TREE PLANTING REPORT 2018...営（旗下営）、2012年から第2の植林地として植林を行っております内蒙古自治区呼和浩特市武川県大有成村（武川）には、累計約75,000本が植樹され、見事な森へと生長し

CARBON FREE CONSULTING Tree Planting Report 2018

TREE PLANTING REPORT 2018


カーボンフリーコンサルティングの植林事業は、皆様の継続的なご協力により、今年

で11年目を迎えることが出来ました。あらためて御礼申し上げます。

植林レポートも15回目となりました。今回のレポートでは、これまでの植林活動の成

果を振り返りながら、新たに話題となっているＳＤＧｓ×植林活動に関してもご案内さ

せて頂きますので、ご一読頂ければ幸甚です。

弊社が2008年から植林を行っております中国内蒙古自治区烏蘭察布市卓資県郊外旗下

営（旗下営）、2012年から第2の植林地として植林を行っております内蒙古自治区呼和

浩特市武川県大有成村（武川）には、累計約75,000本が植樹され、見事な森へと生長し

ております。

上記2つの蒙古自治区の植林区域は、多くの皆様のご協力により、植林可能面積が残り

わずかとなってまいりましたので、来年度からは、新たにモンゴル国セレンゲ県トング

リ村での植林を進めていく予定でございます。モンゴルでは、貧困による違法伐採が横

行し、国土の9割近くが砂漠化に瀕している状況で、黄砂の発生元となるなど、早急な対

策が求められております。

先日現地政府との契約も締結し、苗木の育成や試験的な植林も大変順調に行われてお

ります。現植林地とともに、スタッフ一同、皆様の森を大切に管理し、育てて参ります。

引き続きご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

はじめに

目次

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はじめに

植林事業におけるSDGs達成の可能性

植林で達成を目指すSDGsの目標

植林でSDGsの目標達成：株式会社大丸松坂屋百貨店様の例

2018年度視察日程

植林地（旗下営）の見取り図

植林地（武川）の見取り図

植林統括ディレクターからのメッセージ

植林候補地（モンゴル国セレンゲ県トングリ村）視察レポート

植林の流れ

植林樹種のご紹介

植林地での活動

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植林事業におけるSDGs達成の可能性

植林事業11年目の新たなスタート

カーボンフリーコンサルティング株式会社取締役

池田陸郎

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されており、国際社会が協力して目指す17のゴールと、それらを達成するための169のターゲットで構成されています。

2015年9月の国連決議後から、国内の大手企業を中心にSDGsをビジネスに取り入れる企業が急速に増加しており、今後は、上場企業だけでなく、中小企業にも浸透していくことが予想されます。

先日、「森林×SDGs」シンポジウムに参加して参りましたが、その中でも、「国連森林戦略計画2017-2030」において、持続可能な森林経営を通して、SDGsの17目標のうち14目標の達成に貢献できることが示された、との発表がございました。

弊社の行っている植林活動においても、地球温暖化に対する温暖化防止効果だけでなく、現地雇用の創出や、新しい産業の育成、豊かな生態系や水資源を有する自然林の回復など、様々な波及効果が期待できます。

今後も、皆様にお取組みいただいております植林活動が、関係する皆様のSDGs達成のためのプロジェクトとして様々な課題の解決につながるよう推進してまいります。

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子供を含む多世代に対し育苗から植栽までの技術や、自然林の大切さと美しさを伝え広げることで、地域と自然を愛し、事業に継続的かつ誇りをもって意欲的に取り組む「環境人財」の育成を目指します。これにより、豊かな自然を未来に受け継ぐ市民の増加と地域への定着を実現します。

地域の自然価値を認識し育んでいく「環境人財」の増加と定着を目指します。

現地における育苗の施設の整備や植栽技術、植林地の管理方法などのノウハウを全面的かつ継続的に支援するほか、他地域からの視察の受入れや植栽候補地の調査への協力などを通じ、近隣地への波及を図り、広範囲における育苗植栽産業の発展を目指します。

