration)を各パ

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The Japanese Association for the Study of Taste and Smell

NII-Electronic Library Service

The  Japanese  Assoclatlon  for  the  St二udy  of  Taste  and  Smell

日本味 と匂学会誌 Vo122  No,2  PP,165−1692015 年 8 月

総説特集 うま味研究会 公開シ ンポジウム

「食べ 物のおい しさにおけるうま味の役割一多感覚の相互作用」−5

Temporal Dominance of Sensations(TDS )法 に よる

        味 ・風味の 経時変化計測 とそ の 活用

川 崎 寛也

(味 の 素株式会社 ・イ ノ ベ ーシ ョ ン研 究所)

 食品や飲料 を味わ う上で、味や風 味の 経時変化 は重要 な情報としてお い しさに寄与す る。Temporal domi−

nance  ofsensations (TDS )法は 、 最もdominant(注意が 向けられ た、印象的)な味、 風味、食感などの 感覚情報

の 質的経時変化 を計測する官能評価手法 で ある 。 近年、食品や飲 料における報告 がなされ て きたが、基本味

などの 基礎的な知見が不足 して い る 。 こ こ で は、基本味とそ の 混合水溶液の TDS 計測を行 っ た の で報告す

る。また、味や風 味 の デ ザイ ン を他者 と共有化する ツ ール として TDS を活用 した事例 として、和の 食材を用

い た チ ョ コ レー トを ト ッ プ シ ョ コ ラ テ ィ エ と 開発 し た内容 を 報告す る 。

キーワー ド :質的経時変化計測、基本味、 混合味 、 チ ョ コ レート、 フ レーバ ー

デザ イ ン

は じめ に

 我々 の味覚や嗅覚は 、 「質」「強度」「時間」の情報

を脳に運 ん で い る (図 1)。 官能評価 は、こ れ らの 情

報を、評価者の 脳 を経由した ア ウ トプ ッ トと して 計

測する手法であるとい える 。 質と 強度は Quantitative

Descriptive Analysis(QDA)法 に よ っ て 計測 され、強

度 と時間 は Time  ]ntensity (TI)法に よ っ て計測 され

る。一方、Temporal Dominance of  Sensations(TDS )

法は食品の 味や 風味、食感の 質的経時変化を計測す

る 官能評価手法 と して 近年開発 され た手法 で 、 比較

的新 た な評価法で あ る た め 、こ れまで に 開発 され た

QDA や TI との 比 較研 究が な され て い る。  TDS と

QDA の 比 較にお い て は 、  Dinnella らが エ クス トラ

ヴ ァージ ン オ リーブ オイ ル に 関す る QDA と TDS

を行い 、TDS は QDA の よ うな記述分析 を補完する

手法 で あ り、ア トリ ビ ュート問 の 複雑な相互作用 に

つ い て は、TDS の 方が QDA よ りも明 確に 示 さ れ る、

とし て い る1>

。 TDS と TI の 比較に お い て は、  TDS と

TI は似た形 の グ ラ フ になるが、  TI は対象となる一

の特性の 強さを注意深 く追う評価に向い て お り、 TDS

は対象 となる特性 問の 相互作用を説明す る手法で あ る

と報告 され て い る2)・ 3)。Sokolowskyらは白ワ イ ン の

苦味 につ い て 、 QDA 、 TI、 TDS の 比較 を して お り、

QDA に おけ る苦味強度は TI で 測 定で きる 動的な苦

味感覚を反映して い ない が 、 TI に は halo dumping  ef−

fectがあ る ため過大評価に なり、TDS は ア トリ ビ ュー

トの 順序が わ か るが 強さ は分か らない た め 、 こ れ らの

評価手法はお互 い を補う関係である として い る4)

  こ れ まで、ワ イ ン や ヨ ーグ ル トなど食品で の 報告

が多 くなされ て い る もの の 、そ の 結果を考察する た

め の 基礎的な知見が不足 して い る 。 そ こ で 、 今後 の

食品 に おけ る TDS 研 究に 活用すべ く、基本味水溶

液お よ び混合基本味水溶液の 味質変化 を TDS 法に

よ り計測した、また、TDS 法は味や風味の質的経時

変化 を 見 え る化 で き る 手法 で あ る た め 、 味 や 風 味 の

質的経 時変化 を設計 (デ ザイ ン)す る ため の ツール

Tittle Measuring  temporal taste a皿 d flavor perception by temporal  dominance  Qf  scnsations (TDS )and  itg.  application

