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G2.1Nu最大の注目は、30種類のドライヴ・エフェクトだ。往年の名機から最近のヒット・モデルまで、アンプやエフェクターを多数シミュレートしている。さらに、ZOOMならではのドライヴ・エフェクトなど、その音色は、じつに多彩。ここでは、K-A-Zに、すべてのドライヴ・エフェクトを試奏してもらった!
〈FD Combo〉 フェンダーの通称ブラック・パネルと呼ば
れる65年製のツイン・リバーブをシミュレート。K-A-Z:全体的に、かなりいい感じでシミュレートされていますね。ダイレクト・モードでキャビネットの種類を選択できるんだけど、これがおもしろいんです。個人的には、ハムバッキングのギターを使っているからか、MATCHED(タイプに応じて最適化されたキャビネットの設定)よりもTWEEDのほうがシャリシャリしてフェンダーっぽかった。ちなみに、STACKにすると、低域が出てくるので、ツイン・リバーブで低音が欲しいというなら、これを選ぶとおもしろい。本物を使うことではありえないローが出てきて、ツイン・リバーブに欲しいなと思っていた部分を補ってくれます。
〈VX Combo〉 ヴォックスの名機AC30TBXをモデリ
ング。トップ・ブースト・ユニットと呼ばれるゲインを稼ぐユニットが搭載されているモデルだ。K-A-Z:ゲインをフルにして試してみたんだけど、振り幅がFD Comboより広いですね。ゲインのかかり具合とかが、アンプのタイプごとに違う設定がされているようで、そのあたりもおもしろい。VX Comboの場合は、ゲインは上げすぎないほうが、いい感じで、中域の出方がヴォックスっぽくなりますね。なん
DAW対応のマルチ・エフェクターを次々と発表してくれるZOOMから、最新のモデルが登場。デトロックスで活躍中のK-A-Zに協力してもらい、注目のドライヴ・サウンドを、すべて試奏してもらった!
●エフェクト・モジュール:9 ●エフェクト・タイプ:83(COMP→Compressor、Rack Comp、M Comp。WAH/EFX→Auto Wah、Resonance、Booster、Tremolo、Phaser、Ring Mod、Slow Attack、Octave、Pedal Vox、Pedal Cry。ZNR→ZNR、Noise Gate、Dirty Gate。DRIVE→本文参照。EQUALIZER→6 BAND EQUALIZER。MODULATION→Chorus、Vintage CE、Stereo Chorus、Ensemble、Phase、Flanger、Vibrato、Step、Dynamic Flanger、Cry、Detune、Pitch Shift、Mono Pitch、HPS、Pedal Pitch、Comb Filter、Air、Dynamic Delay、Tape Echo、Delay、Modulation Delay。DELAY→Delay、Echo、Ping Pong Delay、Analog Delay、Reverse Delay。REVERB→Hall、Room、Spring、Arena、Tiled Room、Early Refl ection、Multi Tap Delay。TOTAL→Patch Level、RTM ●パッチ・メモリ:ユーザー100+プリセット100=合計200 ●サンプリング周波数:96kHz ●A/D変換:24ビット64倍オーバー・サンプリング ●D/A変換:24ビット64倍オーバー・サンプリング ●信号処理:32ビット ●周波数特性:20Hz~40kHz +1.0dB -3.0dB (10kΩ負荷時) ●ディスプレイ:128×64ドット(バックライト付きグラフィックLCD) ●入力:標準フォン・ジャック ●定格入力レベル:-20dBm ●入力インピーダンス:1MΩ ●出力:標準ステレオ・フォン・ジャック (ライン/ヘッドフォン兼用) ●最大出力レベル:+5dBm(出力負荷インピーダンス:10kΩ以上時) ●ヘッドフォン出力:20mW+20mW (32Ω負荷時) ●コントロール入力:エクスプレッション・ペダル、フット・スイッチ ●USBインターフェース:16bit、32kHz/44.1kHz/48kHz ●対応OS:Windows XP/Vista/7、Mac OS X v10.4/10.5/10.6 ●S/N:120dB ●ノイズフロア:-100dBm ●電源:単3電池×4、ACアダプタ(AD-16:DC9V/センターマイナス/500mA)、USBバスパワー ●電池寿命:6.5時間 (アルカリ電池使用時) ●外形寸法:169(縦)×260(横)×67(高さ)mm ●重量(電池含まず):1,300g
的楽器試奏会
注目の歪み30種類をすべて弾き倒してしまいました!