社会的使命に基づく育苗植栽事業を産業化します。

植生豊かな生態林を回復させるため、植栽するすべての樹木は在来種の高木と低木の複数樹種を選択し、偏りのない樹種分布に配慮することで自然に近い混交林の育成を徹底します。この取組により2030年までに現地の生態系の回復と周辺地域のモデルを作りあげ、目標を達成します。

事業において植栽する主要な樹種であるカラマツを育成することにより、1本あたり約250kg-CO2の温室効果ガスを吸収（30年間成長した時点の推計値）します。今後、トングリ村を中心とした育苗植栽産業を周辺地域へ展開することにより、SDGsの目標13の達成を目指します。

CO2吸収効果の永続的な拡大を目指します。

動植物の溢れる豊かな生態系を回復させます。

植林で達成を目指すSDGsの目標

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豊かな生態系や水資源を有する美しい自然林の回復事業を通じて、環境保全のみならず、雇用創出から人財の定着や観光産業の発展など、様々な波及効果による経済的な自立を実現します。

育苗植栽産業の発展による雇用の創出と経済的自立を実現します。

関係する全ての人々が手を携えて育む永続的なSDGsプロジェクトです。

より多くの人々の協力によってこそ実現できる植林プロジェクトとして、日本国内の事業者をはじめ、現地の村人や政府機関、NGOなどとの幅広い協力体制の構築を進めてまいります。


植林でSDGsの目標達成

株式会社大丸松坂屋百貨店様の例

大丸松坂屋百貨店様のプライベートブランド「トロージャン」では、お客様と共に地球温暖化防止活動に取り組むプロジェクトとして、トロージャンのスーツやジャケットの販売累計10着につき1本の植樹を継続的に実施いただいています。

2009年から始まった「トロージャンの森森林プロジェクト」では、すでに4,500本以上の植樹が行われ、かつては砂漠化の恐れのあった土地が、広大な自然林へと成長しています。

今年度より、SDGsと結びつけたCSR活動と位置づけ、トロージャンの森についての店内POP掲示や、お買い求めいただく商品に、活動についてのタグ（写真）をつけるなど、地球温暖化対策の普及啓発に努めていらっしゃいます。

