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XC9401 LED 照明
Application Note
www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
XC9401 アプリケーションノート
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No.0032(Ver.001.10)
1. 製品概要 ------------------ p.3 2. 製品特徴 ------------------ p.3 3. ブロック図および各端子機能 ------------------ p.5 4. 代表回路図および参考部品表 ------------------ p.6 5. 動作説明 ------------------ p.8 5-1. 通常動作 ------------------ p.8 5-1-1. 電流制御方式および入力電圧/入力電流について ------------------ p.8 5-1-2. オフタイム固定制御およびオン時間/オフ時間の算出 ------------------ p.9 5-2. 起動時 ------------------ p.11 5-3. スタンバイ時 ------------------ p.12 5-4. Dimming ------------------ p.12 5-5. 保護機能 ------------------ p.13 5-5-1. 過電流保護 ------------------ p.13 5-5-2. サーマルシャットダウン ------------------ p.13 5-5-3. UVLO ------------------ p.13 5-5-4. VDD 過電圧保護 ------------------ p.14 6. 非絶縁型回路 部品選定方法 ------------------ p.15 6-1. LED 直列数 ------------------ p.15 6-2. ブリッジダイオード ------------------ p.16 6-3. 入力フィルタ ------------------ p.16 6-4. NF 端子 ------------------ p.17 6-5. VDD 電源供給 ------------------ p.18 6-6. コイル ------------------ p.20 6-7. フライホイール・ダイオード ------------------ p.21 6-8. MOSFET、ゲート抵抗 ------------------ p.21 6-9. LED 電流調整 ------------------ p.22 6-10. 出力容量 ------------------ p.23
6-11. ラインレギュレーション改善回路 ------------------ p.24 7. 絶縁型回路 部品選定方法 ------------------ p.25 7-1. LED 直列数 ------------------ p.25 7-2. ブリッジダイオード ------------------ p.25 7-3. 入力フィルタ ------------------ p.25 7-4. VSINE 端子 ------------------ p.26 7-5. VDD 電源供給 ------------------ p.27 7-6. トランス ------------------ p.29 7-7. スナバ回路 ------------------ p.33
7-8. 整流ダイオード ------------------ p.34 7-9. MOSFET、ゲート抵抗 ------------------ p.35 7-10. LED 電流調整 ------------------ p.36 7-11. 出力容量 ------------------ p.37 8. ソリューション・特性例 ------------------ p.38 ・100VAC/110VAC 非絶縁降圧 B タイプ ------------------ p.39 ・220VAC/240VAC 絶縁フライバック B タイプ ------------------ p.41 ・220VAC/240VAC 非絶縁降圧 B タイプ ------------------ p.43 ・220VAC/240VAC 非絶縁降圧 B タイプ(Valley-Fill) ------------------ p.45
・15VDC 入力 降圧 B タイプ ------------------ p.47 ・10VDC~15VDC 入力 昇降圧 B タイプ ------------------ p.48
9. 使用上の注意 ------------------ p.49
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1. 製品概要
XC9401 シリーズは、LED 照明用オフラインコントローラ IC です。 外付け部品を最適化することにより、85VAC~
270VAC および DC 入力で動作させることができ、回路構成に合わせて部品選定をすることで、多彩な仕様を実現できま
す。本アプリケーションノートでは、非絶縁型および絶縁型 LED 照明についての動作説明、部品選定方法などを記載して
いきます。 2. 製品特徴 コイルを使用した非絶縁回路ソリューションからトランスを用いた絶縁回路ソリューションまで様々な仕様のソリューション
回路に適応できるシンプルな動作を提供します。また SOT-26 パッケージを採用したことで、基板実装面積の縮小化がで
き、電球への実装が容易になります。 非絶縁型回路構成では、絶縁型に比べフォトカプラやスナバ回路などの周辺部品が不要になるため、部品点数、実装面
積およびトータルコストを削減できます。 << 制御方式 >>
基本的な制御方式として固定オフタイム制御を採用し、外付けパワーMOSFET に流れる電流を検出することで、LEDに流れる電流を監視し、安定した LED 照明用電源を提供します。 製品シリーズとしては XC9401A タイプ、XC9401B タ
イプの 2 種類の機能タイプを用意しており、必要とする特性に応じて A または B のタイプを選択できます。
図.1 XC9401 A タイプ (非絶縁回路例) 図.2 XC9401 B タイプ (非絶縁回路例)
A タイプは力率を考慮した回路構成で、LED 電流を入力電圧(正弦波)と同期させることにより高力率を達成します。 この回路構成では、AC 入力からブリッジ整流回路の後に大容量の高耐圧電解コンデンサが不要です。入力フィルタは
AC ラインからの高周波数スイッチングノイズを除去するため、小容量のセラミックコンデンサを使用できます。 B タイプは、スイッチングによる外付けパワーMOSFET に流れるピーク電流を一定にすることで、LED 電流を一定に保
つことができます。 この回路構成では、LED 電流を一定とすることで、安定した光源を高効率で実現できます。
<< 発振周波数 >> オフタイムを固定した制御方式を採用しているため、スイッチング周波数は接続された LED の電圧と入力電圧により決
まります。 詳細は、5-1-2 項を参照してください。 << PWM 調光 >>
EN/DIM 端子に PWM 信号を入力することにより、PWM 調光が可能になります。 詳細は、5-4 項を参照してください。
GND
GATE
C10.1μF/250V
D10.7A/200V
LED20Series/110mA
CLED1uF/100V
EN/DIM
L11mH
Q1IPD60R3K3C6
L23.3mH
Rs2.2Ω
CVDD
10μF/25V
BRB4S RVDD
66kΩ
ZD112V
Rg20Ω
C210μF/250V
ISEN
VDDNF
+
100VAC/110VAC
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<< 保護機能 >> 本 IC の保護のために、過電流保護、サーマルシャットダウン、UVLO、VDD 過電圧保護の回路が内蔵されています。 詳細は、5-5 各項を参照してください。
<< 高調波規制を考慮 >> XC9401 シリーズでは、機能タイプの異なる A タイプまたは B タイプにおいて、高調波規制に対応することが可能です。
各タイプでの入力電流について下記に記載します。 A タイプでは、LED 電流を入力電圧(正弦波)と同期させるため、入力電流は入力電圧(正弦波)と同相波形(図.3)となりま
す。このため、入力電流には高次の高調波電流成分がほとんど含まれておらず、IEC61000-3-2 に容易に対応できま
す。 B タイプでは、全波整流後の電圧を平滑するために大容量の入力コンデンサ C2 を接続します。全波整流後、平滑され
た電圧 Vrec および入力電流を図.4 に示します。入力電流の波形は入力コンデンサの容量値により変化するため、入力フ
ィルタを調整することで IEC61000-3-2 Class D(有効入力電力 25W 以下の機器の場合) に対応できます。
図.3 XC9401 A タイプ 入力電圧および入力電流波形 図.4 XC9401 B タイプ 入力電圧および入力電流波形
0
VAC
IIN
Vrec
≦60°
≦90°
≦65° Iin_peak
0.05Iin_peak
VAC
IIN0
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3. ブロック図および各端子機能
図.5 XC9401 A タイプ ブロック図 図.6 XC9401 B タイプ ブロック図 上記図のダイオードは静電保護素子、寄生ダイオードになります。 A タイプ B タイプ
図.7 端子配列図 PIN NUMBER PIN NAME FUNCTION
1 ISEN 電流センス端子。外付けパワーMOSFET のソースとセンス抵抗の間に接続してく
ださい。外付けパワーMOSFET に流れる電流(コイル電流)を電圧に変換しセン
スします。
2 VDD 電源端子。本 IC のための電力を供給します。入力動作範囲に注意してください。
3 GATE 外付けパワーMOSFET 駆動用出力端子。外付けパワーMOSFET のゲート端子
との間に抵抗を挿入し接続してください。 4 EN/DIM イネーブル端子/PWM 調光端子。GATE 出力のオン/オフを制御します。 5 GND グラウンド端子。
6 A タイプ: VSINE B タイプ: NF
A タイプ: 電流センス用レファレンス電圧入力端子。全波整流後の電圧を外部抵
抗にて分圧して入力してください。 B タイプ: グラウンドに接続してください。(図.6 参照)
EN/DIM
Logic
ISEN
GATE
BufferDrive
&VoltageLevelShifter
Voltage Regulator5V
VSINE
to Internal Circuits
GND
VDD
Thermal Shutdown150
OVP16.5V / 18V
EN/DIM &
DELAY
Off Time Controller6μs
VREF(Bandgap reference)
UVLO6.5V / 7.5V
Min. ON Time Controller
Over Current Limit
CMP
×0.2783
PWMCMP
Off Time Controller140μs
(Over Current Limit)
180Ω
0.7V
SOT-26(TOP VIEW)
VDD
GNDVSINE
ISEN
EN/DIM
GATE
5
1 32
6 4
SOT-26(TOP VIEW)
VDD
GNDNF
ISEN
EN/DIM
GATE
5
1 32
6 4
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4. 代表回路図および参考部品表
<< 100VAC/110VAC 非絶縁降圧、B タイプ >>
図.8 100VAC/110VAC 非絶縁降圧、B タイプ 代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,250V,JB,±10% 3216 QMK316BJ104KL-T Taiyo Yuden
C2 1 10μF Capacitor, Alminium,250V,±20% φ10.0x20.0 UCS2E100MPD Nichicon
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 1μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% 3216 GRM31CR72A105A01L Murata
L1 1 1mH Inductor, 0.50A(Isat), 1.84Ω φ7.4x9.8 744772102 Würth Elektronik
L2 1 3.3mH Inductor, SMD, 0.35A, 6.4Ω 12.7x12.7 SRR1208-332KL BOURNS
D1 1 - Diode, Fast Rec., 0.7A, 200V SOD-123 RF071M2S Rohm
ZD1 1 - Zener Diode, 12V Smin2-F5-B DZ2J120M0L Panasonic
R3 1 2.2Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16-2R2F Kamaya
R4 - Jumper - - - -
R5 1 33kΩ Resistor, Chip, 0.33W, 200V 3225 RK73B2ETTD333J KOA
R6 1 33kΩ Resistor, Chip, 0.33W, 200V 3225 RK73B2ETTD333J KOA
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
Q1 1 - MOSFET, Nch, 600V, 1.7A, 2.97Ω TO-252 IPD60R3K3C6 Infineon
