13
1 TREATMENT CONCEPTS FOR MINOR BONE AUGMENTATION

TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

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Page 1: TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

1

TreaTmenT ConCepTs for

MINOR BONE AUGMENTATION

Page 2: TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3

mInor Bone defeCTs: key faCTors for suCCessful TreaTmenT

TaBle of ConTenTs

Theo

rie

抜歯窩のマネージメント 局所的な骨造成 全域的な骨造成

リッジプリザベーション術式は補綴物装着時(インプラント/ブリッジ)とは無関係

GBRと同時のインプラント埋入 上顎洞底挙上術と同時に 安定した構成要素を形成するGBR

“Treatment Concepts for Extrac-tion Sockets”を参照

“Treatment Concepts for Minor Bone Augmentation”のオンライン版を参照

“Innovative Treatment Concepts in Oral and Maxillofacial Surgery” を参照

TaB. 1: DifferenT TherapeuTiC areas wiTh various TreaTmenT soluTions:

3 minor bone defects: key factors for successful treatment

5 long-term success with the dream-team

6–9 Clinical Cases Class 0 prof. ronald Jung dr. Benoit Brochery & dr. gary finelle dr. raffaele Cavalcanti dr. paul rosen

10–11 Clinical Cases Class i

dr. ueli grunder dr. su yu Cheng

12–13 Treatment decisions in minor Bone augmentation

14 Clinical Cases Class i

pd dr. dr. markus schlee

15–20 Clinical Cases Class ii dr. Teppei Tsukiyama prof. ui-Won Jung dr. João Batista César neto dr. Colin Campbell dr. marlene Teo prof. saso Ivanovski

21 recommendend material combinations I references

22 product range

2

“Geistlich Bio-Oss®, Bio-Gide®と自家骨片との組み合わせのGBRテクニックは、外形形成のための骨造成にとって予知性の高い治療が可能である。そして、その製品は臨床的にも、科学的にも十分に実証されている事が重要である。”prof. Daniel Buser | switzerland

影響を受けない。第一の、かつ最も重要な要素は、骨再生をおこなう部位の露出した骨の面積と再生する骨の体積の比率である。骨再生で新生骨ができるかは欠損が何壁性であるかに委ねられる。単純なルールとしては骨欠損部位に壁が多いほど、欠損部位の治癒の潜在力が高いということになる。一壁性の欠損は、二壁性、三壁性の欠損よりも厳しい条件である。そして、インプラント埋入と同時に骨造成を施術する上で最も重要な3つの基準は、 1. 正確な3次元的なインプラントの位置 インプラントは機能的に、審美的に最適な結果を得るために

3次元的に正しい位置に埋入されなければならない。

2. 初期固定 予知性の高いオッセオインテグレーションを得るための初期

固定が得られなければならない。

3. 良好な形態 予知性の高い骨再生を可能にし、インプラント埋入を成功さ

せるため、インプラント周囲の骨欠損は良好な形態でなければならない。

インプラント周囲骨欠損への局所的な骨造成

GBRは骨造成として非常に考証されている成功した技法である。局所的な骨造成という表現は、インプラントの一部が露出した骨欠損部位への骨造成を行う時にGBR法を用いる時に使う。よって、局所的な骨造成はインプラント周囲の裂開、根尖端の開窓を含むインプラント周囲の骨欠損の治療として定義される。

今回の治療コンセプトは、全域的な骨造成法やリッジプリザベーションなどとは区別して、局所的な骨造成に注目し、インプランント埋入のための段階に分けた骨造成を指し示す。リッジプリザベーションは抜歯後の歯槽骨の吸収を避けるために、抜歯窩に生体材料を移植することにより達成できる。

インプラント埋入と同時にGBRを行うための決定基準

喫煙習慣、年齢、病気などの全身的な要素以外に、GBRの術式を成功に導くためには局所的な要素が重要である。局所的な要素は術者の決定によって影響を受けるが、全身的な要素は術者の

小さな(局所的な)骨欠損:治療成功へのカギ

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4 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 5

long-Term suCCess WITh The dream-Team

ドリームチームでGBR:素晴らしく、予知性のある臨床結果をGeistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®で Geistlich Bio-Oss®, Geistlich Bio-Gide®と同時にインプラント埋入をする事は、インプラントの生存率や、インプラント周囲骨の高さ、周囲軟組織の要因においても、インプラントを既存骨に埋入するのと同様な結果をもたらす。Geistlich Bio-Oss®, Bio-Gide®とインプラント埋入を同時に行う研究の結果から以下の事が提案される。

› 5年後のインプラントの生存率は同等である。そして、その後12〜14年までも生存率は同等のままである。

› インプラントのオッセオインテグレーションの成功とインプラント周囲に同時に骨造成された骨の形態も非常に安定している。

“私は20年以上歯科インプラント治療に携わっている。その多くの時間において、骨再生に関する治療ではもっぱらGeistlichの製品を使っている。年々の結果として非常に予知性が高い。”Jay Beagle | usa

