Click here to load reader

download.microsoft.comdownload.microsoft.com/download/B/B/E/BBE78664-9FF0-43E8... · Web viewまた、このグローバル カタログ サーバーはWindows Server 2012、Windows

  • Upload
    others

  • View
    5

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Exchange Server 2013

ステップバイステップガイド 移行・共存編

このテキストの中で使用しているアイコンの意味は以下のとおりです。

(OnePoint)補足情報

(実習)実習タイトル

著作権

このドキュメントに記載されている情報 (URL 等のインターネット Web サイトに関する情報を含む) は、将来予告なしに変更することがあります。別途記載されていない場合、このソフトウェアおよび関連するドキュメントで使用している会社、組織、製品、ドメイン名、電子メール アドレス、ロゴ、人物、場所、出来事などの名称は架空のものです。実在する名称とは一切関係ありません。お客様ご自身の責任において、適用されるすべての著作権関連法規に従ったご使用を願います。

マイクロソフトは、このドキュメントに記載されている内容に関し、特許、特許申請、商標、著作権、またはその他の無体財産権を有する場合があります。別途マイクロソフトのライセンス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの特許、商標、著作権、またはその他の無体財産権に関する権利をお客様に許諾するものではありません。

2013 Microsoft Corporation.All rights reserved.

Microsoft、Active Directory、ActiveSync、Microsoft Press、MSDN、Outlook、Windows、Windows Mobile、Windows NT、および Windows Server は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

記載されている会社名、製品名には、各社の商標のものもあります。

当ガイドは、株式会社大塚商会の協力を得て作成されました。

はじめに

本ガイドは、Exchange Server 2013を社内に導入するために必要な情報を次の章に分けて説明しています。

第一部 Exchange Server 2013 の移行共存

Exchange Server 2013 の移行、共存について全体的な概要を説明しています。

第二部 既存Exchange組織へのExchange Server 2013の追加インストール

既存Exchange Server 2007組織に対して、Exchange Server 2013 を追加する手順を説明しています。

第三部 Exchange Server 2013への移行

Exchange Server 2007組織とExchange Server 2013の共存環境から、データや設定情報をExchange Server 2013に移動します。

第四部 Exchange Server 2007の削除

共存設定を解除し、Exchange Server 2007 を削除する手順を説明しています。

目次

第一部Exchange Server 2013の移行・共存1

1.1移行・共存の前提条件2

1.2実習の流れ5

1.2.1既存Exchange組織の構成5

1.2.2既存Exchange組織へExchange Server 2013を追加した状態5

1.2.3Exchange Server 2007削除後の状態6

1.2.4実習環境の前提条件7

第二部Exchange組織へのExchange Server 2013の 追加インストール9

2.1この章の作業の流れ10

2.2フォレスト機能レベルを上げる11

2.3メールボックス サーバーのインストール13

2.4クライアント アクセス サーバーのインストール14

2.5管理用アカウントの構成15

2.6Exchange Server 2013追加後の動作確認17

第三部Exchange Server 2013への移行24

3.1この章の作業の流れ25

3.2各種構成の移行26

3.2.1組織の構成26

3.2.2オフライン アドレス帳26

3.2.3トランスポート ルール28

3.2.4プレミアム ジャーナル29

3.2.5管理フォルダー30

3.3クライアント アクセスの構成31

3.3.1レガシー名前空間の構成31

3.3.2ファイアウォール/外部DNSの構成33

3.3.3証明書の構成34

3.3.4仮想ホスト名の切り替え34

3.4メールボックスの移動38

3.5外部コネクタの切り替え47

3.5.1受信コネクタの設定47

3.5.2送信コネクタの設定51

3.5.3外部メールの通信経路の変更53

3.5.4SMTPコネクタの削除53

3.6Exchange Server 2007のアンインストール55

Exchange Server 2013の移行・共存

この章では、Exchange Server 2007 環境に対してExchange Server 2013を追加し、移行する手順の概要を説明します

移行・共存の前提条件

既存のExchange Server 2007組織を、Exchange Server 2013へ移行するために、最低限必要なActive Directoryの要件と、Exchange組織の要件について説明します。

Active Directoryの要件

フォレスト機能レベル

Exchange Server 2013をインストールするActive Directoryフォレストの機能レベルは、「Windows Server 2003」以上である必要があります。よって、フォレスト内のActive Directory ドメイン機能レベルも「Windows Server 2003」以上である必要があります。

スキーマ マスタ

スキーマ マスタは、Windows Server 2012、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008 (x86/x64)もしくはWindows Server 2003(x86/x64)Service Pack 2以降のいずれかを実行している必要があります。既定では、スキーマ マスタはフォレスト内に最初にインストールされた Windows ドメイン コントローラーで実行されます。

グローバル カタログ サーバー

Exchange Server 2013 をインストールする各Active Directoryサイトには、グローバル カタログ サーバーが少なくとも 1 つ存在する必要があります。また、このグローバル カタログ サーバーはWindows Server 2012、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008 (x86/x64)もしくはWindows Server 2003(x86/x64)Service Pack 2以降を実行している必要があります。

読み取り専用ドメイン コントローラー/読み取り専用グローバル カタログ

Exchange Server 2013 / 2010 / 2003は、Windows Server 2008以降の読み取り専用ドメインコントローラー、または読み取り専用グローバル カタログをサポートしません。

Exchangeの要件

サポートするバージョン

Exchange Server 2007にはService Pack 3および更新プログラムのロールアップ10(RU10)以上が適用されている必要があります。

Exchange Server 2013には累積更新プログラム1(CU1)以上が適用されている必要があります。

本書における検証環境には該当しませんが、Exchange Server 2010から移行を行う場合、Exchange Server 2010にはService Pack 3以上が適用されている必要があります。