Hiroya Kawasaki :lnstitute for 1nnovation, Ajinomoto  Ce ., Inc.1−1, Suanki−cho , Kawasaki −ku, Kawasaki −shi , Kanagawa  210 −8681;E−m 翫i1:

address  hiroya_kawasak@ ajinomoto .com ;TEL : + 81−44−223−4172 ;Fax : + 81−44−246−6196

一165一

N 工工一Electronlc   Llbrary  

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The Japanese Association for the Study of Taste and Smell

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The  Japanese  Assoclatlon  for  the  St二udy  of  Taste  and  Smell

日本味 と匂学会誌 Vol.22 No.2 2015年 8 月

                     川崎

と し て活用 で きない か と考え、ト ッ プ シ ョ コ ラ テ ィ

エ と共 に チ ョ コ レー

トの フ レー

バー

デ ザイ ン に 活用

した事例 を報告す る 。

時 間強 度 測定 法

図 1  味覚 ・嗅覚情報と官能評価手法の 関係を示す

    概念図

TDS 法 とは

 TDS は、感 じ て い る 知覚 ・官 能特 性 の うち、

dominant(最 も注意が向け られ、気 になる)な感覚

を経時的 ・連続的に記録する方法で 、 複数の 知覚 ・

官能特性 の 経時的変化 を 1 回の 評価 で 捉 えられ る 手

法 として Pineau らに より開発され た3)

。 また、  TDS

を計測するため の ソ フ トウ ェ ア はい くつ か発売され

て い る5’7)。デ ータ の取得と し て は、画面 に表示 され

た特性用語 (事前に指定し て お く)を、パ ネリ ス ト

が dominantで あ る と感 じた順 に 選択 し、口 腔 内 で

の 刺激 が な くな り、選択す る 特性 用 語 が な くな る ま

で 続 け る 。 デ ータ解析 に お い て は、時間毎に最 も

dominant な特 性 用 語 を 選 ん だ パ ネ リ ス ト の 割 合

(dominanGe rate ;DR )を算出 し、経時的 に プ ロ ッ トす

る こ とで TDS カーブを描出する 。 また 、 特性用語

を選ん だ時間の合計〔duration)を各パ ネル で計算 し、

多変量解析等に用 い る こ ともで きる 。

基本味水溶液の TDS カー ブ

 まず、うま味、酸味、塩味の 基本味水溶液の TDS

計測を行 っ た。特性用 語は塩味、うま味、酸味、甘

味 、 苦味 、 渋味、え ぐ味、表現で きない 味の 8用語

とした。MSG (うま味)、乳酸 (酸味)、NaCl (塩味)

溶液 の 単独水溶液にお い て 、 濃度依存的に そ れ ぞれ

の味質の durationは延長 した。

 うま味強度を同 じに し た MSG と MSGIIMP 混合水

溶液に おい て は、MSGflMP 混合水溶液の方が MSG 単

寛也

独水溶液よ りもうま味の durationが短か っ た (図 2)。

  以上 よ り、水溶液系 に お い て は 、 味成分 の 濃度が

高 くな る と 、 durationの 延長 をもた ら した 。 また、

同 じうま味 強度 で あ っ て も、MSG と IMP の 相乗効

果がある場合は MSG 単独 よ りもうま味の durati・ n

が短 くな っ た 。 実際 の 食 品 に お い て も、durationは

単純 に 強度の 影響を受ける だけ で はな い こ とが推察

され る。

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藝 80

崔6。

9.鬘

40

舊 20口

100

竃 80

鬘、。

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40520a

20mM  MSG

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  1

醪飜 丶へ

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有思ベ ル (5勁

態 ・」1h0

   20   40   60   80  100  120   140   160   180

                Time {s}

0.922mM  MSG + 0.302  mM  IMP                                一

霧無ぎ  表現で きか 駆味                        有意 レベ ル (5%)功

チ ャ ンス レベ ル

1.静,・・1置  ・…’怖『「岬’’”FゴF.」子1…椰て一吾鴫』              ・              「0   20   40   60   80  100  1ZO  140  160  18〔

              Time {s}

図 2  20mM  MSG お よ び O.902 mM  MSG  O.922  mM

   MSG + 0.302 mM  IMP (201nM  MSG と同 じ

   うま味強度をうま味の相乗効果予測式’で 算

   出)の TDS カ ーブ (n ≡8x2 )。

   矢印は 嚥下 タ イ ミ ン グ を示す 。

   ’Yamaguchi , S.(1967). The  synergistic  taste

   effect of monosodium  glutamate  and  disodi−

   um  5’−inosinate. Journal of Food  Science,32

   (4),473−478.