› 5〜9年までの症例で95%の患者で頬側の骨壁が維持されている。

› インプラント周囲の軟組織が安定。

› 審美的結果の予知性が非常に高く、確立した頬側の骨壁は長期的に安定している。

良好な欠損形態とGeistlich製品での治療法 Geistlich Bio-Oss®, Bio-Gide®を使用した局所的な骨造成は、以下のような欠損形態であれば成功が期待できる。

FiG. 4 外形の不足:クラス0 インプラントは骨形態の範囲内に埋入し、審美的な結果をもたらすために、外形部分に骨造成を行う。Geistlich Bio-Oss®, Bio-Gide®を使用したGBR法は、このような症例で行われる。(Dr.Raffaele Calcanti の許可を得て転載)

FiG. 5 歯槽骨内欠損:クラスi インプラントが埋入され、かつ歯槽骨内のギャップが明瞭である。インプラント表面と骨壁までのギャップをGeistlich Bio-

Oss®とGeistlich Bio-Gide®によって骨造成する。必要であれば、Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®でギャップに骨造成を行うだけではなく、外形の骨造成も行う。(Dr. Su Yu Cheng の許可を得て転載)

FiG. 6 裂開状態の欠損:クラスii インプラント埋入後、そのインプラント周囲の骨壁が欠損している状態。Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®で欠損部と外形の骨造成を行う。(Dr. Teppei Tsukiyama の許可を得て転載)

4 5 6

13年後までのインプラント生存率

0 20 40 60 80 100

Implant survival rate (%)

mid-to late

1980 19861980s early

1990 1996 1998 2004 2007 2016

1st clinical results with geistlich Bio-oss®

1st resorbable col-lagen membrane geistlich Bio-gide®

on the market18

geistlich Bio-oss® is the most-used bone substitute worldwide in oral and maxillofacial surgery19

96% Implant survival rate with geistlich Bio-oss® and geistlich Bio-gide®13

30 years of geistlich Bio-oss® 20 years of geistlich Bio-gide®

proven long-term success with geistlich Bio-oss® and geistlich Bio-gide® 5–8,13

gBr as stan-dard procedure with epTfe and auto genous bone grafts2

Introduction of gBr utilizing resorbable barrier membranes2

hürzeler et al. pub-lished about the native collagen membrane geistlich Bio-gide® 10

markeT DemanD ToDay12

for successful osseo-integration of dental implants: › sufficient alveolar ridge bone height › sufficient alveolar crest width

milestones in GBr & Geistlich Biomaterials history go hand in hand

reliable91.9 % Implant survival rate after 12–14 years 6

drawbacks of the utilization of epTfe membranes in combination with bone grafts or bone substitutes: Tissue dehiscences | local infections | Compromised gBr treatment outcome2

Geistlich Bio-Oss®, Geistlich Bio-Gide®とGBR法を行ったインプラントの生存率 91.9

milesTones of GeisTliCh BiomaTerials

milesTones of GBr

既存骨でのインプラントの生存率 94.6

正確な3次元的なインプラントの位置 インプラントを3次元的に正確な位置に埋入することは、審美的にそして機能的な結果をもたらすための一つの鍵である。 ドリームチームと長期的な成功

FiG. 1 近遠心径 臨在歯牙の周囲骨の垂直的骨吸収を起こさせないための最小限の近遠心的な距離。コンフォートゾーン(青)に正しいインプラントを埋入し、臨在する構造物と切り離しデンジャーゾーン

(赤)を避ける。

FiG. 2 口腔顔面径口腔顔面径では、インプラントのプラットフォームの端の部分は理想的な立ち上がり部分から1.5mmから2mmの幅であるコンフ

ォートゾーン(青)に埋入する。デンジャーゾーン(赤)はコンフォートゾーンの頬側と口蓋側に位置する。

FiG. 3 歯冠根尖容積長軸径ではコンフォートゾーン(青)は幅1mmと細く、それらはインプラントシステムやインプラントメーカーの推奨により変化する。一般的にはインプラントのプラットフォームはインプラント補綴物の頬側歯肉端から根尖側に約2mmの位置としている。この細い帯状の歯冠側、そして根先側がデンジャーゾーン(赤)である。

1

1.5 mm 1.5 mm

2

1.5–2.0 mm

3

2.0 mm

1.0 mm

Theo

rie

less DehisCenCeswith geistlich Bio-gide® in comparison with epTfe11

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6 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 7

ConTour augmenTaTIon WITh l-shape TeChnIque

prof. ronald Jung, phd | switzerland

1 2 3 4

5 6 7 8

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® | geistlich Bio-oss® Collagen autogenous bone chips

