Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
[47AM066]心拍数が減少するのはどれか.1. 貧血
2. 脱水
3. 低体温 解答 3
4. 長期臥床
5. 甲状腺機能亢進
解説
心拍数(heart rate)は、一定の時間内に心臓が拍動する回数をいう。通常は 1 分間の拍
動の数(beats per minute)をいう。
・低体温では細胞での酸素消費量が減少することによって心拍数が減少する。
・貧血とは赤血球が減少することにより起こりその結果として全身の細胞が酸素欠乏が
おこり頭痛、倦怠感、めまいなどの症状を起こすものです。心臓は赤血球不足による酸素
運搬能力の低下を補うために心拍数を増加させることで供給を保とうとします。
・脱水により一回拍出量の減少がおこる。心拍数は心拍出量を一定に保つための代償作用
として増加する。
・長期臥床状態では重力の影響が無くなり、立位に比較して血液が上半身により多く配分
され、胸腔や腎臓の血流量も増加します。このため体液を調節しているホルモンが抑制
されて尿の排泄量が増加するので、体液が減少します。体液の減少は当然のことながら
血漿量を減少させ、更に、全血液量の減少を起こします。この結果、一回拍出量も少なく
なるので安静時心拍数が増加します。
・甲状腺ホルモンは体にエネルギーの利用を促すホルモンであり、これが過剰になる事
で全身の働きが過剰になる為、アドレナリンが過剰に出た時と似たような症状が出る。
そのため交感神経興奮時のような症状が現れるため心拍数は増加する。
[46AM064]循環生理で正しいのはどれか.1. Valsalva(バルサルバ)試験中は一回拍出量が増加する
2. Ashmer(アシュネル)試験では心拍数が増加する
3. 頸動脈洞マッサージでは心拍数が増加する 解答 4
4. 右心房への静脈環流は吸気時に増加する
5. 臥位と立位では静脈環流に大きな変化はない
解説
・吸気時には胸腔内は陰圧となり、肺が拡張されるだけではなく、肺静脈も拡張されて、
血液が肺側に貯留し、右心房への静脈環流量が増加する。
・Valsalva(バルサルバ)とは、息を止めて力むことによる副交感神経の緊張で、直腸筋、
腹筋、声帯、口唇などが筋緊張を起こし、想像以上に重たい物を持てたり、血圧が上昇し
たり、心拍が早まることをいう。火事場の馬鹿力も、バルサルバ効果の表れといえる。
血圧の上昇のメカニズムについては、以下のように説明できる。
息を止める→胸腹腔内圧の上昇→大静脈が圧迫される→静脈血の心還流量の減少→心拍出
量の減少→血圧の降下→圧受容器のインパルス頻度の減少→心拍数の増加・末梢血管の緊
張による抵抗の増大 となる。
・アシュネル眼球圧迫試験
患者を閉眼させて、一方の眼球を眼瞼の上から指で中等度に 10~15秒ずつ、3~4 回繰
り返して圧迫する。これにより三叉神経末梢が刺激され、反射的に迷走神経が興奮し、心
拍数が減少、悪心、嘔吐を伴う。
・頚動脈洞と言う所に圧受容体があり、そこをマッサージ(刺激)する事で迷走神経を刺
激する事が出来る。迷走神経は副交感神経で、興奮すれば心拍数は減少します。
・臥位から立位に体位を変換すると、重力の影響で、下肢側に血液が貯留し、右心房への
静脈環流量が減少する。よって変化することになる。
心臓で正しいのはどれか。 45AM065・心筋の収縮は主に水素イオンの細胞内流入によって生じる。 × カルシウムイオンが関与する。
・通常、心筋は伸張されると収縮力が低下する。 × スターリングの法則との関連により収縮力は増加する。
・ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加する。 ○
他には、副腎髄質から出るアドレナリンも収縮力を増加する。
・左心室と左心房とは同時に収縮が始まる。 × 心臓の刺激伝導系を考えれば、心房 → 心室と興奮が伝導していきますので、左心室
と左心房が、同時に収縮が始まるのは間違い。
・収縮期に冠血管の血流は増加する。 ×拡張期に冠血管の血流は増加します。収縮期には左心室から大動脈に血液が勢いよく
流れます。そして左室拡張期には大動脈弁が閉じて、大動脈中の血液が左心室に逆流でき
なくなります。
動脈圧の圧受容器が存在するのはどれか。2 つ選べ。 43PM029・頸動脈洞 ○
・大動脈弓 ○
・椎骨動脈起始部 ×・脳底動脈 ×・冠動脈起始部 ×
圧受容器(英 baroreceptor)は、頚動脈洞と大動脈弓に存在し、血圧の変動を感知し
ている。血圧が上昇すると、圧受容器が反応し、反射的に、心拍数が下がり、心筋の収縮
力が低下し、動脈が拡張するので血圧が下がって正常値に復帰する。
【47AM065】頸動脈洞反射で誤っているのはどれか.
