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米国 IT 業界の動向 2017 年 10 月
JETRO/IPA New York
1.主要 IT企業動向
• アルファベット
• グーグルは、人工知能(AI)スピーカー「グーグル・ホーム」の小型版
「グーグル・ホーム・ミニ」を発表した。製品は、アイス・ホッケーのパ
ック程度の大きさで直径が 9.8cm で、高さが 4.2cm。機種には、白、黒、赤
の 3 色があり、小売価格は 49 ドル。同時にグーグルは、上位機種「グーグ
ル・ホーム・マックス」も発表した。製品は、「スマート・サウンド」機
能を搭載し、音質を大幅に高めたのが特徴。小売価格は 399 ドル。12 月に
米国内で出荷を開始する予定。
【10月 4日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/04/say-hello-to-the-home-mini-
googles-49-answer-to-the-amazon-echo-dot/
https://techcrunch.com/2017/10/04/googles-home-max-brings-premium-
audio-to-its-assistant-speaker/
• グーグルは、同社が初めて設計したシステム・オン・ア・チップ(SoC)
「ピクセル・ビジュアル・コア」を発表した。製品は、画像処理技術を飛
躍的に向上させ、HDR(high dynamic range)にも対応する。それにより、
グーグルが発表した最新スマートフォン機種「ピクセル(Pixel)2」のカ
メラの性能を一気に引き上げる。
【10月 17日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-17/google-designs-
its-first-chip-in-house-for-consumer-devices
• グーグルは、アンドロイド端末向けアップ・ストア「グーグル・プレイ」
のバグ(プログラムの欠陥)を発見した人物に賞金を提供する制度
「Google Play Security Reward Program」を提供していく。同社は発見者
に対して、発見したバグ 1 件あたりに少なくとも 1000 ドルを支払う。また、
同制度を運営するにあたり、バグ特定賞金制度を運営するハッカーワン
(HackerOne)と提携する。
【10月 19日 Reuters】
https://www.reuters.com/article/us-alphabet-google-cyber-
bounty/google-offers-bug-bounty-to-clean-up-mobile-apps- HYPERLINK
"https://www.reuters.com/article/us-alphabet-google-cyber-
2
bounty/google-offers-bug-bounty-to-clean-up-mobile-apps-
idUSKBN1CO2RI"idUSKBN1CO2RI
• ウーバーの競合会社でもあるカー・シェアリング・サービス大手リフト
(Lyft)は、アルファベット傘下の投資会社キャピタル G から総額 10 億ド
ルを調達した。現在、同社の資産価値は 110 億ドルとなっている。
【10月 19日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-19/alphabet-unit-
leads-1-billion-investment-in-startup-lyft
• グーグルとネットワーク機器大手シスコ・システムズ(Cisco Systems)は、
双方の顧客がハイブリッド・クラウド・ソリューションを構築できるよう
にするために提携した。今のところ、両社がどのような技術や機能、サー
ビスを統合していくのか詳細は明らかになっていない。ただし、両社のク
ラウド事業チームは、ソリューションには、高度のセキュリティ機能と、
利用企業の社内規定に準拠した各種設定、リアルタイムでの通信ネットワ
ーク・データの取得が含まれることを示唆している。
【10月 25日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/25/google-and-cisco-announce-hybrid-
cloud-partnership/
• アルファベットの7~9月期決算は、大幅な増収増益となった。広告収入
(特にモバイル広告)の伸びが好調だったのが要因。
売り上げの大半を占めるグーグル部門の広告収入は前年同期比 21%増の
240 億 6500 万ドルとなった。また、クラウド事業を含む「その他」の収入
が同 39.3%増の 34億 5000万ドルだった。
一方、実験的プロジェクトを中心とする部門の売上高は 53.3%増の約3億
ドルとなったものの、営業赤字が約8億ドルとなった。
【10月 26 日 】
https://abc.xyz/investor/pdf/2017Q3_alphabet_earnings_release.pdf
(2)アップル
• アップルが 9 月に発売した iPhone8プラスの欠陥が報告され、アップルが
調査に乗り出した。同問題は最初に台湾で発生。その後、日本、中国、カ
ナダ、ギリシャなどで相次ぎ報告され、ネットで拡散したもよう。ただし、
実際に報告が出ている件数は同時点で6件程度だという。
【10月 6日 THE VERGE】
https://www.theverge.com/2017/10/6/16437790/iphone-8-swollen-
battery-issue-apple-investigating
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• アップルは、映画監督スティーブン・スピルバーグ氏の製作会社「アンブ
