4
イミプラミン logP:4.28 アテノロール logP:0.43 TORAST-H TM シリーズは,島津ジーエルシーが最新の技術を取り入れ実使用に 近い条件で性能評価・検証したハイエンド消耗品シリーズの名称です。 近年,LC/MS を始めとする高感度分析が高まってきたことから,低濃度試料での容器への吸着が深刻な課題になってきて います。この際,信頼性の高い分析結果を確保するには,試料調整時での容器への吸着に対する配慮は不可欠となります。 バイアルでは疎水的吸着の抑制にはガラス製バイアルを,またイオン的吸着の抑制には PP 製バイアルを使用することが 一般的に推奨されています。しかし,試料溶液の調整時に使用するマイクロピペット用のチップのほとんどは PP 製であることから, 低 濃 度 試 料( 有 機 化 合 物 や ペ プ チド な ど )で の チップへ の 吸 着 を 抑 制 することは 困 難 でし た 。併 せ て ,チップへ の 吸 着 抑 制 が 待 望 されてきているのが現状です。 今回,島津ジーエルシーでは,PP 製チップ表面に非イオン性の超親水性基を化学結合させた低吸着チップ(TORAST-H Tip) を 開 発 し まし た 。この TORAST-H Tip は疎水的吸着を抑制することに成功しました。同時に,TORAST-H Tip はイオン的吸着 も抑制します。 本資料では PP 製チップにおける吸着の実態と,TORAST-H Tip の吸着抑制効果の評価結果についてご紹介致します。 抗うつ剤であるイミプラミン(logP:4.28, pKa:9.2)は疎水性の高い塩基性化合物です。LC/MS/MSによるイミプラミンのチップ への吸着結果を示します。A社PPチップではTORAST-H Tipに比べて34%(10 ng/mL)および26%(1 ng/mL)の回収率でした。 また1 ng/mLにおいて,TORAST-H TipはS/N14.5を確保していますが,A社PPチップはS/N3.9と定量限界以下となりました。 血圧降下剤であるアテノロールは(logP:0.43, pKa:9.67) は 極 性 の 高 い 塩 基 性 化 合 物 で す。一 般 的 に P P 製 の チップ に 吸 着 し に く い 物 性 で は あ り ま す が ,A 社 P P チ ップ で は TORAST-H Tipに比べて71%の回収率 となりました。 ※加速試験による測定結果 有機化合物(塩基性化合物など)が極めて低吸着 ペプチドが極めて低吸着 万全な品質管理(全数検査) 有機化合物(塩基性化合物など)による吸着試験 特長 A社PPチップ TORAST-H Tip 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 (x1,000) 1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0 1 ng/mL 回収率 26% S/N14.5 S/N3.9 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 (x10,000) 1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0 A社PPチップ TORAST-H Tip 回収率 34% 10 ng/mL 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 min 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 (x10,000) 1:Atenolol 267.30>145.15(+) CE: -26.0 A社PPチップ TORAST-H Tip 回収率 71% 1 ng/mL TORAST-H Tip TM マイクロピペット用低吸着チップ

TORAST-H Tip TM TORAST-H - SHIMADZU...島津マイクロピペット 10-100 µL GLC-MP100 可変式 10-100 µL ー 1 ¥24,000 TORAST-H Bio Vial GLCTV-H-BIO PP製バイアル、キャップ付き

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 販売店

    CAT-16-0012A※本資料は発行時の情報に基づいて作成されており、予告なく改訂することがあります。

    担当

    〒111- 0053東京都台東区浅草橋5 - 20 - 8 CSタワー5 FTEL : 03 -5835 - 0120 FAX : 03 -5835 - 0124

    東日本営業課

    西日本営業課 〒533- 0033大阪市東淀川区東中島 1 - 18 - 22 新大阪丸ビル別館 9 FTEL : 06 -6328 -2255 FAX : 06 -6328 -2277