サポートされる共存シナリオは次の表の通りです。

Exchangeバージョン

Exchange組織でのExchange 2013との共存

Exchange Server 2003 以前

サポートされません

Exchange Server 2007

サポートされます※エッジ トランスポート サーバーを含む、Exchange組織内の全てのExchange Server 2007にSP3およびRU10が適用されている必要があります

※Exchange Server 2013にCU1が適用されている必要があります。

Exchange Server 2010

サポートされます※エッジ トランスポート サーバーを含む、Exchange組織内の全てのExchange Server 2010にSP3が適用されている必要があります

※Exchange Server 2013にCU1が適用されている必要があります。

Exchange Server 2010とExchange Server 2007の共存

サポートされます

※上記の通り、Exchange組織内の全てのExchange Server 2007にSP3およびRU10が、またExchange Server 2010にSP3が適用されている必要があります。

※Exchange Server 2013にCU1が適用されている必要があります。

詳細は、以下URLの「サポートされている共存シナリオ」を参照してください。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa996719(v=exchg.150).aspx

共存期間中の管理

Exchange Server 2007 / 2010との相互運用

Exchange Server 2007の管理コンソールや管理シェルよりExchange Server 2013のオブジェクトを管理することはできません。また、Exchange Server 2013のExchange 管理センターよりExchange Server 2007のオブジェクトを管理することはできません。

Exchange Server 2007のExchange管理コンソールからは、Exchange Server 2013の受信者は読み取り専用でしか表示することができません。

Exchange Server 2007からExchange Server 2013へのメールボックス移動に、Exchange Server 2007のExchange 管理コンソールを使用することはできず、Exchange Server 2013管理センターまたは管理シェルを使用する必要があります。

リッチ クライアント

サポートされるクライアント

Exchange Server 2013環境下では下記のリッチ クライアントがサポートされます。

バージョン

Outlook 2013

2012年11月の累積的な更新プログラム適用済みのOutlook 2010 SP1

2012年11月の累積的な更新プログラム適用済みのOutlook 2007 SP3

Entourage 2008 for Mac, Web Services Edition

Outlook for Mac 2011

注意:記載されたバージョンはExchangeに接続するための最低要件です。各プロダクトは最新のサービスパックおよび更新プログラムを適用することを強く推奨します。

Outlook 2003などOutlook 2007より前のバージョンや、Entourage 2008 for Mac RTMやEntourage 2004はサポートされません。これらのクライアントを使用して引き続き従来のExchangeサーバーへ接続することができますが、Exchange Server 2013上にあるメールボックスへは接続できません。

プロファイルの構成

プロファイルの構成は自動検出サービス(Autodiscover)を使用して自動的に行うことができます。メールボックスを従来のExchangeサーバーからExchange Server 2013に移動した場合も自動的に移動先のサーバーを参照するよう構成されます。

Outlookプロファイルの詳細については、『Exchange Server 2013自習書シリーズ アーキテクチャ編』内の「1.3.2 Outlook」を参照してください。

Webクライアント

サポートされるクライアント

Exchange Server 2013のOWAでサポートされているブラウザの詳細については、http://office.microsoft.com/ja-jp/support/HA102824601.aspxを参照してください。

実習の流れ既存Exchange組織の構成

今回は次の図のように、1フォレスト/1ドメイン構成に2台のExchange Server 2007が既に構築されているExchange組織から、Exchange Server 2013 との共存、移行作業を実習します。

外部と通信を行うメールリレーサーバー1台と、ドメインコントローラーは、Exchange Server 2007とは別に構築する必要があります。

既存Exchange組織へExchange Server 2013を追加した状態

既存Exchange組織には、次の図のように2台のExchange Server 2013を追加します。各サーバーには、クライアント アクセス、メールボックスの役割を別々にインストールします。

既存のExchange組織にExchange Server 2013を追加すると、新しいExchangeサーバーが自動的に認識され、各バージョンのExchangeサーバー間で自動的にメッセージがルーティングされます。

共存期間中に、Exchange Server 2007からExchange Server 2013にメールボックスやアドレス一覧、コネクタの設定情報を移行していきます。

Exchange Server 2007削除後の状態

すべてデータや設定情報をExchange Server 2013へ移行した後、Exchange Server 2007を削除することができます。削除後の状態は次の図のようになります。

外部メールの送受信経路が、Exchange Server 2013のクライアント アクセス サーバー経由となります。

実習環境の前提条件

この自習書では、次の6台サーバーを使用しています。サーバー名とIPアドレスは次の通りとします。

サーバー名

IPアドレス

CONT-DC01

192.168.101.1/24

Relay

192.168.201.1/24

EX07-HUBCAS01

192.168.101.3/24

EX07-MBX01

192.168.101.4/24

EX13-CAS01

192.168.101.11/24

EX13-MBX01

192.168.101.12/24

また、各サーバーでは、次の作業が終了していることを前提とします。

対象サーバー名

()内は役割

作業内容

共通環境

CONT-DC01

(ドメインコントローラー)

Windows Server 2003 SP2のインストール

「contoso.com」Active Directoryドメイン構築

Windows Server 2003のセキュリティパッチ適用

Relay

(メールリレーサーバー)

メール送受信機能の確立

移行元Exchange Server 2007環境

EX07-HUBCAS01

(クライアント アクセス/ハブ トランスポート サーバー)

Windows Server 2003 SP2 のインストール

Windows Server 2003のセキュリティパッチ適用

Contoso.comドメインへの参加

Exchange Server 2007 Enterprise Editionのインストール

(Exchange組織名:Contoso株式会社)

Exchange Server 2007 SP3およびRU10、セキュリティパッチ適用

SMTPコネクタの設定

EX07-MBX01

(メールボックス サーバー)

Windows Server 2003 SP2 のインストール

Windows Server 2003のセキュリティパッチ適用

Contoso.comドメインへの参加

Exchange Server 2007 Enterprise Editionのインストール

Exchange Server 2007 SP3およびRU10、セキュリティパッチ適用

メールボックス データの作成

移行先Exchange Server 2013環境

EX13-CAS01

(クライアントアクセスサーバー)

