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表-3 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」 を使用した斜張橋の実績
橋梁用斜材ケーブル
2020年 3 月
FUT-H型斜材ケーブルⅡ
橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の適用範囲
2020年3月31日~2025年3月30日
審査証明有効年月日
株式会社 エスイー 橋梁構造部 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル7階 TEL : 03-5338-3244 FAX : 03-5338-3250 URL : http://www.se-corp.com
技術保有会社/お問合せ先
建技審証第0906号
主な実績
◆適用箇所:斜張橋の斜材ケーブル◆ケーブル仕様:設計張力に合わせたストランド1本単位のケーブル構成の選択が可能です。ケーブル断面が正6角形になるケーブル構成を表-2に示します。◆疲労性能:PTI基準およびfib基準に準じた斜材ケーブルとしての疲労性能を有します。
写真-5 矢部川大橋 写真-6 鷹島肥前大橋
表-2 ケーブル仕様の例
19H
37H
61H
91H
127H
19
37
61
91
127
2,783
5,420
8,936
13,331
18,605
φ140
φ180
φ225
φ280
φ315
22.3
43.4
71.6
107
149
24.5
47.7
78.6
117
164
4,959
9,657
15,921
23,751
33,147
呼び名 ストランド本数(本)
鋼材断面積(m㎡)
保護管外径(mm)
単位質量(kg/m)鋼材のみ PE被覆込
引張荷重Pu(kN)
2009年1月
2009年3月
2009年3月2010年12月
2011年7月
2011年11月
2012年7月
2013年1月
2018年10月
473.7
517.0
840.0515.0
290.0
204.0
500.0
190.5
525.0
11.0
19.5
9.757.5
24.3
10.5
27.8
19.0
22.6
192.6
261.0
400.0315.0
190.0
107.0
270.0
134.7
290.0
47.5
87.5
100.062.6
66.0
55.5
65.0
50.0
80.1
19H, 22H, 31H
55H, 61H, 64H70H, 77H, 85H
19H, 24H, 31H19H, 24H, 31H, 37H
31H, 37H, 44H, 49H55H, 61H, 64H, 70H
77H, 85H
23H, 24H, 29H, 32H
49H, 55H, 61H73H, 75H, 85H
44H, 55H, 111H, 121H
44H, 49H, 55H, 61H64H, 70H, 77H, 85H
91H
千葉県
国土交通省
長崎県/佐賀県愛媛県
山口県
鹿児島県
韓国釜山市
由利本荘市
ウガンダ共和国
銚子大橋
矢部川大橋
鷹島肥前大橋生名橋
栄川運河橋
新曽木大橋
華明大橋
由利橋
ジンジャ橋
竣工年月橋 梁 名 発注機関 橋長(m)構造形式 幅員
(m)主径間(m)
主塔高(m) ケーブルタイプ
4径間連続複合斜張橋
3径間連続PC斜張橋
5径間連続複合斜張橋3径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋
3径間連続複合斜張橋
2径間連続PC斜張橋
3径間連続PC斜張橋
2径間連続鋼斜張橋
3径間連続PC斜張橋
本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書
一般財団法人 土木研究センター
「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」は、ストランドを束ねたケーブルと、ストランドを定着する定着装置で構成され、全体にわたって防食処理が施された現場組立型ケーブルです。定着装置は、供用下にストランドに生じると想定される張力変動などに対応した耐疲労構造となっています。本ケーブルの輸送・架設は、汎用的な機材を用いて、ストランド1本単位で行われます。ストランドは1本ずつ架線された後、緊張され、ウェッジによって定着されます。ストランド1本ごとの緊張作業は、各ストランドの導入張力のばらつきが生じないような管理手法が必要であり、本ケーブルの緊張管理は、従来から用いている管理方法(マーキング方法、実張力測定法、張力計算法)と独自に開発したAQ緊張管理方法のうち、いずれかの方法を用いて実施することができます。
橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の概要
(1)疲労性能 ●定着装置は、活荷重や風の影響により生じる斜材ケーブルの張力変動や曲げ作用に対応した耐疲労構造となっています。
(2)防食性能 ●ストランドは、亜鉛めっき処理されたPC鋼より線をポリエチレンで被覆し、そのポリエチレン被覆の内側にグリースを充填した3重防食構造であるため、耐食性能に優れています。
●定着具は、ウレタン樹脂やワックス等の防錆材が充填可能な構造となっており、ポリエチレンが剥ぎ取られているウェッジ部についても耐食性能に優れています。
(3)施工性能 ●輸送から架設までの作業をストランド単位で取り扱うことができ、特殊な輸送手段や大型の吊上げ設備、緊張装置を用いることなく架設することが可能です。
●ケーブルの定着点座標測定と温度測定のリアルタイムデータを用いて精度良くストランドの緊張作業を行うAQ緊張管理方法を適用することができます。