植林×SDGs商品タグ（表・裏）

（2011年）

（2014年）

（2017年）

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2018年度植林視察日程

１日目０９月２２日（土）

１１：００打ち合わせ１４：４０成田空港発２０：００ウランバートル着２１：００現地事務所着２１：３０事前打ち合わせ

２日目０９月２３日（日）

０７：００起床０８：００ウランバートル駅へ移動０９：３０ウランバートル駅発１１：３０トングリ村着１３：００植林活動１７：００植林活動終了１８：００打ち合わせ

（翌日業務について）

３日目０９月２４日（月）

０７：００起床０８：００植林地へ移動０９：００植林活動１７：００活動終了

５日目０９月２５日（火）

０７：００起床０９：００現状及び改善点について協議１１：００モンゴル植林調印式１３：００ウランバートルへ出発１７：００ウランバートル着

６日目０９月２６日（水）

０６：００起床０８：００ウランバートル発１４：００成田空港着

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植林地（旗下営）の見取り図

植林地見取り図・旗下営の遠景

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Ｃ４Ｃ５

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Ｃ１０

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通路

谷

タンク

Ｃ６

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植林地（武川）の見取り図

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植林地見取り図・武川の遠景

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植林統括ディレクターからのメッセージ

植林事業10年目という節目の中で

カーボンフリーコンサルティング株式会社植林事業部統括ディレクター

原鋭次郎

「植えやすいところから植える」という考えはある意味当たり前の発想で、私自身も灌漑で

きる場所を探し植林してきました。しかし、現地で生活を続けるにつれ、その考えは間違いで

あることに気が付きました。いくら砂漠地帯とはいえ、そこには昔から住み続ける方々がいま

す。灌漑できる条件の良い土地は、現地の方々の生活の支えとなる土地です。放牧をする人も

いれば、農業をする人もいます。そこを森に変えるということはどういうことなのか・・・。

ただでさえ生活が苦しい方々です。その生活の場を奪ってまで緑を増やす意味はあるの

か・・・たとえ森が出来たとしても、彼らはそれを大切にするのか・・・。自問自答を繰り返

した結果、彼らが活用することが出来ない土地を緑に変え、活用できる土地に変えていこうと

いう考えに至りました。そして、灌漑出来るような条件の良い土地は、彼らの生活を豊かにす

る果樹園や牧草地帯として緑化しよう、との思いに至りました。

前述しましたように、これまで本事業で造成した森は無灌漑地域です。２地区合わせて８万

本以上の高木を植え、面積も125haに達しました。この森の中にはCO2固定を目的とした高木

だけではなく、アンズなどの果樹や低木類の牧草なども植え、現地の方々の生活に結び付くよ

うにしています。そして、高木は果樹や牧草を黄砂や強い季節風から守る防風林の役割を果た

す、大切な存在であると説明しています。もちろんほぼすべての樹種が在来種で、低木や高木

を混植することにより、かつての生態体系に近いかたちで森を造成しています。

干ばつなどの天候不良に四苦八苦しながらも現地の方々らの協力もあり、中国内モンゴルで

の事業は安定した状態に入りつつあります。そして今秋、多くの方々の支えによりモンゴルの

新たな地での活動に向けた契約を結ぶことが出来ました。もちろんこの地も無灌漑での挑戦で

す。ここでは新たに子供たちに向けた「環境教育」の場としても活用する予定でいます。子供

たち自らの手で苗木を植えてもらいつつ、現地の小学校と連携して自然の大切さを伝えていけ

たらと思っています。先の長い事業ですが、次の世代、またその次の世代まで大切にできる森

づくりを目指します。

これまで植林をしてきました旗下営地区、武川県のいずれも中国内モン

ゴル自治区に位置します。いずれも山間部の傾斜地に位置し、かつては生

態系豊かな森林地帯でした。本事業を通じて地球温暖化防止と生態林の回

復、そして地域産業の活性化に結び付くことを目的として行っています。

傾斜地ということもあり無灌漑での植林が中心となり、天候に左右されや

すく簡単な事業ではありません。「灌漑が可能な条件の良い場所を選び植

林を行えば」といったご意見もありますが、私たちはあえて「植林しやす

い場所」は選ばないようにしています。もちろんそこには理由があります。

私は２５年にわたり、砂漠化地域を中心に植林事業を行ってきました。当

初は森ができれば良い、緑が増えれば良い、という思いで活動をしていま

した。

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新規植林地（モンゴル国セレンゲ県トングリ村）視察レポート

カーボンフリーコンサルティング株式会社植林事業部

井上智博

≪新規植林地に係る契約≫モンゴル国セレンゲ県トングリ村への植樹による

環境改善についてより成果を挙げる目的で緑化を推進すべく、村の有志団体であるイエテンとともに新植林地の活動に邁進していきます。※本契約は、地元行政機関との「森林再生事業及び管理体制共同活動に関する契約」に基づくもので公式な活動として承認されています。

≪弊社も植林活動を継続して実施≫弊社のロゴマークである、三本の樹木はそれぞ

れ「循環」「低炭素」「持続可能な開発」を表現しています。これらすべてを満たしている「植林活動」をこれからも皆様とともに継続して実施していきます。

≪苗木の状態≫モンゴル国内の苗木の生産拠点及び植林技術の

先端モデルとしてトングリ村が発展することを目指し、さらにはトングリ村産の苗木が国中の砂漠地帯に運ばれ、モンゴル共和国全体の緑化が推進されていくことを目標に苗木の生育に注力しています。苗木の育成は順調で、中には50cmを超える苗木もあります。

植林事業パートナーとの調印式

≪新規植林地基礎情報≫モンゴル国セレンゲ県トングリ村は、

モンゴルの首都ウランバートル市から北へ約300kmのところに位置しており、ウランバートル市から列車で約3時間30分かかります。

出典：グーグルマップ

≪番外編〜ミツバチの賜物〜≫環境のバロメーターと呼ばれる「ミツバチ」。

苗木畑の敷地内で養蜂場があります。周辺環境もよく、ミツバチによって蜂蜜が作り出されています。滞在期間中の朝食は、食パンに採れたてのハチミツをかけていただきました。華やかな香りと優しくスッキリした甘さが口に広がります。