リン・テレビジョン(Amblin Television)」と契約した。契約により、ア
ップル、アンブリン社、ケーブルテレビ大手コムキャスト、そして NBC ユ
ニバーサル・テレビジョンの4社は、1980 年代に放送された SF ファンタジ
ー番組「世にも不思議なアメージング・ストーリー」の新シリーズを制作
していく。そしてドラマ製作の総指揮はスピルバーグ氏が務めていく。1 話
あたりの製作費予算は 500万ドル以上になる見通し。
【10月 10日 Reuters】
https://www.reuters.com/article/us-apple-spielberg/apple-nears-tv-
deal-with-spielberg-for-amazing-stories-idUSKBN1CF2L4
• 米生命保険大手のジョン・ハンコック(John Hancock)は、同社の医療保
険「バイタリティ(Vitality)」の加入者を対象に、アップル・ウォッチ
(Apple Watch)「シリーズ3」を 25 ドルで提供していく。保険加入者の
健康改善を促進し、保険金の支払い額を減額していきたい考えだ。
ただし、受け取り後に同社が規定する条件を満たさない加入者は、アップ
ル・ウォッチの追加料金を払う義務が生じる。たとえば、それら条件は、
2年間にわたって 1 日あたり 1 万歩の歩行や、一定量の有酸素運動をする
というもの。月額何ドルかの追加料金を払わずに済む。
【10月 23日 GIZMODE】
https://gizmodo.com/an-insurer-is-offering-apple-watches-for-25-
1819777542
• アップルとゼネラル・エレクトリック(GE)は、産業用“モノのインター
ネット”(IIoT)分野で提携した。
提携により両社は、顧客企業が iPhone や iPad 用のアプリケーションを使
って発電機や航空機エンジンの状態を分析し、故障の早期発見や効率的な
運用をできるシステムを開発していく。
【10月 25日 Reuters】
https://ca.reuters.com/article/technologyNews/idCAKBN1CW024-OCATC
• アップルは、ニュージーランドの新興企業パワーバイプロキシー
(PowerbyProxi)を買収した。同社の広報が認めたものの、詳細は明らか
にしていない。パワーバイプロキシーは、無線充電技術の設計と開発に特
化し、消費者向け製品と産業向け製品のメーカーらに提供している。同社
の技術を使うと、最高で 150ワットの無線充電を実現できる。
【10月 25日 BUSINESS INSIDER】
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http://www.businessinsider.com/apple-buys-wireless-charging-
company-powerbyproxi-2017-10
• アップルの 2017 年7~9月期決算は増収増益となった。iPhone、iPad、マ
ックのいずれもが販売台数を増やしたことが奏功した。
機種別に販売台数をみると、iPhon が前年同期比3%増の 4667.7 万台を記
録したほか、iPad が 1032.6 万台(同比 11%増)、マックが 538.6 万台
(同比 10 %増)だった。 一方、地域別の売上高は、南北アメリカが 14%
増の 230 億 9900 億ドルを記録したほか、欧州が 20%増の 130 億 900 万ドル
となった。そのほか、中国が 98 億ドル(同比 12%増)、日本が 38 億 5800
万ドル(同比 11%減 )、アジア太平洋が 28 億 1200 万ドル(同比5%増)
となった。
【11月 4日 Apple】
https://www.apple.com/newsroom/2017/11/apple-reports-fourth-
quarter-results/
(3)アマゾン(Amazon.com)
• アマゾンは、新しい配送管理サービス「セラー・フレックス(Seller
Flex)」の試験運用を本格化した。
セラー・フレックスでは、アマゾン・サイトに出店する小売業者らの自社
倉庫から購入者への商品配達の全過程をアマゾンが管理する。それにより、
管理の柔軟性と調整力を高め、配達量の増大によるコスト削減を図ってい
く。また、出店業者の倉庫に商品を保管することで自社倉庫の混雑を緩和
する狙いもある。アマゾンは、2018 年には米国内の対象地域をさらに拡大
する計画だ。
【10月 5日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-05/amazon-is-said-
to-test-own-delivery-service-to-rival-fedex-ups
• アマゾンは、電気自動車(EV)を無人飛行機(ドローン)で充電する方法
に関する特許を米国特許商標局(USPTO)から取得した。
アマゾンが取得した特許は、走行中の EV とドローンが、EV のバッテリ消費
量と充電の必要性を追跡するサーバ経由で通信する方法について供述され
ている。たとえば、充電の必要性をサーバがドローンに送信すると、それ
を受信するドローンが当該車を認識かつ認証し、自動車の屋根またはドア
に取り付けられる接続部分に結合し、走行中 EVの充電を開始する仕組み。
【10月 9日 gtm】
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https://www.greentechmedia.com/articles/read/amazon-ev-drone-
charging-while-you-drive#gs.Wqi3mw0
• アマゾンは、「ファイアーTV」の最新版を市場に投入した。「ロク
(Roku)」「クロームキャスト(Chromecast)」「アップル TV」へ対抗し