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide® resorbable pins

解説

1. #11と#21の抜歯前の初期の状態。#21の根尖端に瘻孔がみられる。

2. インプラントの埋入後、#11のインプラントの頬側に小さな裂開がみられ、#21のインプラントの頬側では大きな裂開がみられた。

3. インプラントの表面を覆う為に、周囲から採取した自家骨片とGeistlich Bio-Oss®を混和する。

4. Geistlich Bio-Oss® CollagenをL字型になるように整形する。この工程は湿った状態で行うと容易にできる。

5. 咬合面観からみられるように、#11と#21の部分の外形の骨造成にL字型がうまく馴染んでいるのがわかる。外形をスムーズにする為に、Geistlich Bio-Oss®粒子を使用する。

臨床的挑戦

頬側である審美領域のインプラント周囲の欠損で、Geistlich Combi-kit Collagenが十分な骨量と天然歯牙のような根の隆起を造成できる。

目的と手法

Geistlich Bio-Oss® CollagenをL字に整形し、吸収性のピンとGeistlich Bio-Gide®を使用し、骨欠損に適合する。これが、インプラント部位の軟組織を支え、天然歯牙の根の様な形態の軟組織を支える。

6. Geistlich Bio-Gide®で欠損部位を覆い、コラーゲン膜の根尖側部分をポリ乳酸でできた吸収性のピンで安定させるため固定する。

7. アバットメント接続の後に続き、スクリュー固定式のプロビジョナルを使用することにより、インプラント埋入後4ヶ月後に素晴らしい立ち上がり部分の歯肉の形態が構築される。

8. #11と#21に2本のオールセラミック製の固定式スクリューを装着することによって非常に自然に仕上がった。

結論

10%のコラーゲンの成分が血餅の維持と安定に関与し、Geistlich Bio-Oss®の粒子を繋ぎ留めていると思われる。

ConTour augmenTaTIon WITh rIdge preservaTIon

dr. Benoit Brochery & dr. gary finelle | france

Cli

nica

l Cas

es C

lass

0

1 2 3 4

5 6 7 8

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® Connective Tissue graft (CTg)

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. #21-23のブリッジの頬側面観:#21の頬側のプロービングにより深いポケットを認め、歯根破折とその部分の頬側の皮質骨の喪失があると思われる。

2. 第一段階:手術により#21の抜歯後の顕著な水平的な骨欠損が認められる。#22にインプラントを埋入。

3. Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®を使用し、#21相当部位と#22の頬側への骨造成が行われた。

臨床的挑戦

この症例は1段階前のプロビジョナルの審美的、そして機能的な必修事項を、初期の組織状態に適合させるインプラント方法を描写することを提案している症例である。#21に頬側皮質骨の全喪失の原因となっている歯根破折がみられ、この#21は、#22の欠損を補うために#23にかかっているブリッジの前方の支台歯である。これを克服するための臨床的な困難は、喪失した組織の再生と暫間固定の選択である。

目的と手法

頬側の皮質骨の消失にはGBR法による再建が必要である。消失した骨の再建を能率的に行う為、そして暫間的補綴物を維持する為に外科的な手法が2段階で行われた。まずは歯牙支持、そして次はインプラント支持のプロビジョナルを用いることにより、軟組織の形態を再建した。

4. Geistlich Bio-Gide®で#21、#22の再建部位を被覆した。

5. 8ヶ月後には#22は骨に固定され、#21の骨再建が完了した。

6. #21部位へインプラントを埋入、結合組織移植も同時に行われ、新しいプロビジョナルの為に#22の印象採得をした。

7. 術後18ヶ月最終補綴物との状態。

8. 術後18ヶ月のレントゲン画像。

結論前歯部へのインプラント治療の審美的目標は、十分な幅のある骨と軟組織が長期的にある環境で成し遂げられる。

L-シェイプテクニックでの外形骨造成 リッジプリザベーションと外形の骨造成

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98 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon

ConTour augmenTaTIon In a demandIng esTheTIC sITuaTIon

dr. raffaele Cavalcanti | Italy

1 2 3 4

5 6 7b7a 8

解説

1. Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®にて行われた大きな骨造成術の3ヶ月後。

2. 手術6ヶ月後の咬合面観にて歯槽骨が再建されたことが認められる。

3. インプラント埋入後に小さな骨欠損が認められる。

4. 審美的要求を満たす条件を得る為にGeistlich Bio-Oss®を使用し、外形の骨造成を行った。

臨床的挑戦

外部吸収が起きた予後不良な上顎側切歯への治療は、特に若い女性においては、審美的要求が強く求められる領域である。

目的と手法

抜歯後に残った大きな欠損に対して、必要な量の骨造成を行い6ヶ月後の治癒後にインプラント埋入し、同時に外形と機能を最良にするために必要な軟組織移植を行う。

5. 結合組織を同時に施術した。

6. 縫合後の手術直後の咬合面観。

2次手術後にスクリュー固定式のプロビジョナルを用いて調整された軟組織の咬合面観。

18ヶ月後のレントゲン画像。

最終的な臨床写真。経過観察中も良好であった。

結論18ヶ月の経過観察中も組織が安定している事が審美領域への治療では非常に重要である。

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® Connective Tissue graft (CTg)