1.徐脈になる。
2.血圧が低下する。
3.化学的刺激によって生じる。
4.求心路は舌咽神経を介する。
5.遠心路は迷走神経を介する。
解答 3
◆ DNA 解法のポイント
頚動脈洞には血圧の変化を感受する圧受容体が存在する。頚動脈洞の圧受容体からの求心性インパ
ルスは舌咽神経枝、大動脈弓の圧受容体からのインパルスは迷走神経心臓枝を経て中枢に達する。こ
の圧受容体には特有の形態をもつ神経終末があり、血管壁の伸展により刺激される一種の伸展受容体
である。血管内圧の上昇や外部から頚動脈の圧迫(頚動脈圧迫試験)により、反射的に徐脈、血圧低下
(減圧、血管拡張)および呼吸抑制が起こる。これを頚動脈洞反射という。
日常生活において、この反射が果たす役割は、体位変換に伴う血圧調節である。しかし、この頚動
脈洞の感受性が亢進すると迷走神経の過剰な反射によって、頚動脈洞性失神を起こす。この現象は頚
動脈硬化の強い老人や、脈なし病(大動脈炎症候群)などで観察される。
【47AM061】IgE が関与しないのはどれか.
1.気管支喘息
2.ツベルクリン反応
3.アトピー性皮膚炎
4.アレルギー性鼻炎
5.アナフィラキシーショック
解答 2
◆ DNA 解法のポイント
免疫が過剰に働き、生体に有害に働くことをアレルギー(過敏症反応)という。アレルギーえお起こ
す抗原(アレルゲン)の侵入によって成立した免疫が繰り返し暴露することにより増強されて発症
する。発症機構によりⅠ~Ⅳ型に分類される。IgE が関与するⅠ型は最も多く、食物、花粉などによ
り起こる。アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などの局所症状、あるいは
種々の全身症状が短期間にでる(アナフィラキシー反応)。アナフィラキシーショックとは、全身性
アナフィラキシーがハチ毒、薬剤、食物などによって強く起こり、血圧低下などのショック症状が
でることである。
ツベルクリン反応は、Ⅳ型で T 細胞に関与する。
[45PM064]ヘモグロビンが酸素を離しにくくなる状態はどれか。
1、体温の上昇
2、PaCO2の低下
3、血液 pHの低下
4、血中ケトン体の増加
5、血中 2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の増加
解答 2ヘモグロビン(Hb)が酸素を離しにくくなる状態というのは酸素解離曲線で言うと左方
に偏位している状態をいう。逆に酸素解離曲線が右方偏位した状態は、Hbの酸素親和性
は低下し、末梢組織への酸素供給は容易になる。Hbが酸素を離しやすい状態というのは、
組織での代謝が活発になっていて、よりたくさんの酸素が必要であると考えられる。こ
の問題では逆に体が酸素を必要としていない状態が答えである。
体温の上昇は代謝の亢進し酸素需要が増している状態と考えられる。→×血中 pHの低下は PaCO2の増加により、CO2+H2O→H2CO3→H++HCO3-という反応
の右方偏位が起こっている。血中 pHの低下→×上記の説明で PaCO2の増加で右方偏位が起こっているので低下では左方偏位がおこる。
また PaCO2の低下は pHは増加する。PaCO2の低下→○
ケトン体が増えると血液は酸性に傾く。酸性だとHbは酸素を離しやすくなる。→×血中 2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)はヘモグロビンと酸素分子との親和性を低下させる働きをする。→×
【45PM065】ヒトの免疫機構で正しいのはどれか。
1.B 細胞は細胞性免疫を担当する。
2.T 細胞は活性化して形質細胞となる。
3.マクロファージは T 細胞から分化する。
4.ナチュラルキラー細胞は体液免疫を担当する。
5.ヘルパー T 細胞は B 細胞を活性化する。