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 400V MDI B4S PANJIT
※LED: VLED=3.0V x 20, ILED Target = 110mA (共に平均値)
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<< 220VAC/240VAC 絶縁フライバック A タイプ >>
図.9 220VAC/240VAC 絶縁フライバック、A タイプ 代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401A605MR-G TOREX
C1 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,630V,JB,±10% 4532 C4532JB2J104K TDK-EPC
C2 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,630V,JB,±10% 4532 C4532JB2J104K TDK-EPC
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 470μF Capacitor, Alminium,50V,±20% φ12.5x20.0 50PX470M Rubycon
C6 1 4.7nF Capacitor,Ceramic,1kV,X7R 3216 GRM31BR73A472KW01L Murata
C7 1 220pF Safety-Capacitor Y1,250VAC,B - DE1B3KX221KN5AL01 Murata
L1,2 1 1mH Inductor, 0.40A(Isat), 2.2Ω - 5800-102-RC BOURNS
LT1 1 - transformer - 750813551 Würth Elektronik
D1 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 1000V SMA STTH110A STMicroelectronics
D2 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 200V SMB MURS120T3G On semiconductor
D3 1 - Diode, Fast Rec., 0.2A, 200V SOD-323 BAS20HT1G On semiconductor
R1 1 2.2MΩ Resistor, Chip, 0.25W, 400V 2012 RVC1/10K225FTP Kamaya
R2 1 10kΩ Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K104FTP Kamaya
R3 1 1.0Ω Resistor, Chip, 0.5W 3216 RLC32-1R00F Kamaya
R4 1 0.15Ω Resistor, Chip, 0.5W 3216 RLC32-R470F Kamaya
R5 1 470kΩ Resistor, Chip, 0.25W, 500V 3216 HV732BTBK474J KOA
R6 1 470kΩ Resistor, Chip, 0.25W, 500V 3216 HV732BTBK474J KOA
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
R8 1 27kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 200V 3225 ERJT14J273U Panasonic
R9 1 470Ω Resistor, Chip, 0.25W, 150V 2012 ERJT06J471V Panasonic
R10 - - - - - -
R11 - Jumper - - - -
Q1 1 - MOSFET, Nch, 800V, 2.5A, 3.8Ω D-PAK STD3NK80ZT4 STMicroelectronics
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 800V MICRO DIP TB8S-08 PANJIT
※LED: VLED=3.2V x 6, ILED Target = 350mA (共に平均値)
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5. 動作説明 本項では、XC9401 シリーズの制御方式および動作状態について、説明いたします。
外付け部品の選定方法は、非絶縁型回路については 6 項で、絶縁型回路については 7 項にて記載しておりますので、そ
ちらを参照願います。 5-1. 通常動作 5-1-1. 電流制御方式および入力電圧/入力電流について
XC9401 シリーズでは VSINE 端子電圧、あるいは、IC 内部レファレンス電圧と、コイル電流、あるいは、トランス 1 次側巻
線電流を電圧変換した ISEN 端子電圧を比較することにより、LED 電流を調整します。ここでは、非絶縁型回路を用いて各
タイプでのコイル電流、LED 電流の動作について説明します。 << A タイプ: 高力率対応 >>
A タイプでは、VSINE 端子電圧と ISEN 端子電圧を比較することにより、コイルのピーク電流が VSINE 端子電圧に従順する
ように制御します。 全波整流後の電圧を抵抗分圧し、VSINE端子に入力電圧(正弦波)と同相の電圧を入力します。VSINE端子から入力され
た電圧は IC 内部で 0.2783 倍され、コンパレータ(PWMCMP)において、スイッチングによるコイルのピーク電流を監視し
ている ISEN 端子電圧と比較します。ISEN 端子電圧が比較電圧より高くなるとスイッチングを停止し、コイルのピーク電流が
VSINE 端子電圧と同相になることで、入力電圧と入力電流が同相になり高力率を達成することができます。
図.10 XC9401 A タイプ 非絶縁回路と動作波形
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<< B タイプ: 定電流制御 >> B タイプでは、ISEN 端子電圧を IC 内部の基準電圧を 0.2783 倍した電圧 0.343V (typ.)と比較しコイルのピーク電流を制
御します。これより、コイルのピーク電流は入力電圧によらず一定となり、LED 電流として良好なラインレギュレーション特
性を得ることができます。
図.11 XC9401 B タイプ 非絶縁回路と動作波形
5-1-2. オフタイム固定制御およびオンタイム/オフタイムの算出
XC9401 シリーズでは、外付けパワーMOSFET のオフタイムを 6.0μs(typ.)に固定し、パワーMOSFET に流れる電流を
制御しています。スイッチングのオン動作中にコイル、または、トランス 1 次側巻線のピーク電流を検出することでオフにな
り、固定のオフタイムが経過すると次のオン動作を開始する事を連続して行います。 オン時間は、コイルのピーク電流を ISEN 端子電圧で監視するため、コイル電流、あるいは、トランス 1 次側巻線電流の
傾き(インダクタンス値とスイッチング時の全波整流後の電圧 Vrec に依存)とコンパレータ(PWMCMP)の比較電圧に依存
します。特に B タイプでは、平滑された電圧 Vrec が刻々と変化するため、それに追従しオンタイムが変動します。これによ
り、発振周波数が分散することで特定周波数とならず、EMI レベルの低減を行うことができます。 非絶縁型回路および絶縁型回路では、オンタイム/オフタイムの算出方法および動作時の電流波形が異なりますので
次項にて説明します。
Internal Voltage
0
VAC
IIN
0V
VISEN
0A
IL2
ILED
Vrec
GND
GATE
C1 D1 LEDCLED
EN/DIM
L1
Q1
L2
Rs
CVDD
BR1
RVDD
ZD1
Rg
ISEN
VDDNF
+
VISEN
IL2
VAC
Vrec
ILED
C2
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<< 非絶縁型回路 >> 非絶縁型回路において、非連続モードで動作する条件では、コイル電流が一旦 0A となっても次のオンまで固定のオフ
タイムを維持します(図.12)。連続モードでは、固定オフタイム後、コイル電流が 0A 以上の状態でオンします(図.13)。 オンタイム tON および非連続モード時のオフタイム tOFF’ は式(1)、(2)にて表されます。
但し、IC の動作を安定させるために最小のオンタイムが内部で 0.2μs に設定されています。
図.12 非連続モード時のコイル電流波形 図.13 連続モード時のコイル電流波形
(1)
(2)
VLED : LED 電圧 Vrec(t) : 時間 t における全波整流後の電圧 ∆IL : コイルの電流振幅 VF : フライホイール・ダイオードの順方向電圧 L : コイルのインダクタンス値
参考の計算結果は、別途計算ファイルにて算出できます。
LEDrecLON VtV
LIt−
⋅Δ=)(
VFVLIt
LEDLOFF +
⋅Δ='
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<< 絶縁型回路 >> 絶縁型回路において、外付けパワーMOSFET がオンしている期間はトランス 1 次側巻線に電流が流れ、オフ時に 2 次
側巻線を通して電力供給を行います。 (図.14、図.15) 非連続モードでは、トランス 2 次側巻線電流が一旦 0A となっても次のオンまで固定のオフタイムを維持します。連続モ
ードでは、固定オフタイム後、トランス 2 次側巻線電流が 0A 以上の状態でオンします。 オンタイム tON および非連続モード時のオフタイム tOFF’ は式(3)、(4)にて表されます。 但し、IC の動作を安定させるために最小のオンタイムが内部で 0.2μs に設定されています。
図.14 非連続モード時のトランス電流波形 図.15 連続モード時のトランス電流波形
(3)
(4)
VLED : LED 電圧 Vrec(t) : 時間 t における全波整流後の電圧 ∆IL : トランス 1 次側を流れる電流の振幅 VF : 整流ダイオードの順方向電圧 L : トランスのインダクタンス値 N1 : トランス 1 次側巻線数 N2 : トランス 2 次側巻線数
参考の計算結果は、別途計算ファイルにて算出できます。 5-2. 起動時
XC9401 では PWM 調光を EN/DIM 端子から行えるようにするため、ソフトスタート機能は入っていません。 IC 起動時においても、外付け抵抗 RSEN により ISEN 端子電圧を監視し、コイル、あるいは、トランス 1 次側巻線のピー
ク電流を制御するため、設定された電流以上に突入電流が流れることはありません。 << EN スタートアップ >>
VDD 端子に UVLO 解除電圧以上の電圧が印加されている場合、EN/DIM 端子に H レベル電圧以上の信号を入力する
ことで IC を起動することができます。EN/DIM 端子が H レベル電圧に達し 140μs(typ.)の遅延後、通常動作となります。
(図.16)
⎟⎠⎞
⎜⎝⎛⋅
+⋅Δ=
12'
NN
VFVLIt
LEDLOFF
)(tVLIt
recLON ⋅Δ=
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<< AC スタートアップ>> (VDD=EN) AC 電源入力後、全波整流後の平滑された電圧 Vrec から RVDD を経由して CVDD へ電荷をチャージすることで VDD 端子
電圧が上昇します。UVLO 解除電圧 7.5V(typ.)に達すると UVLO が解除され、通常動作となります。(図.17)
図.16 EN スタートアップ 図.17 AC スタートアップ AC 電源入力から通常動作までの時間は 式(5)で概算値を算出することが可能です。
(5) RVDD : 図.18 参照。 CVDD : 図.18 参照。 VUVLOR : UVLO 解除電圧 7.5V (typ.) ISTB : スタンバイ電流 225μA (typ.) Vrms : 入力電圧実効値 (例 220V)
図.18 VDD 回路概要図 5-3. スタンバイ時 EN/DIM 端子に L レベル電圧以下の電圧を入力することで、IC 内部回路はスタンバイ状態になります。スタンバイ時で
は、IC内部回路が動作している状態で、スイッチングを停止しています。これにより LEDを消灯させ消費電力を抑えること
ができます。 5-4. Dimming
EN/DIM 端子に PWM 信号を入力することで、PWM 信号に同期して GATE 出力のオン/オフを制御し、PWM 調光を行
います。PWM 調光に使用する周波数は、500Hz~1kHz 程度を目安にして下さい。但し、外付けパワーMOSFET を駆動
する GATE 出力は、EN/DIM 端子電圧が H レベル電圧に達してから 140μs 後に信号を出力しますので、最小オン Dutyは 140μs 以上必要となり、100%Duty 未満の最大オン Duty は(1 周期-140μs)以内となります。
図.19 PWM 調光タイミング (XC9401 B タイプ)
sIR
VVCt STB
VDD
rmsUVLORVDDVDD μ140)
2()( +−⋅=
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5-5. 保護機能 XC9401 シリーズには、過電流保護、サーマルシャットダウン、UVLO、VDD 過電圧保護の 4 つの保護機能が搭載され
ています。 5-5-1. 過電流保護
外付けパワーMOSFET のスイッチング電流が過電流状態になり、ISEN 端子電圧が 0.7V(typ.)に達すると、GATE 端子
に L レベル電圧を出力し、外付けパワーMOSFET をオフします。さらに、オフタイムを通常の 6.0μs から一旦約 140μs へ