G2.1Nu ¥19,950
■問い合わせ:㈱ズーム (http://www.zoom.co.jp)
ZOOMの最新エフェクター
G2.1NuをK-A-Zが試す!!
ズーム
ゼンスをドカンと上げたような高域の出方がいいですね。ロー・チューニングのギターでも、高域がシャリっと出てくれているので、低音のコードに行っても音が濁らずに出てくれてフレーズが見えやすい。これぐらいになってくると、かなりサウンドが近代的になってきます。
〈DZ Drive〉 今や、モダン・アンプの代表モデルと言っ
ても過言ではないディーゼルのハーバーをモデリング。ダウン・チューニングにもピッタリの重低音が特徴だ。K-A-Z:ディーゼルらしく、上品でありながら押しの強い歪みが出せてますね。元々ディーゼルって、歪みのトーンが、マーシャルなどの鋭角な感じではなくマイルドなんだけど、音の固まり感がすごくあって迫力もあるという感じなんです。その雰囲気が出せてる。やっぱりダウン・チューニングも、すごく合います。
〈BG Drive〉 2000年前後のモダン・ヘヴィ系バンド
が、愛用したことで知られるメサ・ブギーのデュアル・レクティファイアーのシミュレート。K-A-Z:お~、DZ Driveからガラっと変わった! ニュー・メタルが出てきた頃の音ですね。あの頃、誰しもが出していた音(笑)。これまでの試奏は、トーンのツマミを12時ぐらいの位置で弾いていたんだけど、これは3時ぐらいにして弾くといい感じです。12時ぐらいだと、レクチの特徴なんだけど、ちょっと
G2.1Nu には、実戦的なものから、有名ギタリストの音をシミュレートとしたプリセットが多数搭載されている。エディもあれば、初期のイングヴェイにランディ・ローズ、ダイムバッグに、カート・コバーンなどなど、プリセットを選んで弾いているだけでも、かなり楽しい。 さらに、あのスティーヴ・ヴァイ監修によるプリセットも20種収録。こちらの感想は??K-A-Z:ヴァイのプリセットの中でも、「Dreamdrg」というがおもしろいですね。ヴォリューム奏法的な音を作ってくれて、ピッ
キングの最初のタッチの音を消してくれます。逆回転みたいな効果にもなってくれる。ピッキングした音は出てこないんですよ。あと、「Wreckles」も、いかにもヴァイというか(笑)。このプリセットも、ピッキングの感じでワウのかかりが変わるようで、とにかく変わっていて、弾いている姿を見ないと、どうやって弾いているかもわからないんじゃないかな? 全体的に、すごくエフェクティヴで、曲中で、一瞬出てきたり、楽曲の中でアクセント的に使うと、すごくいいんじゃないですかね。こういう飛び道具が最初から入っているというのは、うれしいです。
DAWなどのでのダイレクトなライン・レコーディングに最適なダイレクト・モードを装備。ボタンひとつでモードに入れるので、セッティングの切り替えが容易にできる!K-A-Z:音の締まり方が、オンとオフではかなり違う。マイクでアンプを拾ったような雰囲気を出してくれてます。ライン直で録るような、ジャリジャリした部分がカットされて、ラインっぽさをなくしてくれますね。
(デトロックス)
◎K-A-Z(カズ) 元シャム・シェイドの栄喜とともにデトロックスで活動する重低音ギタリスト。ヘヴィなリフだけではなく、速弾きはもちろんのこと、テクニカルで多彩なプレイにも定評があり、昨年、行なわれた黒夢の武道館ライヴではサポート・ギタリストを担当。清春が再始動させたサッズへの参加も決まり、その他でも、カイキゲッキョクをはじめ多数のバンドで強力なプレイを披露している。最近、なんと8弦ギターを入手し、前代未聞のさらなる重低音リフが開発されることは必至だ! 3月に発売されたデトロックスの最新作でも、強力なギター・プレイを炸裂。くわしくは、39ページを!