混合基本味水溶液 の TDS カ ー ブ

 次 に、上記 で 用 い た基本味水溶液の 互 い の TDS

カーブへ の影響を調べ た。NaCl!MSG の 混合 基本味

水溶液に関して は 、 125  mM ・NaCl + 20 mM  MSG 水

溶液の TDS カーブ に おけ る、嚥下前後の うま味の

DR は 20 mM  MSG 水溶液 の うま味の DR よ りも低

く、嚥下前後の 塩味 の DR は 125 mM  NaCl の 嚥 下 後

一166 一

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日本味 と匂学会誌 VoL22 No.2 2015年 8 月

Temporal Dominance  of Sensations (TDS )法 に よ る 味 ・風 味の 経時変化計測 とそ の 活用

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田刀 

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125 mM NaCl

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一・:「’一一’一一一一謄一

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125 mM  NaCl + 20 mM 粥SG

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   うま味

                             有意レ ベ ル 〔5蹴

e   tO   lo   1D  4b  60       70 觚   9自  100   且ヱ0  1:0  t初  140  L50   二の  1pm  田O

T」πビ〔5〕

図 3  MSG と NaCl の 混合水溶液 の TDS カーブ の 例 。 矢印は嚥下 タ イ ミ ン グ を示す。

うま 味

(旧 6)

忽鱒 縞塊味

(NaCl)

  ・  醸味 OR; 変化な し

一  ・  塩味 ; 高濃度 で 減少

酸味(乳醐

図 4  混合味水溶液の TDS に お け る 互 い の 影響

   DR :dominance rate, Du :duration

の 塩味の DR よ りも低か っ た 。 (図 3)。

 MSG 〆乳酸の 混合基本 味水溶液、乳酸 fNaCl の 混

合基本味水溶液 に 関 して も同様 に TDS 計測 を実施

し、MSG 、  NaCl 、乳酸の DR と durationに お け る 互

い の 影響関係を整理する こ とが で きた (図4>。 こ れ

らの 結果は水溶液系の 濃度変化 と TDS カーブ の 関

係 お よ び 二 味 質の 混合 基 本味水溶液の TDS カ ーブ

における互 い の 影響 関係を示 して お り、複雑 な飲料

や食品の構成要素の影響関係を考察する た め の基礎

的な知見 として 活用可能で ある 。 今後他 の 味物 質や

風味との 関係などの研究が期待さ れ る 、

TDS を 用 い た チ ョ コ レー トの フ レー

バー デザイ ン

 上述 した ように、TDS カーブは官能特性 の 経 時変

化が見える化され る た め 、 味や風味の経時変化の デ

ザ イ ン (設計)に活用 で きる こ とが考えられ た 。 そ

こ で、 トッ プ シ ョ コ ラ テ ィ エ の一

人 で ある小 山進氏

(パ テ ィ シ エ  エ ス ・コ ヤ マ  http:〃www .es −koyama .

com /index.html>と、和の 食材を活 か し たチ ョ コ レー

トを試作 した事例 を報告する 。 まず 、 既 に市販さ れ

て い る小山氏 の チ ョ コ レ ートの TDS 計測を実施 し、

オ リ ジ ナ ル チ ョ コ レートの フ レーバ ーデ ザイ ン コ ン

セ プ トを小 山氏 と議 論 し 、 試 作を依 頼 した 。 そ の

チ ョ コ レ ートの TDS 計測を行 い 、フ レ ーバ ーデ ザ

イ ン に つ い て TDS カーブ を見な が ら議論 を行 うと

い うサ イクル を進めた 。

 チ ョ コ レートの 素材と して 「ほ うじ茶」や 「賀茂

茄子の しば漬け」などの和食材を用 い 、コ ーテ ィ ン

グを ミ ル ク チ ョ コ レー

ト、プ ラ リネをほ うじ茶、ダー

ク & ミ ル ク チ ョ コ レートで作成 し、フ リーズ ドラ イ の

賀茂茄子 の しば漬けをプ ラ リネに練 り込んだ 「チ ョ コ

レー ト試作品 1」を TDS 計測 した とこ ろ 、 TDS カー

ブにお い て 漬物風 味の DR が低 か っ た (図 6)。 そ こ

で、賀茂茄子の し ば漬け風味を活かすように要望し た

とこ ろ 、 フ リーズ ドラ イの 賀茂茄子 の しば漬けの 量 は

一167 一

N 工工一Electronlc   Llbrary  

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The  Japanese   Assoclatlon  for   the  Study  of  Taste  ar ユd   Smell

日本味と匂学会誌 Vol.22 N 。.2 2015 年 8 月

川崎 寛也

コー

テ ィ ン グ ミル クチ ョ コ レート

  厂  劉       ‘’