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss®

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

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5 6 7 8

臨床的挑戦

49歳男性、特異的な病歴はない。10代の時に上顎両中切歯の根管治療を受けた。#11の歯牙は1/2度の動揺度があり、問題となるプロービング値は認められなかった。しかし、#21は根管治療の問題により近心には6mmのプロービング値が認められた。以前に#11の根尖病巣、#21の骨縁下欠損を修復するための外科処置が失敗し、ブラックトライアングルが残っていた。

目的と手法抜歯と掻爬によりしっかりとした唇側の骨を残すことができたが、#11の根尖部には唇側の開窓が残ってしまった。Geistlich Bio-Oss® Penを生理食塩水と混ぜ、抜歯即時で埋入されたインプラントの周囲に多めに充填した。インプラントとヒーリングアバットメントの部分を覆わないようにGeistlich Bio-Gide®を切って調整し、充填した骨を被覆した。ePTFE製の縫合糸を単純縫合することにより、唇側の歯肉を歯冠側に移動した。インプラントは安定し、レントゲン画像では歯頸部と歯間部に新生骨がみられるようである。

rIdge over-ConTour for Improved anTerIor esTheTICs

1 2 3 4

5 6 7 8

結論

Geistlich Bio-Oss®を用いることにより、骨、軟組織の治癒が良好に行われ、根尖部に骨の開窓があるにも関わらず、根尖に骨がしっかり残っていることにより、抜歯窩にインプラントを埋入することができる良い例と言えるかもしれない。補綴物の計画と移植した骨基盤上のしっかりとした軟組織の外形は、比較的早期にしっかりとした機能と向上した前歯部の審美を、患者に提供できる。

dr. paul rosen | usa

解説

1. 上顎前歯部の術前写真。

2. 抜歯窩と掻爬後の写真。

3. 即時インプラント埋入。共鳴周波数解析(RFA)の記録を取り、数値は#11で69-70、#21で70-75であった。

4. Geistlich Bio-Oss® Penにて欠損部の充填、そして歯槽骨に過剰気味に充填を行う。

5. インプラントとヒーリングアバットメント以外はGeistlich Bio-Gide®にて移植骨を覆った。

6. 歯肉を口蓋側から唇側に持ってくる為に、ePTFE製の縫合糸で単純縫合をした。

7. ヒーリングアバットメント周囲の良好な歯肉の治癒と形態。

8. 術後6ヶ月の最終補綴物とその周囲の歯肉の良好な形態。GBR法で構築された骨の土台の上に、良好な軟組織の審美的要素が得られている。

Cli

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7a.

7b.

8.

要求の高い審美症例への外形骨造成 前歯部の審美を向上させる歯槽骨を超える外形

Page 6: TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

11

ConTour augmenTaTIon WITh geIsTlICh BIo-oss® Collagen

dr. ueli grunder | switzerland

1 2 3 4

5 6 7 8

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® Collagen Collagen fleece

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 術前のレントゲン画像で歯牙周囲に顕著な骨吸収が認められる。

2. 抜歯後6週間すると抜歯窩の軟組織は治癒した。

3. 全層弁を剥離し、重度な骨欠損部位にインプラントを埋入した。

4. Geistlich Bio-Oss® Collagenを欠損部に充填し、形態の安定を求めた。

5. Geistlich Bio-Oss® Collagenで骨造成を行った後にコラーゲンで覆った。

臨床的挑戦

上顎小臼歯は進行した歯周病のため抜歯され、感染した歯牙の周囲には大きな骨吸収が認められた。骨欠損は歯槽骨内であり、開窓や裂開はない。

目的と手法

早期インプラント埋入法(インプラント埋入前に抜歯後6週間の治癒)を選択した。インプラント埋入と同時にGeistlich Bio-Oss® Collagenを用いて骨造成を行う。この患者は1991年に治療されたGeistlich Bio-Oss® Collagen臨床適応の最初の症例の一つである。

6. 術後6ヶ月で最終的補綴物を装着。

7. 25年後のレントゲン画像で安定した骨の状態が認められる。

8. 25年後の経過観察の臨床写真は非常に良好な軟組織と骨の状況を表している。

結論

小臼歯部へのインプラント埋入と同時にGeistlich Bio-Oss® Collagenで行われた骨造成は、25年もの長期的な良好な結果を認める。インプラント埋入後25年も軟組織、硬組織の形態がしっかりと残っている。