    [email protected]://solutions.shimadzu.co.jp/glc

    価格表P/NP/N

    TORAST-H Tip 200(5ケース) GLCT-H-TIP200-5 PP 製チップ 2~200 µL 96 本 × 5 ケース ¥39,000

    TORAST-H Tip 200(10 ケース) GLCT-H-TIP200-10 PP 製チップ 2~200 µL 96 本 × 10 ケース ¥74,100

    島津マイクロピペット 2-20 µL GLC-MP20 可変式 2-20 µL ー 1 ¥24,000

    島津マイクロピペット 10-100 µL GLC-MP100 可変式 10-100 µL ー 1 ¥24,000

    TORAST-H Bio Vial GLCTV-H-BIO PP 製バイアル、キャップ付き 300 µL 100 ¥18,000

    製品名製品名 希望価格(税抜)希望価格(税抜)容量容量 入数入数仕様仕様

    イミプラミン logP:4.28

    アテノロール logP:0.43

    特殊バイアル検出板P/N : 2 28 - 51891- 03

    希望価格(税抜)¥2 , 0 0 0

    一体型高速液体クロマトグラフ i -Ser ies(Prominence - i、Nexera - i )でご使用になられる際に

    サンプルをバイアルにセットする際に,エアが入ってしまいなかなか抜けなくなってしまう事があります。さらに,エア抜きをしようとした際に内壁面(上部)やキャップ内側に液滴が飛び散り,事態が悪化する場合もあります。そこで,TORAST-H™ Bio V ialは遠心機にスリーブなしでそのままセットできる外形に設計しましたので,どなたでも簡単にミスすることなくエア抜きすることが可能です(フラッシュ遠心)。特に,粘性が高い,あるいは泡立ちがしやすいサンプルのエア抜きにこのフラッシュ遠心は大変有効です。

    フラッシュ遠 心にそのまま使 用できる外形設 計

    島津製作所 i - S e r i e sで 安心してお使い頂くために,下 記の 特 殊 バイアル検出 板( P / N : 2 2 8 - 5 1 8 9 1 - 0 3 )をご 使 用ください。

    遠心 Af te r

    サンプルのロス

    液滴

    設定した注入ができない原因に

    エア噛み

    Be f o r e

    オプション品 標準品

    !

    写真は,水を10 µL 挿入したものです。少量のサンプル,もしくはサンプル量が少なくなってきた場合でも,サンプルの高さが稼げる設計になっておりますので,ギリギリまでオートサンプラで吸引する事ができます。

    インサート下部のテーパー角を上部に比べ垂直に設計

    ユーザーフレンドリー設 計のご紹介

    T O R A S T- H TM シリーズは,島津ジーエルシーが最新の技術を取り入れ実使用に近い条件で性能評価・検証したハイエンド消耗品シリーズの名称です。

     近年,LC /MS を始めとする高感度分析が高まってきたことから,低濃度試料での容器への吸着が深刻な課題になってきています。この際,信頼性の高い分析結果を確保するには,試料調整時での容器への吸着に対する配慮は不可欠となります。バイアルでは疎水的吸着の抑制にはガラス製バイアルを,またイオン的吸着の抑制には PP 製バイアルを使用することが一般的に推奨されています。しかし,試料溶液の調整時に使用するマイクロピペット用のチップのほとんどは PP 製であることから,低濃度試料(有機化合物やペプチドなど)でのチップへの吸着を抑制することは困難でした。併せて,チップへの吸着抑制が待望されてきているのが現状です。 今回,島津ジーエルシーでは, PP 製チップ表面に非イオン性の超親水性基を化学結合させた低吸着チップ(TORAST-H T ip)を開発しました。この TORAST-H T ip は疎水的吸着を抑制することに成功しました。同時に, TORAST-H T ip はイオン的吸着も抑制します。 本資料では PP 製チップにおける吸着の実態と, TORAST-H T ip の吸着抑制効果の評価結果についてご紹介致します。