Windows Server 2012 のインストール

Windows Server 2012のセキュリティパッチ適用

Contoso.comドメインへの参加

EX13-MBX01

(メールボックス サーバー)

Windows Server 2012 のインストール

Windows Server 2012のセキュリティパッチ適用

Contoso.comドメインへの参加

Exchange組織へのExchange Server 2013の追加インストール

この章では、Exchange Server 2007 組織に対してExchange Server 2013を追加する手順を説明します。この章を読むことで、Exchange Server 2007組織にExchange Server 2013を追加インストールする手順を理解することができます。

この章の作業の流れ

第二部では、既存Exchange Server 2007組織に対して、2台のExchange Server 2013をインストールし、共存環境を構築します。

作業の流れは次のとおりです。

フォレスト機能レベルを上げる

Exchange Server 2013追加後の動作確認

クライアント アクセス サーバーのインストール

管理用アカウントの構成

メールボックス サーバーのインストール

 フォレスト機能レベルを上げる

Exchange Server 2013をインストールするフォレストの機能レベルは、「Windows Server 2003」以上である必要があります。この条件を満たしていない場合は、フォレストの機能レベルを上げる必要があります。

ここでは、フォレストの機能レベルを「Windows Server 2003」 に上げ、同時にフォレスト内のすべてのドメインの機能レベルを上げる手順を説明します。

 フォレストの機能レベルを上げる

注意:この操作は、ドメイン コントローラ(CONT-DC01)で実行してください。なお、既にフォレストの機能レベルが 「Windows Server 2003」 以上である場合はこの作業は必要ありません。

注意:フォレスト機能レベルおよびドメイン機能レベルは一度上げると元に戻すことはできません。

[スタート] - [管理ツール] より、 [Active Directory ドメインと信頼関係] を起動します。

左ペインの [Active Directory ドメインと信頼関係] を右クリックし、 [フォレストの機能レベルを上げる] をクリックします。

[フォレストの機能レベルを上げる] ウィンドウが表示されます。フォレストの機能レベルを [Windows Server 2003] もしくは [Windows Server 2008] に設定します。今回は [Windows Server 2003] を選択し、 [上げる] をクリックします。

フォレスト内のすべてのドメインの機能レベルが上がることへの警告メッセージが表示されます。問題がないことを確認し、 [OK] をクリックします。

結果が表示されます。確認し [OK] をクリックします。

左ペインの [(ドメイン名)] を右クリックし、 [プロパティ] をクリックします。

[フォレストの機能レベル] が [Windows Server 2003] であることを確認し、画面を閉じます。

メールボックス サーバーのインストール

Exchange Server 2007組織に、1台目のExchange Server 2013を追加します。なお、1台目のExchange Server 2013をインストールする際、自動的にActive Directoryドメインのスキーマ拡張が行われます。

メールボックスの役割をインストールするサーバーに、あらかじめ必要なコンポーネントをインストールする必要があります。セットアップに必要なコンポーネントについては『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「3.3 役割別のインストール」を参照してください。

必要なコンポーネントがすべてインストールされたら、Exchange Server 2013のセットアップ ウィザードを実行します。

メールボックスの役割のインストール

注意:この操作は、メールボックスの役割をインストールするコンピュータ(EX13-MBX01)で実行してください。

Exchange Server 2013をセットアップし、メールボックスの役割をインストールします。

セットアップ手順については、『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「3.3.2 メールボックスの役割のインストール」を参照してください。

注意: [スタート] - [管理ツール] より [サービス] を起動し、スタートアップの種類が「自動」のサービスが全て [開始] になっていることを確認します。開始していないサービスが存在する場合は、手動で開始してください。

クライアント アクセス サーバーのインストール

続いてクライアント アクセス サーバーの役割をインストールします。

クライアント アクセスの役割をインストールするサーバーに、あらかじめ必要なコンポーネントをインストールする必要があります。セットアップに必要なコンポーネントについては『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「3.3 役割別のインストール」を参照してください。

必要なコンポーネントがすべてインストールされたら、Exchange Server 2013のセットアップ ウィザードを実行します。

クライアント アクセスの役割のインストール

注意:この操作は、クライアント アクセスの役割をインストールするコンピュータ(EX13-CAS01)で実行してください。

Exchange Server 2013をセットアップし、クライアント アクセス役割をインストールします。

セットアップ手順については、『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「3.3.3 クライアント アクセスの役割のインストール」を参照してください。

注意: [スタート] - [管理ツール] より [サービス] を起動し、スタートアップの種類が「自動」のサービスが全て [開始] になっていることを確認します。開始していないサービスが存在する場合は、手動で開始してください。

管理用アカウントの構成

最初にExchange Server 2013の管理者用アカウントを追加します。

従来の管理者アカウントを使用することもできますが、このアカウントがExchange Server 2007上にメールボックスを持つ場合、Exchange Server 2007にアクセスしようとするためExchange Server 2013の管理を行うことができません。

Exchange Server 2013の管理者用アカウントの作成

注意:この操作は、ドメイン コントローラー(CONT-DC01)で実行します。

1. [スタート メニュー] より、[Active Directory ユーザーとコンピュータ] を起動します。

1. 管理者用アカウントの情報を入力し、ユーザーを作成します。ここでは以下の情報を入力します。  ユーザー ログオン名:exadmin  フルネーム:exadmin  パスワード:(任意)

1. 作成したアカウントを次のグループに追加します。・Domain Admins

・Exchange Organization Administrators

注意:Exchangeの管理者とActive Direcctoryの管理者が異なる場合には必ずしもDomain Adminsの権限を付与する必要はありません。ここでは管理手順の簡略化のため、Exchange管理者にドメインの管理者権限を付与しています。