解答 5
◆ リンパ球・マクロファージ・ナチュラルキラー細胞 解法のポイント
リンパ球:T 細胞と B 細胞に分類される。
〈T 細胞〉
キラー T 細胞は細胞性抗体として知られるものであり、自らが抗原を攻撃する(細胞性免疫)。ヘルパー T 細胞は細胞性免疫 液性免疫の調節において中枢的な役割を担う。抗原の刺激を受ける・前のヘルパー T 細胞(Th0)は、抗原と出会うとその種類によって Th1 と Th2 の2種類に分化す
る。Th1 はキラー T 細胞を刺激して細胞性免疫を調節し、Th2 は B 細胞を刺激して、液性免疫(液性抗体産生)を調節する。
〈B 細胞〉
液性抗体産生能力を有するリンパ球で、細胞表面に免疫グロブリンを発現している。
もともとは骨髄の造血幹細胞の子孫であり、種々の分化段階を経て最終的に抗体を効率よく産生す
る細胞になる。この最終分化を遂げた細胞は形質細胞と呼ばれる。
マクロファージ
貪食作用を有するため、食細胞、貪食細胞と呼ばれる。貪食した抗原を再び自身の細胞膜表面に提
示できる。これは抗原提示と呼ばれ、この提示をヘルパー T 細胞が受け取ることで、免疫応答が引
き起こされる。
ナチュラルキラー細胞
細胞の由来は T 細胞系ともマクロファージあるいは顆粒球系ともいわれている。細胞傷害活性を有
するが、抗原特異性はなく、ウイルス感染などで抗原を攻撃する。
1.B 細胞は細胞性免疫でなく、液性免疫を担当している。
2.形質細胞になるのは T 細胞ではなく、B 細胞である。
3.マクロファージは血中では単球、末梢組織では組織球と呼ばれる。リンパ球と同様の無顆粒白血
球であるが、T 細胞から分化したものではない。
4.ナチュラルキラー細胞は体液免疫ではなく、細胞性免疫である。
5.ヘルパー T 細胞(Th2)は B 細胞を刺激して抗体産生を調節する。
参考引用:生理学教科書 p.9,11,112,113、病理学教科書 p.51~54,62、ニューステージ生物図表
p.161,163
【43PM036】ヒトの免疫機構で正しいのはどれか。
1.ヘルパー T リンパ球は免疫反応の抑制に働く。
2.キラー T リンパ球は他の免疫細胞を破壊する。
3.好中球はサイトカインを産生する。
4.B リンパ球は抗体を産生する。
5.副腎皮質ホルモンは免疫機構を亢進させる。
解答 4
◆ リンパ球・好中球 解法のポイント
【45PM065】の解説参照
1.ヘルパー T リンパ球は、細胞性免疫と液性免疫の調節をする。必ず抑制に働くとは限らない。
2.キラー T リンパ球は抗原を攻撃するため、免疫細胞の破壊はしない。
3.好中球は侵入した細菌・ウイルスを捕捉して破壊する能力を有している点から食球とも呼ばれ、
強い食作用を示す。サイトカインは細胞を活性化する物質のことである。免疫におけるサイトカ
インは、リンパ球が放出するリンフォカイン、マクロファージが放出するモノカインなどがあ
る。(名称の乱立を防ぐためインターロイキンと呼ぶ)4.B リンパ球は液性抗体産生能力を有する。
5.副腎皮質ホルモンには、鉱質コルチコイド・糖質コルチコイド・アンドロゲン(性ホルモン)があ
る。主な作用に、免疫抑制作用がある。
参考引用:生理学教科書 p.9,11,98,99,112,113、病理学教科書 p.51~54,62、ニューステージ生物
図表 p.161,163
【45PM066】肝臓の機能でないのはどれか。
1.レニンの分泌
2.たんぱく質の合成
3.ビタミンの貯蔵
4.アルブミンの生成
5.グリコーゲンの合成
解答 1
◆ 肝臓の機能 解法のポイント
肝臓は人体で最も大きく、重さが約 1.3kg程ある重い器官である。
(1)物質代謝の中心器官 糖代謝:
・グルコース → グリコーゲンの合成
たんぱく質代謝:
・アミノ酸 →血漿タンパク質(アルブミン、フィブリノゲン、免
疫ブログリンを除くグロブリン)を合成
脂質代謝:
・脂肪酸を分解 → 多量の ATP 生産
・コレステロールの合成
・ビタミン K,ビタミン B12など、ビタミンの貯蔵
(2)胆汁の生成 ・胆汁を合成する。
(3)解毒作用 ・アルコールを分解、毒物を無毒にして胆汁の材料にする。
(4)血液凝固関連物質の
合成
・血液凝固因子の第Ⅳと第Ⅷを除くものはすべて肝臓で生成され
る。
(5)その他の作用 ・胎児期には赤血球産生の場所であるが、生後は脾臓とともに赤血
球を破壊する場所となる。
【44PM029】血液凝固因子はどれか。2 つ選べ。
1.アルブミン
2.トロンビン
3.ヘモグロビン
4.フィブリノゲン
5.エリスロポエチン
解答 2、4
◆ フィブリノゲン、トロンビン、フィブリン 解法のポイント
血液凝固とは、血漿中のフィブリノーゲンがトロンビンの作用により、フィブリンとなって血球
を凝集すること。
1. (第 1相)
血小板が空気に触れて壊れ、トロンボプラスチンを放出する
2. (第 2相)
トロンンボプラスチンと血漿中カルシウムイオンの作用でプロトロンビン
(血漿タンパク)がトロンビンに変化する
3. (第 3相)
トロンビンの酵素作用により、フィブリノーゲンがフィブリンになる。
フィブリンはカルシウムイオンなどの作用で相互に結合し、網状の構造を
つくって赤血球を取り込んで凝集させる
47PM066 細菌貪食能が高いのどれか
1.単球‐‐‐‐‐× 2.好酸球‐‐‐‐×3.好中球‐‐‐‐○ 4.リンパ球‐‐‐×5.好塩基球‐‐‐×
好中球と単球は侵入した細菌、ウィルスを捕捉して破壊する能力を有している点から食
球と呼ばれる.好中球は強い食作用を示す.単球は幼若型で、ほとんど食作用を示さない
が、組織中ではマクロファージとなり、強力な食作用を示す.好中球とマクロファージ
では、マクロファージの食作用のほうが強い.
好酸球はある種の寄生虫、特に住血吸虫症で増加する.また、アレルギー疾患、特に喘
息の患者でも増加する.
リンパ球は免疫球とも呼ばれ、その成熟過程、機能の違いから胸腺由来の T 細胞と骨髄
由来の B 細胞に分類される.好塩基球は肥満細胞(mast cell)と同じ性質をもつ.これらの細胞はヘパリンを放出
して、凝固を阻止したり、血中の脂肪粒子を取り除く作用がある.また、アレルギー性炎
症部位に集まり、ヒスタミン、ブラジキニン、セロトニン、へパリンなどを放出する.
44 PM036 免疫グロブリンについて正しいのはだれか
1.唾液中には含まれない‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐×2.T 細胞が抗原の刺激を受けて産生する‐‐‐‐×3.IgG は血漿中に占める割合が最も少ない‐‐‐×4.IgE はアレルギー反応に関与する‐‐‐‐‐‐○
5.IgM には胎盤透過性がある‐‐‐‐‐‐‐‐‐×
免疫グロブリンは B 細胞が産生する.B 細胞が抗原刺激を受けることにより、抗体産生
する形質細胞へと分化し抗体を産生する.抗体には5つつのアイソタイプが存在し、
IgG、IgA、IgM、IgD、IgE の順に全体に占める割合が多い.
IgG は胎盤通過性をもつ.だいたいの免疫反応の主体をなしており、補体の活性化やオ
プソニン作用が強力である.
IgA は唾液・涙・鼻水・肺・消化管に存在し、粘膜の感染防御に役立つ.母親の初乳に
分泌され、新生児の消化管の感染防御に役立つ.
IgM は抗原刺激に対し最も早く産生される.自然抗体は IgM が主である.
IgD は機能については不明な点が多い.成熟した B 細胞に IgM とともに存在し、B 細
胞が抗原刺激のもと、分化・成熟するのに関与していると考えられている.