延長します。延長したオフタイム後、ISEN 端子電圧が 0.7V(typ.)以下になると通常動作に戻ります。 非絶縁型回路において LED 間が短絡すると、オフタイムにおけるコイル(L2)の電流傾きが通常発振時と比べ小さくなる
ため、オフタイム 6.0μs では放電が十分できなくなります。最小オンタイムの間、外付けパワーMOSFET Q1 は必ずオン
するため、コイル電流は徐々に増加していきます。コイル電流の増加と同期して ISEN 端子電圧は高くなり、ISEN 端子電圧
が 0.7V に達するとオフタイムを約 140μs まで延長します。(図.20)
図.20 非絶縁回路において、LED 間が短絡した時の過電流保護動作 5-5-2. サーマルシャットダウン
熱破壊から IC を保護するため、チップ温度が 150 oC(typ.)に達するとサーマルシャットダウンが働き GATE 端子電圧を
強制的に’L’状態にし、LED への電力供給を抑えます。チップ温度が 130 oC(typ.)まで下がると自動的に通常動作に戻り
ます。 5-5-3. UVLO
VDD 端子電圧が UVLO 検出電圧(VUVLO)以下になると、誤パルス出力を防止するために GATE 端子電圧を強制的に’L’状態にします。VDD 端子電圧が UVLO 解除電圧(VUVLOR)以上になると通常動作となります。 UVLO 検出時は、IC 内部回路が動作している状態で、スイッチングを停止しています。
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5-5-4. VDD 過電圧保護 スタンバイ時等に VDD 端子電圧に過電圧が入力され、IC の破壊を防ぐ機能です。VDD 端子電圧が VDD 過電圧検出電
圧(VOVP)以上になると、VDD 端子-GND 端子間の抵抗(IC 内部)により VDD 端子-GND 端子間容量 CVDD の電荷をディスチ
ャージします(図.21)。その時、GATE 端子電圧は強制的に’L’状態となります。VDD 端子電圧が VDD 過電圧解除電圧
(VOVPR)以下になると通常動作に戻ります。(図.22) 実際には、ICへの電源供給にトランスを用いた構成(図.21)において、スタンバイ状態になると上述の動作(図.22)となり
ます。
図.21 トランスを使用する方式の VDD 回路 図.22 VDD 過電圧保護動作
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6. 非絶縁型回路 部品選定方法 非絶縁型回路の外付け部品の選定方法について、図.23 に示す 100VAC での XC9401 シリーズ B タイプを用いた非絶
縁型回路を例に説明します。
図.23 100VAC 非絶縁降圧、B タイプ 代表回路例 6-1. LED 直列数
まず、本アプリケーションでの LED 直列数の選定基準について説明します。 LED を効率よく点灯させるには、LED 接続方法や個数、LED 電流が重要な要素になります。LED の出力電力を一定と
した時の LED 直列数と LED 電流の一般的な関係を図.24 に示します。 LED 直列数を増やすことで LED 電流が低減している事が分かります。非絶縁型回路においては LED 電流が低減する
と、電源回路における周辺部品での損失が低減され効率改善や小型部品の選択ができ、実装面積削減やコスト削減が
可能になります。 実際には、LED 直列数を最適な値に選定することで、LED と周辺部品のトータルコストを抑えることが
可能です。 図.24 出力電力を一定とした時の LED 直列数と LED 電流の関係
0
100
200
300
400
500
600
700
800
0 5 10 15 20 25
LED Series
ILED
[mA
]
出力電力:7W
(LED 順方向電圧:3.5V とし算出)
GND
GATE
C10.1μF/250V
D1RF071M2S
LED20Series/110mA
C41uF/100V
EN/DIM
L11mH
Q1IPD60R3K3C6
L23.3mH
R32.2Ω
C310μF/25V
BRB4S
R533kΩ
ZD112V
R720Ω
100VAC
C210μF/250V
ISEN
VDDNF
R633kΩ
R4JP
+
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また非絶縁型回路においては、入力電圧が大きく、LED電圧が小さい場合、オンタイムが最小オンタイム tONMINより短く
なる場合があります。オンタイムが最小オンタイムより短くなると、LED 電流の制御ができず設定値以上の LED 電流とな
ります。 このため、オンタイムが最小オンタイムより短くならないため、式(6)を満たす LED 電圧を選定してください。
(6)
tONMIN : 最小オンタイム VLED : LED 電圧 VF : フライホイール・ダイオードの順方向電圧 Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値) tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.)
今回の例では、LED 直列数を 20 直、LED 電流 110mA を設定値として外付け部品の選定を進めていきます。 6-2. ブリッジダイオード (BR) AC 入力を全波整流するためのブリッジダイオードです。 ブリッジダイオードの尖頭逆電圧および平均整流電流が入力
電圧・電流に対し十分余裕のあるものを選定してください。 今回の例では、入力電流のピーク値が約 500mA、ブリッジダイオードに印加される最大電圧は約 282V となるため、定
格電流 0.8A、定格電圧 400V の製品を選定しています。 6-3. 入力フィルタ (L1,C1,C2) C1、L1 は AC 入力からのノイズおよび AC 入力へ帰還するノイズを低減するためのフィルタ回路です。代表回路例
(図.23)ではスイッチング周波数(50kHz~150kHz)以上のノイズ除去のため、20kHz 以上のノイズを減衰させるようフィル
タを構成しております。C1 については、AC 入力からのラッシュ電流を抑制するため容量値を小さくする必要があり、
0.1μF を目安に容量値を選定してください。 実際には対象となる規制、規格に対応できるよう入力フィルタの定数調整およびフィルタ回路の調整を行う必要があり
ます。
OFFLEDrms
LEDONMIN t
VVVFVt ⋅−
+>)2(
)(
max_
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全波整流された電圧を C2 にて平滑し、その C2 の容量値を大きくすることで、LED のちらつきを防止しています。この全
波整流後、平滑された電圧VrecがLED電圧より低くなると、スイッチングが停止しLED電流が低下していきます(図.25)。スイッチング停止時間が長ければ LED 電流が低下していき、LED 電流ピーク値の 5%より低くなると、ちらつきが発生しま
す。(ちらつきの定義は PSE の定義を使用) ちらつきを防止するためには、式(7)を満たすように LED 電圧および C2 容量値を選定する必要があります。但し、容量
値を大きくするにつれ、力率が低下していきますので注意してください。
図.25 ちらつき発生時の各種電圧、電流波形
(7)
PIN : 入力電力 f : 商用電源周波数 50Hz / 60Hz Vrms_min : 入力電圧の下限値(実効値)
以下に計算例を示します。 VLED =60V, ILED=0.11A, f=50Hz, Vrms_min=90V の条件では、C2 容量の最小値は となり、7.15μF 以上の容量値を用いることでちらつきを防止することができます。 尚、上記計算結果は理想値です。 実際に実装する容量値は、別途計算ファイルにて算出できます。 6-4. NF 端子 今回の例で用いている B タイプでは内部基準電圧と ISEN 電圧を比較します。NF 端子電圧を GND 端子に接続してくださ
い。A タイプでは、全波整流された電圧を抵抗分圧し、VSINE 端子へ印加する必要があります。A タイプでの部品選定方法
を説明している 7-4 項を参照してください。
⎪⎭
⎪⎬⎫
⎪⎩
⎪⎨⎧
+−
> − )2
(sin21
41
)2(2
min_
1
min_min_ rms
LED
LEDrmsrms
IN
VV
ffVVVP
Cπ
FV
VHzHzVVV
AVC μπ
15.7)902
60(sin5021
5041
)60902(9011.0602 1 =
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧
⋅⋅+
⋅−⋅⋅>= −
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6-5. VDD 電源供給 (R5,R6,C3,ZD1) IC の電源端子(VDD端子)へ電源供給を行うための回路となります。電源供給の方式としては、ツェナーダイオードを用い
た方式とトランス補助巻線を用いた 2 種類があります。トランスを使用する方式では、補助巻線を通して VDD 端子へ電力
供給します。これよりツェナーダイオードを用いた方式と比較し、RVDD での損失を抑え、さらなる高効率を達成できます。 今回の例では、ツェナーダイオードを用いた方式を使用しておりますが、トランス補助巻線を使用した方式も併せて説明
します。各方式の部品選定方法については、下記の通りです。 << ツェナーダイオードを用いた方式 >> ツェナーダイオードを用いた方式の VDD 電源供給回路を図.26 に示します。 ・ZD1
VDD 端子への印加電圧を決定する、ツェナーダイオードです。 VDD 最小電圧(9V) < ツェナー電圧 < VDD 最大電圧(15V)
を満たすツェナーダイオードを使用してください。 今回の例では、ツェナー電圧 12V の製品を選定しております。 図.26 ツェナーダイオードを用いた方式の VDD 回路 ・CVDD
VDD 端子電圧を安定化させるコンデンサです。10μF 以上の容量値のコンデンサを使用してください。 また、セラミックコンデンサを使用する場合は、B 特性(JIS 規格)または X7R、X5R(EIA 規格)の DC バイアスにて静電
容量が減少しにくい製品を選定してください。 ・RVDD
全波整流後、平滑された電圧から、VDD 端子および ZD1 への電流量を決定する抵抗です。RVDD に流れる電流は、ICの定常的な消費電流とスイッチングのための外付けパワーMOSFET のゲートチャージ用の電流となり、抵抗値を大きく
設定すると VDD 端子電圧が低下してしまい動作が不安定になる場合があります。また小さく設定すると RVDD での損失が
大きくなり効率を低下させるため、適切に設定することが必要です。 今回の例では、IC の消費電流と外付けパワーMOSFET のゲートチャージ用の電流の合計が 1mA と想定し、
RVDD(図.23 の R5 と R6 の合計値)を 66kΩ に選定しております。 最適な抵抗値は入力電圧、外付けパワーMOSFET のゲート容量、コイルのインダクタンス値等に依存しており、実際
に実装する抵抗値は、別途計算ファイルを参照してください。 << トランスを用いた方式 >> トランスを使用する方式の VDD 電源供給回路を図.27 に示します。 ・LT1
LT1 の補助巻線を用いることで、VDD 端子へ電流供給を行います。 トランスの選定方法については、6-6 項を参照してください。
図.27 トランスを使用する方式の VDD 回路
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・DVDD LT1 から電源電圧を供給する整流ダイオードです。DVDD には式(8)に示すように LED 電圧およびトランスの巻数比に依
存した逆バイアス電圧 VDvdd が印加され、逆バイアス電圧を考慮した定格電圧のダイオードを選定してください。
(8)
N1 : トランス 1 次側巻線数 NAUX : トランス補助巻線数
VDD : VDD 端子電圧 Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値) Vspike : スイッチングに伴うスパイク電圧 (~50V) 以下に計算例を示します。 N1=150, NAUX=30, VDD =12V, Vrms_max =110V, Vspike=50V の条件では、逆バイアス電圧 VDvdd は となります。 別途、計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。 ・CVDD
VDD 端子電圧を安定化させるコンデンサです。10μF 以上の容量値のコンデンサを使用してください。 また、セラミックコンデンサを使用する場合は、B 特性(JIS 規格)または X7R、X5R(EIA 規格)の DC バイアスにて静電
容量が減少しにくい製品を選定してください。 ・RVDD
起動時に VDD 端子への電流供給を行うための抵抗です。入力電圧が印加され、VDD 端子電圧が UVLO 解除電圧以上
になると、GATE 出力が開始され通常動作に入ります。起動後は VDD 端子への主な電力供給はトランスの補助巻線を通
して行われます。 RVDD が大きく、RVDD を流れる電流が IC で消費する電流より小さい場合、VDD 端子電圧が UVLO 解除電圧以上になら
ず起動することが出来ません。そのため、RVDD の抵抗値は式(9)を満たす抵抗値のものを選定してください。(図.27)
(9)
ISTB : スタンバイ電流 225μA (typ.) VUVLOR : UVLO 解除電圧 7.5V (typ.) Vrms_min : 入力電圧の下限値(実効値) 以下に計算例を示します。 ISTB= 225μA, VUVLOR=7.5V, Vrms_min=90V の条件では、RVDD は となり、532kΩ より低い抵抗値を用いることで、IC を正常に起動できます。 別途、計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。
spikeAUX
rmsDDDvdd VN