作成後、Exchangeの管理画面である「Exchange管理センター (EAC) 」にログオンできることを確認します。

Exchange管理センター (EAC) へのログオン

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerを起動し、次のURLを入力して実行します。

https://Exchange Server 2013 CASサーバー名/ecp

ここでは下記のように入力します。

https://ex13-cas01/ecp

注意:本自習書の環境では、事前に『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「第四部 Exchange Server 2013への証明書の発行』の手順を実施しています。この手順が行われていない環境では、これ以降の操作の中で証明書エラーが表示されます。証明書エラーが表示された場合は、[このサイトの閲覧を続行する(推奨されません)。]をクリックして続行してください。

1. アカウント名(contoso\exadmin)とパスワードを入力し、[サインイン] をクリックします。

1. Exchange管理センター(EAC)にログオンできることを確認します。

Exchange Server 2013追加後の動作確認

2台のExchange Server 2013のインストール後、既存のExchange Server 2007と、追加したサーバーが正常に動作しているか確認する必要があります。

今回は、Exchange Server 2013側に新しいメールボックスを作成し、Exchange Server 2007とExchange Server 2013との間でメールの送受信ができることを確認します。

まずExchange Server 2013のメールボックスを作成します。ドメイン ユーザーは、メールボックスの作成時に新規作成するものとします。

メールボックスを作成する(ドメインユーザを同時に新規作成する)

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerを起動し、次のURLを入力して実行します。

https://Exchange Server 2013 CASサーバー名/ecp

ここでは下記のように入力します。

https://ex13-cas01/ecp

1. 左ペインにて [受信者] を選択し、中央上のメニューから [メールボックス] をクリックします。 [追加] ボタンのプルダウン メニューより [ユーザー メールボックス] をクリックします。

[新しいユーザー メールボックス] 画面が表示されます。 [新しいユーザー] を選択し、必要な情報を入力します。

Exchange 管理センター画面に戻ります。[メールボックス]内に新しくユーザー メールボックスが作成されていることを確認します。

続いて、Outlook Web Accessからメールの送受信を行います。

Exchange Server 2013でのメールの送信の確認

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerを起動し、次のURLを入力して実行します。

https://Exchange Server 2013 CASサーバー名/owa

ここでは下記のように入力します。

https://ex13-cas01/owa

注意:本自習書の環境では、事前に『Exchange Server 2013自習書シリーズ インストール編』内の「第四部 Exchange Server 2013への証明書の発行』の手順を実施しています。この手順が行われていない環境では、これ以降の操作の中で証明書エラーが表示されます。証明書エラーが表示された場合は、[このサイトの閲覧を続行する(推奨されません)。]をクリックして続行してください。

ログオン画面が表示されます。 Exchange Server 2013にメールボックスを持つユーザー名とパスワードを入力し、ログオンします。

言語とタイムゾーンを指定し、[OK]をクリックします。

メールボックスが表示されます。[新しいメール] をクリックします。

[宛先] に、Exchange Server 2007にメールボックスがあるユーザーを指定します。[送信]をクリックします。送信後、メール配信不能の通知を受信していないことを確認します。

続いて、Exchange Server 2013から送信されたメールがExchange Server 2007側で受信できているか確認します。

Exchange Server 2007でのメールの受信と送信の確認

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

注意:本自習書の環境では、Exchange Server 2007 のOWA仮想ディレクトリにて「フォームベース認証」が有効化されています。

1. Internet Explorerを起動し、次のURLを入力してクリックします。

https:// Exchange Server 2007 CASサーバー名/owa

なお、SSLが有効ではない環境の場合は、次のURLを入力してください。

http:// Exchange Server 2007 CAS サーバー名/owa

ここでは下記のURLを入力します。

https://ex07-hubcas01/owa

1. Exchange Server 2013からのメール送信テストで、宛先に指定したユーザーのユーザー名とパスワードを入力し、ログオンします。

Exchange Server 2013ユーザーからのメールを受信していることを確認します。

受信したメールに [返信] をクリックします。返信内容を入力し、 [送信] をクリックします。メール配信不能の通知を受信していないことを確認します。

最後に、Exchange Server 2007から送信されたメールがExchange Server 2013にて受信できているか確認します。

Exchange Server 2013でのメール受信の確認

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Exchange Server 2007からのメール送信テストで、宛先に指定したユーザーのユーザー名とパスワードを入力し、ログオンします。

1. Exchange Server 2007ユーザーからのメールを受信していることを確認します。

Exchange Server 2013への移行

この章では、Exchange Server 2007 環境からExchange Server 2013へデータや設定情報を移行する手順を説明します。この章を読むことで、Exchange Server 2007からExchange Server 2013へデータや設定を移行する手順を理解することができます。

この章の作業の流れ

第三部では、Exchange Server 2007とExchange Server 2013が共存する環境で、データや設定情報をExchange Server 2013へ移行します。

作業の流れは次のとおりです。

各種構成の移行

オフライン アドレス帳

トランスポート ルール

プレミアム ジャーナル

管理フォルダー

クライアント アクセスの構成

メールボックスの移動

外部コネクタの切り替え

受信コネクタの設定

送信コネクタの設定

外部メールの通信経路の変更

Exchange Server 2007のアンインストール

各種構成の移行

組織の構成

Exchange組織全体に対する下記の構成は、Exchange Server 2013の導入後も自動的に引き継がれます。

承認済みドメイン

電子メールアドレスポリシー

アドレス一覧

グローバル アドレス一覧

これらの構成を確認し、不要な構成がある場合は削除し、追加登録する必要がある場合は追加します。

オフライン アドレス帳

オフラインアドレス帳はExchange Server 2013でアーキテクチャが大きく変更された機能の1つです。

従前の「オフライン アドレス帳 生成サーバー」はExchange Server 2013には存在せず、代わりに「調停メールボックス」と呼ばれるメールボックスを持つサーバーがオフライン アドレス帳を生成します。