ていく。製品は 2.6 インチの正方形型で HDMI ケーブルでテレビからぶら下
がる恰好で接続する。4K ウルトラ HD 画像のストリーミングに対応するほか、
人工知能(AI)「アレクサ(Alexa)」にも対応している。また、サウンド
システムは、「ドルビー・アトモス(Atmos)」に対応。ただし、専門家か
らは、画質の向上以外という点では現行機種とさほど変わりがないという
指摘も出ている。そのほか、バーチャル・アシスタント「エコー」のとっ
かかりとして同機種を選択するというのも一計だという意見も出ている。
価格は 70ドル。
【10月 24日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/24/amazons-new-70-fire-tv-does-4k-
and-hdr-but-alexa-still-sells-it/
• アマゾンは、購入品を不在の家に届ける「アマゾン・キー(Amazon Key)」
を発表した。ただし、利用者は玄関に取り付けるスマート錠を含む「アマ
ゾン・キー・インホーム・キット(250 ドル)」を購入する必要がある。同
サービスでは、1 回かぎり有効の暗号によって配達人が配達先の玄関扉のス
マート錠を解除し、配達品を宅内に届ける仕組みだ。また、同社が別途販
売している防犯カメラ「アマゾン・クラウド・カム(Amazon Cloud Cam)
を居間の天井に取り付けることで、利用者は配達人の行動の一部始終をス
マートフォンで監視できる。
【10月 25日 VentureBeat 】
https://venturebeat.com/2017/10/25/amazon-launches-in-home-
delivery-service-called-amazon-key/?google_editors_picks=true
• アマゾンの7~9月期決算は大幅な増収となったものの、純利益は微増に
とどまった。主力のインターネット通販事業は前年同期比で約 28%増の
287 億 6800 万ドルとなった。これは、8月に買収を完了した自然食品スー
パー大手「ホールフーズ・マーケット」の売上高が寄与した恰好だ。また、
高成長が続くクラウド事業も同比 44.3%増の 149億 7600万ドルとなった。
【10月 27日 Amazon】
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=irol-
newsArticle&ID=2311817
(4)フェイスブック(Facebook)
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• フェイスブックは 、仮想現実(VR)体験を楽しめる新型のゴーグル型端末
「オキュラス・ゴー」を 2018 年はじめに 199 ドルで発売する計画を明らか
にした。製品は無線通信によって、パソコンと接続せずに単体で利用でき
る。同社は一方で、従来の上位機種「オキュラス・リフト(Oculus Rift)」
の価格を 100 ドル値下げして 399 ドルに設定している。競合する HTC 製
「バイブ(Vive)」の価格は 599ドル。
【10月 12日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-11/facebook-
unveils-199-oculus-go-wireless-virtual-reality-headset
• フェイスブックは、モバイル向けメッセージング・アプリケーション「tbh」
を買収した。買収額は明らかにしていない。
tbh は、ユーザーが相手に匿名で 4 者択一の質問を送信できる。たとえば、
「4 人の中で誰の笑顔が一番ステキ?」といった具合だ。受け取ったユーザ
ーは、投票するとデジタル・ポイントを取得できる。現在、米国の 10 代を
中心とする若者の間で人気を博しており、すでに、アプリケーションのダ
ウンロード件数は 500万件を超えている。
【10月 16日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-16/facebook-buys-
tbh-app-popular-with-teens-for-anonymous-messaging
• フェイスブック傘下の仮想現実(VR)ヘッドセット開発会社オキュラス
(Oculus)は、法人市場の開拓を大幅に強化する方針を打ち出した。同社
は企業向け製品「オキュラス・フォー・ビジネス」で市場を開拓していく。
製品には、ヘッドセット製品本体「オキュラス・リフト(Rift)」のほか、
コントローラ群「タッチ(Touch)」、リモコン、3つのセンサー、3個の
スポンジ状パッド「リフト・フィッツ(Rift Fits)」が含まれる。価格は
900ドル。
【10月 13日 COMPUTERWORLD】
https://www.computerworld.com/article/3232399/collaboration/faceboo
ks- HYPERLINK
"https://www.computerworld.com/article/3232399/collaboration/facebo
oks-oculus-targets-enterprise-vr-with-business-product-
bundle.html?google_editors_picks=true"oculus-targets-enterprise-vr-
with-business-product-bundle.html? HYPERLINK
"https://www.computerworld.com/article/3232399/collaboration/facebo
oks-oculus-targets-enterprise-vr-with-business-product-
bundle.html?google_editors_picks=true"google_editors_picks=true