NVVV +⋅⋅+=
12 max_
STB
UVLORrmsVDD I
VVR
)2( min_ −<
Ω=−⋅< kA
VVRVDD 532225
)5.7902(μ
VVVVVDvdd 935015030110212 =+⋅⋅+=
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・RVDD1 VDD端子への電流供給を行うため、LX_VDDを振幅させVDD端子電圧を供給しております。(図.28参照) しかしながら実際
には LX_VDD にスパイク電圧が発生することで、VDD 端子電圧が VDD 電圧の狙い値(=VLED×N3/N2)より高い電圧に上昇す
る場合があります。その場合、VDD 端子電圧の上昇対策として RVDD1 に抵抗を入れ VDD 端子へ供給する電流を抑制する
ことで対策が可能となります。
図.28 トランスを用いた VDD 回路の動作波形 6-6. コイル (L2) XC9401 シリーズでは外付けパワーMOSFET のオフタイムを 6.0μs(typ.) に固定して、コイルのピーク電流を制御して
いるため、連続モードおよび非連続モードの動作モードは、全波整流後、平滑された電圧およびコイルのインダクタンス値
により決定されます。 理想的にはオフタイム固定制御の連続モードでは、入力電圧変動による LED 電流の変動はありません。しかしながら、
非連続モードでは、入力電圧変動により LED 電流が変動してしまいます。このため、コイルの選定は、連続モードで動作
するようにコイルのインダクタンス値を選定してください。具体的な方法を下記で説明します。 まず、連続モードに入るために必要な最小インダクタンス値を式(10)より算出します。また、連続モードにおいてはイン
ダクタンス値が大きいほうがインダクタタンスのばらつきによる LED 電流のばらつきが小さくなるため、可能な限り大きい
インダクタンス値を選定してください。また、インダクタンス精度の良い製品を使用すると、LED 電流のばらつきを小さくす
ることができます。 インダクタンス値が大きすぎるとスイッチング周波数が可聴域(20~20kHz)に入ってしまう可能性があるため、スイッチン
グ周波数が可聴域に入らないように、式(11)を満たしていることを確認してください。 インダクタンス値が決まりましたら、コイル電流に流れるピーク電流および発熱を考慮しコイルを選定してください。
(10)
(11)
VLED : LED 電圧 VF : フライホイール・ダイオードの順方向電圧
ILED : LED 電流 tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.) L : コイルのインダクタンス値 ∆IL : コイルの電流振幅 Vrec_min_ave : 入力電圧の下限値での全波整流後、平滑された電圧の平均値
(算出が複雑なため、計算ファイルをご確認願います。)
kHztI
VVL
OFFLED 20
1)(
erec_min_av
<+Δ⋅−
OFFLED
LED tI
VFVL ⋅
+⋅=
)(21
min
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以下に計算例を示します。 VLED =60V, VF=1.0V, ILED=0.11A, tOFF=6.0μs の条件では、インダクタンスの最小値は となり、1.66mH 以上のインダクタンス値を選定します。ここでは LED 電流のばらつきを小さくしたいため 3.3mH のコイル
を選定します。 次に選定したインダクタンス値において、スイッチング周波数が可聴域に入っているか確認します。
L=3.3mH の条件では Vrec_min_ave =120V, ∆IL=0.11A となるため、式(11)は となり、スイッチング周波数が可聴域に入っていないことがわかります。 実際に実装するコイルは、別途計算ファイルを参考に選定してください。 6-7. フライホイール・ダイオード (D1) MOSFET Q1 がオフ状態の時に、インダクタンスに蓄積されたエネルギーを放出するためのフライホイール・ダイオード
です。逆回復時間の短い、ファストリカバリーダイオードをご使用願います。逆回復時間の長いダイオードは効率を悪化さ
せますので、ご注意下さい。 今回の例では、ピーク電流が 180mA に達するので、定格電流 0.7A の製品を選定しました。
6-8. MOSFET、ゲート抵抗 (R7) スイッチング用のパワーMOSFET およびスイッチング時間調整用のゲート抵抗です。 ゲート抵抗を挿入することにより、MOSFET のスイッチング時間を遅くし高周波の EMI レベルの低減を行うことが可能で
す。しかしながらゲート抵抗を大きくし、スイッチング速度を遅くすると MOSFET のスイッチング損失が増加するため、効率
が低下します。使用する MOSFET により最適値が異なりますが、5~50Ω を目安にゲート抵抗を選定してください。 MOSFET の選定方法は VDD 電源供給方式により異なります。下記に選定方法を記載します。
VDD 電源供給:ツェナーダイオードを用いた方式 ゲート容量が大きい MOSFET を選定すると、VDD 端子へ供給するゲートチャージ用の電流量が大きくなることで、
R5,R6 での損失が増加し、効率が低下します。また R5,R6 の損失が大きくなると、より許容損失の大きい抵抗を選定しな
ければならず、実装面積の増大およびコスト増加となってしまいます。 そのためゲート容量が小さい MOSFET を選定し、回路全体の効率を上げることが重要となります。
今回の例では、ゲート容量が小さい MOSFET として IPD60R3K3C6(Gate charge total:4.6nC@10V)を選定しておりま
す。 VDD 電源供給:トランスを用いた方式
トランスを用いた場合はツェナーダイオードを用いた方式と異なり、VDD 端子へトランスを通じて高効率に電源供給がさ
れるため、ゲート容量が大きくてもオン抵抗が小さい MOSFET を使用し MOSFET の損失を低減させる方が高効率となり
ます。 このためオン抵抗が小さい MOSFET を選定してください。
mHsA
VVL 66.10.611.0
)0.160(21
min =⋅+
⋅= μ
skHz
ssAVV
mH μμμ 5020
105.120.611.0)60120(
3.3 =<=+⋅−
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6-9. LED 電流調整 (R3,R4) LED 電流を調整するため、外付けパワーMOSFET を流れる電流を調整するセンス抵抗です。センス抵抗を調整するこ
とで LED 電流を設定します。 今回の例で用いる B タイプでは、内部基準電圧と ISEN 電圧を比較しており、MOSFET を流れる電流のピーク値はセン
ス抵抗 R3、R4 により式(12)のように決定されます。(図.29 参照)
(12)
Ip : MOSFET を流れる電流のピーク値 (前述のコイル電流のピーク電流と同一) VISEN : ISEN 電圧 0.343V (typ.)
非絶縁回路での連続モードでは、MOSFET を流れる電流、コイル電流および LED 電流を図.30 に示します。LED 電流
はコイル電流の平均値となりますので、LED 電流を目標の設定値に調整するためには、センス抵抗 R3、R4 に式(13)で算出した抵抗値を使用することで設定可能です。
(13) VISEN : ISEN 電圧 0.343V (typ.) ILED : LED 電流設定値
VLED : LED 電圧 VF : フライホイール・ダイオードの順方向電圧
L : コイルのインダクタンス値 tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.)
図.29 MOSFET を流れる電流と ISEN 電圧 図.30 MOSFET、コイル、LED 電流 以下に計算例を示します。 VISEN=0.343V, ILED=0.11A, VLED=60V, VF=1.0V, L=3.3mH, tOFF=6.0μs の条件では、センス抵抗 R3、R4 を を満たす抵抗値にすることで、LED 電流 0.11A に設定できます。 実際に実装する抵抗値は、回路遅延等を含んだ計算式になりますので、別途計算ファイルにて算出してください。
)43( RRVIp ISEN
+=
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ ⋅++=+ OFFLED
LEDISEN tL
VFVIVRR2
)(43
Ω=⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ ⋅
⋅++=+ 98.10.63.32
)0.160(11.0343.043 smH
VVAVRR μ
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6-10. 出力容量 (C4) LED のリプル電流、および、リプル電圧を抑制するためのコンデンサです。
今回の例のように、全波整流後、平滑された電圧 Vrec が LED 電圧を下回ることがない場合、ちらつきが発生しないた
め出力容量 C4 の容量値を小さくすることができます。このため、出力容量に電解コンデンサではなく、セラミックコンデン
サが使用できるため、LED 照明の信頼性を向上させることができます。 出力容量の容量値は、LED 電流のリプル電流率によって決定されます。ここではリプル電流率 0.8 を目標値として容量
値を決定します。 まず、ILED=110mA に対し、リプル電流率 0.8(リプル電流 110mA×0.8=88mA)以下に抑える場合、使用する LED の IV
特性から、許容される Vripple を算出します。ここでは図.31 より 0.35V×20=7.0V となります。 セラミックコンデンサを使用する場合、Vripple=7.0V を達成するため出力容量の容量値は、式(14)より大きなコンデン
サを選定してください。但し、セラミックコンデンサでは DC バイアスおよび温度変化等により公称値より容量が低くなるた
め、DC バイアスおよび温度変化等を考慮した実効容量にて式(14)を満たす製品を選定してください。
図.31 LED の IV 特性
(14)
C : 出力容量 C4 の最小実効容量値 Vripple : LED 電圧に許容されるリプル電圧
tON : オンタイム tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.) ∆IL : コイルの電流振幅
以下に計算例を示します。 Vripple=7.0V, tON =6.05μs, tOFF=6.0μs, ∆IL=0.11A の条件では、出力容量 C4 の最小実効容量値は となり、動作時の実効容量が 0.024μF 以上の容量を選定することで、リプル電流率 0.8 以下に抑えることができます。 別途計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。 また、実際にはコンデンサの ESR の影響や、LED の IV 特性が非線形であるため、実機と異なることがあります。 実機での確認の上、容量値を選定してください。
ripple
LOFFON
VIttC Δ⋅+⋅> )(
81
FV
AssC μμμ 024.00.7
11.0)0.605.6(81 =⋅+⋅>
2.7
2.8
2.9
3.0
3.1
3.2
60 70 80 90 100 110 120 130 140 150
ILED[mA]
VF[V
]
0.35V
88mA
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6-11. ラインレギュレーション改善回路 XC9401 シリーズでは回路内部の遅延時間等により、入力電圧変動に伴い LED 電流が変動する場合があります。LED電流の入力電圧変動が見られる場合、図.32 に示す回路にてラインレギュレーションが改善されます。 抵抗値としては、RL2 両端に印加される電圧が 0.1V 以下になるよう抵抗値を選定してください。 また、本対策回路を使用することで、LED 電流が通常の場合に比べ低くなります。このため、式(13)で算出されるセンス
抵抗より低めの抵抗値を使用する必要があります。 改善の効果については、入力電圧、コイルのインダクタンス値、センス抵抗の抵抗値により効果が異なるため、計算シ
ートおよび実機にてご確認ください。
図.32 ラインレギュレーション改善回路
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7. 絶縁型回路 部品選定方法 絶縁型回路の外付け部品の選定方法について説明します。本項では図.33 に示す 220VAC での XC9401 A タイプを用
いた絶縁型回路を例に説明します。
図.33 220VAC/240VAC 絶縁フライバック、A タイプ 代表回路例 7-1. LED 直列数
本アプリケーションでの LED 直列数の選定基準について説明します。 絶縁フライバック回路では、外付けパワーMOSFET に AC 入力に加え LED 電圧に比例するフライバック電圧が印加され
ます。(7-9 項参照) そのため、LED 直列数を大きくすると、外付けパワーMOSFET に印加される電圧が増加し、定格電
圧を大きくしなければならなくなり、コスト増加もしくはオン抵抗の増加により効率が低下します。 そのため、絶縁フライバック回路においては、LED 直列数を小さく設定し、周辺部品を含めた全体コストの削減を行うこ
とが重要となります。 7-2. ブリッジダイオード (BR1) AC 入力を全波整流するためのブリッジダイオードです。 ブリッジダイオードの尖頭逆電圧および平均整流電流が入力
電圧・電流に対し十分余裕のあるものを選定してください。 今回の例では、入力電流のピーク値が約 70mA、ブリッジダイオードに印加される最大電圧は約 620V となるため、定格