25年の経過観察

ConTour augmenTaTIon of an InTraBony defeCT

dr. su yu Cheng | China

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5 6 7 8

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® none

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 上顎右側中切歯と軟組織の術前の状態。

2. インプラント埋入後の状態。頬側骨とインプラントとの隙間のプロービング計測時。

3. 骨欠損にはGeistlich Bio-Oss®粒子を使用し、同時に骨の解剖学的構造を改善した。

4. GBRの原則に従い、Geistlich Bio-Oss®粒子をGeistlich Bio-Gide®で覆った。

臨床的挑戦

上顎中切歯を抜歯し、同時にインプラントを埋入した。この状況での困難な点は、機能的のみならず、審美的に歯槽骨の量を維持する点である。

目的と手法

#11の歯牙の抜歯直後にインプラントが埋入され、周囲骨の吸収抑制と維持のため、インプラントと歯槽骨壁との隙間にGeistlich Bio-Oss®が充填され、Geistlich Bio-Gide®にて被覆された。

5. 咬合面観、既存の骨椽を伸ばすために骨造成された部分を膜で保護した。骨造成した部位は軟組織を調整し、初期閉鎖を得た。

6. 上部構造装着前の術後6ヶ月の臨床写真。

7. 補綴後12ヶ月の側方からの臨床写真。

8. 上顎右側中切歯の12ヶ月後の正面観。審美的にも成功した状態が認められる。

結論

再生術を行う事によって、審美領域におけるインプラント即時埋入において予知性の高い結果を得られた。

Cli

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i

10 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon

Geistlich Bio-Oss® Collagenによる外形の増大 骨内欠損の外形増大

Page 7: TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

12 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 13

インプラント周囲の裂開、その周囲には骨移植した骨を安定させるだけの周囲骨が存在する。

審美領域において、インプラント周囲骨の萎縮や軟組織の退縮。

抜歯窩の処置、大きな骨造成。(PAGE3のQRコードをスキャン)

インプラントは骨形態内に埋入可能であるが、外形の形態を改善する為に骨造成が必要である。通常のインプラント埋入には十分な骨であるが、横の外形は不足している状態。

インプラント表面と骨壁(ギャップへの骨造成)に骨内欠損が存在する。

インプラント埋入とGBRは同時か?

はい

はい

いいえ

どの分類の欠損が存在するか?

以前にインプラント埋入をしたか?

インプラント周囲の骨欠損 マイナーボーンオーグメンテーションは、インプラント周囲への骨欠損、おもに裂開や尖端部の開窓に対してのGBRと定義される。

TreaTmenT deCIsIons In mInor Bone augmenTaTIon

クラス0欠損 頬側の外形骨造成

クラス1欠損 骨内欠損のギャップへの充填

クラス2欠損 裂開、開窓欠損への骨造成

インプラント周囲の失敗処置 インプラント表面における消毒前後のインプラント周囲への骨造成

いいえ

欠損形態 症例 推奨製品

geistlich Bio-gide® or geistlich Bio-gide® Compressed

+

geistlich Bio-oss® or geistlich Bio-oss® Collagen

geistlich Bio-gide® or geistlich Bio-gide® Compressed

+

geistlich Bio-oss® or geistlich Bio-oss® Collagen

geistlich Bio-gide® or geistlich Bio-gide® Compressed

+

geistlich Bio-oss® or geistlich Bio-oss® Collagen

geistlich Bio-gide® or geistlich Bio-gide® Compressed

+

geistlich Bio-oss® or geistlich Bio-oss® Collagen

online content: Treatment of Class 0 defect with geistlich Bio-gide® Compressed and geistlich Bio-oss® as esthetic follow-up of a previous major Bone augmentation procedure. (dr. luca de stavola, Italy)

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1312 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon

限局的な欠損への骨造成の治療法決定

Page 8: TreaTmenT ConCepTs for MINOR BONE AUGMENTATIONoss.dentalead.co.jp/download/MinorBoneAugmentation-JPN.pdf2 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 3 mInor Bone defeCTs: key faCTors

14 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 15

ConTour augmenTaTIon and douBle layer TeChnIque

dr. Teppei Tsukiyama | Japan

1 2 3 4

5 6 7 8

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® Connective Tissue graft (CTg)

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 術前の正面観。#11の歯牙は急性根尖性歯周病と歯根破折により抜歯を行うことになった。8週の間軟組織の治癒を待ったが、歯槽骨の水平的な骨吸収が認められた。

2. 歯槽骨の不足はあったが、根尖端の骨によりインプラントの初期固定は得られた。#11の将来的な補綴物の歯肉辺縁から算出された3次元的な位置に、インプラントを埋入した。

3. Geistlich Bio-Oss®にて水平的な骨欠損に骨造成を行った。

4. Geistlich Bio-Gide®をダブルレイヤー(2層)テクニックにて使用し、軟組織の介入を排除し骨造成を促した。

臨床的挑戦

34歳女性は歯牙の緩みと出血を主訴として来院。非外傷的な#11の抜歯後、急性炎症のため頬側の骨は吸収している。水平的な骨吸収が起きていた。4週間後の軟組織の治癒は良好である為、早期インプラント埋入と骨造成を同時に行った。ITI SAC の分類によると、この患者はModerate-Highであり、繊細な軟組織の取り扱いと厳密な上部構造の設計が必要である。