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• フェイスブックは、フェイスブックのモバイル・アプリケーション利用者
に対し、新聞や雑誌の電子版購読を促す仕組みを導入する。試験プロジェ
クトには、ボストン・グローブほか、独大手新聞ビルド(Bild)、仏新聞
大手ル・パリジャン( Le Parisien)、ワシントン・ポストなど欧米メデ
ィア 10 社が参加する。新しい試みでは、利用者がフェイスブックのモバイ
ル・アプリケーションを使って参加メディアの無料記事を読んだ後、 電子
版の申し込み手続きを簡単に行えるようにする。今のところ、グーグルの
アンドロイド OS で走るスマートフォンの利用者のみが対象となっている。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズは
参加しない。ニューヨーク・タイムズはフェイスブックと引き続き協議を
続けている。
【10月 19日 NT Times】
https://www.nytimes.com/reuters/2017/10/19/business/19reuters-
facebook-publishing.html?_r=0
• フェイスブックは、ユーザーのコンテンツに混ざって表示される宣伝コン
テンツの分離を試みている。同社は現在、スロバキア、セルビア、スリラ
ンカなどを含む6カ国で新しいシステムを試験的に導入している。その結
果、ニュースフィードには、広告料を支払う企業のコンテンツか、ユーザ
ーの許可した他のユーザーのコンテンツのみ掲載されることになる。実際、
スロバキアでは、人気のある 60 のページで3分の2〜4分の3のコンテン
ツが消滅したという。
新システムが導入されると、ソーシャル・ネットワーキングに依存してい
る弱小オンライン出版社にとっては大きな痛手になるとみられている。た
だし、フェイスブックは今のところ、同システムを世界的に導入する計画
はないと説明している。
【10月 23日 The Guardian】
https://www.theguardian.com/technology/2017/oct/23/facebook-non-
promoted-posts-news-feed-new-trial-publishers
• フェイスブックの 2017 年4~6月期決算は大幅な増収増益となった。携帯
向け動画広告が好調だったことが奏功した。広告事業の売上高は前年同期
比 47%増の 101 億 4200 万ドル。そのうち携帯機器向けの広告のシェアは、
約 88%を占めている。9月のフェイスブック利用者数は約 20 億 7000 万人
と、1年前に比べ 16%増えた。
【11月 1日 Facebook】
https://investor.fb.com/investor-news/press-release-
details/2017/Facebook-Reports-Third-Quarter-2017-
Results/default.aspx
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(5)マイクロソフト
• バンク・オブ・アメリカ(BoA)は、業務のデジタル化に向けてマイクロソ
フト・クラウド(Microsoft Cloud)を採用していく方針を打ち出した。
マイクロソフト・クラウドは、マイクロソフトの業務ソフト「オフィス 365」
とクラウド・サービス「アジュール(Azure)」を組み合わせたもの。20 万
人におよぶ BoA の従業員は、同サービスを利用することで、マイクロソフ
トが提供するセキュリティほか、業務過程透明化や規制遵守向けクラウド
機能にアクセスできるようになる。
【10月 2日 BUSINESS INSIDER】
http://markets.businessinsider.com/news/stocks/Bank-of-America-
chooses-the-Microsoft-Cloud-to-support-digital-transformation-
1002915405
• マイクロソフト傘下のビジネス向けソーシャル・ネットワーキング・サ
ービス大手リンクトイン(LinkedIn)は、セルフサービス型のビッグ・デ
ータ解析製品「リンクトイン・タレント・インサイツ(LinkedIn Talent
Insights)」のベータ版の提供を開始した。タレント・インサイツは、
「タレント・プール( Talent Pool)」と「カンパニー・リポート
(Company report)」の2つの機能で構成される。タレント・プールでは、
求人担当者が特定の職種に関連した基準をもとに求職者を検索できる。一
方の、カンパニー・リポートでは、たとえば、どのような職能の従業員が
増えているかとか、従業員の住居地域情報などを自社と競合他社について
比較分析できる。
【10月 4日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/04/linkedin-to-launch-talent-
insights-a-new-analytics-tool-as-it-dives-deeper-into-data/
• マイクロソフトは、ゼネラル・エレクトリック(GE)がアイルランドの南
西に建設した 37 メガワットの風力発電所の全電力を向こう 15 年にわたっ
て購入することで契約を結んだ。さらに両社は、余剰電力を蓄電して送電
グリッドに給電するための蓄エネルギー・ソリューション群についての開
発もしていく。アイルランドは、マイクロソフトの欧州北部事業にとって
クラウド・サービス「北欧アジュール(Azure North Europe)」の提供を
支えるデータセンター拠点として機能している。
【10月 9日 VentureBeat】
https://venturebeat.com/2017/10/09/microsoft-inks-15-year-deal-