オフラインアドレス帳の新しいアーキテクチャの詳細については『Exchange Server 2013自習書シリーズ アーキテクチャ・可用性編』内の「1.3.3 メールボックス機能」の「新しいOAB」を参照してください。

既定ではExchange Server 2013の最初のセットアップ時に、組織のすべてのオブジェクトを含むアドレス一覧である「既定のグローバル アドレス一覧」を含む「既定のオフライン アドレス帳 (Ex2013)」が自動的に生成されます。

アーキテクチャの変更によりExchange Server 2007のオフライン アドレス帳とExchange Server 2013のオフライン アドレス帳は別々に管理されるため、Exchange Server 2007で利用していたオフライン アドレス帳を継続して利用したい場合はExchange Server 2013上にて新規にオフライン アドレス帳を作成する必要があります。

Exchange Server 2007における移行前のオフライン アドレス帳の一覧

Exchange Server 2013追加セットアップ後のオフライン アドレス帳の一覧

ここではExchange Server 2007に存在するオフライン アドレス帳をExchange Server 2013でも利用できるよう、同等のオフラインアドレス帳を新規に作成します。

オフライン アドレス帳(OAB)の新規作成

注意:この操作は、Exchange Server 2013サーバーで行います。

1. Exchange 管理シェルを起動します。

1. 次のコマンドを入力し、オフライン アドレス帳を作成します。

New-OfflineAddressBook –Name “Myオフライン アドレス帳 (Ex2013)” –AddressLists “\システム部のアドレス帳”,"既定のグローバル アドレス一覧"

トランスポート ルール

Exchange Server 2007で作成していたトランスポート ルールを移行するためには、ルールのエクスポートとインポートを行います。

Exchange Server 2013 と Exchange Server 2007 の混在環境では、トランスポート ルールはActive Directory 内のぞれぞれのExchangeのバージョン固有のコンテナーに保存されます。このため、Exchange Server 2007 で作成したトランスポート ルールを Exchange Server 2013 で動作させるには、Exchange Server 2013 のバージョン固有のコンテナーにトランスポート ルールを移行する必要があります。

補足 :

2013 年 4 月時点で最新である Exchange Server 2013 CU1 ではセットアップ時には自動的にトランスポート ルールの移行が行われないため、下記手順により手動により移行することが必要となります。

トランスポート ルールのエクスポート

注意:この操作は、Exchange Server 2007サーバーで行います。

1. Exchange 管理シェルを起動します。

1. 次のコマンドを入力し、Exchange Server 2007のルールをエクスポートします。

Export-TransportRuleCollection -FileName c:\rule2007.xml

1. エクスポートしたXMLファイル(rule2007.xml)をExchange Server 2013(Ex13-CAS01)へコピーします。

トランスポート ルールのインポート

注意:この操作は、Exchange Server 2013サーバーで行います。

1. Exchange 管理シェルを起動します。

1. 次のコマンドを実行し、ルールをExchange Server 2013にインポートします。

[Byte[]]$Data = Get-Content -Path "C:\rule2007.xml" -Encoding Byte -ReadCount 0

Import-TransportRuleCollection -FileData $Data

インポートの実施後、Exchange Server 2007で設定していたトランスポート ルールが正常に移行されていることを確認します。

Exchange Server 2007の管理コンソールとExchange Server 2013の管理センターにてトランスポート ルールを確認し、ルールに差異がないことを確認します。

プレミアム ジャーナル

Exchange Server 2007でプレミアム ジャーナル機能を利用していた場合、Exchange Server 2013の最初のセットアップ時に自動的にExchange Server 2013でも継続して動作するよう変換処理が行われます。このため、移行に際して追加の手順は不要です。

ただし、このジャーナリングのルールはExchange Server 2007とExchange Server 2013では格納場所が異なり、同一組織内に複数のExchangeのバージョンが存在する場合、自動的には同期されません。このため、Exchange Server 2013のセットアップ以降にExchange Server 2007にてプレミアム ジャーナルのルールを追加または変更した場合、Exchange Server 2013上にて同様のルールを追加または変更する必要があります。

「プレミアム ジャーナル」機能を使用するにはExchange Enterprise CALが必要です。

管理フォルダー

Exchange Server 2007で導入された機能である「管理フォルダー」は、Exchange Server 2013では「保持ポリシー」機能に置き換えられました。

保持ポリシーの詳細については『Exchange Server 2013自習書シリーズ セキュリティ コンプライアンス編』内の「2.3 アイテム保持ポリシー」を参照してください。

メールボックスをExchange Server 2013へ移動すると、移動したメールボックスでは管理フォルダーが動作しなくなりますので、継続してメッセージング レコード管理(MRM)を行いたい場合は、メールボックスを移行する前に新しい保持ポリシーを作成し適用する必要があります。

クライアント アクセスの構成

レガシー名前空間の構成

Exchange Server 2007とExchange Server 2013が共存する場合、クライアントのメールボックスがどちらのバージョンのExchangeサーバー上に存在してもOWAなどを利用可能なよう、従来のExchangeサーバー向けのホスト名 (レガシー名前空間) を構成する必要があります。

メールボックスの数が少なく、アップグレード用にスケジュール設定されたダウンタイムの間にすべてのメールボックスを Exchange Server 2007 から Exchange Server 2013に移動できる場合は、レガシー名前空間を構成する必要はありません。

この手順により、Exchange Server 2013のCASサーバーからExchange Server 2007のCASサーバーへ要求がリダイレクトされるようになります。

ここではOWAの場合の構成手順を説明します。

レガシー名前空間に対応するDNSレコードの追加

注意:この操作は、ドメイン コントローラー(CONT-DC01)にて実行してください

1. [スタート] メニューの [管理ツール] より [DNS] を起動します。

1. レガシー名前空間をDNSレコードに追加します。レガシー名前空間は、「legacy.domain.com」の形式である必要があります。ここでは「legacy.contoso.com」のAレコードを登録し、Exchange Server 2007にアクセスできるよう構成します。

