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JAGAT技術ｾﾐﾅｰ2015

軟包装用UVインクジェットシステム開発

2015/12/9

富士富士富士富士フイルムグローバルグラフィックシステムズフイルムグローバルグラフィックシステムズフイルムグローバルグラフィックシステムズフイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社株式会社株式会社株式会社

佐藤佐藤佐藤佐藤 武彦武彦武彦武彦

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低臭気UVインクジェットの技術説明

－ 新規開発のUVインクと画像形成方法について －

Ⅰ．はじめに

Ⅱ．軟包装用UVインクジェット技術

（１）従来の技術課題

（２）UVインクジェットの低臭気化

（３）画質向上技術

（４）印刷物の安全性

Ⅲ．FUJIMOへ搭載

Ⅳ．まとめ

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Ⅰ．はじめに

富士フイルムは、今世紀初めより新たな事業ドメインとして様々なインクジェット関連の製品の実用化を進めてきました。

グラフィック業界向けには、今までに商業印刷分野向けのデジタル印刷機Jet Pressシリーズやワイドフォーマット用のプリンタAcuity などを実用化し市場展開を図っています。

今回、新たに軟包装（裏刷り・ラミ付）向けに開発した『低臭気UVインクジェット』について説明します。

商業用印刷分野： Jet Pressシリーズ

ワイドフォーマット分野： Acuityシリーズ Onset

富⼠フイルムのデジタル印刷機器の⼀例

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FFGSFFGSパッケージ向けソリューション展開パッケージ向けソリューション展開