目的と手法

3次元的に正しくインプラントを埋入した後に、周囲皮質骨への穿孔を行った。Geistlich Bio-Oss®粒子にて露出したインプラント表面を充填し、Geistlich Bio-Gide®のダブルレイヤー(2層)テクニックにて被覆した。軟組織の初期閉鎖を十分に得られるように、骨膜減張切開により歯肉の緊張を取り除いた。4ヶ月の治癒期間後に、インプラントを露出させる為に歯肉切開を行い、2次手術を行った。患者は#11と#12の最終補綴物に大変満足し、18ヶ月間機能的にも問題なく経過観察を行っている。

5. 減張切開後に水平マットレス縫合と単純縫合にて、歯肉に緊張がかからないように初期閉鎖を得た。

6. インプラントを露出させるために、パンチ切開を行った。このパンチ切開により、結合組織移植を行うスペースを確保できる。その後、ヒーリングアバットメントを装着した。

7. #21は形成を行い、セラミックベニアを装着し、#11との調和をとる。#11のカスタマイズされた印象採得を行った。十分な量のインプラント周囲軟組織が観察できる。

8. 最終補綴物装着後、自然な審美的な結果が得られた。水平的な欠損はGeistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®にて修復された。

結論

審美領域でのインプラント治療の計画には、生物学、生体材料の基礎知識、補綴の概念と包括的な知識、そして、繊細な組織の取り扱いの手技が必要である。長期的に良好な結果を得る為、そしてインプラント周囲の軟組織環境を得る為、外科治療の段階では、最終補綴の結果から導いたインプラントの位置、硬組織、軟組織に委ねたマネージメントを行う必要がある。

ImmedIaTe ImplanT plaCemenT InvolvIng ThIn BuCCal Bone lamella

pd dr. dr. markus schlee | germany

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® none

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

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臨床的挑戦

遠心は水平的に吸収し、頬側の骨は穿孔して薄くなっている。そして、抜歯により歯牙の傾斜が起きている。

目的と手法

抜歯窩を保存し、歯槽骨量を維持し、即時にインプラントを埋入し、同時にGeistlich Bio-Oss®にて骨造成を行った。

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結論

Geistlich Bio-Oss®を使用することにより、歯槽骨量と審美的要素を維持することができる。

解説

1. 歯冠長が不十分な為、歯牙は抜歯を行うことになった。

2. 遠心の水平的な骨欠損と歯の傾斜により、頬側の骨は非常に薄い。そして根尖端には開窓があり、抜歯時に剥がれてしまった。#43のインプラントは舌側の骨に沿って即時に埋入された。

3. 抜歯窩と頬側の骨の間隙にGeistlich Bio-Oss®を充填し、形態修正を行った。そして歯肉によって安定した。

4. 術後2週間の治癒。

5. 術後5ヶ月の#43、44、46部位。

6. 術後or治療後6年後のレントゲン画像。

7. 治療後6年の口腔内状態。

8. 術後6年経過しても頬側の外形が維持されていることが咬合面観から認められる。

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薄い頬側骨を含んだ即時インプラント埋入 ダブルレイヤー(2層)テクニックと外形骨造成

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16 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 17

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TreaTmenT of a fenesTraTIon defeCT WITh gBr and CT grafT

dr. João Batista César neto, dr. roberto Zangirolami*, dr. ricardo Takiy sekiguchi* | Brazil

DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® Connective Tissue graft (CTg)

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 治療予定部位の術前の正面観。上顎右側切歯は欠損し、暫間補綴物が装着されている。

2. インプラント埋入のドリリング時の咬合面観。補綴的に良好な部位に位置している。

3. インプラント埋入し、根尖端部位の開窓が認められ、インプラント表面が露出している。

4. Geistlich Bio-Gide®を骨欠損の解剖学的形態にトリミングする。

臨床的挑戦

予知性の高い治療法にて、患者の不快感なく、良好な審美的結果を成し遂げる#12のインプラント修復。

目的と手法

補綴主導型の計画のもと、良好な初期固定でインプラント埋入を行い、同時にGBRを行った。

5. 患者の骨が薄いため、Geistlich Bio-Oss®を頬側の開窓部と口蓋側にも充填し、はじめにGeistlich Bio-Gide®を口蓋側に固定してから頬側に向かって被覆した。