電流 0.8A 、定格電圧 800V の製品を選定しています。 7-3. 入力フィルタ (L1,L2,C1,C2,C7) C1、L1 は AC 入力からのノイズおよび AC 入力へ帰還するノイズを低減するためのフィルタ回路です。図.33 の代表回
路ではスイッチング周波数(50kHz~150kHz)以上のノイズ除去のため、20kHz 以上のノイズを減衰させるようフィルタを
構成しております。 実際には対象となる規制、規格に対応できるよう入力フィルタの定数調整およびフィルタ回路の調整
を行う必要があります。但し、C1 については、AC 入力からのラッシュ電流を抑制するため容量値を小さくする必要があり
ます。0.1μF を目安に容量値を選定してください。 また、本回路(図.33)では力率改善のため、VSINE 端子電圧に AC 入力と同相信号を入力しています。このため、C2 の容
量値が大きいと、VSINE 端子に入力される信号の位相が AC 入力からずれてしまい力率が低下します。0.1μF を目安に容
量値の選定してください。 C7 は EMI レベル低減のため、1 次-2 次間を接続するコンデンサです。1 次-2 次間は絶縁が施されているため、通常の
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コンデンサを挿入することはできず、対象となる規制、規格を満たす安全規格認定コンデンサを選定してください。 7-4. VSINE 端子 (R1,R2) 今回の例で用いている A タイプでは全波整流後の電圧を R1,R2 で分圧し VSINE 端子へ印加します。VSINE 端子電圧は、
外付けパワーMOSFET に流れる電流を R3、R4 で電圧変換した ISEN 端子電圧と比較することで外付けパワーMOSFETに流れる電流を制御しています。(図.34)
図.34 外付けパワーMOSFET およびトランスに流れる電流
R1、R2 の抵抗値については、式(15)を満たしかつ、R2 が 10kΩ 以下になる抵抗値を選定してください。
(15) R1、R2 : 図.33 参照。 Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値) 以下に計算例を示します。 Vrms_max=240V の条件で R2=10kΩとした場合、R1 の抵抗値は となり、この範囲の抵抗値を選定してください。 別途計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。
)12.1
2(21)1
6.12
(2 max_max_ −⋅<−⋅V
VRR
VV
R rmsrms<
0
VAC
IIN
0
VSINE
IL1
IL2
Ω=−⋅⋅Ω<Ω=−⋅⋅Ω MV
VkRMV
Vk 81.2)12.12402(10111.2)1
6.12402(10 <
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7-5. VDD 電源供給 (R5,R6,R9,C3,D3,LT1) IC の電源端子(VDD 端子)へトランスの補助巻線を使用し電源供給を行います。
図.35 トランスを使用する方式の VDD 回路 ・LT1
LT1 の補助巻線を用いることで、VDD 端子へ電流供給を行います。 トランスの選定方法については、7-6 項を参照してください。
・DVDD LT1 から電源電圧を供給する整流ダイオードです。DVDD には式(16)に示すように LED 電圧およびトランスの巻数比に
依存した 逆バイアス電圧 VDvdd が印加され、逆バイアス電圧を考慮した定格電圧のダイオードを選定してください。
(16)
N1 : トランス 1 次側巻線数 NAUX : トランス補助巻線数
VDD : VDD 端子電圧 Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値) Vspike : スイッチングに伴うスパイク電圧 (~50V) 以下に計算例を示します。 NAUX/ N1=1/6.74, VDD =12V, Vrms_max =240V, Vspike=50V の条件では、逆バイアス電圧 VDvdd は となります。 別途、計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。 ・CVDD
VDD 端子電圧を安定化させるコンデンサです。10μF 以上の容量値のコンデンサを使用してください。 また、セラミックコンデンサを使用する場合は、B 特性(JIS 規格)または X7R、X5R(EIA 規格)の DC バイアスにて静電
容量が減少しにくい製品を選定してください。
spikeAUX
rmsDDDvdd VN
NVVV +⋅⋅+=1
2 max_
VVVVVDvdd 1125074.61240212 =+⋅⋅+=
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・RVDD 起動時に VDD 端子への電力供給を行うための抵抗です。入力電圧が印加され、VDD 端子電圧が UVLO 解除電圧以上
になると、GATE 出力が開始され通常動作に入ります。起動後は VDD 端子への主な電力供給はトランスの補助巻線を通
して行われます。 RVDD が大きく、RVDD を流れる電流が IC で消費する電流より小さい場合、VDD 端子電圧が UVLO 解除電圧以上になら
ず起動することが出来ません。そのため、RVDD の抵抗値は式(17)を満たす抵抗値のものを選定してください。(図.35)
(17)
ISTB : スタンバイ電流 225μA (typ.) VUVLOR : UVLO 解除電圧 7.5V (typ.) Vrms_min : 入力電圧の下限値(実効値) 以下に計算例を示します。 ISTB= 225μA, VUVLOR=7.5V, Vrms_min=200V の条件では、RVDD は となり、1.22MΩ より低い抵抗値を用いることで、IC を正常に起動できます。 別途、計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。 ・RVDD1 VDD端子への電流供給を行うため、LX_VDDを振幅させVDD端子電圧を供給しております。(図.36参照) しかしながら実際
には LX_VDD にスパイク電圧が発生することで、VDD 端子電圧が VDD 電圧の狙い値(=VLED×N3/N2)より高い電圧に上昇す
る場合があります。その場合、VDD 端子電圧の上昇対策として RVDD1 に抵抗を入れ VDD 端子へ供給する電流を抑制する
ことで対策が可能となります。
図.36 トランスを用いた VDD 回路の動作波形
STB
UVLORrmsVDD I
VVR
)2( min_ −<
Ω=−⋅< MA
VVRVDD 22.1225
)5.72002(μ
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7-6. トランス (LT1) 絶縁フライバック回路において、1 次側の電気的エネルギーを磁気結合により、2 次側に伝達するトランスです。トランス
の周辺回路を図.37 に示します。 トランスの選定ですが、汎用トランスを使用するか、カスタム仕様のトランスを作成するかの 2 通りの方法があります。
各々の場合の部品選定方法については、下記の通りです。
図.37 トランスの周辺回路 図.38 トランスを流れる電流およびオン、オフタイム 汎用トランスの選定方法 汎用トランスの選定は、出力電力、巻線比、インダクタンス値、対象となる規制・規格を満たせているかが選定基準とな
ります。各項目の選定方法について、下記で説明いたします。 << 出力電力 >> トランスの出力電力が、LED の出力電力に対して十分余裕を持つよう選定してください。実際には動作周波数等により、
損失量が変動しますので、実機にてトランス温度の確認を行い、使用可能か判断してください。 今回の例では、LED の出力電力 7W に対し、出力電力 12W のトランスを選定しています。
<< 巻数比 >> トランスの 1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比 (=N1/N2)は、約 5~10 となるよう選定してください。一般的に巻線比が大
きいと、漏れインダクタンスが大きくなり、効率の低下およびスナバ回路内の抵抗 R8 の許容損失を大きくする必要があり
コスト増加の要因となります。 VDD 端子への電力供給を目的とする 3 次側巻線についても、式(22)に示す巻線数にすることで VDD 端子電圧を狙い
値とすることができます。但し、LED の直列数を変更した場合、VDD 端子電圧が変化するため注意が必要です。 また、実際にはスパイク電圧が発生することで、VDD 端子電圧が VDD 電圧の狙い値より大きくなることがあります。その
場合の対策については 7-5 項を参照してください。 << インダクタンス値 >> 本アプリケーションでは、非連続モードにて正常に動作するよう制御しており、連続モードでは動作が不安定になる可能
性があります。 そのため、トランスの 1 次側巻線のインダクタンス値を非連続モードとなるよう選定します。 まず、非連続モードに入るために必要な最大インダクタンス値を式(18)から算出します。1 次側巻線のインダクタンス値
はこの最大インダクタンス値より小さい値を選定してください。インダクタンス値の目安としては、発振周波数が 100kHz 前
後となるインダクタンス値を選定してください。 また、1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比 N(=N1/N2)により、MOSFET、整流ダイオード、スナバ回路等の周辺部品への
最大印加電圧が変化します。そのため、巻数比により周辺部品の最適な定格電圧が異なります。周辺部品を含めた全体
コストが最適となるよう巻数比を選定してください。
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(18)
N : トランスの 1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比 (=N1/N2) VLED : LED 電圧
VF : 整流ダイオードの順方向電圧 tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.) I L1_max : トランス 1 次側巻線を流れる電流の最大値
<< 規制・規格について >> 上記で選定したトランスが対象となる規制、規格に対応できるか確認を行ってください。 カスタムトランスの検討方法 カスタム仕様のトランスの検討手順の一例を示します。実際には、トランスメーカと協議を行ったうえ、トランス仕様の検
討および作成を行ってください。 また漏れインダクタンスや巻線方法等によりトランスの特性が設計値からずれる場合があります。そのため、実機にて
評価を行い、トランスを選定してください。 << インダクタンス値および 1 次側、2 次側巻線の巻数比 >> 本アプリケーションでは、非連続モードにて正常に動作するよう制御しており、連続モードでは動作が不安定になる可能
性があります。 そのため、トランスの 1 次側巻線のインダクタンス値を非連続モードとなるよう選定します。 まず、非連続モードに入るために必要な最大インダクタンス値を式(18)から算出します。1 次側巻線のインダクタンス値
はこの最大インダクタンス値より小さい値を選定してください。インダクタンス値の目安としては、発振周波数が 100kHz 前
後となるインダクタンス値を選定してください。 また、1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比 N(=N1/N2)により、MOSFET、整流ダイオード、スナバ回路等の周辺部品への
最大印加電圧が変化します。そのため、巻数比により周辺部品の最適な定格電圧が異なります。周辺部品を含めた全体
コストが最適となるよう巻数比を選定してください。 << コアサイズ >> 次にトランスのコアサイズを選定します。トランスのコアサイズは式(19)を満たすようなコアの選定してください。
(19)
AE : 有効断面積[cm2] AW : ウインドウエリア[cm2] L1 : トランス 1 次側巻線のインダクタンス値
IL1_max : トランス 1 次側巻線を流れる電流の最大値 IL1_rms : トランス 1 次側巻線を流れる電流の実効値 Bmax : 最大磁束密度
K : 0.2Jmax×10-4 (Jmax: 最大電流密度 A/cm2)
434_1
max
max_11 )( cmK
IBIL
AA rmsLLEW ⋅
⋅=⋅
max_1max_1
)(
L
OFFLED
ItVFVN
L⋅+⋅
=
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<< 巻線数およびワイヤ径 >> トランスの 1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比とコアサイズの次に、1 次側巻線と 2 次側巻線の巻線数を選定します。 まずは、選定したコアにおいて磁束飽和しないよう 1 次側巻線の巻線数を式(20)から算出します。 1 次側巻線の巻線数の次に、2 次側巻線の巻線数を式(21)から算出します。 VDD 端子への電力供給を目的とする 3 次側巻線についても、式(22)に示す巻線数にすることで VDD 端子電圧を狙い値
とすることができます。但し、LED の直列数を変更した場合、VDD 端子電圧が変化するため注意が必要です。 また、実際にはスパイク電圧が発生することで、VDD 端子電圧が VDD 電圧の狙い値より大きくなることがあります。その
場合の対策については 7-5 項を参照してください。
(20)
(21)
(22) AE : 有効断面積[cm2] I L1_max : 1 次側巻線を流れる電流の最大値 L1 : トランス 1 次側巻線のインダクタンス値 Bmax : 最大磁束密度 VDD : VDD 端子電圧の狙い値 (11~13V) VLED : LED 電圧
VF : 整流ダイオードの順方向電圧 N : トランスの 1 次側巻線と 2 次側巻線の巻数比 (=N1/N2) N1 : トランスの 1 次側巻線数 N2 : トランスの 2 次側巻線数 N3 : トランスの 3 次側巻線数