軟包装分野の問題点軟包装分野の問題点

・急速に進む小ロット・多品種化・急速に進む小ロット・多品種化

・短納期化・短納期化

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納期短縮 44

デジタル印刷では製版製造分の期間を短縮可能

・溶剤使⽤量⼤・印刷⽴会（⻑時間）

アナログ

デジタル

納期短縮

2⽇〜1週間

企画

デザイン

データ作成

製版

前準備

・インクの管理/廃棄

・グラビアシリンダーの管理

/付替/洗浄/廃棄

印刷

加工

納品

企画

デザイン

印刷

加工

納品

・逃げの処

理

・溶剤使⽤量⼩

・印刷⽴会（短時間）

グラビアシリンダーの製造

2⽇間〜1週間（富士フイルム調べ）

＜納品までのフローチャート *富士フイルム調べ＞

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MJP20WMJP20W

㈱ミヤコシ製の㈱ミヤコシ製のLEDLED--UVUVインクジェットプリンターインクジェットプリンター

富士フイルム独自の富士フイルム独自のUVUVインクインク

インクのニジミを防止する「下塗り技術」インクのニジミを防止する「下塗り技術」

UVUVインク特有の臭気を大幅に低減する「窒素パージ技術」などインク特有の臭気を大幅に低減する「窒素パージ技術」など

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Ⅱ．軟包装用UVインクジェット技術 66

N2

K C M Y

ピニ

ング

アニロックス

UVインクジェット

ピニ

ング

ピニ

ング

ピニ

ング

ピニ

ング

Film

コロナ放電 窒素パージ

露光下塗り

ピニングとは・・・弱いUV-LED光を下塗りorインクに照射し、半硬化させること

で密着性および画質改善に寄与（詳細後述）

コロナ放電

下塗り UVインクジェット

窒素パージ

露光

給紙給紙給紙給紙 巻取巻取巻取巻取りりりり

W

ピニ

ング

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本システムの仕様 77

600 dpi×600 dpi解像度

12μm ～ 100μm基材厚み

シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック色

紫外線硬化型インク（UVインク）インク

縦 1.8m × 横 8.6m × 幅 1.9mプリンターの大きさ

541 mm最大印刷幅

PET、OPP（ポリプロピレン）、NY（ナイロン）適応基材

50 m/分印刷スピード

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（１） 技術課題

• 本インクジェットシステムは、紫外線の照射により、瞬時に固化・乾

燥する、紫外線硬化型インク（ＵＶインク）を使用しています。

• ＵＶインクは、揮発性有機化合物（VOC）を含まず、速乾性に

優れ、紙や種々のプラスチック等の幅広い基材への印刷適性があ

るなど、多くの特⻑を有します。

• ＵＶインクジェットプリンターは、20世紀末に登場し、欧米を中心

としたサイングラフィックス分野において、実用化の動きが拡がりまし

た。 当社もこれまでに多くのＵＶインクとシステムを実用化し、

技術を蓄積して参りました。

• 軟包装向け印刷における、既存のUVインクジェットの課題は、

「プリント物の臭気の低減」でした。

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臭気の原因：

UV硬化反応が完全に終了しない非効率があり、微量の

モノマーが残ることが臭気の原因。

UV照射ﾓﾉﾏｰ

光重合開始剤

印刷ヘッド

ﾓノﾏｰが高分子化し固化

インク粘度室温で8～17cP 未反応のﾓノﾏｰ

残存モノマーが気化して臭気の原因となる。

基材フイルム

搬送方向

UVインクジェットの模式図（従来）

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低臭気と⾼⽣産性の両⽴のために

�モノマーの反応促進のために、高速搬送される基材の表面を瞬時に窒素ガスで満たす⾼効率型のパージ⽅式を開発、

�ＬＥＤ－ＵＶ光源に対応した⾼感度ＵＶインクを開発、

臭気の⼤幅な低減化と⾼⽣産性の両⽴に成功しました。

窒素ガスを満たしながらUV照射

ﾓﾉﾏｰ

光重合開始剤

印刷ヘッド ﾓノﾏｰが完全に反応

未反応のﾓﾉﾏｰが残らない

基材フイルム

搬送方向

（２）低臭気ＵＶインクジェット技術

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（３） 画質向上技術

• UVインクは紫外線照射による速乾性を有しますが、インクを吸収しないプラスチック基材上でインク量が多い場合は、ニジミが発⽣し

やすくなります。

• 軟包装に多く用いられる非吸収性フイルムにおいても、 ニジミが少ない鮮明な画像を得るために、インク滴を着弾した位置に保持する下塗り層を新たに開発しました。

ルーペ拡大図ルーペ拡大図 下塗りナシ下塗りナシ 下塗りアリ下塗りアリ

ニジミ

左図に比べて

クリアな画像

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（４）印刷物の安全性

厚⽣省告⽰第370号に準拠

試験サンプル： ４⾊⿊ベタの印刷シート（ラミなし）

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Ⅲ．FUJIMOに採用

・低臭気UVインク

・臭気低減化システム技術

・画質向上技術

インクジェットインクジェットインクジェットインクジェット部部部部インクジェットインクジェットインクジェットインクジェット部部部部白白白白グラビアグラビアグラビアグラビア白白白白グラビアグラビアグラビアグラビア

印刷部印刷部印刷部印刷部印刷部印刷部印刷部印刷部送出し 巻取り

『低臭気ＵＶインクジェット技術』は、その実用化の第一弾として、デジタル・グラビアハイブリッド方式の印刷ユニット“FUJIMO”（富士特殊紙業株式会社様）に採用いただいています。

【概念図】

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バリアブル印刷の例

異なるメッセージを⼊れる

ひとつのジョブの中で、１１種類の

異なるメッセージを⼊れた印刷の例

IGAS2015展示サンプル

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エンドレス印刷の例

「ドブ」のない印刷加工が可能

シール部分

IGAS2015展示サンプル

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Ⅳ．まとめ

１．従来のUVインクの課題であった臭気に関して、

新規UVインクと⾼効率な窒素パージユニットを開発し、(a)印刷物の臭気の大

幅な低減と（ｂ）高い生産性を達成。

２．高次元｢下塗り技術」により、フイルム基材上での着弾滴の濡れ広がりを制御

することでインクのニジミを抑えて、高画質を実現。

３．上記技術の実用化の第一弾として、富士特殊紙業株式会社様のデジタル・

グラビアハイブリッド方式の印刷システム“FUJIMO”にご採用いただきました。

４．IGAS2015（9/11〜16）では、白インクもインクジェット化した、CMYKWの

５色機（オールインクジェット機）を実働展示いたしました。

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最後に

ＵＶインクジェット方式は、オンデマンド・非接触で 基材に着弾した

インクが瞬時に固化するという特徴を活かし、さまざまな分野への展開

が進みつつあります。

印刷のデジタル化を支える技術として、富士フイルムは、素材・イン

ク・プリントヘッド・打滴制御・ランプワーク・画像処理の各要素を融合

した技術革新に継続的に取り組んで参ります。