6. Geistlich Bio-Gide®で頬側の露出したインプラント表面を覆い、骨造成ができるためのバリアーとして覆った。

7. 9ヶ月後に軟組織の量を改善する為に結合組織移植を行った。

8. インプラントを埋入しGBRを行ってから21ヶ月後の最終補綴物の正面観。

結論

注意深い臨床的診査及びCBCT診査によって、サイマルテニアスアプローチが望まれる状態であると判明することがある。そうすることによって、治療期間と外科処置の回数を減らす事が可能である。

*Dr. Zangirolam(補綴治療)とDr. Sekiguchi(歯冠長延長術)の共同治療による。

ConTour augmenTIon afTer sofT TIssue punCh

prof. ui-Won Jung | south korea

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DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® soft Tissue punch

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 上顎左側中切歯の歯根破折による頬側の軟組織の炎症が認められる。

2. 軟組織パンチテクニックに用いる直径6mmの軟組織(提供側)を口蓋から採取。

3. 3ヶ月の治癒後にインプラントを埋入。

4. 頬側の骨欠損部位にGeistlich Bio-Oss®を充填し、Geistlich Bio-Gide®にて骨補填材を被覆した。

臨床的挑戦

前歯部領域の補綴は機能的のみならず、審美的な観点と親密に関わっている。歯周病由来、もしくは歯内療法由来の理由で切歯が抜歯される場合の多くは、頬側の骨の一部、あるいは全てが吸収してしまう。その結果、骨組織の喪失、そして軟組織の凹みが認められる。そして、さらに抜歯後には脆弱な軟組織が多く認められる。

目的と手法

軟組織パンチテクニックは上顎切歯の抜歯直後に用いられる方法である。3ヶ月後にインプラント埋入とGeistlich Bio-Oss®と Geistlich Bio-Gide®によるGBRを行う。

5. インプラント埋入と骨造成後6ヶ月の上顎左側中切歯部。上顎右側中切歯が外傷の為に抜歯され、抜歯窩にGeistlich Bio-Oss®を充填した。

6. Geistlich Bio-Oss®をGeistlich Bio-Gide®で被覆した。

7. 1.5年後の経過観察。(咬合面観)

8. 3年後の経過観察。(正面観)

結論

上顎前歯部の欠損部位への骨造成を行い、良好かつ審美的な結果を得ることができた。

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reGisTer now for The BoX hTTps://BoX.osTeoloGy.orG

movie to the present case

another example of treatment

軟組織パンチ後の外形骨造成 GBRと結合組織移植を用いた根尖端部位の開窓への治療法

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18 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 19

sIngle ImplanT plaCemenT WITh gBr

dr. Colin Campbell | uk

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DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® autogenous Bone Chips

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 局所麻酔を行った直後の画像。#12にはすでに軟組織の退縮がみられ、#21にも初期の軟組織退縮が認められる。

2. 軟組織を剥離すると、#12に顕著な骨吸収が、#21に初期の骨吸収が認められた。そして、#11には水平的、垂直的な骨欠損が認められる。

3. サージカルガイドを用い、インプラントの垂直的な位置決めを正しく行った画像。

4. インプラントが埋入され、カバースクリューを装着し、同術野から採取できた自家骨を充填した。

臨床的挑戦

これらの歯周病患者の治療は我々のクリニックで行った。歯周病専門医は#11を固定式の補綴物で置き換える事を考えていた。しかし、できるだけ自分の歯牙は残しておきたいという患者の希望により、#12の歯牙の予後は良好ではなかったが、インプラントの単独治療とGBRを行うことにより、できるだけ#21を長期的に保存していくということで合意した。

目的と手法

タイプ2のインプラントを#11に埋入し、インプラント補綴周囲粘膜の長期的な安定を供給するために自家骨とGeistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®を用いたGBRを行った。

5. Geistlich Bio-Oss®は自家骨の上に充填され、時間をかけ置換補填材として機能し、移植組織のボリュームを安定させる。

6. Geistlich Bio-Gide®ダブルレイヤー(2層)テクニックにより、治癒期間中の移植骨を保護する。

7. 抜歯直後の術野 。

8. 2年経過した症例。歯肉が安定している。

結論

#12、#21の周囲組織の吸収があり、垂直的、水平的な骨欠損のある症例は審美的に非常に困難である。この症例により、長期的な結果を得ることができ、患者にも予知性の高い治療をすることができた。

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DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® autogenous Bone Chips

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

臨床的挑戦

CT診査により、インプラントを埋入して初期固定を得られる骨がかろうじてあることが観察された。患者には#11から#22までのブリッジ治療を提案したが、前歯が3本分もつながっていることを望まなかった。さらに、#11の根尖端には治療されていない再発性の腫瘍がレントゲンで確認された。これは、当院で3年前に行われた根管治療であった。これを治療せずにブリッジの支台歯となることは困難である。

目的と手法

この症例には、各方面からのアプローチが必要である。歯内療法専門医は、根充填材の密度も良好であるため、#11のクラウンをそのまま残す根尖端切除術を提案した。そして、#21へのインプラント埋入と同時に根尖端切除と骨造成を同時に行うことにした。インプラント埋入時に十分な固定を得られれば、それを柱として周囲に骨造成を行うことにした。