     抗うつ剤であるイミプラミン(logP :4 . 28 , pKa : 9 . 2 )は疎水性の高い塩基性化合物です。LC /MS/MSによるイミプラミンのチップへの吸着結果を示します。A社PPチップではTORAST-H T ipに比べて34%(10 ng /mL)および26%(1 ng /mL)の回収率でした。また1 ng /mLにおいて,TORAS T- H T i pはS/N14 . 5を確保していますが,A社PPチップはS/N3 .9と定量限界以下となりました。

     血圧降下剤であるアテノロールは(logP : 0 .43 , pKa : 9 . 67 )は極性の高い塩基性化合物です。一般的にPP製のチップに吸着しにくい物性ではありますが,A 社 P P チップではTORAST-H T ipに比べて71%の回収率※となりました。

    ※加速試験による測定結果

    有 機 化 合 物 ( 塩 基 性 化 合 物 な ど ) が極めて低吸着

    ペプチドが極めて低吸着

    万全な品質管理(全数検査)

    有機 化合 物 ( 塩基性化合 物など )による吸着試 験

    特 長

    A社PPチップTORAST-H Tip

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    1.50

    1.75

    (x1,000)

    1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0

    1 ng/mL

    回収率26%

    S/N14.5S/N3.9

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    (x10,000)

    1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0

    A社PPチップTORAST-H Tip

    回収率34%

    10 ng/mL

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 min

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    (x10,000)

    1:Atenolol 267.30>145.15(+) CE: -26.0

    A社PPチップTORAST-H Tip

    回収率71%

    1 ng/mL

    TORAST-H TipTMマイクロピペット用低吸着チップ

  • ミオグロビン (≒8 . 5 pmo l / µ L ) のトリプシン消化物による吸着試験トリプシン消化物には疎水性の高いペプチドと極性の高いペプチドが混在しています。  リバースモードとは,あらかじめ採取設定容量よりも過剰にチップに吸引し,排出時に設定容量を排出する方法です。

    過剰に吸引することで,チップ内壁への試料の付着に関わらず正確な設定容量の採取が容易となります。

    ■疎水性の高いペプチドの結果

     保持時間が,約14~18分に検出される疎水性の高いペプチドは市販のPP製チップへ吸着していますが,TORAST-H Tipでは顕著な吸着抑制が確認されました。

    ■極性の高いペプチドの結果

     極性の高いペプチドは,いずれのチップにおいても回収率に差は確認されませんでした。

    8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 min0

    50000

    100000

    150000

    200000

    250000

    300000

    350000

    uV

    1 23 4

    56

    78 9

    10 11

    12

    13 1415

    16B社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip400000

    極性の高いペプチド疎水性の高いペプチド

    13.5 14.0 14.5 15.0 15.5 16.0 16.5 17.0 17.5 18.0 min

    110000

    120000

    130000

    140000

    150000

    160000

    170000

    180000

    190000

    200000

    210000

    220000

    230000

    240000

    250000

    260000

    270000

    280000

    290000

    300000uV

    Peak#10

    Peak#11

    Peak#12

    Peak#13

    Peak#14

    Peak#15

    Peak#16

    100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

    8.5% 35.7% 28.7% 16.5% N.D. N.D. N.D.

    5.9% 34.8% 33.3% 6.5% N.D. N.D. N.D.

    B社PPチップ

    B社PPチップ

    A社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip

    TORAST-H Tip

    10 11

    12

    13 14 1516

    7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.0 11.5 12.0 min

    40000

    50000

    60000

    70000

    80000

    90000

    100000

    110000

    120000

    130000

    140000uV

    12

    34

    5

    6

    7

    89B社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip

     以上の吸着試験により,チップ表面を非イオン性の超親水性基で処理したTORAST-H Tipは顕著な疎水的吸着を抑制することが確認できました。今後,TORAST-H Bio Vialとの併用により高感度分析における試料調製に威力を発揮することが期待されます。

    すべてのチップに対して非イオン性超親水性処理の有無を検査した上で出荷を行っています。万全な品質 管 理 ( 全 数 検 査 )