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植林のながれ

≪苗木の採集≫苗木畑にて採集した苗木をトラックに積み、車で10分＋歩いて15分ほどかけ、植林地まで向かいます。

≪植林箇所の掘削≫苗木を植える場所を掘削し、直径30cm x 深さ30cmほどの穴を掘ります。

更にスコップで穴を広げ、直径50cmの穴をつくります。これにより、以下の3つの効果が期待できます。1．雨水が流れやすくなる2．周りに草が生えるのを防ぐ3．暴風から苗木を守る

≪植林≫掘削した穴に苗木を植え、植林が完了です。

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植林樹種のご紹介

マツ科カラマツ属、落葉針葉樹

ヨーロッパ・シベリア・ヒマラヤ・北アメリカ・日本などの北

半球の亜寒帯に分布している樹種で乾燥に強く、成長が早い

（30年間で約250kgのCO2を吸収）ことが特徴です。

根付きやすく成長が早いため、日本では、戦後の拡大造林に用

いられました。深刻な干ばつに見舞われることの多い現地にお

いて、カラマツは植林に最も適した植物の1つです。

主管理樹種カラマツ（Larix sibirica）

ピンクの葉に

少しずつ黄色に

植林活動は、2008年にたった1本のカラマ

ツから始まりました。

その後、400を超える企業・個人の皆様の

ご協力で、これまでに約7万本のカラマツ

を植樹することができました。

開始当時の苗カラマツの稚樹

カラマツ植樹の歴史

秋から冬のカラマツ〜紅葉と雪〜

カラマツの特徴

世界に広く分布するマツ科の植物ですが、葉が紅葉するのはカラマツ属の種だけです。植林地では、カラマツが紅葉のピークを迎えていました。

カラマツは、植樹後3～4年後を迎えると、50cmから1mの成長を毎年果たします。

葉が落ち、雪をかぶった球果

濃い黄色薄い黄色へ

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植林地での活動

カラマツ以外の樹種（生態林/経済林形成を目的とした植樹）

ニンティァオ（Caragana korshinskii）マメ科ムレスズメ属、落葉低木樹在来種であるニンティァオは、黄色の花で私たちを和ませてくれるほか、自然の土壌改良剤として土を豊かにしてくれます。(根の根粒菌で空気中の窒素を固定し、栄養が豊富な葉を落とします。)また成長促進のために刈り取られた枝は、現地の方々の燃料として利用されています。

ポプラ（Populus sp.）ヤナギ科ヤマナラシ属、落葉広葉樹寒暖に強く、成長が早いのが特徴です。一方で、成長が早すぎるために、適切な管理を行うことが難しい面もあります。現地の状況を調査しながらポプラの適切な管理を行い、カラマツやアンズ、サリュウのための防風林をつくっています。

アンズ（Prunus armeniaca）バラ科サクラ属、落葉小高木寒さに強く、薄紅色のきれいな花を咲かせます。アンズの果肉はジャムやお酒、種は杏仁豆腐の原料として、高値で取引されます。現地のみなさんの収益には欠かせない植物です。

生態林って？

持続可能な森には、現地の環境と調和した森づくりを考えることが大切です。そこで、1種類の木ではなく、現地に根差した様々な樹種を植えることで豊かな森づくりを行っています。生態林の造成によって生物多様性が維持されれば、突発的な自然災害や病害に対しても頑健な森を育てることができます。

経済林って？

植林地に生息する昆虫その他の植物

私たちの現地での植林活動には、現地住民の方々の協力が不可欠です。せっかく植樹したカラマツも、世界中の植林地で問題になっているように、燃料用に伐採されたり、放牧家畜のエサにされてしまっては、「木を植えた」事実しか残りません。現地のみなさんに気持ち良く協力していただけるように、植林活動から収益が得られるシステムを作ることが大切です。私たちは、現地の人々の協力を得るためのキーは、「経済林」の造成にあると考えています。現地の人々の収益につながるシステムが必要なのです。現地産業として根付いた時、はじめて共に木を育てることができると言えるのです。

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TREE PLANTING REPORT 2018...営（旗下営）、2012年から第2の植林地として植林を行っております内蒙古自治区呼和浩特市武川県大有成村（武川）には、累計約75,000本が植樹され、見事な森へと生長し