同様のレコードの登録を外部DNSサーバーに対しても行い、外部からもアクセスが可能なよう構成する必要があります。

Exchange Server 2007の外部URLの構成

注意:この操作は、Exchange Server 2007のCAS サーバー(EX07-HUBCAS01)で行います。

1. Exchange 管理コンソールを起動します。

[サーバーの構成] - [クライアント アクセス] を展開し、CASサーバー (EX07-HUBCAS01) を選択します。

下部ペインより「owa (既定のWebサイト)」を選択し、右クリック メニューより [プロパティ] を選択します。

[全般] タブにて、 [外部URL] に「https://legacy.contoso.com」と入力、[内部URL] は空欄とし、 [OK] をクリックします。

ファイアウォール/外部DNSの構成

Exchangeサーバーを公開している環境では、Exchange Server 2013に移行後も引き続き社外からアクセスできるよう、ファイアウォールやプロキシサーバーのルール、外部DNSのレコードを構成する必要があります。

またExchange Server 2007との共存環境ではレガシー名前空間(legacy.contoso.com)でも社外からアクセスできる必要があります。

これらのネットワーク機器の構成方法については製品の取り扱い説明書または導入ベンダー等にご相談ください。

証明書の構成

OWAにSSLを利用して接続する環境では、legacy.contoso.comにてアクセスした際にも証明書のエラーが発生しないよう、証明書の取得および構成が必要です。

ここでは下記をサブジェクト名に含む証明書が必要となります。

Exchange Server 2007

autodiscover.contoso.com

ex07-hubcas01.contoso.com ※1

legacy.contoso.com

Exchange Server 2007における証明書の発行と構成の手順についてはhttp://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb851505(v=exchg.80).aspx を参照してください。

(※1:Exchange Serverの公開用に仮想ホスト名を用意している場合(mail.contoso.comなど)は、これに対応したサブジェクト名を指定する必要があります。)

仮想ホスト名の切り替え

Exchangeに接続するための仮想ホスト名を構成している場合、これを切り替えます。ここでは「mail.contoso.com」にアクセスした際の接続先をExchange Server 2007からExchange Server 2013に切り替えます。

仮想ホスト名に対応するDNSレコードの切り替え

注意:この操作は、ドメイン コントローラー(CONT-DC01)にて実行してください

1. [スタート] メニューの [管理ツール] より [DNS] を起動します。

1. 仮想ホスト名に対応するレコードの [プロパティ] 画面を開きます。

1. [ターゲット ホスト用の完全修飾ドメイン名] にExchange Server 2013を指定します。

設定した仮想ホスト名でアクセスできることを確認します。

仮想ホスト名でのExchangeサーバーへのアクセス

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://mail.contoso.com/owa/] にアクセスします。

Exchange Server 2013のOWAにアクセスできることを確認します。

仮想ホスト名を使用し、Exchange Server 2007上のメールボックスにアクセスできることを確認します。

仮想ホスト名でのExchange Server 2007へのアクセス

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://mail.contoso.com/owa/] にアクセスします。

1. Exchange Server 2007上にメールボックスを持つアカウントを入力し、[サインイン] をクリックします。

1. Exchange Server 2007のOWAのログイン画面にリダイレクトされます。ここで再度、Exchange Server 2007上にメールボックスを持つアカウントを入力し、[ログオン] をクリックします。

1. 正常にExchange Server 2007のOWAの画面が表示されることを確認します。

メールボックスの移動

Exchange Server 2007のメールボックス データをExchange Server 2013のメールボックス サーバーに移動します。

必要のないデータの移動を避けるため、メールボックスの移動の前にユーザーに不要なアイテムを削除し、削除済みアイテムフォルダからも削除するよう通知してください。メールボックスの移動時には、多くのトランザクションログやメールキューが発生します。ユーザーへの影響が少ない時間帯に実行するようにして下さい。

Exchange Server 2007 および 2010 から Exchange Server 2013 へのメールボックスの移行は、メールボックスの移動中もエンドユーザーからのアクセスが可能な 「オンライン移動」 がサポートされています。(なお、メールボックス移動の最終段階ではOutlookの再起動が必要となります。)

メールボックスの移動は次のステップで行います。

メールボックス移行バッチの作成

移行バッチの開始(同期開始)

同期の完了

移行バッチの完了

データの同期が開始されます。

クライアントの参照先がExchange Server 2013に切り替わります。

メールボックスを移動する

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://ex13-cas01.contoso.com/ecp/] にアクセスします。Exchange 管理センターに接続し、Exchange管理者 (ここではExadmin) にてサインインします。

1. [受信者] - [移行] を開きます。

1. [新規作成] アイコンのプルダウンメニューより、 [別のデータベースに移動]をクリックします。

1. 移行対象としたいメールボックスを [追加] アイコンをクリックして追加し、[次へ] をクリックします。

移行対象メールボックスの追加

移行対象のメールボックスをCSVファイルからインポートすることもできます。この場合、CSVファイルに移行対象としたいメールボックスを列挙します。メールボックス名として、ドメイン\アカウント、UPN、SMTPアドレス、エイリアスなどを利用できます。

1. 移行のバッチ名を入力します。ここでは「メールボックス移動01」とします。

アーカイブの移動オプションには [プライマリ メールボックスとアーカイブ メールボックス (存在する場合) を移動する] を選択します。選択後、移動先とするデータベースを、プライマリとアーカイブの2つそれぞれにて [参照] をクリックして選択します。[次へ] をクリックします。

Exchange Server 2007ではアーカイブ機能が存在しませんが、便宜上、上記のオプションを選択します。

Exchangeのバージョン

データベースの選択時、サーバー名またはバージョンを参考に移動先を選択することができます。Exchange Server 2013のバージョン番号は [Version 15.0] です。    