    リバースモードでの使 用を推 奨します

    通常の吸引量よりもあらかじめ余分に吸引

    規定量を分注

    余分に吸引した分

    リバースモードにて使用できる島津マイクロピペットを同時発売!!2-20 µL , 10 -100 µL用の2種類をラインナップ

    島津マイクロピペットの価格表は最終ページに掲載しています。

    TORAST-H™ T ipの価格表は最終ページに掲載しています。

    TORAST-H Bio VialTM

    保持時間が,約7~8分に検出される極性の高いペプチドは主にガラス製バイアルへ,また約12~16分に検出される疎水性の高いペプチドは主にPP製バイアルへ吸着している現象が,それぞれ確認されました。

    ペ プ チ ド が 極 め て 低 吸 着

    塩 基 性化合物が極めて低吸着

    使い勝手が良いユーザーフレンドリーな設計

    M yo g l o b i n (≒1 . 9 pmo l /m L ) のトリプシン消化物による吸着試験

    5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 min

    -20000

    0

    20000

    40000

    60000

    80000

    100000

    120000

    140000

    uV

    :ガラス製バイアル : P P ( ポリプロピレン ) 製バイアル

    特に P P 製、ガラス製バイアルへの吸着

    ガラス製バイアルへの吸着

    : T O R A S T - H B i o V i a lTM

    TORAST-H Bio V ialの吸着試験に関する詳細はTORAST-H Bio V ial専用チラシをご覧下さい。

    特長3つのペプチド・塩基化合物分析用低吸着バイアル

    TORAST-H T ipとの併用で、より高い吸着抑制効果が期待できます。

  • ミオグロビン (≒8 . 5 pmo l / µ L ) のトリプシン消化物による吸着試験トリプシン消化物には疎水性の高いペプチドと極性の高いペプチドが混在しています。  リバースモードとは,あらかじめ採取設定容量よりも過剰にチップに吸引し,排出時に設定容量を排出する方法です。

    過剰に吸引することで,チップ内壁への試料の付着に関わらず正確な設定容量の採取が容易となります。

    ■疎水性の高いペプチドの結果

     保持時間が,約14~18分に検出される疎水性の高いペプチドは市販のPP製チップへ吸着していますが,TORAST-H Tipでは顕著な吸着抑制が確認されました。

    ■極性の高いペプチドの結果

     極性の高いペプチドは,いずれのチップにおいても回収率に差は確認されませんでした。

    8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 min0

    50000

    100000

    150000

    200000

    250000

    300000

    350000

    uV

    1 23 4

    56

    78 9

    10 11

    12

    13 1415

    16B社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip400000

    極性の高いペプチド疎水性の高いペプチド

    13.5 14.0 14.5 15.0 15.5 16.0 16.5 17.0 17.5 18.0 min

    110000

    120000

    130000

    140000

    150000

    160000

    170000

    180000

    190000

    200000

    210000

    220000

    230000

    240000

    250000

    260000

    270000

    280000

    290000

    300000uV

    Peak#10

    Peak#11

    Peak#12

    Peak#13

    Peak#14

    Peak#15

    Peak#16

    100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

    8.5% 35.7% 28.7% 16.5% N.D. N.D. N.D.

    5.9% 34.8% 33.3% 6.5% N.D. N.D. N.D.

    B社PPチップ

    B社PPチップ

    A社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip

    TORAST-H Tip

    10 11

    12

    13 14 1516

    7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.0 11.5 12.0 min

    40000

    50000

    60000

    70000

    80000

    90000

    100000

    110000

    120000

    130000

    140000uV

    12

    34

    5

    6

    7

    89B社PPチップ

    A社PPチップ

    TORAST-H Tip

     以上の吸着試験により,チップ表面を非イオン性の超親水性基で処理したTORAST-H Tipは顕著な疎水的吸着を抑制することが確認できました。今後,TORAST-H Bio Vialとの併用により高感度分析における試料調製に威力を発揮することが期待されます。