IgE はアレルギー反応に関与する.
【47PM067】嚥下で誤っているのはどれか.
1.食塊がしたによって咽頭に送られる過程を口腔期という
2.食塊が咽頭粘膜に触れると、嚥下反射が誘発される
3.嚥下反射のときに喉頭蓋が後方にたおれる
4.輪状咽頭筋が収縮すると、食塊が食道にはいる
5.食塊が食道に達すると、食道の蠕動運動が生じる
解答 4
解法のポイント
1.○〈口腔期〉食塊が口腔から咽頭に達する時期。主として舌によって行われる運動で、随意運動であ
る。
〈咽頭期〉食塊が咽頭から食堂入口まで達する時期。咽頭と口腔の閉鎖、咽頭と鼻腔の閉鎖、喉頭を
引き上げ、喉頭蓋を閉じて気道を閉鎖し、食物の気管内への流入を防ぐとともに食物を食道に送りこ
む運動(三叉神経・迷走神経)。呼吸は停止状態を呈する(迷走神経)。
〈食道期〉食塊が食道入口から胃の噴門まで達する時期。不随意運動である。食塊が食道入口部まで
達すると輪状筋による蠕動運動が起こり、噴門に達する。
2.○嚥下反射とは、口の中でひと固まりにして食べた物を、喉から食道まで一気に運ぶ運動を起こす反射
のことで、摂食・嚥下運動のなかで最も重要な反射です。
嚥下反射誘発部位→奥舌・舌根・喉頭蓋谷・軟口蓋・口峡・咽頭後壁(咽頭粘膜)
3.○
舌は口蓋にしっかり付き、舌骨が引き上げられ、喉頭が上前方へ移動し、そのため喉頭蓋が後方へ倒
れます。軟口蓋は口腔と鼻腔を遮断しています。
4.×食道入口部は輪状咽頭筋が持続的に緊張し閉鎖している。 嚥下反射の時は迷走神経の働きにより輪
状咽頭筋が弛緩する。
5.○食塊が咽頭から送られてくると食道入口部が一過性に開大して蠕動運動が誘発され、食道へと食塊を
下方に送り込む。
【46AM066】嚥下で正しいのはどれか.
1.口腔内の食塊は反射運動で咽頭へ送られる
2.軟口蓋が挙上すると咽頭と鼻腔の通路が開く
解答 5
3.喉頭蓋が引き上げられて気道が閉鎖される
4.食塊が食道に入る時期に呼吸が促進される
5.食道期の食塊移動は蠕動運動による
解法のポイント
1.×口腔内では主に舌が食塊を運搬する。咽頭を過ぎてから反射運動がおこる。
2.×
軟口蓋は上へ上がるのと同時に後方へ膨らみ、口腔と鼻腔を遮断します。
3.×
喉頭蓋は後方へ倒れ、喉頭口を閉鎖します(気管に蓋をするような感じになる)。
4.×食塊が食道に入るときは、喉頭蓋によって気管が閉鎖されているために呼吸はできない(嚥下性無呼
吸)。
5.○
食道期とは、食塊が食道の入口から胃の入口(噴門)に達するまでの時期。蠕動運動が主体。
【45AM066】嚥下で正しいのはどれか.2 つ選べ
1.嚥下反射の中枢は橋にある
2.口腔期に軟口蓋は上方移動する
3.咽頭期に喉頭が反射的に挙上する
4.嚥下反射時に呼吸は継続して行われる
5.食塊が食道に入るときに輪状咽頭筋は緊張する
解答 2,3
解法のポイント
1.×嚥下反射の中枢は、延髄である。
2.○
口腔期とは、食塊が口腔から咽頭に達する時期。主として舌によって行われる運動で、随意運動であ
る。この時軟口蓋は上へ上がるのと同時に後方へ膨らみ、口腔と鼻腔を遮断する準備をします。
3.○
咽頭期には喉頭は上前方へ移動し、結果的に喉頭蓋は気管へ蓋をするような形で倒れます。