次にワイヤ径の選定方法を説明します。
ワイヤ径については、巻線に流れる最大電流での電流密度、および、動作周波数において表皮効果が顕在化するか
どうかにより、ワイヤ径の選定を行います。 まず、最大電流時に電流密度が 6A/mm2
を越えない 1 次側、2 次側のワイヤ径を選定します。尚、3 次側巻線につい
ては電流量が小さいため、特に注意する必要がありません。 次に、表皮効果が顕在化しないことの確認を行うため、上記で選定したワイヤ径が式(23)を満たしていることを確認して
ください。 選定したワイヤ径が式(23)を満たさない場合は、巻線を並列にすることを検討します。その上で、電流密度 6A/mm2
を
越えず、式(23)を満たすワイヤ径、並列数を選定してください。
(23)
E
L
ABIL
N⋅
⋅=
max
max_111
NNN 12 =
2)(
3 NVFV
VNLED
DD ⋅+
=
][76 mmf
d >
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<< 検討仕様でトランス作成可能か検討 >> 上記で選定を行ったコア、巻線仕様について、実際にトランス作成が可能か検討します。ウインドウエリアに対し全巻線
の銅線の総断面積の割合を計算します。アプリケーションにより異なりますが、絶縁フライバックにおいてはウインドウエリ
アの 2 割以下であればトランスの作成が可能だと判断できます。 式(24)を満たしていない場合は、コアサイズを大きくする、巻線数を減らす、ワイヤ径を細くする、のいずれかの方法をと
り、トランス仕様の再検討を行ってください。
(24)
AW : ウインドウエリア[cm2] S1 : トランスの 1 次側巻線のワイヤ断面積 (=(πd1
2)/2) S2 : トランスの 2 次側巻線のワイヤ断面積 (=(πd2
2)/2) S3 : トランスの 3 次側巻線のワイヤ断面積 (=(πd3
2)/2) N1 : トランスの 1 次側巻線数 N2 : トランスの 2 次側巻線数 N3 : トランスの 3 次側巻線数 p1 : トランスの 1 次側巻線の並列数 p2 : トランスの 2 次側巻線の並列数
<< トランス構造について >> トランス構造については、巻線間の結合を強くすることで漏れインダクタンスを小さくし、効率の向上、および、トランスの
発熱を抑制することが非常に重要となります。トランス構造の推奨例を図.39 に示します。 図.39 のトランス構造では TEX またはスペーステープを使用することで、220VAC/240VAC 系での沿面距離を満たすよ
う設計しております。実際には対象となる規制、規格に対応できるようトランス構造を検討してください。
図.39 トランス構造の推奨図 << 規制・規格について >>
絶縁フライバック回路で用いる、絶縁トランスについては耐電圧等の規格を確認してください。実際には対象となる規制、
規格に従い、トランスを作成してください。
N3(UEW)
N2_2(TEX)
N2_1(TEX)
N1_2(UEW)
N1_1(UEW)
2mm
2.0321 32211 <
⋅+⋅⋅+⋅⋅
WASNpSNpSN
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7-7. スナバ回路 (C6,R8,D1) 外付けパワーMOSFET をオフした時、トランスの漏れインダクタンスに蓄えられたエネルギーにより外付けパワー
MOSFET が破壊しないためのスナバ回路です。今回の例で用いているスナバ回路を図.40 に、MOSFET がオフした時の
MOSFET のドレイン電圧およびスナバ回路の電圧を図.41 に示します。 図.41 からわかるように、MOSFET をオフした時にドレイン電圧が急峻に立ち上がりますが、スナバ回路によりドレイン
電圧の上昇を抑え、MOSFET の破壊を回避します。
図.40 スナバ回路 図.41 MOSFET ドレイン電圧およびスナバ回路の電圧 次に、R8 および C6 の抵抗値および容量値の選定方法とスナバ電圧の決定方法について説明をします。
トランスの漏れインダクタンスによりエネルギーが発生し、MOSFET のオフ時にコンデンサ C6にエネルギーが蓄積され
ます。この時の C6 への印加電圧と漏れインダクタンスの関係は式(25)に表されます。
(25)
また、∆VC6 は R8 が電荷を放電したことによる電圧低下であり、VC6>>∆VC6 とすると、∆VC6 は式(26)となります。
(26)
スナバ電圧 Vsnub は VC6 と同一であると近似できることから、C6 および R8 は式(25),(26)を用い、式(27),(28)に導出す
ることができます。
(27)
(28) C6 : C6 の実効容量値 VC6 : MOSFET をオフする直前の C6 への印加電圧
∆VC6 : MOSFET のオフ前後での、C6 への印加電圧の差分 Vsnub : スナバ電圧 (100V~150V) Lleak : トランスの漏れインダクタンス値 IL1_max : トランス 1 次側巻線電流の最大値 tOFF : オフタイム 6.0μs(typ.)
ここで、スナバ電圧 Vsnub の設定値を 100V~150V、∆VC6 =5V を目安に設定すると、R8 の抵抗値および C6 の容量
値を導くことができます。また、スナバ電圧 Vsnub を大きくしすぎと、外付けパワーMOSFET および C6,D3 の定格電圧を
2max_1
26
266 2
1)(621
LleakCCC ILVVVC ⋅⋅=−Δ+⋅⋅
OFFC
C tRC
VV ⋅⋅
=Δ86
66
)2
()(82
max_12 LleaksnubOFF
ILVtR
⋅⋅=
66
2max_1 1
26
CC
Lleak
VVIL
CΔ⋅
⋅⋅
=
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高める必要が生じコスト増加の要因となってしまいます。 ダイオード D3 については、定格電圧が十分高く、逆回復時間の短いファストリカバリーダイオードをご使用願います。
但し、実際には、配線の寄生インダクタンスやトランス等の影響があり、上述の結果から異なる場合があります。そのため、
実機にてスナバ電圧および各部品の発熱を確認の上、部品を選定してください。 以下に計算例を示します。 Lleak=30μH, IL1_max=0.4A, tOFF =6.0μs の条件において、Vsnub=100V, ∆VC6 =5V と設定値とすると、R8、C6 は となります。 別途計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。 7-8. 整流ダイオード (D2)
MOSFET Q1 がオフ状態の時に、トランスに蓄積されたエネルギーを LED のアノード側に流し、トランスの 2 次側に逆
流しないようにするための整流ダイオードです。絶縁フライバック回路において、整流ダイオード D2 に印加される最大電
圧は式(29)にて表され、それ以上の定格電圧を持つ製品を選定する必要があります。 また、逆回復時間の短い、ファストリカバリーダイオードおよびショットキーダイオードを選定してください。逆回復時間の
長いダイオードは効率を悪化させますので、ご注意下さい。
(29) Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値)
N1 : トランス 1 次側巻線数 N2 : トランス 2 次側巻線数 VLED : LED 電圧
以下に計算例を示します。 Vrms_max=240V, N2/N1=1/4, VLED=19.2V, VF=1.0V の条件では、整流ダイオードに印加される最大電圧は となることがわかります。今回の例では、定格電圧 200V の製品を選定しています。 別途計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。
rms_max2 V212 ⋅+=
NNVV LEDD
VVVVD 1044022412.192 =⋅⋅+=
Ω=⎭⎬⎫
⎩⎨⎧ ⋅⋅= kAHVsR 25
2)4.0(30)100(0.68
22 μμ
nFVV
AHC 8.45100
12
)4.0(3062
=⋅
⋅⋅= μ
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7-9. MOSFET、ゲート抵抗 (Q1,R7) スイッチング用のパワーMOSFET およびスイッチング時間調整用のゲート抵抗です。 ゲート抵抗を挿入することにより、MOSFET のスイッチング時間を時間が遅くし高周波の EMI レベルを低減できます。し
かしながらゲート抵抗を大きくし、スイッチング時間が遅くなると MOSFET のスイッチング損失が増加するため、効率が低
下します。使用する MOSFET により最適値が異なりますが、5~50Ω を目安にゲート抵抗を選定してください。
絶縁フライバック回路において MOSFET には、AC 入力に加え、MOSFET オフタイム時に生じるフライバック電圧およ
びスナバ電圧が印加されます。(図.41 参照) 印加される最大電圧 VQ1 は式(30)で表され、それ以上の定格電圧を持つ製
品を選定する必要があります。またオン抵抗が小さい MOSFET を使用することで MOSFET の損失が低減でき効率の向
上が期待できます。 今回の例では、定格電圧 800V、定格電流 2.5A の製品を選定しています。
(30) Vrms_max : 入力電圧の上限値(実効値)
N1 : トランス 1 次側巻線数 N2 : トランス 2 次側巻線数 VLED : LED 電圧
VF : 整流ダイオード(D2)の順方向電圧 Vsnub : スナバ電圧 (=100V~150V)
以下に計算例を示します。 Vrms_max=240V, N1/N2=4, VLED=19.2V, VF=1.0V, Vsnub=150V の条件では、MOSFET に印加される最大電圧は となることがわかります。 別途計算ファイルにも同じ計算をさせています。ご利用下さい。
( ) snubLED VVFVNNV ++⋅+=
21V2 rms_maxQ1
( ) VVVVV 5701500.12.194240V2Q1 =++⋅+⋅=
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7-10. LED 電流調整 (R3,R4) LED 電流を調整するため、外付けパワーMOSFET を流れる電流を調整するセンス抵抗です。センス抵抗を調整するこ
とで LED 電流が設定されます。 今回の例で用いる A タイプでは、全波整流後の電圧を R1、R2 で分圧し VSINE 端子へ印加します。VSINE 端子電圧は外
付けパワーMOSFET に流れる電流を R3、R4 で電圧変換した ISEN 端子電圧と比較することで、外付けパワーMOSFETに流れる電流を制御しています。
MOSFET を流れる電流のピーク値はセンス抵抗 R3、R4 により式(31)のように決定されます。但し、B タイプとは異なり、
VSINE端子電圧に AC 入力と同相信号が入力されるため、MOSFET を流れる電流のピーク値は刻々と変化します。(図.34参照)
(31)
Ip(t) : 時間 t における MOSFET を流れる電流のピーク値 Vrec(t) : 時間 t における全波整流後の電圧 R1~R4 : 図.30 参照。 α : 内部定数 0.2783
絶縁フライバック回路の非連続モードでは、MOSFET を流れる電流、コイル電流は図.35 に示すようになります。LED電流はトランス 2 次側巻線 IL2 を流れる電流の平均値となるため、LED 電流を目標の設定値にするためには、式(32)を満
たすようにセンス抵抗を調整します。 実機では、式(32)の値と異なることがあるため、IC 内部遅延等を考慮した別途計算ファイルにて算出してください。
(32)
ILED : LED 電流設定値
IL2(t) : 時間 t におけるトランス 2 次巻線を流れる電流 f : 商用電源周波数 50Hz/60Hz
α⋅+
⋅+
=)21(
2)43(
)()(RR
RRRtVrectIp
)2()()2(1
02 fdttII
f
LLED ∫=
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7-11. 出力容量 (C4) LED のリプル電流およびリプル電圧を抑制するためのコンデンサです。 今回の例では、A タイプを用い絶縁フライバック回路で力率改善を行っているため、入力電流およびトランスの 2 次側巻
線を流れる電流は図.42に示すように、AC入力と同相となります。そのためLED電圧のリプル電圧は、商用周波数とスイ
ッチング周波数の 2 種類の周期により変動しております。 しかしながら、今回の例では商用周波数の周期によるLED電圧の変動が、スイッチング周波数の周期によるLED電圧
の変動に比べ非常に大きいことから、スイッチング周波数の周期の成分を無視し出力容量を算出します。 出力容量の容量値は、LED 電流のリプル電流率によって決定されます。ここではリプル電流率 0.8 を目標値として容量
値を決定します。 まず ILED=350mA に対し、リプル電流率 0.8 (リプル電流 350mA×0.8=280mA)以下に抑える場合、使用する LED の
IV 特性から、許容される Vripple を算出します。ここでは図.43 より 0.35V×6=2.1V となります。
図.42 トランスに流れる電流と LED 電流 図.43 LED の IV 特性 リプル電圧はトランスの 2 次側巻線電流、LED 電流、出力容量の容量値より式(33)で表すことができます。これよりリプ
ル電圧 2.1V を満たすことができる容量値を選定します。 また出力容量に電解コンデンサを使用する場合、リプル電流に余裕のある製品を選定してください。
(33) Vripple : LED 電圧に許容されるリプル電圧