    すべてのチップに対して非イオン性超親水性処理の有無を検査した上で出荷を行っています。万全な品質 管 理 ( 全 数 検 査 )

    リバースモードでの使 用を推 奨します

    通常の吸引量よりもあらかじめ余分に吸引

    規定量を分注

    余分に吸引した分

    リバースモードにて使用できる島津マイクロピペットを同時発売!!2-20 µL , 10 -100 µL用の2種類をラインナップ

    島津マイクロピペットの価格表は最終ページに掲載しています。

    TORAST-H™ T ipの価格表は最終ページに掲載しています。

    TORAST-H Bio VialTM

    保持時間が,約7~8分に検出される極性の高いペプチドは主にガラス製バイアルへ,また約12~16分に検出される疎水性の高いペプチドは主にPP製バイアルへ吸着している現象が,それぞれ確認されました。

    ペ プ チ ド が 極 め て 低 吸 着

    塩 基 性化合物が極めて低吸着

    使い勝手が良いユーザーフレンドリーな設計

    M yo g l o b i n (≒1 . 9 pmo l /m L ) のトリプシン消化物による吸着試験

    5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 min

    -20000

    0

    20000

    40000

    60000

    80000

    100000

    120000

    140000

    uV

    :ガラス製バイアル : P P ( ポリプロピレン ) 製バイアル

    特に P P 製、ガラス製バイアルへの吸着

    ガラス製バイアルへの吸着

    : T O R A S T - H B i o V i a lTM

    TORAST-H Bio V ialの吸着試験に関する詳細はTORAST-H Bio V ial専用チラシをご覧下さい。

    特長3つのペプチド・塩基化合物分析用低吸着バイアル

    TORAST-H T ipとの併用で、より高い吸着抑制効果が期待できます。

  • 販売店

    CAT-16-0012A※本資料は発行時の情報に基づいて作成されており、予告なく改訂することがあります。

    担当

    〒111- 0053東京都台東区浅草橋5 - 20 - 8 CSタワー5 FTEL : 03 -5835 - 0120 FAX : 03 -5835 - 0124

    東日本営業課

    西日本営業課 〒533- 0033大阪市東淀川区東中島 1 - 18 - 22 新大阪丸ビル別館 9 FTEL : 06 -6328 -2255 FAX : 06 -6328 -2277

    [email protected]://solutions.shimadzu.co.jp/glc

    価格表P/NP/N

    TORAST-H Tip 200(5ケース) GLCT-H-TIP200-5 PP 製チップ 2~200 µL 96 本 × 5 ケース ¥39,000

    TORAST-H Tip 200(10 ケース) GLCT-H-TIP200-10 PP 製チップ 2~200 µL 96 本 × 10 ケース ¥74,100

    島津マイクロピペット 2-20 µL GLC-MP20 可変式 2-20 µL ー 1 ¥24,000

    島津マイクロピペット 10-100 µL GLC-MP100 可変式 10-100 µL ー 1 ¥24,000

    TORAST-H Bio Vial GLCTV-H-BIO PP 製バイアル、キャップ付き 300 µL 100 ¥18,000

    製品名製品名 希望価格(税抜)希望価格(税抜)容量容量 入数入数仕様仕様

    イミプラミン logP:4.28

    アテノロール logP:0.43

    特殊バイアル検出板P/N : 2 28 - 51891- 03

    希望価格(税抜)¥2 , 0 0 0

    一体型高速液体クロマトグラフ i -Ser ies(Prominence - i、Nexera - i )でご使用になられる際に

    サンプルをバイアルにセットする際に,エアが入ってしまいなかなか抜けなくなってしまう事があります。さらに,エア抜きをしようとした際に内壁面(上部)やキャップ内側に液滴が飛び散り,事態が悪化する場合もあります。そこで,TORAST-H™ Bio V ialは遠心機にスリーブなしでそのままセットできる外形に設計しましたので,どなたでも簡単にミスすることなくエア抜きすることが可能です(フラッシュ遠心)。特に,粘性が高い,あるいは泡立ちがしやすいサンプルのエア抜きにこのフラッシュ遠心は大変有効です。

    フラッシュ遠 心にそのまま使 用できる外形設 計

    島津製作所 i - S e r i e sで 安心してお使い頂くために,下 記の 特 殊 バイアル検出 板( P / N : 2 2 8 - 5 1 8 9 1 - 0 3 )をご 使 用ください。

    遠心 Af te r

    サンプルのロス

    液滴

    設定した注入ができない原因に

    エア噛み

    Be f o r e

    オプション品 標準品

    !

