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Versaillesの演奏陣が個性派シンガーを迎え、新バンドを始動!それは挑戦でした。まあ、アルバム全体的に裏のビートを意識して、日本人にはなかなかできないアプローチを考えました。
-それはライヴで乗れることを重視して?
HIZAKI:それプラス、外タレ感ですね(笑)。日本語で歌っているので、それに合わせると、どうしても平坦な演奏になるんですよ。
-邦楽と洋楽のいい部分を融合させると。ヴォーカルは大変そうですが。
ZIN:裏のノリを体に沁み込ませるために、レコーディング期間も洋楽を歌って練習しました。さきほどおっしゃった通り、邦楽と洋楽のミックスがうまくいきました。HIZAKI:もともとメタル出身とは言い切れない、ヴィジュアル系と言われるシーンの中でやってきたから。日本の良さも体に沁み込んでいるし、でも洋楽が大好きなメンバーも多いので、そういう意味では僕たちにしか出せないサウンドですね。シンセも結構入れてるんですけど、ストリングスが増えるとギターが細くなるので、そのバランスは考えました。ストリングスとギターはせめぎ合いでしたね。
-どちらかに振り切れるのではなく、ヘヴィさとキレイなものを融合させようと?
HIZAKI:そうなんですよね。どっちも欲しいから、そこは難しかったです。ギターの図太さとシンセのシンファニック(←シンフォニック?)な部分を融合させるのは、今後も挑戦していきたい。ZIN:ヴォーカルとして難しかったのは、楽曲によって求めてる歌を歌いたい気持ちが強くて。あまりにもフラフラしすぎると“ZINって何なの?”と思われるだろうし。ZINという軸がありつつ、いろんなカラーを出していきたい。そのバランスの取り方は難しかったですね。それはできたんじゃないかな。TERU:前に比べると、今も速弾きはバンバン入れてるけど、少し落ち着いた感じはありますね。ある程度余裕を持たせて、マックスの難しさにしない。全体のサウンドを意識して、難解にならないように気を付けてます。そこはいちギタリスト、いちミュージシャンとして成長した部分ですね。オレがオレがみたいな自己顕示欲は減りました。バンドとして音を作ることに着目して、ギターだけが目立つのではなく、より素晴らしい音楽を作りたい、より多くの人に聴いてもらいたい、という気持ちが強いんですよ。そのバランスは自分の中ですごくいい感じですね。
-各楽器のプレイも耳に残りますけど、お互いを引き立たせ、1つのストーリー性を目指したまとまりの良さがありますね。
HIZAKI:今回僕はプロデューサー目線で、通常よりもベースを出したい、ドラムのフィルを出したいとか、いろんなことを注文したんですよ。そうすると逆に、自分がギタリストに戻ったときに楽な気持ちで取り組めました。僕とTERUは作曲するので、そればかりだと頭がいっぱいになるし。で、いざ自分のレコーディングになると、あっ、今はギターだけ考えればいいやって。そのニュアンスは出てるんじゃないかな(笑)。
-「ALLEGORY CAVE」ではデス声を披露してて、この曲もインパクトがありますね。
ZIN:もともとそういう要素は持っていたんですけど、さらに突き詰めることができました。あと「Decadence」や「RHYTHMOS」も楽曲が求めているままに歌ったらああいう形になったので、
自分でも新しい発見でした。だから、まだまだ広がる可能性はあるんだなと。HIZAKI:「ALLEGORY CAVE」はチルボド(CHILDREN OF BODOM)辺りを意識した感じですね。キレイな要素を入れてるのは、ラウドでヘヴィな曲しかやってないバンドには到底勝てないし、そこで勝負してもしょうがない。だから、自分たちにしかできないサウンドはこの曲だけじゃなく、全体的に考えました。
HIZAKI (Gt) TERU (Gt) ZIN (Vo) インタビュアー:荒金 良介
-シングルに続き、今回フル・アルバムが完成しましたね。Versailles活動休止から新バンドへの動きはとても早く感じました。やはり間隔を空けたくない、という気持ちは強かったですか?
HIZAKI:そうですね。活動休止を発表したのが1年前で、考える時間は十分ありましたからね。すぐに動いたつもりだったけど、それでも半年ぐらいお客さんを待たせてしまった。(音源)リリースありきで考えていたので、早く作曲して、レコーディングしようと考えてました。
-新しいバンドをスタートさせる上で構想は練りました?
HIZAKI:僕とTERUが一緒にやれば、必然的に前の流れに沿った曲調になる。だから、メンバー間で音楽性の話はあまりしなかった。お客さんが求めているものはわかってますからね。
-意識的に以前とガラッと音楽性を変えるバンドもいますけど、そうではなく?