with-ge-to- HYPERLINK
9
"https://venturebeat.com/2017/10/09/microsoft-inks-15-year-deal-
with-ge-to-buy-energy-from-new-37-megawatt-wind-farm-in-
ireland/?google_editors_picks=true"buy-energy-from-new-37-megawatt-
wind-farm-in-ireland/? HYPERLINK
"https://venturebeat.com/2017/10/09/microsoft-inks-15-year-deal-
with-ge-to-buy-energy-from-new-37-megawatt-wind-farm-in-
ireland/?google_editors_picks=true"google_editors_picks=true
• ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は、開発途上国向けにオープンソー
スの決済システム・ソフトウェア「モジャループ(Mojaloop)」を開発し
た。開発資金はゲイツ財団が拠出し、米フィンテック新興企業リップル
(Ripple)、ドウォラ(Dwolla)、モーダスボックス(ModusBox)、クロ
スレイク・テクノロジーズ(Crosslake Technologies)、ソフトウェア・
グループが開発部分を担った。同財団は、途上国の中央銀行がモジャルー
プの使用を商銀に促すことで、全国一律のデジタル決済システム構築を加
速させることを期待している。
【10月 16日 Forbes】
https://www.forbes.com/sites/tomgroenfeldt/2017/10/16/gates-
foundation-launches-open-platform-to-connect-mobile-finance-in-
developing-world/#c43cd703c1bc
• マイクロソフトは、同社のプラットフォーム「 WMR( Windows Mixed
Reality)」を採用した複合現実(MR)ヘッドセットを端末メーカー5 社が
発売することを明らかにした。複合現実とは、仮想現実(VR)と拡張現実
(VR)の両面を部分的に実現する技術。今回、MR ヘッドセットを提供する
のは、エイサー(ACER)、ヒューレット・パッカード(HP)、レノボ、サ
ムスン、アスースの5社。
【10月 17日 THE VERGE】
https://www.theverge.com/2017/10/17/16487936/microsoft-windows-
mixed-reality-vr-headsets-guide-pricing-features
• サムスン電子傘下の大手音響メーカー製のハーマン・カード(Harman
Kardon)は、マイクロソフトの人工知能(AI)「コルタナ(Cortana)」を
採用したスマート・スピーカー「イボーク(Ivoke)」を発表した。コルタ
ナを搭載した最初の AIスピーカーとなる。価格は 199.95ドル。
イボークは、照明などを制御するスマート・ホーム機能では他社製品と同
様の機能を持つが、電話に関してはスカイプを利用する。また、オンデマ
ンド楽曲配信サービスを持たないマイクロソフトは、グルーブ・ミュージ
10
ック(Groove Music)やスポティファイ(Spotify)のサービスを提供して
いく。
【10月 20日 WSJ】
https://www.wsj.com/articles/microsoft-joins-the-home-speaker-
party-with-invoke-1508504400
• マイクロソフトの 2017 年第7~9月期決算大幅な増益となった。法人向け
クラウド・サービス「アジュール(Azure)」の売り上げが前年同期比 90%
増となった他、リンクトインが好調だったことが奏功した。事業部門別に
売り上げをみると、オフィス製品を含む「Productivity and Business
Processes」は前年同期比 28%増の 82 億ドル。クラウド事業を含む
「Intelligent Cloud」は 69 億ドル(同比 14%増)に、パソコン事業部門
「More Personal Computing」が同比で横ばいの 94億ドルにとどまった。
【10月 26日 Microsoft】
https://www.microsoft.com/en-us/Investor/earnings/FY-2018-Q1/press-
release-webcast
• マイクロソフトは、ビジネス向けソーシャル・ネットワーキング・サービ
ス「リンクトイン(LinkedIn)と電子メール・ソフト「マイクロソフト・
アウトルック(Outlook.com)」を統合した。それにより、たとえばリンク
トインのプロファイル情報を使って調べた会議相手の連絡先カードが、オ
フィス 365 内アウトルック・カレンダーや電子メール受信ボックスに反映
できる。また、販売業務用アプリケーションのダイナミクス 365 や、マイ
クロソフトのほかの顧客関係管理ソリューションまたはサービスでも同様
にリンクトインと統合されている。
【10月 31日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/31/microsoft-rolls-out-linkedin-
integrations-in-outlook-com/
(6)インテル
• インテル、人工知能(AI)事業拡充に向けて新型チップ「ナバーナ
(Nervana)」の出荷を 2017年末までに開始する計画を明らかにした。
ナバーナは、「ニューラル・ネットワーク・プロセッサ(Neural Network
Processor)」と呼ばれており、人間の大脳の神経伝達メカニズムを模倣し