1. 移行バッチの実行結果を送信する宛先を選択します。ここでは [Administrator]を指定します。 バッチの開始のタイミングを選択します。ここでは [バッチを自動的に開始する] を選択します。バッチの完了を自動的に行うかどうかを選択します。ここでは [移行バッチを自動的に完了する] のチェックを外し、 [新規作成] をクリックします。

バッチの完了とメールボックス移動

メールボックスの所属サーバーの変更は [バッチの完了] 時に行われます。 [移行バッチを自動的に完了する] のチェックを有効にすると、バッチの完了後、ユーザーは即座に新しいExchange Server 2013に切り替わります。[移行バッチを自動的に完了する] のチェックを無効にしている状態で移行を行うことで、同期完了後もメールボックスを引き続きExchange Server 2007に属したままにすることができます。これにより、大量のメールデータをあらかじめクライアントへの影響なく同期しておくことができます。切り替え日には差分データの同期のみ行うことで、短時間で一斉にユーザーを新しいExchange Server 2013に切り替えることができます。

1. Exchange管理センターに戻り、移行バッチが作成されていることを確認します。

1. [状態] が [同期済み] になったことを確認します。

メールボックスの状態

個々のメールボックスの移行状況を確認するためには、右ペインの [メールボックスの状態] - [詳細の表示] をクリックします。    

ここではメールボックスごとに移動の可否、同期されたアイテム数、移行できなかった場合はエラーの詳細などを確認することができます。    

この段階でメールボックスのデータはExchange Server 2013側に転送されていますが、メールボックスの移動は完了していません。

次の手順によりメールボックス移動の最終処理として [移行バッチの完了] を行うことで実際にユーザーのメールボックスがExchange Server 2013側に切り替わります。

1. 右ペインより [この移行バッチの完了] をクリックします。

1. [状態] が [完了中] になります。しばらく待って [最新の状態に更新] アイコンをクリックし、 [状態] が [完了済み] になることを確認します。このメールボックス移動の最終段階の僅かな間、メールボックスがロックされ、ユーザーがアクセスできなくなります。

以上でメールボックス移動は完了です。

 クライアントでの移行の確認

注意:この操作は任意のクライアントマシンで行います。

1. メールボックスを移行したアカウントでログオンします。

1. Outlook 2010を起動します。

1. Outlookを再起動する必要があるとのメッセージが表示されます。[OK] をクリックした後、手動でOutlookを再起動します。

1. Outlookの起動後、メールボックスへのアクセスが問題なく行えることを確認します。

プロファイルの切り替え

移行完了後、プロファイルの切り替えが自動的に行われます。Exchange Server 2013ではすべての通信がHTTPSを使用して行われるため、プロファイルのExchange プロキシ設定が自動的に更新されます。

移行の完了後、移行要求を削除します。この手順を省略してもクライアントの動作に問題はありませんが、一度移動したメールボックスを再度移動したい場合はこの手順が必要です。

 移行要求の削除

注意:この操作は任意のマシンで行います。

1. Internet Explorerから [https://ex13-cas01/ecp/] にアクセスします。Exchange 管理センターに接続し、Exchange管理者 (ここではExadmin) にてサインインします。

1. [受信者] - [移行] を展開します。

1. 移行が完了したタスクを選択し、 [削除] アイコンをクリックします。

1. 削除の警告メッセージが表示されます。 [はい] をクリックします。

1. タスクが削除されたことを確認します。

外部コネクタの切り替え

外部(インターネット等)とのメールの送受信経路をExchange Server 2007からExchange Server 2013へ変更します。

Exchange Server 2013では、組織の外部からのメールはまずクライアント アクセス サーバー上のフロントエンド トランスポート サービスの受信コネクタが処理します。フロントエンド トランスポート サービスはメッセージの内容を検査せず、メールボックス サーバーのトランスポート サービスへの転送のみを行います。メールボックス サーバーのトランスポートサービスは従来のハブ トランスポート サーバーの役割と実質的に同じです。ここでメッセージの分類と配信、内容の検査が行われます。

ここでは外部からの受信ができるよう、Exchange Server 2013クライアント アクセス サーバーのSMTPの送受信設定を変更し、Exchange Server 2007 のSMTPコネクタを削除します。

受信コネクタの設定

外部スマートホストや、Exchangeに直接SMTP接続するアプリケーション等のために、匿名アクセスを許可する受信コネクタを作成します。

受信コネクタを追加する

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://ex13-cas01/ecp/] にアクセスします。Exchange 管理センターに接続し、Exchange管理者 (ここではExadmin) にてサインインします。

1. [メール フロー] - [受信コネクタ] を開きます。

1. [サーバーの選択] から [EX13-CAS01.contoso.com] を選択します。

1. [新規作成] アイコンをクリックします。

1. [名前] にコネクタ名を入力し、[種類] として [カスタム] を選択します。 [次へ] をクリックします。

本書では受信コネクタの種類として [カスタム] を選択しますが、他のオプションでもインターネットからのメッセージを受信するよう構成することができます。組織のネットワーク環境に応じて構成してください。

1. メールの受信に使用するIPアドレスやポートを変更する場合は編集します。[次へ]をクリックします。

1. リモートネットワークの設定から、[0.0.0.0 -255.255.255.255]を削除します。[追加] アイコンをクリックし、社外との通信に利用するメールリレーサーバーのIPアドレスを入力し、[OK]をクリックします。その他、直接ExchangeにSMTP接続するアプリケーションが存在する場合は、このリストに登録します。

1. [完了] をクリックします。

1. 作成された受信コネクタを選択し、 [編集] アイコンをクリックします。

1. 左ペインから[セキュリティ] をクリックします。[匿名ユーザー] のチェックを有効化し、[保存] をクリックします。[匿名ユーザー] のチェックを有効化することにより、リレーサーバーまたはExchangeに直接SMTP接続するアプリケーションからのメールを受信できるようになります。