IL 2(t) : 時間 t における、トランスの 2 次側巻線を流れる電流値 ILED(t) : 時間 t における、LED 電流値 C : 出力容量 C4 の実効容量値 t1,t2 : IL 2(t)と ILED(t)が等しくなる時間 t1,t2
実際の計算は、(算出が複雑なため、計算ファイルをご確認願います。 また実際にはコンデンサの ESR の影響や、LED の IV 特性が非線形であるため、実機と異なることがあります。 実機での確認の上、容量値を選定してください。
CdttItIVt
tLEDLripple ∫ −>
2
1
)()(2
2.9
3.0
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
200 250 300 350 400 450 500
ILED[mA]
VF[V
]
0.35V
280mA
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8. ソリューション・特性例 XC9401 では、4 項に示した代表回路以外にも外付け部品を変更することで、様々な用途に使用することが可能です。 代表的な XC9401 のソリューション例を表.1 に示します。 表.1 に示す代表的なソリューション例から一部のソリューションについて、具体的な回路図・外付け部品・特性を次項に
記載しております。詳細はそちらを参照願います。
表.1 XC9401 ソリューション例 一覧
No. Input
Voltage Type
Isolation/
Non-IsolationTopology Option Efficiency
Power
Factor
Line
Regulation (*1) EVB Size
1-1 B - 91% 0.5
~0.65 ≦3% Ultra Small
1-2
100VAC
/110VAC A
Non-Isolation Buck
- 88% 0.95~ Same As
Input Small
2-1 B - 83% 0.5
~0.65 ≦3% Standard
2-2 A
Isolation Flyback
- 82% 0.9~ Same As
Input×1.2 Standard
2-3 B - 87% 0.5
~0.65 ≦2% Ultra Small
2-4
220VAC
/240VAC
B
Non-Isolation Buck
Valley-Fill 88% 0.75
~0.85 ≦2% Small
3-1 B Buck - 88% ≦1% Ultra Small
3-2
DC
/12VAC B
-
Buck-Boost - 86%
-
≦5% Ultra Small
(*1) ラインレギュレーションは、外付け抵抗により調整で改善可能です。(詳細は 6-11 項参照願います。)
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<< 1-1 : 100VAC/110VAC 非絶縁降圧 B タイプ ソリューション例>>
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,250V,JB,±10% 3216 QMK316BJ104KL-T Taiyo Yuden
C2 1 10μF Capacitor, Alminium,250V,±20% φ10.0x20.0 UCS2E100MPD Nichicon
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 1μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% 3216 GRM31CR72A105A01L Murata
L1 1 1mH Inductor, 0.50A(Isat), 1.84Ω φ7.8x9.5 744772102 Würth Elektronik
L2 1 3.3mH Inductor, SMD, 0.35A, 6.4Ω 12.7x12.7 SRR1208-332KL BOURNS
D1 1 - Diode, Fast Rec., 0.7A, 200V SOD-123 RF071M2S Rohm
ZD1 1 - Zener Diode, 12V Smin2-F5-B DZ2J120M0L Panasonic
R3 1 2.2Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16-2R2F Kamaya
R4 - Jumper - - - -
R5 1 33kΩ Resistor, Chip, 0.33W, 200V 3225 RK73B2ETTD333J KOA
R6 1 33kΩ Resistor, Chip, 0.33W, 200V 3225 RK73B2ETTD333J KOA
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
Q1 1 - MOSFET, Nch, 600V, 1.7A, 2.97Ω TO-252 IPD60R3K3C6 Infineon
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 400V MDI B4S PANJIT
※LED: VLED=3.0V x 20, ILED Target = 110mA (共に平均値)
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評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (3)Power Factor vs Input Voltage(RMS) Ta=25 評価基板 外観写真 Top View Bottom View 評価基板レイアウト Top View Bottom View
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
85 90 95 100 105 110 115VRMS[V]
Pow
er F
acto
r
85
90
95
100
85 90 95 100 105 110 115VRMS[V]
Effic
ienc
y[%
]
90
100
110
120
130
85 90 95 100 105 110 115VRMS[V]
LED
Cur
rent
[mA]
50mm
35mm
41 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
<< 2-1: 220VAC/240VAC 絶縁フライバック B タイプ ソリューション例>>
GNDGATE
C10.1μF/630V
R5470kΩ
D3BAS20HT1G
D2MURS120T3G
Q1STD3NK80ZT4
R31.35Ω
C41μF/100V
L11mH
LT1
D1STTH110A
R827kΩC6
4.7nF/1kV
C7220pF/250VAC
EN/DIM
BR1TB8S-08
R4JP
R720Ω
R9470Ω
R11220Ω
R101MΩ
ISEN
VDDNF
C22.2μF/400V
C310μF/25V
R6470kΩ
LED6Series/360mA
220VAC/240VAC
L21mH
+
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,630V,JB,±10% 4532 C4532JB2J104K TDK-EPC
C2 1 2.2μF Capacitor, Aluminum,400V,±20% φ10.0x12.5 400BXC2R2MEFC10X12.5 Rubycon
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 1μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% 3216 GRM31CR72A105KA01L Murata
C6 1 4.7nF Capacitor,Ceramic,1kV,X7R 3216 GRM31BR73A472KW01L Murata
C7 1 220pF Safety Capacitor Y1,250VAC,B - DE1B3KX221KN5AL01 Murata
L1,2 1 1mH Inductor, 0.40A(Isat), 2.2Ω - 5800-102-RC BOURNS
LT1 1 - transformer - 750813551 Würth Elektronik
D1 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 1000V SMA STTH110A STMicroelectronics
D2 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 200V SMB MURS120T3G On semiconductor
D3 1 - Diode, Fast Rec., 0.2A, 200V SOD-323 BAS20HT1G On semiconductor
R3(*1) 2 2.7Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16-2R7F Kamaya
R4 - Jumper - - - -
R5 1 470kΩ Resistor, Chip, 0.25W, 500V 3216 HV732BTBK474J KOA
R6 1 470kΩ Resistor, Chip, 0.25W, 500V 3216 HV732BTBK474J KOA
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
R8 1 27kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 200V 3225 ERJT14J273U Panasonic
R9 1 470Ω Resistor, Chip, 0.25W, 150V 2012 ERJT06J471V Panasonic
R10 1 1MΩ Resistor, Chip, 0.25W, 400V 2012 RVC20K105F Kamaya
R11 1 220Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K201F Kamaya
Q1 1 - MOSFET, Nch, 800V, 2.5A, 3.8Ω D-PAK STD3NK80ZT4 STMicroelectronics
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 800V MICRO DIP TB8S-08 PANJIT
(*1) R3 is connected in paralell. ※LED: VLED=3.2V x 6, ILED Target = 360mA (共に平均値)
42 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (3)Power Factor vs Input Voltage(RMS) Ta=25 評価基板 外観写真 Top View Bottom View 評価基板レイアウト Top View Bottom View
75
80
85
90
200 210 220 230 240VRMS[V]
Effic
ienc
y[%
]
300
330
360
390
420
200 210 220 230 240VRMS[V]
LED
Cur
rent
[mA]
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
200 210 220 230 240VRMS[V]
Pow
er F
acto
r
80mm
35mm
43 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
<< 2-3: 220VAC/240VAC 非絶縁降圧 B タイプ ソリューション例 >>
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,630V,JB,±10% 4532 C4532JB2J104K TDK-EPC
C2 1 2.2μF Capacitor, Aluminum,400V,±20% φ10.0x12.5 400BXC2R2MEFC10X12.5 Rubycon
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 1μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% 3216 GRM31CR72A105A01L Murata
L1 1 1mH Inductor, 0.40A(Isat), 2.2Ω - 5800-102-RC BOURNS
L2 1 3.3mH Inductor, SMD, 0.35A, 6.4Ω 12.7x12.7 SRR1208-332KL BOURNS
D1 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 400V SOD-106 RF071L4STE25 Rohm
ZD1 1 - Zener Diode, 12V Smin2-F5-B DZ2J120M0L Panasonic
R3 1 2.4Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16-2R4F Kamaya
R4 - Jumper - - - -
R5 1 100kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 500V 5025 RVC50K104F Kamaya
R6 1 68kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 500V 5025 RVC50K104F Kamaya
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
Q1 1 - MOSFET, Nch, 600V, 1.7A, 2.97Ω TO-252 IPD60R3K3C6 Infineon