ている。根幹技術は、同社が 2012 年に買収したナバーナ社の技術が使われ
ている。また、開発に際しては、フェイスブックと協業している。
大企業らは、自社データセンターの膨大な量のデータ解析に AI 技術を利用
しているが、そこで主に使われているのはエヌビディア(Nvidia)などの
他社製。
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【10月 17日 FORTUNE】
http://fortune.com/2017/10/17/intel-facebook-artificial-
intelligence-chip/
• インテルは、2017 年 8 月に発表した 100 台の自動運転車を生産するという
計画を進めている。そして最初の 25 台が、カリフォルニア州とアリゾナ州
で 2017年中に完成する見通し。
同計画にもとづき、インテルは現在、アルファベット(Alphabet)傘下ウ
ェイモ(Waymo)の自動運転車にプロセッサを供給している。今回製造され
る 25 台の自動運転車には、同社製プロセッサ「ジーオン(Xeon)」が使わ
れる。自動運転車にはまた、道路を地図化するためにセンサーから取得し
たデータを分析するモービルアイ(Mobileye)製チップ「アイキュー
(EyeQ)」が搭載されており、ジーオンと共に稼働する。
【10月 22日 Automotive News】
http://www.autonews.com/article/20171022/MOBILITY/171029906/intel-
autonomous-test-cars-mobileye
• インテルの7~9月期決算は、売り上げが微増だったのに対して大幅な増
益となった。引き続き、データセンターのサーバ向け製品が7%増と好調
を維持したのが要因。事業部門別に売り上げをみると、「 Client
Computing Group」が前年同期比横ばいの 89 億ドル、「Data Center Group」
が 49 億ドル(同比7%増)「Internet of Things Group」が8億 4900 万
ドル(同比 23%増)、「Non-Volatile Memory Solutions Group」が8億
9100 万ドル(同比 37%増)、そして「Programmable Solutions Group」が
4億 6900万ドル(10%増)となっている。
【10月 26日 Intel】
https://www.intc.com/investor-relations/investor-education-and-
news/investor-news/press-release-details/2017/Intel-Reports-Third-
Quarter-2017-Results/default.aspx
(7)IBM
• IBM は、ブロックチェーン開発企業のステラー(Stellar)および決済ソリ
ューションを提供するキッケックス(Kickex)と提携。それによって、ブ
ロックチェーンを使った銀行向けの国際決済システムを投入した。
国際決済の処理には現在、完了するまで数営業日がかかっており、利用者
たちが常々不満を抱いている課題だ。3社は、ブロックチェーンを利用し
て決済にかかる時間を大幅に削減していく。IBM のプラットフォームは、オ
ープンソース・ブロックチェーン技術「ハイパーレッジャー・ファブリッ
ク(Hyperledger Fabric)」を基盤としている。
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【10月 16日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/16/ibm-cross-border-payments-
blockchain/
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/53185.wss
• IBM の 2017 年7~9月期決算は、微減ながらも減収減益となった。法人向
けのシステム構築および保守管理サービスが不調だったことが要因。
事業別に売り上げをみると、人工知能( AI)システム「ワトソン
(Watoson)」を軸とした「Cognitive Solutions」が4%増の 44 億ドルと
なったほか、インフラ関連や技術支援サービスを手掛ける「Technology
Services & Cloud Platform」が 85 億ドル(3%減)、コンサルティング
業務などの「グローバル・ビジネス・サービシズ」が 41 億ドル(2%減)、
「Systems」が 17 億ドル(10%減)と落ち込んだ。ただし、「Technology
Services & Cloud Platform」内のクラウド・サービスを展開する
「Strategic imperatives」が 12%増と好調だった。
【10月 17日 IBM】
https://www.ibm.com/investor/att/pdf/IBM-3Q17-Earnings-Press-
Release.pdf
(8)シスコ・システムズ
• シスコは、IT システムの障害を人工知能(AI)技術によって早期発見する
「ビジネス・クリティカル・サービシズ(Business Critical Services)」
と「シスコ・ハイ・バリュー・サービシズ(Cisco High Value Services)」
を発表した。
ビジネス・クリティカル・サービシズは、データ解析や自動化し、各種コ
ンプライアンスの遵守や IT システムの正常稼働をモニタリングする。一方
のハイ・バリュー・サービシズは、ソフトやソリューション、通信ネット
ワークのサポートを提供する。
【10月 17日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/17/cisco-using-ai-and-machine-