となく軽いニュアンスというか、思わずニヤっとさせられます(笑)。これは、キャビはMATCHEDで充分にそれっぽいサウンドが出ます。不思議なことに、こちらはSTACKを選んでも、それほど低域が出てこないんですよ。
〈US Bluse〉 59年 製 のフェンダー・ベースマンのブ
ライト・チャンネルをモデリングしたエフェクト。K-A-Z:けっこう歪みますね。音的には、ブルージーなテイストがたっぷりのトーンで、ギターのヴォリュームを絞って弾いたりすると、いかにもブルースが合いそうなサウンドになる。デジタル系のエフェクトって、ギター側のヴォリュームを絞ったりすると、音が途切れたりしちゃうんだけど、このG2.1Nuは、しっかりとヴォリュームに付いてきますね。歪ませていても、ギター側のヴォリュー
ムを絞るとクリーンっぽい音になる。〈BG Crunch〉
メサ・ブギーの3号機であり、グラフィック・イコライザーに3チャンネルを装備したマークIIIをシミュレート。K-A-Z:トーンのかかりが、めちゃめちゃいいですね! これまでの機種とは段違いに効きます。トーンを上げていくと、グワァ~とハイが出てくる。音的には、80年代のアメリカン・ハード・ロックの
ニオイがします。〈HW Stack〉 ブリティッシュ系
ならではの湿ったトーンが特徴のハイワット・カスタム100をシミュレート。K-A-Z:これは歪みまくるという感じではなく、軽い方向のトーンが特徴です。ロー・ミッドあたりの出方が、これまで試奏してきたタイプとは違ってギラギラしているのではなく、ホントに湿った感じというかね。コードの分離がすごくい
いサウンドをしていますね。〈MS Crunch〉 プレキシの愛称でも知られるヴィン
テージ・マーシャルの代表的モデル、1959スーパーリード100だ。K-A-Z:オールドのマーシャルというと歪まないわ音は暴れるわで大変だったイメージがあるんだけど、これはすごくまとまって弾きやすい音になってます。ヴィンテージのマーシャルにオーバードライブをカマしてあるぐらいな感じ。音的には、中音域にすごく特徴があって厚みがある。ホントに心地よく歪んでくれるので、もし昔のマーシャルっぽく弾くなら、ゲインを下げ目にして弾くと雰囲気が出るんじゃないかな。こちらはキャビをMATCHEDで鳴らすとモダンな感じになって、STACKを選ぶと暴れた感じになって、ヴィンテージ・マーシャルっぽい。
〈MS Drive〉 マーシャルの定番モデルJCM2000のシ
ミュレート。モデルとなっているのは、2000のDSL-100でリード・チャン
中低域が出過ぎてしまう感じになる。ゲインは、60以降、ほとんど変わりません。それも、レクチらしいというか(笑)。でも、ソロを弾くなら、ゲインを上げると伸びやかで弾きやすい。本物のレク
チって、重低音のイメージが強くてソロが弾きにくい印象があるんだけど、これはゲインの調整しだいでソロもいけますね。
ここからは、エフェクターのモデリングなので、アンプに接続して試奏を行なった。
〈OverDrive〉 絶版となった今でも多くのギタリストに愛されているボ
スのOD-1だ。K-A-Z:アンプのほうで軽く歪ませて、G2.1Nuをブースター的に使って弾いてみたんだけど、デジタル臭さがないのに驚かされました。これ、ぜんぜんエフェクターとして使えるじゃないですか。すごいOD-1っぽい! セッションとかあの時にOD-1だけ持っていって弾くのね。そのいつもの音がしてくれる。ふつうにエフェクターとして使えるし、G2.1Nuって知らなかったらOD-1だと思うぐらい、かなり、いい線いってますよ。G2.1Nuはノイズ・ゲートが入っているから、OD-1使ってるのにノイズがないっていうのもおもしろい。
〈T Scream〉 アイバニーズから発売されたオーバードライブの名機チュー
ブ・スクリーマーの初代ヴァージョンをモデリング。K-A-Z:ミッドにすごい特徴が出てきますね。チューブ・スクリーマーっぽいというか、チューブ・スクリーマーのキャラクターが、いちばん出ているところに焦点を合わせた感じ。チューブ・スク
リーマーの中域が好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか。
〈Governor〉 88年に発売されると同時に、多くのギタリストが飛び
