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-67- 鹿屋体育大学 大学院 博士後期課程1年 はじめに 今回平成26年7月2日平成26年7月5日の 日程でオランダアムステルダムにて開催さ れた19 th annual Congress of the European College of Sport Science第19回ヨーロッパスポーツ科学学 以下ECSSに参加しこれまで行ってき た研究成果の一部を発表する機会を頂いた学会 大会の様子および自身の発表内容についてここに 報告するECSS について ECSS スポーツ科学分野の国際協力を推進 するとともに研究者間の交流を目的とした国際 組織である当学会は約2万名以上の会員を擁 年に1回学会会議を開催しているヨー ロッパを拠点とする学会であるにも関わらず会大会には毎年アメリカアジアオセアニア など世界中からスポーツ科学領域の研究者が集 まり研究成果の発表および討論が盛んに行われ ている今回参加した第19回ヨーロッパスポー ツ科学学会においても75か国から約3000名の参 加があり学会会場はスポーツ科学を研究領域と する研究者や学生をはじめ運動指導および実践 者等の参加者で非常に盛況であった学会大会は一般発表を含む4つのセッショ ンで進行された著名な研究者によるPlenary session」,「Oral & Invited presentationなどの講 シンポジウムや,「Mini-Oral Presentation」, E-Posterの一般発表が朝830夜1930ま で行われていたいずれの研究内容も興味深いも のが多く自身の研究分野以外にもさまざまな 分野のプレゼンテーションを聞きに行った日本国内の研究者大学院生も多く参加して おり研究に関する話はもちろんのこと語学力 の向上に対する取り組みなども情報交換すること ができ非常に実り多いものであった研究発表について 学会大会1日目の7月2日E-poster session 自身の研究発表を行った設置されている PC 検索できるようになっておりポスターは電子掲 平成26年度 重点プロジェクト事業(海外派遣研究員等旅費)研究発表報告 19 th Annual Congress of European College of Sport Science (ECSS Amsterdam 2014) 原村 未来 学会会場の様子 (Amsterdam RAI) 発表会場の様子

th Annual Congress of European College of Sport …-67- * 鹿屋体育大学 大学院 博士後期課程1年 はじめに 今回,平成26年7月2日~平成26年7月5日の

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Page 1: th Annual Congress of European College of Sport …-67- * 鹿屋体育大学 大学院 博士後期課程1年 はじめに 今回,平成26年7月2日~平成26年7月5日の

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   * 鹿屋体育大学 大学院 博士後期課程1年

はじめに 今回,平成26年7月2日~平成26年7月5日の

日程で,オランダ・アムステルダムにて開催さ

れた19th annual Congress of the European College of

Sport Science(第19回ヨーロッパスポーツ科学学

会:以下,ECSS)に参加し,これまで行ってき

た研究成果の一部を発表する機会を頂いた.学会

大会の様子および自身の発表内容についてここに

報告する.

ECSS について ECSSは,スポーツ科学分野の国際協力を推進

するとともに,研究者間の交流を目的とした国際

組織である.当学会は約2万名以上の会員を擁

し,年に1回,学会会議を開催している.ヨー

ロッパを拠点とする学会であるにも関わらず,学

会大会には,毎年アメリカ,アジア,オセアニア

など世界中から,スポーツ科学領域の研究者が集

まり,研究成果の発表および討論が盛んに行われ

ている.今回参加した,第19回ヨーロッパスポー

ツ科学学会においても,75か国から約3000名の参

加があり,学会会場はスポーツ科学を研究領域と

する研究者や学生をはじめ,運動指導および実践

者等の参加者で非常に盛況であった.

 学会大会は,一般発表を含む4つのセッショ

ンで進行された.著名な研究者による「Plenary

session」,「Oral & Invited presentation」などの講

演・シンポジウムや,「Mini-Oral Presentation」,

「E-Poster」の一般発表が,朝8:30~夜19:30ま

で行われていた.いずれの研究内容も興味深いも

のが多く,自身の研究分野以外にも,さまざまな

分野のプレゼンテーションを聞きに行った.ま

た,日本国内の研究者・大学院生も多く参加して

おり,研究に関する話はもちろんのこと,語学力

の向上に対する取り組みなども情報交換すること

ができ,非常に実り多いものであった.

研究発表について 学会大会1日目の7月2日,E-poster sessionで

自身の研究発表を行った.設置されている PCで

検索できるようになっており,ポスターは電子掲

平成26年度 重点プロジェクト事業(海外派遣研究員等旅費)研究発表報告

19th Annual Congress of European College of Sport Science (ECSS Amsterdam 2014)

原村 未来*

学会会場の様子 (Amsterdam RAI)

発表会場の様子

Page 2: th Annual Congress of European College of Sport …-67- * 鹿屋体育大学 大学院 博士後期課程1年 はじめに 今回,平成26年7月2日~平成26年7月5日の

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鹿屋体育大学学術研究紀要 第50号,2015

示という形式であった.今回の発表研究課題は

「Lactate threshold in squat exercise with incremental

resistance」であり,「スクワットエクササイズ中

の乳酸性作業閾値(LT)」について検討したもの

である.レジスタンストレーニング中の LTに関

しては,ほとんど明らかにされておらず,有酸素

性および無酸素性の両能力を改善するトレーニン

グプログラムを作成するための,運動強度の策定

を目的として研究を行った.今回の発表を通し

て,自身の研究内容の位置づけや研究データの有

用性を再確認することができ,非常に有意義な時

間を過ごすことができた.今後,現在行っている

追加実験のデータと合わせて,本研究の内容を論

文としてまとめ,国際誌に投稿する予定である.

 学会初日は,英語を聞き取ることで精一杯で,

内容を理解するまでに時間がかかった.早く英語

に慣れたいと思い,学会以外の日常的な場面で

も,積極的に英語で会話し,聞き取り理解するよ

う努めて毎日を過ごした.そうすることで,日を

重ねるごとに,会話の内容を聞き取り,理解する

ということが少しずつできるようになった.

 今後,研究者を目指すうえで英語力を向上さ

せ,国際学会に積極的に参加し,自身の研究能力

を成長させていきたいと考えている.

おわりに 今回,海外での学会は初めてであり,当初は大

きな不安も感じていたが,学会を通して多くのこ

とを学び,今後の研究活動にとって非常に有益な

経験となった.今後,国際学会等で自身の研究成

果を発信するためにも,英語コミュニケーション

力の重要性を改めて再認識した.今回はポスター

の電子掲示であったが,次回は口頭発表を行い,

更なるステップアップを図りたい.

 最後に,本学会大会への参加・発表を行うにあ

たり,ご理解と多大なるご支援をいただきました

金久博昭教授,高井洋平講師および共同研究者の

皆様,本学職員の皆様に感謝の意を表します.

E-Poster 電子掲示の様子