技術の特徴
(1)斜材ケーブルの耐疲労性能 ①PTI基準1)に規定されるウェッジで定着するストランドの疲労性能評価試験の結果、本ケーブルはPTIの疲労
設計基準(許容応力度)が適用できることを確認しました。 ②fib基準2)に規定されるケーブル定着部の軸引張疲労試験と曲げ疲労試験の結果、本ケーブルはfibの疲労に関
する試験基準を満たすことを確認しました。
審査証明の結果
<ケーブル>
<定着装置>ケーブル
定着装置
グリース保護管
ストランド
緩衝材
ストランド
ウェッジ
PEスペーサー
制震装置
ポリエチレン被覆
亜鉛めっき
図-1 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」の一般構造
(2)斜材ケーブルの耐食性能 ストランドに対する塩水噴霧試験3)、複合サイクル試験4)、および促進耐候性試験5)の結果、PC鋼より線に腐
食が生じないことを確認しました。また、定着具内への防錆材の注入施工を行った結果、防錆材が充填されていることを確認しました。
表-1 試験後のストランド腐食状況
<参考文献>1)PTI GUIDE SPECIFICATION “RECOMMENDATIONS FOR STAY CABLE DESIGN, TESTING AND INSTALLATION” Fourth Edition, February, 20012)fib bulletin 30 “Acceptance of stay cable systems using prestressing steels” January 20053) JIS Z 2371に規定される「塩水噴霧試験方法」(2000)4) 日本道路公団規格 JHS403に規定される「塗料の耐複合サイクル防食試験方法」(1997)5) JIS K 7350に規定される「プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-」(1995)
図-2 PTI 基準に規定されるS-N曲線1)と試験結果 写真-1 軸疲労試験状況
(3)施工性(ケーブルの張力管理) AQ緊張管理方法による緊張作業を斜張橋の施工現場へ模擬適用ならびに実用し、ケーブル架設時間、緊張力管理精度を調査した結果、特段の問題は無いことを確認しました。
写真-2 ロードセル内蔵ジャッキによる緊張 写真-3 自動制御装置による緊張管理 写真-4 光波測定器による定着点座標測定
比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)
塩水噴霧試験(1,000時間後) 複合サイクル試験(90日後)
FUT-H型斜材用ストランド 比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)FUT-H型斜材用ストランド
「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」は、ストランドを束ねたケーブルと、ストランドを定着する定着装置で構成され、全体にわたって防食処理が施された現場組立型ケーブルです。定着装置は、供用下にストランドに生じると想定される張力変動などに対応した耐疲労構造となっています。本ケーブルの輸送・架設は、汎用的な機材を用いて、ストランド1本単位で行われます。ストランドは1本ずつ架線された後、緊張され、ウェッジによって定着されます。ストランド1本ごとの緊張作業は、各ストランドの導入張力のばらつきが生じないような管理手法が必要であり、本ケーブルの緊張管理は、従来から用いている管理方法(マーキング方法、実張力測定法、張力計算法)と独自に開発したAQ緊張管理方法のうち、いずれかの方法を用いて実施することができます。
橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の概要
(1)疲労性能 ●定着装置は、活荷重や風の影響により生じる斜材ケーブルの張力変動や曲げ作用に対応した耐疲労構造となっています。
(2)防食性能 ●ストランドは、亜鉛めっき処理されたPC鋼より線をポリエチレンで被覆し、そのポリエチレン被覆の内側にグリースを充填した3重防食構造であるため、耐食性能に優れています。
●定着具は、ウレタン樹脂やワックス等の防錆材が充填可能な構造となっており、ポリエチレンが剥ぎ取られているウェッジ部についても耐食性能に優れています。
(3)施工性能 ●輸送から架設までの作業をストランド単位で取り扱うことができ、特殊な輸送手段や大型の吊上げ設備、緊張装置を用いることなく架設することが可能です。
●ケーブルの定着点座標測定と温度測定のリアルタイムデータを用いて精度良くストランドの緊張作業を行うAQ緊張管理方法を適用することができます。
技術の特徴
(1)斜材ケーブルの耐疲労性能 ①PTI基準1)に規定されるウェッジで定着するストランドの疲労性能評価試験の結果、本ケーブルはPTIの疲労
設計基準(許容応力度)が適用できることを確認しました。 ②fib基準2)に規定されるケーブル定着部の軸引張疲労試験と曲げ疲労試験の結果、本ケーブルはfibの疲労に関
する試験基準を満たすことを確認しました。
審査証明の結果
<ケーブル>
<定着装置>ケーブル
定着装置
グリース保護管
ストランド
緩衝材
ストランド
ウェッジ
PEスペーサー
制震装置
ポリエチレン被覆
亜鉛めっき
図-1 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」の一般構造
(2)斜材ケーブルの耐食性能 ストランドに対する塩水噴霧試験3)、複合サイクル試験4)、および促進耐候性試験5)の結果、PC鋼より線に腐