    写真は,水を10 µL 挿入したものです。少量のサンプル,もしくはサンプル量が少なくなってきた場合でも,サンプルの高さが稼げる設計になっておりますので,ギリギリまでオートサンプラで吸引する事ができます。

    インサート下部のテーパー角を上部に比べ垂直に設計

    ユーザーフレンドリー設 計のご紹介

    T O R A S T- H TM シリーズは,島津ジーエルシーが最新の技術を取り入れ実使用に近い条件で性能評価・検証したハイエンド消耗品シリーズの名称です。

     近年,LC /MS を始めとする高感度分析が高まってきたことから,低濃度試料での容器への吸着が深刻な課題になってきています。この際,信頼性の高い分析結果を確保するには,試料調整時での容器への吸着に対する配慮は不可欠となります。バイアルでは疎水的吸着の抑制にはガラス製バイアルを,またイオン的吸着の抑制には PP 製バイアルを使用することが一般的に推奨されています。しかし,試料溶液の調整時に使用するマイクロピペット用のチップのほとんどは PP 製であることから,低濃度試料(有機化合物やペプチドなど)でのチップへの吸着を抑制することは困難でした。併せて,チップへの吸着抑制が待望されてきているのが現状です。 今回,島津ジーエルシーでは, PP 製チップ表面に非イオン性の超親水性基を化学結合させた低吸着チップ(TORAST-H T ip)を開発しました。この TORAST-H T ip は疎水的吸着を抑制することに成功しました。同時に, TORAST-H T ip はイオン的吸着も抑制します。 本資料では PP 製チップにおける吸着の実態と, TORAST-H T ip の吸着抑制効果の評価結果についてご紹介致します。

     抗うつ剤であるイミプラミン(logP :4 . 28 , pKa : 9 . 2 )は疎水性の高い塩基性化合物です。LC /MS/MSによるイミプラミンのチップへの吸着結果を示します。A社PPチップではTORAST-H T ipに比べて34%(10 ng /mL)および26%(1 ng /mL)の回収率でした。また1 ng /mLにおいて,TORAS T- H T i pはS/N14 . 5を確保していますが,A社PPチップはS/N3 .9と定量限界以下となりました。

     血圧降下剤であるアテノロールは(logP : 0 .43 , pKa : 9 . 67 )は極性の高い塩基性化合物です。一般的にPP製のチップに吸着しにくい物性ではありますが,A 社 P P チップではTORAST-H T ipに比べて71%の回収率※となりました。

    ※加速試験による測定結果

    有 機 化 合 物 ( 塩 基 性 化 合 物 な ど )が極めて低吸着

    ペプチドが極めて低吸着

    万全な品質管理(全数検査)

    有機 化合 物 ( 塩基性化合 物など)による吸着試 験

    特長

    A社PPチップTORAST-H Tip

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    1.50

    1.75

    (x1,000)

    1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0

    1 ng/mL

    回収率26%

    S/N14.5S/N3.9

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 min

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    (x10,000)

    1:Imipramine 281.35>208.25(+) CE: -26.0

    A社PPチップTORAST-H Tip

    回収率34%

    10 ng/mL

    0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 min

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    (x10,000)

    1:Atenolol 267.30>145.15(+) CE: -26.0

    A社PPチップTORAST-H Tip

    回収率71%

    1 ng/mL

    TORAST-H TipTMマイクロピペット用低吸着チップ