TERU:変えることで離れていく人もいますからね。いままで自分たちが信じてきたもの、作ってきたものを引き継いで、これからもやっていきたい。HIZAKI:結構残念な結果が多いんですよね(笑)。例えば次の作品で、すごくデジタル要素を加えて“これが僕らの進化だ!”というバンドもいるけど、ガッガリするファンもいるわけで、そう思わせたくなかった。
-以前から自分たちのことを好きだったファンの気持ちは裏切りたくない?
HIZAKI:はい。まあ、好きでこういう音楽をやってるし、今回はヴォーカルも変わったし、また聴こえ方も違うと思うんですよ。ヴォーカル中心で聴く人はガラッと変わった、バック全体で聴く人はそんなに変わらない……人によって意見は違うけど、それはそれで面白いかなと。
-ZINさんに声をかけた理由は?
HIZAKI:もともと知り合いで、以前から歌に熱心な人だなあと感じて。ヴォーカルによくありがちな歌のことしか考えないタイプじゃなく、ロック・ヴォーカリストとして成長していきそうな可能性を感じたんですよ。余談ですが、普段から一緒にメタル・バンドのライヴにも行きますからね(笑)。ZIN:大好きなんですよ!HIZAKIさんが言われたように、ヴォーカリストはヴォーカルしか聴かない人もいるかもしれないけど、僕にとっては全部の楽器が魅力的で……そういうところですかね?HIZAKI:それがいちばんわかったのは、レコーディングのミックスのときに“このドラムがいいから上げたい!”とか、そういうことばかり言うんですよ。それでこのヴォーカルで良かったなと(笑)。
-実際バンドの中に入ってみて、どうですか?
ZIN:すごいテクニカル集団というのは事前に知ってましたけど、実際に音を合わせたり、一緒に生活すると、音楽に対する姿勢が真剣だし、全力で向き合ってるんですよね。そこは素敵だなと思うし、俺も刺激を受けます。
-今作の方向性はスタジオで音を合わせたときから、しっかり見えてました?
HIZAKI:サウンドの方向性は見えていたけど、ZINはいろいろな声質を持っているので、どういうキャラクター付けにするのか。そこは試行錯誤しました。
-というのは?
HIZAKI:いろんなタイプの声を出せて、すべての平均レベルが高いんですよ。(ZINは)メジャー・シーンは初めてだし、どういうキャラにしようか、そこは探りながらやりました。ZIN:僕の中では楽曲がこう歌ってくれ、と言ってくれてる気がして。基本的にはそれを素直に聴いて、素直に挑む。アルバムを通していろんな自分がいるのは、楽曲の要求に歌で応えようと思ったからじゃないですかね。
―自分のエゴを押し出すよりも、楽曲の雰囲気を重視した歌声を目指そうと。
HIZAKI:洋楽的というか、歌も楽器の一部みたいな感覚で、そこは僕らが目指していたところですね。僕やリズム隊もそうだけど、DREAM THEATERはストーリー性があって、それを表現するための音楽みたいな印象を受けたんですよ。ZINもストーリーに基づいた声の出し方が得意だから。ZIN:楽曲の中に起承転結のストーリーがあるし、歌詞とリンクした歌い方をすることで、ストーリーが生まれると思うんですよ。曲も歌詞も最大限に活かして歌ってます。
-特にTrack.4「RHYTHMOS」はクラシカルなメタルという基本路線からハミ出した楽曲ですが、違和感なく馴染んでますね。
HIZAKI:ダンス音楽も好きなので、ただの4つ打ちじゃないリズムで体が動く曲を作りたくて、
インタビューの続きは激ロックウェブサイトをチェック!!>>GEKIROCK.COM
個性派シンガーと技巧派プレイヤーの融合=Jupiterが1stアルバムを完成
させた。演奏陣はVersaillesのメンバー4人が固め、ZIN (Vo)という新たな
才能を迎え入れ、シンフォニックかつドラマティックなメタルを鳴らして
いる。エッジ際立つギターと華やかなストリングスがお互いを引き立たせ、
激しさと美しさが同居したサウンドは彼らの真骨頂と言えるだろう。ダンス・
ミュージック的な手法を取り込んだ「RHYTHMOS」、迫力漲るデス声が
インパクト大の「ALLEGORY CAVE」、バラード風味の「Nostalgie」、
「Forever with You」にもウットリしてしまう。豊潤な曲調を揃え、作品
トータルの流れもいい。とりわけショート・ムービーのごとく展開する表題曲
は、Jupiterの豊かな創造力が遺憾なく発揮された大作だ。 荒金 良介
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LABEL : UNIVERSAL INTERNATIONAL / Thunderball667GENRE : SYMPHONIC METAL, HEAVY METALFOR FANS OF : GALNERYUS, 摩天楼オペラ, DRAGONFORCE