TreaTmenT of fenesTraTIon and of perIapICal Bone defeCT

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結論

この治療により、#11の再発性の炎症は根尖端切除術により完全に除去された。#21へのインプラントも、頬側の歯槽骨は狭小化していたが安定した埋入ができた。Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®を用いることにより、両部位への骨造成に良い結果を得られた。

dr. marlene Teo | singapore

解説

1. #21は2ヶ月前に抜歯された。#11は再発性の根尖性感染症である。

2. 根尖端切除術を行い、MTAを使用し逆根充填を行った。

3. インプラントの固定は良好。しかしインプラント表面が露出している状態の頬側面観。

4. #11と#21の頬側の骨欠損にGeistlich Bio-Oss®を充填した。

5. 充填した骨材をGeistlich Bio-Gide®にて覆った。

6. 術野は非吸収性の縫合糸により縫合した。

7. 術後4ヶ月の頬側面観。

8. #21にインプラントクラウン、#22にクラウンを装着した20ヶ月後の状態。

単独インプラント埋入とGBR 根尖端の開窓とその骨欠損の治療

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20 – TreaTmenT ConCepTs mInor Bone augmenTaTIon 21

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DefeCT reGion TreaTmenT aDDiTional means

Class 0 Class II anterior maxilla geistlich Bio-oss® none

Class I posterior mandible geistlich Bio-gide®

解説

1. 正面観。上顎右側中切歯は以前の歯内治療と破折により抜歯。その後良好に治癒し、8週間後にインプラント埋入を計画した。

2. 咬合面観。抜歯後8週間。

3. 咬合面観。臨在する側切歯遠心に縦切開を入れ全層弁剥離した状態。頬側の骨に裂開の欠損が認められる。

4. 正面観。インプラントメーカーの提唱する方法に基づきインプラントを埋入。裂開により、埋入後ほとんどのインプラント頬側の表面が露出している。

臨床的挑戦

患者の上顎右側中切歯は歯内療法治療後にポストコアによる治療を受け、その後歯牙が破折した状態であった。その歯牙の抜歯後8週間でインプラント治療を行う計画を立てた。インプラント埋入を計画する診査において頬側に大きな裂開の欠損が認められた。

目的と手法

頬側には大きな裂開の欠損が認められた。インプラント埋入後、裂開のため、頬側のインプラントの表面のほとんどは露出した状態であった。頬側の外形を理想的な形態とするために、Geistlich Bio-Oss®粒子を露出したインプラント表面に充填した。その後、骨補填材をGeistlich Bio-Gide®にて覆い、4-0の非吸収性縫合糸にて縫合した。ヒーリングアバットメントを使用し、半埋没させる方法を用いた。

TreaTmenT of a dehIsCenCe defeCT

5. 正面観。Geistlich Bio-Oss®を用いてインプラントの露出した表面に骨造成を行い、また、理想的な頬側の外形を再現した。

6. 骨補填材をGeistlich Bio-Gide®にて覆った。

7. 正面観。4-0非吸収性縫合糸による縫合。ヒーリングアバットメントを使用し、半埋没させる方法を用いた。

8. インプラント埋入後1年の術後画像。

結論

Geistlich Bio-Oss®とGeistlich Bio-Gide®を同時に用いて上顎前歯部の大きな裂開の骨欠損に用いることにより、良好な回復が得られた。

(翻訳・監修者)梅津 清隆 歯科オーシーキューブ日比谷院長/米国インプラント専門医/ロマリンダ大学歯学部臨床助教授/日本歯科大学歯学部非常勤講師

prof. saso Ivanovski | australia

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References

1 Benić gI & hämmerle C. periodontol 2000. 2014 oct;66(1):13–40.

2 Buser d. 20 years of guided Bone regeneration in Implant dentistry. 2009.

3 ITI Treatment guide vol. 1–6.

4 Benić gI et al., Clin oral Implants res. 2009 may;20(5):507–13.

5 Buser d et al., J periodontol. 2011 mar;82(3):342–9.

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7 Buser d et al., J periodontol. 2013 nov;84(11):1517–27.

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14 garber da & Belser uC. Compend Contin educ dent. 1995 aug;16(8):796, 798–802, 804.

15 Buser d et al., Int J oral maxillofac Implants. 2004;19 suppl:43–61.

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17 Cardaropoli d et al., Int J periodontics restorative dent. 2015 mar–apr;35(2):191–8.

18 geistlich Bio-gide® is the first resorbable collagen membrane specifically for use in guided tissue regeneration. data on file, geistlich pharma ag (Wolhusen, switzerland).

19 millennium research group, dental Bone graft substitutes and Tissue regeneration 2005, ap/us/eu.

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裂開による骨欠損の治療

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