ついたマーシャルのディストーション・エフェクター、ガヴァナー。その初期イギリス製モデルをシミュレート。K-A-Z:ガヴァナーならではというか、高域の歪みのツブが、すごく細かいサウンドですね。とくにマーシャルのアンプで鳴らすと、いかにもガヴァナーという音が再現されます。中域から高域のファットさは、いかにもですよ。
〈Dist +〉 ランディ・ローズが使用していたということで知られる
MXRのディストーション+のモデリングだ。K-A-Z:高域のヌケがよくて、ギラギラしたディストーションなので、そのキャラクターが好きな人にはたまらないサウンドです。最近のドギツイというか下品な歪みというのではなく、クリアで整理されたパリっとした歪みですね。
〈Dist 1〉 これまた、ディストーションの代名詞的存在として君臨し、
現在も発売されているボスのDS-1のシミュレート。K-A-Z:これは、太いトーンを出してくれるディストーションですね。すごくサスティンも効いて伸びやかになる。高校生の時に使っていたんだけど、すごく懐かしい音。これ、1個あれば、どんなに歪まないアンプでも弾きやすく歪んでくれるという。とにかく、高域のかかりがいいのでソロも弾きやすいです。
〈Squeak〉 LAメタル全盛時、多くのギタリストが愛用したプロコ
のラットをシミュレート。K-A-Z:懐かしい! アンプをクリーンにして弾くとキラびやかでパリっとしたディストーション・サウンドが得られて、
ネルのサウンドだ。K-A-Z:基本的には、MS Crunchに近いトーンを持っていると思います。そこに、ゲインと倍音を現代的にしたサウンドですね。ゲイン・ツマミの幅がマーシャルらしくて、50ぐらいからあまり変わらなくなってる(笑)。ソロとかでサスティンが欲しいのであれば80ぐらいにして、バッキングでは50~60ぐらいがいいと思います。トーンのツマミは、上げていくとすごくハイが抜けてきますね。これも、ギター側のヴォリューム調整で歪みの量を変えられるのがいいです。キャビネットは、特に俺みたいにダウン・チューニングしているギタリストにはSTACKのほうがローの出方が抜群にいいです。
〈PV Drive〉 エディ・ヴァン・ヘイレンのシグネイ
チャー・モデルとして世界に広まったピーヴィーの5150。その初代モデルをシミュレートしている。K-A-Z:お! 5150だ(笑)。このドンシャリ感は、思わずsus4とかを弾きたくなる。これもキメが細かい歪みで、プレ
アンプをやや歪ませて使うと、一気にものすごく太い音のディストーション・サウンドになる。アンプのセッティングで、ぜんぜんキャラクターが違うエフェクターになりますね~。基本的には太い音が特徴なので、使い道によって、おもしろいですよ。
〈FuzzSmile〉 円形のシェイプが印象的なダラス・アービタのファズ・
フェイスのシミュレート。ジミ・ヘンドリックスが愛用していたことでも知られる60年代のモデルだ。K-A-Z:イッキに60~70年代の音になります(笑)。ファズって、高い音域のフレーズを弾いても太い音を出してくれるんですよね。ハイ・ポジションでチョーキングすると、このコンプ感がたまらない。それと、ファズって弾くのが難しいイメージがあったんだけど、これはファズなのにソロもついてきて弾きやすいです。
〈GreatMuff 〉 多くのギタリストに愛され続けているエレクトロ・ハー
モニックスのビッグ・マフ。これは、70年代前半の通称ラムズ・ヘッドと呼ばれるモデルのシミュレートだ。K-A-Z:ミッドからローの音域をグンと上げて、わざとコモったトーンにしているようなサウンドが特徴ですね。サスティンの伸び具合がすごい。アンプにつないで弾けば、サスティナーがいらないぐらい永遠に伸びてくれます。歪み的には、ディストーションとファズの中間で、コードを弾くとツブの荒い歪みが得られます。
〈MetalWRLD〉 ボスの歪み系エフェクターの中でも最強の部類に入る歪み
を出してくれたMT-2、メタル・ゾーンをシミュレート。K-A-Z:もろドンシャリの音になります。昔は、ふつうのアンプでここまでドンシャリにできなかったから、発売さ
➡ ボ タンひとつで、キャビネット・シミュレータが作動
スティーヴ・ヴァイ監修プリセットを含む100プリセットを装備
ライン録音に最適なダイレクト・モードを搭載