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 800V MDI B8S PANJIT
※LED: VLED=3.2V x 20, ILED Target = 130mA (共に平均値)
GND
GATE
C10.1μF/630V
D1RF071L4STE25
LED18Series/140mA
C41uF/100V
EN/DIM
L11mH
Q1IPD60R3K3C6
L23.3mH
R32.4Ω
C310μF/25V
BR1B8S
R5100kΩ
ZD112V
R720Ω
200VAC/220VAC
C22.2μF/400V
ISEN
VDDNF
R668kΩ
R4JP
+
44 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (3)Power Factor vs Input Voltage(RMS) Ta=25 評価基板 外観写真 Top View Bottom View 評価基板レイアウト Top View Bottom View
80
85
90
95
200 210 220 230 240VRMS[V]
Effic
ienc
y[%
]
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
200 210 220 230 240VRMS[V]
Pow
er F
acto
r
100
110
120
130
140
150
160
200 210 220 230 240VRMS[V]
LED
Cur
rent
[mA]
50mm
35mm
45 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
<< 2-4: 220VAC/240VAC 非絶縁降圧 B タイプ(Valley-Fill) ソリューション例 >>
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1,2 1 0.1μF Capacitor, Ceramic,630V,JB,±10% 4532 C4532JB2J104K TDK-EPC
C3 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL-T Taiyo Yuden
C4 1 1μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% 3216 GRM31CR72A105A01L Murata
C5,6 1 4.7μF Capacitor, Ceramic,100V,X7R,±10% φ10.0x16.0 400BXC4R7MEFC10X16 Rubycon
L1 1 1mH Inductor, 0.40A(Isat), 2.2Ω - 5800-102-RC BOURNS
L2 1 3.3mH Inductor, SMD, 0.35A, 6.4Ω 12.7x12.7 SRR1208-332KL BOURNS
D1 1 - Diode, Fast Rec., 1.0A, 400V SOD-106 RF071L4STE25 Rohm
D2-4 1 - Diode, 0.5A, 400V DO-213AA GL34G-E3/98 Vishay
ZD1 1 - Zener Diode, 12V Smin2-F5-B DZ2J120M0L Panasonic
R3 1 2.4Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16-2R4F Kamaya
R4 - Jumper - - - -
R5 1 100kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 500V 5025 RVC50K104F Kamaya
R6 1 68kΩ Resistor, Chip, 0.5W, 500V 5025 RVC50K104F Kamaya
R7 1 20Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K200F Kamaya
Q1 1 - MOSFET, Nch, 600V, 1.7A, 2.97Ω TO-252 IPD60R3K3C6 Infineon
BR1 1 - Bridge Rectifier, 0.8A, 800V MDI B8S PANJIT
※LED: VLED=3.2V x 18, ILED Target = 140mA (共に平均値)
46 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (3)Power Factor vs Input Voltage(RMS) Ta=25
80
85
90
95
200 210 220 230 240VRMS[V]
Effic
ienc
y[%
]
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
200 210 220 230 240VRMS[V]
Pow
er F
acto
r
100
120
140
160
180
200 210 220 230 240VRMS[V]
LED
Cur
rent
[mA]
47 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
<< 3-1 : 15VDC 入力 降圧 B タイプ ソリューション例>>
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C2 1 22μF Capacitor, Ceramic,25V,B,±20% 3216 GRM32EB31E226ME15 Murata
C3 1 1μF Capacitor, Ceramic,25V,B,±10% 1608 TMK107BJ105KA Taiyo Yuden
C4 1 10μF Capacitor, Ceramic,25V,X5R,±10% 3216 TMK316BJ106KL Taiyo Yuden
L2 1 100μH Inductor, SMD, 1A, 0.28Ω 7.7x8.0 VLP8040T-101M TDK-EPC
D1 1 - Diode, Schottky, 2A, 40V SMA XBS204S17R-G TOREX
ZD1 1 - Zener Diode, 12V Smin2-F5-B DZ2J120M0L Panasonic
R3 1 0.47Ω Resistor, Chip, 0.5W 3216 RLC32KR470F Kamaya
R4 1 0.1Ω Resistor, Chip, 0.5W 3216 RLC32-R100F Kamaya
R6 1 470Ω Resistor, Chip, 0.1W, 50V 1608 RMC1/16K471F Kamaya
R7 - Jumper - - - -
Q1 1 - MOSFET, Nch, 30V, 0.09Ω SOT-23 XP151A11B0MR-G TOREX
※LED: VLED=3.2V x 3, ILED Target = 360mA 評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25
GND
ISEN
GATEVDD
NF
LED3Series/360mA
EN/DIM
Q1XP151A11B0MR-G
R30.47Ω
R40.1Ω
R7JP
D1XBS204S17R-G
C222μF/25V
L2100μH
C310μF/25V
Vin=13~17V
R6470Ω
ZD112V
C410μF/25V
80
85
90
95
100
13 14 15 16 17Vin[V]
Effic
ienc
y[%
]
300
330
360
390
420
12 13 14 15 16Vin[V]
LED
Cur
rent
[mA]
48 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
<< 3-2 : 10VDC~15VDC 入力 昇降圧 B タイプ ソリューション例>>
代表回路例
Item Q’ty Value Description Size/PKG Part Number Manufacture
IC 1 - LED Driver IC SOT-26 XC9401B605MR-G TOREX
C1 1 22μF Capacitor, Ceramic,25V,B,±20% 3225 GRM32EB31E226ME15 Murata
C2 1 10μF Capacitor, Ceramic,35V,B,±10% 3225 GRM32EB3YA106KA12L Murata
L1 1 47μF Inductor, SMD, 5.28A(Sat), 72mΩ 12.5x12.5 DR127-470-R Cooper Bussmann
R1,2 1 0.22Ω Resistor, Chip 3216 RLC32-R220F Kamaya
R3 1 1kΩ Resistor, Chip 1608 RMC1/16K102F Kamaya
D1 1 - Diode, Schottky, 2A, 60V DO-15 SB260-E3/73 Vishay
Q1 1 - MOSFET, Nch, 60V, 84mΩ SOT-223 NDT3055 Fairchild
※LED: VLED=3.4V x 6, ILED Target = 700mA 評価結果 (1)Efficiency vs Input Voltage(RMS) Ta=25 (2)LED Current vs Input Voltage(RMS) Ta=25
GND
ISEN
GATEVDD
NF
LED6Series/700mA
EN/DIMQ1
NDT3055
R10.22Ω
D1SB260-E3/73
C122μF/25V
L147μH C2
10μ/10V
Vin=10~15V
R31kΩ
R20.22Ω
80
85
90
95
100
10 11 12 13 14 15Vin[V]
Effic
ienc
y[%
]
500
600
700
800
900
10 11 12 13 14 15Vin[V]
LED
Cur
rent
[mA]
49 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
9. 使用上の注意 1) 一時的、過渡的な電圧降下および電圧上昇等の現象について、絶対最大定格を超える場合には、劣化または破壊す
る可能性があります。
2) XC9401 シリーズのようなスイッチングコントローラ及び、スイッチングコントローラで制御している周辺回路ではスパイ
ク電圧やリップル電圧が生じます。これらは周辺部品(コイルのインダクタンス値、コンデンサ、周辺部品の基板レイアウト)
によって大きく影響されます。設計される際は十分に実機にてご確認下さい。
3) 本 IC は UVLO 解除電圧後及び、EN/DIM “H”電圧後に約 140μs のディレイタイムを設けております。それらを考慮し
たシーケンス設計のご考慮をお願いします。
4) XC9401B605MR-G の NF 端子は N.C ではなく、回路動作はしておりませんが内部回路に接続されておりますので、
ご使用時は GND に接続していただくようお願いします。
5) 本 IC の仕様範囲内でご使用ください。
6) 外付け部品および本 IC の絶対最大定格を超えないようにご注意下さい。
7) VDD の変動をできるだけ抑えるために VDD と GND 間に最短でバイパスコンデンサ(CVDD)を接続して下さい。IC と CVDD
の距離が離れすぎると動作が不安定になることがあります。
8) 周辺部品は出来る限り IC の近くに実装して下さい。また、周辺部品への配線インピーダンスを下げる為に、太く短く配
線して下さい。
9) VDD、GND 配線を十分に強化して下さい。スイッチング時に VDD、GND から回り込んでくるノイズによって IC の動作が
不安定となる場合があります。
10) 外付け部品においては、ディレーティングを考慮の上、部品選定を行ってください。とくに LED の発熱により外付け部
品の温度が上昇します。それらを考慮の上、外付け部品の選定および放熱設計を行ってください。
11) 対象となる規制・規格を満たすよう外付け部品の選定、評価基板の設計等を行ってください。
12) 当社では製品の改善、信頼性の向上に努めております。しかしながら、万が一のためにフェールセーフとなる設計お
よびエージング処理など、装置やシステム上で十分な安全設計をお願いします。
50 www.torex.co.jp
No.0032(Ver.001.10)
1. 本書に記載された内容(製品仕様、特性、データ、計算式等)は、改善のために予告なしに変
更することがあります。製品のご使用にあたっては、その最新情報を当社または当社代理店
へお問い合わせ下さい。
2. 本書に記載された技術情報は、製品の代表的動作・応用を説明するものであり、工業所有
権、その他の権利に対する保証または許諾するものではありません。
3. 本書に記載された製品は、通常の信頼度が要求される一般電子機器(情報機器、オーディオ
/ビジュアル機器、計測機器、通信機器(端末)、ゲーム機器、パーソナルコンピュータおよび
その周辺機器、家電製品等)用に設計・製造しております。
4. 本書に記載の製品を、その故障や誤作動が直接人命を脅かしたり、人体に危害を脅かす恐
れのある装置やシステム(原子力制御、航空宇宙機器、輸送機器、交通信号機器、燃焼制
御、生命維持装置を含む医療機器、各種安全装置など)へ使用する場合には、事前に当社
へご連絡下さい。
5. 当社では製品の改善、信頼性の向上に努めております。しかしながら、万が一のためにフェ
ールセーフとなる設計およびエージング処理など、装置やシステム上で十分な安全設計をお
願いします。
6. 保証値を超えた使用、誤った使用、不適切な使用等に起因する損害については、当社では
責任を負いかねますので、ご了承下さい。
7. 本書に記載された内容を当社に無断で転載、複製することは、固くお断り致します。
トレックス・セミコンダクター株式会社