送信コネクタの設定

Exchange組織内からインターネット宛てのメールを、Exchange Server 2013のクライアント アクセスサーバーから外部リレーサーバーに送信を行うために、送信コネクタを作成します。

送信コネクタを追加する

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://ex13-cas01/ecp/] にアクセスします。Exchange 管理センターに接続し、Exchange管理者 (ここではExadmin) にてサインインします。

1. [メール フロー] - [送信コネクタ] タブを開きます。

1. Exchange Server 2007で設定していたリレー サーバーへの送信コネクタを選択し、[編集] アイコンをクリックします。

1. 左ペインから[スコープ] を選択します。[ソース サーバー] にて [追加] アイコンをクリックします。

1. 外部へメッセージを送信するメールボックス サーバーを選択します。ここでは [EX13-MBX01] を選択し [追加] をクリックします。[OK] をクリックします。

複数のメールボックス サーバーがある場合は、ここで複数のメールボックス サーバーを外部への送信元として追加することができます。

1. [保存] をクリックします。

外部メールの通信経路の変更

ここまでの設定で、Exchange Server 2013のクライアント アクセス サーバーおよびメールボックス サーバーで外部(インターネット等)とのメールの送受信を行う準備が完了しています。

リレー サーバー側の通信経路を、Exchange Server 2007のハブ トランスポート サーバーから、Exchange Server 2013のクライアント アクセス サーバー へ変更します。

設定の変更後、クライアントから外部とのメールの送受信を行い、問題がないことを確認します。

SMTPコネクタの削除

Exchange Server 2013のサーバー経由で外部とのメールの送受信が行えることが確認できたら、組織内のすべての送信コネクタのソース サーバーからExchange Server 2007を削除します。

送信コネクタのソースサーバーからのExchange 2007の削除

注意:この操作は、任意のマシンで実行します。

1. Internet Explorerから [https://ex13-cas01/ecp/] にアクセスします。Exchange 管理センターに接続し、Exchange管理者 (ここではExadmin) にてサインインします。

1. [メール フロー] - [送信コネクタ] タブを開きます。

1. 送信コネクタを選択し、[編集] アイコンをクリックします。

1. 左ペインから[スコープ] を選択します。[ソース サーバー] にてExchange Server 2007のサーバー名を選択し、 [削除] アイコンをクリックします。

1. [保存] をクリックします。

1. すべての送信コネクタを同様に確認し、Exchange Server 2007がソースサーバーとして指定されていないことを確認します。

Exchange Server 2007のアンインストール

既存Exchange環境の設定の移行完了を確認後、すべてのExchange Server 2007をアンインストールし、Exchange組織から削除します。

アンインストールの前に、次の手順を行う必要があります。

Exchange Server 2007のすべてのメールボックスの移動

Exchange Server 2007のオフライン アドレス帳の削除

メールボックスの移動の手順については本書「3.4 メールボックスの移動」を参照してください。

オフライン アドレス帳の削除

注意:この操作は、Exchange Server 2007サーバーで行います。

1. Exchange 管理シェルを起動します。

1. 次のコマンドを実行します。

Get-OfflineAddressBook –server EX07-MBX01 | Remove-OfflineAddressBook

1. 次のコマンドを実行し、すべて削除され何も表示されないことを確認します。

Get-OfflineAddressBook –server EX07-MBX01

これらの作業の確認後、Exchange Server 2007の削除を行います。

Exchange Server 2007の削除はメールボックス サーバーから行い、その後クライアント アクセス サーバーおよびハブ トランスポート サーバーの削除を行います。

Exchange Server 2007をアンインストールする

注意:この操作は、全てのExchange Server 2007で実行してください。

1. [プログラムの追加と削除] より「Microsoft Exchange Server 2007」を選択し、 [削除] をクリックします。

ウィザードが開始されます。[次へ] をクリックします。

インストールされている役割のチェックを外します。あわせて [管理ツール] のチェックも外し、[次へ] をクリックします。

メールボックスの役割削除の事前確認が行われます。エラーが表示されていないことを確認し、[アンインストール] をクリックします。

正常に削除が完了したことを確認し、[完了] をクリックします。

すべての Exchange Server 2007 で同様にアンインストールを行います。

以上でExchange Server 2013への移行は完了です。

免責

この資料に含まれている情報は暫定的なものであり、ここに記載されているソフトウェアの発売時点で変更されている場合があります。

この資料に記載されている情報は、この資料の発行日におけるマイクロソフトの見解を示すものです。マイクロソフトは市場の変化に対応する必要があるため、この資料の内容に関する責任をマイクロソフトは問われないものとします。また、発行日以降に発表される情報の正確性を保証できません。資料に記載された内容は情報の提供のみを目的としており、明示、黙示、または法律の規定にかかわらず、これらの情報についてマイクロソフトはいかなる責任も負わないものとします。

マイクロソフトは、この資料に記載されている内容に関し、特許、特許申請、商標、著作権、またはその他の無体財産権を有する場合があります。別途マイクロソフトのライセンス契約上に明示の規定のない限り、このドキュメントはこれらの特許、商標、著作権、またはその他の無体財産権に関する権利をお客様に許諾するものではありません。

Exchange Server 2013ホワイトペーパー 移行・共存編  59

内部ネットワーク

CONT-DC01192.168.101.1EX07-MBX01192.168.101.2EX07-HUBCAS01192.168.101.3

外部メール送受信

Relay192.168.201.1

Internet

DMZ

contoso.com

内部ネットワーク

CONT-DC01192.168.101.1EX07-MBX01192.168.101.2EX07-HUBCAS01192.168.101.3

外部メール送受信

Relay192.168.201.1EX13-MBX01192.168.101.12EX13-CAS01192.168.101.13

DMZ

Internet

contoso.com

Internet

内部ネットワーク

CONT-DC01192.168.101.1

外部メール送受信

Relay192.168.201.1EX13-MBX01192.168.101.12EX13-CAS01192.168.101.13

DMZ

contoso.com