learning-to-help-it-predict-failures/?ncid=mobilenavtrend
• シスコは、ブロードソフト(BroadSoft)を 19 億ドルで買収することで同
社と合意に達した。買収額には、ブロードソフトの負債も含まれる。
ブロードソフトは、クラウド・サービス「PBX」ほか、統合コミュニケーシ
ョンズ、オンライン協業システム、コンタクト・センター・ソリューショ
ンズを法人向けに開発および販売している。
【10月 23日 ZDNet】
13
http://www.zdnet.com/article/cisco-to-acquire-broadsoft-in-1-9-
billion-deal/
• シスコは、インフラの性能管理ソリューションを提供するバーチャル・イ
ンスツルメンツ(Virtual Instruments)と技術の統合で提携した。
提携により、両社はバーチャル社のインフラ性能管理プラットフォーム
「バーチャルウィズダム(VirtualWisdom)」とシスコの「MDS 9700 32G モ
ジュール」および「SAN ストリーミング・ソリューション」との間でデータ
の互換性を確立する。それにより、シスコの機器から転送される監視デー
タを途切れなく受け取れるようにする。バーチャルウィズダムは、インフ
ラの性能や状態を分析するソフトウェア。
【10月 29日 COMPUTER TECHNOLOGY REVIEW】
http://wwpi.com/2017/10/29/virtual-instruments-cisco-to-simplify-
and-lower-the-cost-of-storage-network-performance-monitoring/
(9)ゼネラル・エレクトリック(GE)
• 米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の 2017 年7~9月期決算は、
増収減益となった。主力の電力事業の不振やリストラ費用が要因。
他の主要部門別の売り上げは、石油・ガス部門が前年同期比 81%の 53 億
6500 万ドルとなったほか、航空が 68 億 1600 万ドル(同比8%増)、ヘル
スケアが 47 億 24 万ドル(同比 5.4%増)、再生可能エネルギーが 29 億 05
万ドル(同比5%増)となった。一方、電力が 86 億 7900 万ドル(同比
4%減)となったほか、輸送も 10 億 74 ドル万ドル(同比 14%減)に落ち
込んだ。
【10月 20日 GE 】
https://www.ge.com/investor-relations/performance
• GE は、“産業用モノのインターネット(IIoT)”プラットフォーム「プリ
ディクス(Predix)」関連技術を発表した。これらの技術は、現場に設置
された機器類とクラウド・システムの間でデータのやり取りを円滑にし、
より精度の高い分析機能を提供するのが特徴。
たとえば、端末に対応した IIoT 機能「プリディックス・エッジ」は、1台
の 機器から最大 20 万台の端末を接続できる。 また「プリディックス・コ
ンプレックス・イベント・プロセッシング」は、より高速かつ高効率のデ
ータ解析を可能にする。
【10月 24日 ZDNet】
http://www.zdnet.com/article/ge-digital-expands-edge-capabilities-
on-predix/
14
• GE と中西部電力大手エクセロン(Exelon)は、GE の「プリディクス
(Predix)」を採用することで複数年契約を結んだ。契約により、エクセ
ロンは 6 つの送電網施設にプリディクスを実装し、安定性と効率性の高い
サービスを 1000 万以上の電力顧客に提供していく。
【10月 26日 PennEnergy】
http://www.pennenergy.com/articles/pennenergy/2017/10/energy-
management-exelon-and-ge-partner-to-strengthen-system-performance-
and-reliability.html
各企業の決算:
企業名 四半期売上高 前年同期比 四半期純益 前年同期比
アルファベット 277.72 億ドル 23.7% 67.32 億ドル 33.0%
アップル 525.79 億ドル 12.2% 107.14 億ドル 18.9%
Amazon.com 437.44 億ドル 33.7% 2.56 億ドル 1.6%
フェイスブック 103.28 億ドル 49.0% 47.07 億ドル 79.0%
マイクロソフト 245.38 億ドル 11.9% 65.76 億ドル 16.0%
インテル 161.49 億ドル 2.3% 45.16 億ドル 33.7%
IBM 191.53 億ドル -0.4% 27.26 億ドル -4.5%
GE 334.72 億ドル 14.4% 18.00 億ドル 9.7%
2.情報端末(スマートフォン、タブレット、家電等)とクラウドコンピューテ
ィング
• 米デルタ航空(Delta Air Lines)は、乗客が飛行中にスマートフォンから
テキスト・メッセージを無料送信できるサービスを 10 月 1 日から開始した。
米国際線航空会社として初めての試みとなる。今回の新サービスには、航
空機向け通信サービスを提供するゴーゴー(Gogo)の通信ネットワークが
採用されている。ただし、サービスでは、テキスト・メッセージのみ送受
信できる。
【9月 28日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-27/delta-will-let-
passengers-use-mobile-messaging-in-flight
• 米自動車製造大手フォード(Ford)は、スマート都市ソリューション開発
新興企業ストロベリー・エネルギー(Strawberry Energy)と「スマート・