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K-A-Z:まず、これだけ多彩なエフェクトが入っていたり音が作れるというのに、基本的には3つのツマミで音を作っていくというのがわかりやすくていいですよね。それに、ペダルにいろいろアサインできるので、ライヴやスタジオでも実戦的なんですよ。もちろん、DTMに興味を持っている方には、すごく入りやすいしわかりやすいモデルだと思うし、音の種類が豊富だから、これをキッカケにDTMに入るというのもいいと思う。リズム・マシーンとかルーパーが付いているから、ひとり遊びもできるんですよ。スタジオ練習とかライヴだけじゃなく、DTMもやりたいけど難しいって思っている方には、かなり入りやすいモデルなんじゃないかな。あとは、OD-1のモデリングとか、そのままエフェクターのひとつとして使える音も入っていて、かなり小さいので、ギターのソフト・ケースに入れてセッションとかにも持って行けるよね。仕事で行く時とか、どんなアンプが置いてあるかわからないから、こういうエフェクターがあると、これ一台で旅ができちゃう( 笑 )。ちょっと昔で考えたら、16Uぐらいのラックを組まないとできないような、ヘッド・アンプも何台も使わないと無理な音が、こんな小さなマルチでできるんだもんね、便
利になったよね~。 あと、今回は試せなかったんだけど、バンドのアンサンブルの中で、どうかってことなんだよね。バンドの中で弾く時は、今回、おもしろかったドライヴ系のエフェクトより、違うエフェクトのほうがよかったりとかあると思うんだ。あと、家で好みの音を作っておけば、基本的にはどんなアンプでも、自分の音を出してくれるから、例えば“マーシャルの時はこのプリセット”、“JCの時はこれ”、“ヒュース&ケトナーの時は、このエフェクターで”という、それぞれのアンプの特性を考えてシミュレートした音をプリセットしておけば、どんな場面でも対応できますよね。
れた時、かなり衝撃的でね。今で言うと、レクチとかディーゼルのアンプの音をエフェクターでガンバってみたような感じです(笑)。でも、G2.1Nuのシミュレートでは、重低音ばかりじゃなくて、もっと弾きやすくパリっとしたハイも出せる。メタル・ゾーンのままだとキャラが決まっちゃっているので使いにくいという人も、G2.1Nuではトーンのツマミしだいで、いろいろと応用できそう。
〈HotBox〉 真空管を内蔵したマッチレスのペダル・プリアンプ、ホッ
ト・ボックスをシミュレート。K-A-Z:低域の歪みが、すごくいいですね。アンプから伝わる床の振動がすごい。これ、完全にデジタル臭さがないですよ。デジタルのマルチ・エフェクターの音とは思えない。今、アンプをクリーン・セッティングにしているんだけど、G2.1Nuを使っていると知らなければ、アンプ直で歪ませていると思える音ですよね。
続いて、G2.1Nu独自のドライヴ・エフェクト・セクションだ。個性的なものからオーソドックスなもの、そして思わずニヤリとさせられてしまうものなど、かなりおもしろいエフェクトとなっている。
〈Z Clean〉 ドライヴ・モジュールをバイパスしたよう
なクリーン・サウンドが特徴。
専用アプリでわかりやすい音作りが可能
CUBASE LE4が付録!オーディオ・インターフェイスとしてすぐにレコーディングができる
G2Nu ¥15,750
的楽器試奏会K-A-Z:どクリーンですね。なにも脚色されていないトーンで、これをアンプにつなげれば、そのアンプの特性がそのまま出るんじゃないですか。G2.1Nuで、コーラスをかけてみたんだけど、エフェクトのノリがすごくいいサウンドです。デジタルならではのエフェクターがキレイにかかります。
〈Z WILD〉 オーバードライブをさらにブーストさせた
サウンド。K-A-Z:歪ませたアンプに使ってみたんだけど、音がすごく締まるようなオーバードライブ・サウンドになってくれますね。耳に痛い高域を抑えてるとのことなんだけど、まさにそうで、ダウン・チューニングのギターだったら、もう少し高域を足して使うといい気もします。
〈Z MP1〉 プリアンプの名機であるADAのMP1とマ