食が生じないことを確認しました。また、定着具内への防錆材の注入施工を行った結果、防錆材が充填されていることを確認しました。
表-1 試験後のストランド腐食状況
<参考文献>1)PTI GUIDE SPECIFICATION “RECOMMENDATIONS FOR STAY CABLE DESIGN, TESTING AND INSTALLATION” Fourth Edition, February, 20012)fib bulletin 30 “Acceptance of stay cable systems using prestressing steels” January 20053) JIS Z 2371に規定される「塩水噴霧試験方法」(2000)4) 日本道路公団規格 JHS403に規定される「塗料の耐複合サイクル防食試験方法」(1997)5) JIS K 7350に規定される「プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-」(1995)
図-2 PTI 基準に規定されるS-N曲線1)と試験結果 写真-1 軸疲労試験状況
(3)施工性(ケーブルの張力管理) AQ緊張管理方法による緊張作業を斜張橋の施工現場へ模擬適用ならびに実用し、ケーブル架設時間、緊張力管理精度を調査した結果、特段の問題は無いことを確認しました。
写真-2 ロードセル内蔵ジャッキによる緊張 写真-3 自動制御装置による緊張管理 写真-4 光波測定器による定着点座標測定
比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)
塩水噴霧試験(1,000時間後) 複合サイクル試験(90日後)
FUT-H型斜材用ストランド 比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)FUT-H型斜材用ストランド
表-3 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」 を使用した斜張橋の実績
橋梁用斜材ケーブル
2020年 3 月
FUT-H型斜材ケーブルⅡ
橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の適用範囲
2020年3月31日~2025年3月30日
審査証明有効年月日
株式会社 エスイー 橋梁構造部 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル7階 TEL : 03-5338-3244 FAX : 03-5338-3250 URL : http://www.se-corp.com
技術保有会社/お問合せ先
建技審証第0906号
主な実績
◆適用箇所:斜張橋の斜材ケーブル◆ケーブル仕様:設計張力に合わせたストランド1本単位のケーブル構成の選択が可能です。ケーブル断面が正6角形になるケーブル構成を表-2に示します。◆疲労性能:PTI基準およびfib基準に準じた斜材ケーブルとしての疲労性能を有します。
写真-5 矢部川大橋 写真-6 鷹島肥前大橋
表-2 ケーブル仕様の例
19H
37H
61H
91H
127H
19
37
61
91
127
2,783
5,420
8,936
13,331
18,605
φ140
φ180
φ225
φ280
φ315
22.3
43.4
71.6
107
149
24.5
47.7
78.6
117
164
4,959
9,657
15,921
23,751
33,147
呼び名 ストランド本数(本)
鋼材断面積(m㎡)
保護管外径(mm)
単位質量(kg/m)鋼材のみ PE被覆込
引張荷重Pu(kN)
2009年1月
2009年3月
2009年3月2010年12月
2011年7月
2011年11月
2012年7月
2013年1月
2018年10月
473.7
517.0
840.0515.0
290.0
204.0
500.0
190.5
525.0
11.0
19.5
9.757.5
24.3
10.5
27.8
19.0
22.6
192.6
261.0
400.0315.0
190.0
107.0
270.0
134.7
290.0
47.5
87.5
100.062.6
66.0
55.5
65.0
50.0
80.1
19H, 22H, 31H
55H, 61H, 64H70H, 77H, 85H
19H, 24H, 31H19H, 24H, 31H, 37H
31H, 37H, 44H, 49H55H, 61H, 64H, 70H
77H, 85H
23H, 24H, 29H, 32H
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44H, 49H, 55H, 61H64H, 70H, 77H, 85H
91H
千葉県
国土交通省
長崎県/佐賀県愛媛県
山口県
鹿児島県
韓国釜山市
由利本荘市
ウガンダ共和国
銚子大橋
矢部川大橋
鷹島肥前大橋生名橋
栄川運河橋
新曽木大橋
華明大橋
由利橋
ジンジャ橋
竣工年月橋 梁 名 発注機関 橋長(m)構造形式 幅員
(m)主径間(m)
主塔高(m) ケーブルタイプ
4径間連続複合斜張橋
3径間連続PC斜張橋
5径間連続複合斜張橋3径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋
3径間連続複合斜張橋
2径間連続PC斜張橋
3径間連続PC斜張橋
2径間連続鋼斜張橋
3径間連続PC斜張橋
本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書
一般財団法人 土木研究センター