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Scratchを活用した 女子中高生対象の理系進路支援事業 杉浦 津田塾大学 女性研究者支援センター 特任講師

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Scratchを活用した 女子中高生対象の理系進路支援事業

杉浦 学

津田塾大学 女性研究者支援センター 特任講師

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女性研究者支援センター • 世代連携・理文融合による女性研究者支援(平成

20年度文部科学省科学技術振興調整費)を推進するために設置

• 女性の自立を建学の精神に掲げる本学は、数学や情報科学教育にも早くから取り組んでいる

• 本学の既存の組織である保育所、研究所、大学院、学部、同窓会などと連携し、女性研究者が出産・育児や介護等に直面したときの相談窓口となるとともに、世代連携による女性研究者の支援と、 潜在的研究者に対する啓蒙活動を実施

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世代連携の活動例 • 学外向け

– 女子高校生対象「夏の合宿」の開催 – 女子中高生対象「情報・メディア工房」の開催

• 学内向け – 学内メンター制度の導入 – チューター制度・インターン制度の導入

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Scratchを使ったイベント

2008年 センター設置

2009年夏 夏の合宿

2009

2010年夏 夏の合宿

2010

2011年夏 情報・メ

ディア工房

2012年夏 情報・メディア工房2012

(予定)

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文部科学省科学技術振興調整費

JST 女子中高生の 理系進路支援事業

学内予算

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Scratchを利用している意図 • 創造的ツールとしてのコンピュータの役割を

知ってもらうことが、情報分野に興味を持つきっかけになるはず – コンピュータを使って、自分で考えたものを創り

出す楽しさを体験してもらいたい – 学校の授業では「コンピュータの使い方」の勉強

が中心になってしまう – 普段からコンピュータやインターネットを利用し

ている生徒でも、他者の制作したデジタルコンテンツを利用しているだけのことが多い

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夏の合宿2009・2010 • 女子高校生を対象とした理系進路支援のイベント • 女子高校生32名、2泊3日のスケジュール

• 情報科学と数学の体験型実習

– LEGO社のWeDo+Scratchを使った ものづくり 体験 – NEC PaPeRo+Scratchを使ったロボット制御プログラミング – セッセンサーを使った微分積分の体験型実習 – 音階の規則性と数学を使った楽器づくり – iMovieとiPhotoによるムービー制作&iPod Touch貸与

• 本学の卒業生と学生との世代連携イベント

– キャンパスツアー – 本学の学部生、院生によるポスターセッション – 本学の卒業生による座談会

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女子中高生のための 情報・メディア工房(2011年)

• 夏の合宿を日帰りイベントにアレンジ – 午前:企業や研究所と連携した見学会と懇談会 – 午後:先端的で魅力的なテクノロジーや教材を用

いたワークショップの実施

• 昨年は3日程で開催 – NTT研究所×モーションセンサーワークショップ – 資生堂×ロボットデザインワークショップ – Google東京オフィス×電子手芸ワークショップ

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フィジカルコンピューティングの導入

• ものづくりを様々な形で提供 • コンピュータやその入出力デバイスの仕

組みに対する興味を引きだす – モーションセンサー

• Xbox360 Kinect – コミュニケーションロボット

• NEC PaPeRo – マイコンボード

• SparkFun Electronics LilyPad Arduino

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ビジュアルプログラミング環境の活用

• コンピュータやプログラミングが持つ「難しい」や「複雑」といったマイナスのイメージを払拭

• 利用するフィジカルコンピューティングの機材に合わせて、全てのワークショップでScratchなどのビジュアルプログラミング環境を採用

• プログラミングは難しい面もあるが、創造的で楽しい作業であるという気づきを

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世代連携によるワークショップ運営

• 中高生の進路選択には「人との出会い」が与える影響が大きい

• 本学の情報系の学部生と大学院生をスタッフとして雇用

• アシスタント+理系女子大生のロールモデルとして活躍してもらう

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全体に対する感想(抜粋) • プログラミングの楽しさをあらためて知る事ができました。

ありがとうございました。 • プログラミングがすごく難しいと思っていたが、やってみれ

ばできたのでびっくりしました。 • 情報・メディア分野がプログラミングだけでなくNTTなどの

会社で様々な形で利用されていて情報に関する考えが改められました。

• 文系か理系にするか迷っていたので、進路についてとても参考になって良かった。

• 午後の取組と午前の取組の系統が違ったから、あきなくてよかった。

• 県外に新しい友達が出来たり、ロボットなど貴重な体験ができて良かったです。ありがとうございました。

• 理系の分野で働いている方や、津田の学生の方とも話せてよかったです。私も理系の分野で将来働きたいです。

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見学・座談会の感想(抜粋)

– 理系に進む事に対して迷っている事や不安な事を先輩方に聞いて頂いて大変嬉しく思います。

– これからの進路についての考えで、行き詰った感じだったのが少し良くなりもっといろいろなことを調べようと思いました。

– 社会人や大学生にも高校時代があって、それを自分と重ね合わせると参考になった。

– 社員の方々のメッセージや大学生の方々が親切にサポートして下さったことがとても印象的でした。

– 理系の分野で活躍されている方と直接お話しすることができて、聞きたいと思っていたことも聞けました。

– 大学生かっこいいと思った。

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大学としてのメリット

• 夏の合宿2009・2010の参加者のうち、これまでに数学科6名、情報科学科1名の計7名が本学に入学

• 大学生や大学院生に対する刺激も大きい – ワークショップの企画と運営の経験 – 学外の方々と知り合い、一緒に活動する機会

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外部評価委員からの意見 • 大学教員2名、高校教員1名、女性企業役員経験者1名

• 中学3年生くらいで職業意識を持たせるが、自分が直接

関わったことのない職業のイメージに乏しい傾向があり、企業見学等はとても大きい経験。現場を見せてもらえることのありがたさが評価できる。

• ワークショップについては、自分で作り、とことん調べる経験として重要であるが、同時に手厚い人的支援が必要で、こういうワークショップが理系に目を向かせるきっかけになる。

• ワークショップを先生の研修として実施し、授業でこういうことができるようにするための支援が必要である。

• 企業も大学教育・高校教育に期待すべきで、期待を発信していかなければならない。

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課題

• 継続的実施のための環境づくり – 中高との連携の強化

• 教員への情報提供 • 女子中高生への広報活動 • 女子中高生の意識調査

– 産業界との連携の強化 • 先端的で魅力的なコンテンツの共同研究 • 大学、中高のカリキュラムの共同開発

– 情報・メディア教育専門家の育成

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今後の活動予定1

• 今年も情報・メディア工房2012を開催

• IBMとKDDI見学 • Kinect + Scratch

ワークショップおなじみ

• MIT App InventorワークショップNEW

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今後の活動予定2

• 色々と準備しております

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最後に • エレキジャックのブ

ログに大人向けのScratchの解説記事を書いております

• この後の14:50~ワールドカフェにも参加しますので、皆様とディスカッションができれば嬉しいです

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