ーシャルJCM800の組み合わせを元に作ったサウンド。シングルコイルのリア・ピックアップと組み合わせることで真価を発揮するそうだ。K-A-Z:これ、けっこう実戦的に使える音ですよ。低域から高域までキレイに歪んでくれている。ギターのヴォリュームを絞ると歪みも減るし、すごく実戦的に使えます。
〈Z Bottom〉 低域を前面に押し出したオリジナル・ドラ
イヴ・サウンド。パワー・コードを使ったリフにピッタリの歪みだ。K-A-Z:お~、ローが出て、すごくモダンなサウンドになりますね。かなり低音の迫力があるから、ダウン・チューニングのギターで使うとミュートして弾いた時のローの残る感じがたまらないです。
〈Z Dream〉 メサ・ブギーのレクチファイアー、ロード・
キング・シリーズIIのリード・チャンネルをベースに作り出されたハイ・ゲイン・サウンド。K-A-Z:この高音の感じがレクチですね~。レクチというとダウン・チューニングで使いたくなるんだけど、このエフェクトをアンプで鳴らして使う時は、EQの低域部分を整理するとグッと締まりますよ。エフェクターで歪ませているというより、アンプ・シミュレータ的な音がしますね。
〈Z Scream〉 全域においてバランスのいい歪みが得られ
るオリジナル・ハイ・ゲイン・サウンド。オール・ジャンルに使える歪みだ。K-A-Z:ツブが荒くてマーシャル的な歪みのトーンですね。解説にもあるように、マーシャルを使ってモダンなサウンドを作った感じです。
〈Z NEOS〉 あのブライアン・メイが愛用した、ヴォッ
クスのAC30TBXモディファイ・モデ
ルをシミュレートしたサウンド。K-A-Z:けっこう歪みます。キメが細かい歪みで、弱く弾くと歪まないし、強く弾くと歪むというピッキングのニュアンスに反応してくれる音ですね。ふつう思いきり歪ませると、ちょっと弾いただけでもバコ~ンときちゃうけど、これは優しいタッチで弾くと、そのまま表現してくれる。デジタル・マルチで、ここまで表現してくれるのは、すごいですね。
〈Lead〉 明るい歪みに特徴があるディストーショ
ン・サウンド。ソロ時のサウンドに最適で、ハード・ロックからフュージョンまで、幅広く対応できる。K-A-Z:ソロを弾くと、マイケル・シェンカーが、ワウを途中で止めて出しているような中音域が特徴の音です。シェンカー好きには、たまらないです(笑)。
〈ExtremeDS〉 あえてデジタル臭さとデジタル特有のエッ
ジを強調したサウンドで、強力に歪みまくるディストーション・サウンド。K-A-Z:デジロック向きの歪みですね。俺は、けっこう好きな音ですよ。“この曲はデジタルっぽいよな”という時に使いたいキレのある歪みです。
〈Aco.Sim〉 エレキしか持っていないというギタリストには、かなり
うれしいアコースティック・シミュレータも内蔵。K-A-Z:フロント・ピックアップを使って弾くと、ピエゾを使ったアコギのような音がします。ふつうにアコギの音がするから、レコーディングの時、素人がマイクを立てて録るなら、これで充分でしょう。ライヴの時とか、曲の一部にアコギのパートがある場合、これを使えばスタンドにアコギを立てたりして弾かなくてもいいですよね~。ちょいヴォリュームを絞ると、よりアコギっぽい感じがします。
➡ 基本的には、3つのツマミでエディットしていくというわかりやすさが魅力
PCとの連動で、DTMにも最適! PCとの連動が魅力のG2.1Nu。無償ダウン・ロードできる “Edit & Share” を使うと、PCを使っていながらにしてアナログ的なエディットが可能となる。各エフェクターのオン/オフやツマミの操作、さらに最新のプリセットをオン・ラインで入手も可能!K-A-Z:いま使っている、どのエフェク
トがオンになっているのかとか、ツマミはどうなのかとか、すごくわかりやすい。G2.1Nuのほうのツマミを動かすと、それと連動して“Edit&Share”のツマミが動くという、連動しているところも思わずニヤリとしてしまいます。
G2.1Nuには、DAWソフトであるCUBASE LE4が同梱されているので、PCさえあれば、購入したその日からPCを使ったレコーディングが可能。ダイレクト・モードの真価も、ここで発揮される!
兄弟機種G2Nuも登場! 今回、紹介したG2.1Nuには、G2Nuという兄弟機種がある。こちらは、ペダル部分がないだけで、搭載エフェクトなどはまったく同じ。さらに、コンパクトだぞ!
G2.1Nu総評は?!