4.×喉頭蓋によって気管が閉鎖されているために呼吸はできない(嚥下性無呼吸)。
5.×食道入口部は輪状咽頭筋が持続的に緊張し閉鎖している。 食塊が食道に入るとき迷走神経の働きに
より輪状咽頭筋が弛緩する。
44PM030 胆汁について正しいのはどれか?2つ選べ
pH は酸性である
答
コレステロールを含む
脂肪を乳化させる
コレステロールを含む
胆嚢で産生される
脂肪を乳化させる
成分の大部分は体外に排出される
胆汁 bile は肝臓の肝細胞によって分泌される両黄色の分泌物で胆嚢に貯蔵される。胆
汁は膵液類似のアルカリ性電解質溶液に胆汁酸塩、胆汁色素、水分、胆汁酸、コレステ
ロール、レシチンおよび胆汁色素が含まれる。胆汁色素はビリルビンとビリベルジンで
老化した赤血球のヘモグロビンから合成される。胆汁酸は胆汁の最大の構成成分で胆汁酸
だけが消化機能を有する。胆汁は脂肪の消化と脂溶性ビタミンの吸収に重要な役割を果た
す。胆汁は 1日に 800~1000ml 分泌される。
胆汁酸塩は多くの重要な生理作用を持っている。胆汁酸は表面張力を下げ、乳化する作
用があるのでリン脂質とモノグリセリドと共に脂肪を乳化して小腸で消化、吸収しやす
い準備状態にする。また脂肪の最終消化産物を腸管粘膜から吸収するのを助ける。第二に
胆汁は血液からのいくつかの重要な老廃物の排泄の手段として寄与する。そのような老
廃物には、特にヘモグロビンの最終分解産物のビリルビンと、過剰のコレステロールが
含まれる。
胆汁は肝細胞によって継続的に分泌されるが、その大半は十二指腸で必要になるまで、
通常胆嚢中に貯蔵される。胆嚢が保持できる最大量はわずかに 30~60mL に過ぎない。
それにもかかわらず胆嚢は 12 時間にもわたって、分泌される胆汁(通常約 450ml)を
貯蔵し得る。それは水、ナトリウムイオン、塩素イオン、およびその他の小さい電解質
が持続的に胆嚢粘膜から吸収され、残った胆汁酸塩、コレステロール、レシチンとビリ
ルビンなどの胆汁成分を濃縮するからである。この過程によって胆汁は通常 5倍ほど濃
縮されるが、最高 20倍まで濃縮され得る。水と大部分の電解質(カルシウムイオンを除
く)は、胆嚢粘膜により再吸収されるが、実質的にはその他のすべての成分、とりわけ
胆汁酸塩および脂質であるコレステロール、レシチンは再吸収を受けず、したがって胆
嚢胆汁中では高度に濃縮されることになる。
約 94%の胆汁酸塩は小腸から血中に再吸収される。そのおよそ半分は小腸の始めの部
分の粘膜を通した拡散によるもので残りは回腸遠位部の長官粘膜を通した能動輸送過程に
よる。次いで胆汁酸塩は門脈血に入り、肝臓に戻る。肝臓に着くと、最初の静脈洞通貨通
過で、ほとんどすべて肝細胞に吸収され、胆汁中に再分泌される。こうして前胆酸塩の約
94%は胆汁中に再循環されるので、胆汁酸塩は最終的に糞便中に運び込まれるまで平均
で 17 回ほど全周を巡ることになる。糞便中に失われる少量の胆汁酸塩は、常に肝細胞で
新たに補充されている。この胆汁酸塩の再循環のことを胆汁酸塩の腸肝循環と呼んでいる。
肝胆汁 胆嚢胆汁
固形分[%] 2~4 10~12胆汁酸塩[mmol/L] 10~20 50~200pH 7.8~8.6 7.0~7.4
[46PM066]唾液によって分解されるのはどれか?