    プラ リ ネ アー

モ ン ド、ほ うじ茶 .ダーク&ミル ク チ ョ コ レー

ozリーズ ドラ イ 箜亜麺乏」堺迢け

り                                         

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  D   O,1  02  0.3 0.4 0.5 0.6 0.7  0.8 0.9  1

              標 準化時間

      コー

デ ィ ング ほ うじ 茶チ ョ コ レー

            ー  ?.fi

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      フ リーズ ドライ 賀茂茄子 しば漬 け

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  0   0,1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 〔}.7 D.8 0.9  1                標準 化時間

図 5  チ ョ コ レー

ト試作品 1の 断面構造 〔上)と TDS   図 6  チ ョ コ レート試作品2 の 断面構造 (t:.)と TDS

   カ ーブ (下)。(n=7)                カーブ (下)。 (n

=7)

変えず、コ ーテ ィ ン グ をほ うじ茶 チ ョ コ レ

ート、プ ラ

リネをアーモ ン ドの み と した 「チ ョ コ レー

ト試作品 2」

が作成 された , こ の チ ョ コ レートを TDS 評価 した と

こ ろ、漬物風味の DR が高まり、フ レーバ ーデ ザ イ ン

コ ン セ プ トに近づ い たオリジナル チ ョ コ レー

トを作成

する こ とが で きた (写真 D 。

  こ れ まで シ ョ コ ラ テ ィ エ の 感覚 で 行 われ て きた フ

レーバ ーデ ザ イ ン を TDS に よ り見え る 化する こ と

で 、情報共有 し議論する こ と が可能 と な っ た 。 また、

写真 1  TDS 評価を用 い て 風味デ ザ イ ン を行 っ て 作

    成 したチ ョ コ レー

    「Sensory design chocolate 」

TDS カーブ は小 山氏 の 実 感 とも合 い 、理解 しや す

か っ た とい う意見 で あ っ た 。 TDS は経 時変化 を含

め た フ レ ーバ ーデ ザ イン ツール と して 、他の官能評

価手法とと もに活用 で きると考えてい る 。

まとめ

  こ れ まで 不足 して い た TDS の 基礎的 な知見 と し

て 、 基 本味水溶液お よ び 混合 基本味水溶液 の TDS

司測 を実施 した 。 食品 や 飲料 の 味 や 風味、食感をデ

ザ イ ン して い く ヒで 、研 究者や 開発者だけ で な く、

プ ロ の 料理人や職 人 と も情報 を共有 し、 相 lll理解 を

した上 で 議論す るため に も、TDS を含め、最新の 官

能科学的手法を活用し て い きたい と考えて い る。

文 献

1) Dinnella C, Masi C , Zoboli G , and  Monteleone  E :

  Sensory functionality of  extra −virgin  o 】ive oil in

  vegetabLe  foods assessed  by Temporal Dominance  of

  Sensations  and  Descriptive Analysis. FoQd  Quality

  and  Preference 26(2),141−150(20且2)

2) Le  Rξv6rend   F  M ,  Hidrio  C ,  Fernandes  A ,  and

  Aubry V :Comparison between temporal dominance

  ofscnsations  and  tinle intensity results. Food Quality

  and  Preference l 9(2),174−178 (2008)

3) Pineau N ,  Schlich P,  Cordelle  S, Mathonni6re C ,

  Issanchou S, Imbert A , Rogeaux  M , Eti6vant P and

  K6ster  E: Temporal  Dominance  of  Sensations:

一168 一

N 工工一Ele ⊂ tronl ⊂  L − brary  SerVi ⊂

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The  Japanese  Assoclatlon  for  the  St二udy  of  Taste  and  Smell

日本味と匂学会誌 Vol.22  No2  2015 年 8 月

Temporal  Dominance  of  Sensations (TDS )法に よ る味 ・風味の 経時変化計測とその 活用

  Constmction ofthe  TDS  curves  and  comparison  with

  time−intensity. Food Quality乱nd  Preference 20(6),

  450−455 (2009)

4) Sokolowsky  M ,  and   Fischer  U : Evaluation  of

  bittemess  in white  wine  applying  descriptive

  analysis,  time−intensity analysis,  and  temporal

5

07

dominance  of   sensations   analysis . Analytica

Chimica Acta 73246 −52 (2012)

http:”www .biosystemes.com 〆

http:〃www .timesens.com 〆index.aspx ?lang=en

http:〃www .sims2000 .cQm 〆

〈著者紹介 〉

川崎 寛也

1999年 3月

2004 年 3 月

2004年 4 月

京都大学農学部生物機能科学科卒業

同 大学院博士課程修了

味 の 素株 式会社入社

現在に至 る

一169 一

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