1. 脂質2. 蛋白質3. ブドウ糖
4. デンプン
5. セルロース
<解説>唾液中にはプチアリンという消化酵素が含まれる。
プチアリンは口腔内で消化された可溶性デンプンをデキストリンからマルトースまでの
反応を生じさせる。(デンプン→デキストリン→マルトース)
ついでに…胃酸により pH が低下するとこの反応は停止する。また、分解作用の他に口腔
粘膜の保護、洗浄、殺菌、抗菌、排泄等の作用を行い、緩衝液としても pH が急激に低下
しないよう働いている。
[43PM030]唾液について正しいのはどれか
1. 唾液分泌中枢は中脳にある。
2. 交感神経の興奮で分泌する
3. 1日の分泌量は 1~1.5 リットルである。
4. 蛋白質を分解する。
5. 分泌が増すと口腔内 pH は低下する。
<解説>・唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺のほか、口腔粘膜に多数の小唾液腺があり、交感神
経と副交感神経の支配を受け、その分泌中枢は延髄にある。
・唾液は身体の様々な部分に存在する反射帯、特に舌や口腔粘膜に食物が触れることに
よって刺激され、反射的に分泌される(分泌反射)また、生後の環境によって、後天的につ
くられる反射を条件反射という。
・唾液 pH は無色の弱酸性(6.3~6.8)、1日の分泌量は 1.0~1.5L である。
【45 AM067】腎臓でアミノ酸の大部分が再吸収されるのはどれか
1. Bowman嚢2. 近位尿細管
3. Henle係蹄4. 集合管
解答 2
◆ 腎臓 ネフロン 解法のポイント
物質 再吸収率
塩分と水分 約2/3
受動的に経細胞輸送が行われ溶質は
等浸透圧で再吸収され、浸透性のあ
る液体が糸球体で濾過されて近位尿
細管に除かれる
有機物(ブドウ糖・アミノ酸) 100%
ブドウ糖、アミノ酸、無機リン酸、
および他の溶質はナトリウム勾配に
よって共輸送チャンネルによる二次
性能動輸送で再吸収される
カリウム 約65%
尿素 約50%
リン酸 約80% パラトルモンは、尿細管においてリ
ン酸の再吸収を抑える作用を持つ。
しかし、腸からの吸収や骨からのリ
ン酸の放出で血中のリン酸濃度は上
昇するためパラトルモンの作用は相
殺される。したがって、血中のリン
酸濃度は一定に保たれる
http://www.sho-oh.ac.jp/blog_old/bio/2008/02/no138.html
図で囲んだ部分が近位尿細管部である。
ここで主に再吸収が行われる。
再吸収能力が低下すると近位尿細管性アシドーシス(HCO3-再吸収の低下が原因)などを引き起こ
す。
近位尿細管において再吸収される主な物質を以下に記す。
【43PM032】正しい組み合わせはどれか.
1. ペプシン ― 口腔
2. プチアリン ― 胃
3. マルターゼ ― 胃
4. ラクターゼ ― 小腸
5. リパーゼ ― 小腸
解答 4
◆ 消化酵素 解法のポイント
1.ペプシンは胃で分泌される。
2.プチアリンは口腔で分泌される。
3.マルターゼは小腸で分泌される。
4.ラクターゼは小腸で分泌される。
5.リパーゼは胃で分泌される。
→詳細は以下の表を参照とする。
消化液 消化酵素 基質 分解産物 至適pH
唾液アミラーゼ(プチアリ
ン)デンプン
デキストリン・麦芽
糖
6.7
ペプシン タンパク質 ポリペプチド 1.6~2.4 ペプトン
胃液 リパーゼ 脂肪 脂肪酸
グリセリン
レンニン カゼイン 乳汁凝固 4.0 トリプシン タンパク質 ポリペプチド 8.0 ポリペプチド 小ポリペプチド
キモトリプシノーゲ
ンキモトリプシン
キモトリプシン タンパク質 小ポリペプチド 8.0膵液 ポリペプチド
カルボキシペプチダー
ゼポリペプチド アミノ酸
アミラーゼ デキストリン 二糖類 6.7~7.0
膵リパーゼ(ステアプシ
ン)脂肪 脂肪酸・グリセリン 8.0
ヌクレアーゼ 核酸 ヌクレオチド
エンテロキナーゼ トリプシノーゲン トリプシン
アミノペプチダーゼ ポリペプチド アミノ酸 8.0 ジペプチダーゼ ジペプチド アミノ酸
マルターゼマルトース(麦芽
糖)
ブドウ糖(グルコー
ス)5.0~7.0
小腸液 ラクターゼ ラクトース(乳糖)ブドウ糖・ガラク
トース5.8~6.2
サッカラーゼスクロース(ショ
糖)ブドウ糖 5.0~7.0
フルクトース(果
糖)
腸リパーゼ 脂肪 脂肪酸・グリセリン 8.0
ヌクレオチダーゼ ヌクレオチドヌクレオシド・リン
酸