ベンチ」を開発した。同ベンチは、太陽光発電を電力として使い、Wi-Fi 接
続やスマートフォン充電の機能を提供する。また、ロンドン市内の大気汚
15
染を監視する環境データの収集にも活用される。現在、ロンドン市内には、
10 台のスマート・ベンチが設されている。今後はさらに 10 台を追加設置す
る予定。
【10月 2日 internetofbusiness】
https://internetofbusiness.com/ford-wi-fi-smart-benches-london/
• 位置情報プラットフォームを開発するマップボックス(Mapbox)は、シリ
ーズ C として総額1億 6400 万ドルを調達した。投資元は、ソフトバンクの
ビジョン・ファンドほか、既存の出資者となっているベンチャー・キャピ
タル数社。マップボックスは、ウェブおよび携帯機器向けに位置情報を使
ったアプリケーションを開発するデベロッパーに開発キット(SDK)を提供
している。同社の SDK は、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、コネクテッ
ド・カー、“モノのインターネット(IoT)”などと組み合わせることがで
きる。ビジョン・ファンドはまた、人工知能(AI)ソフト開発のペトゥー
ム(Petuum)への投資も明らかにしている。
【10月 10日 VentureBeat、WSJ】
https://venturebeat.com/2017/10/10/mapbox-raises-164-million-
investment-from-softbank-others-to-grow-its-location-platform-for-
developers/
https://www.cnbc.com/2017/10/10/softbank-invests-93-million-in-ai-
start-up-petuum.html
https://www.wsj.com/articles/softbank-leads-164-million-bet-on-
digital-mapping-startup-mapbox-1507640404
• 米携帯電話サービス業界 3 位のTモバイル US と同 4 位のスプリント
(Sprint)は、資産売却なしでの合併合意を向こう 2~3 週間のうちに発表
する。関係筋が伝えたところによると、両社は、それぞれの周波数帯をで
きるけ維持しながらコスト効果の向上を図っていくという。
通常、同業社らが合併する際には、司法省の独占禁止法局が事業資産の一
部売却を条件として求める場合が多い。しかし、両社は、合併後もベライ
ゾン・ワイヤレスや AT&T に規模では劣ることを理由に当局と交渉していく
考え。
【10月 16日 Reuters】
http://www.reuters.com/article/us-sprint-corp-m-a-t-mobile-
us/exclusive-t-mobile-sprint-aim-to-announce-merger-without-asset-
divestitures-sources-idUSKBN1CK0WN
16
• サムスン( Samsung)は、 NI-IoT( fledgling narrowband Internet of
Things)技術を採用するモバイル追跡タグ「サムスン・コネクト・タグ
(Samsung Connect Tag)」を発表した。
コネクト・タグの大きさは、幅 4.21 センチメートル(cm)で厚さ 1.19cm。
タグ内には、プログラム可能型 SIM(eSIM)が組み込まれている。用途とし
ては、たとえばキーホルダーやペットの首輪、幼児、高齢者に取り付ける
ことで居場所をリアルタイムで追跡でき、紛失物の発見や安全性確認を簡
便化できる。NB-IoT は、低帯域幅機器向けデータ転送用として少量の LTE
帯域幅を使用している。
【10月 16日 VentureBeat】
https://venturebeat.com/2017/10/16/samsung-announces-connect-tag-
tracker-that-uses-narrowband-iot/?google_editors_picks=true
• ソニーは、タッチスクリーン・プロジェクタ「エクスペリア・タッチ
(Xperia Touch)」を米国市場へ投入する。価格は 1699 ドル。プロジェク
タはアンドロイド 7.11 に対応。テーブルや壁に投影した画像をインタラク
ティブに操作できる。また、最新版では、手を振って、画面をスワイピン
グしたり、唇に指を当てて音声を消すといった動作による操作が可能にな
っている。
【10月 28日 ANDROID POLIS】
http://www.androidpolice.com/2017/10/28/sonys-expensive-
interactive-projector-getting-android-7-1/
• 新興企業カノ(Kano)は、児童にコンピュータとプログラミングを教育す
るキットを提供して注目を集めている。
同社は、児童が自分でハードウェアを組みたて学んでいくキットを 2014 年
以来提供している。現在、14 万 1000 台のカノ機器がネットワークにつなが
っており、すでに 22 万 7000 におよぶアプリケーションがカノの機器を使
って開発されている。同社のシステムを使ってコードを開発した最年少は
6歳。キットの価格は 249 ドルで、現在アマゾン、バーンズ&ノーブル、
ベストバイなど大手量販チェーンで販売されている。
【10月 31日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/11/01/kano-raises-28m-as-its-its-kid-
friendly-computer-kits-hit-4500-stores/
3.消費者向けインターネット・サービス、コンテンツサービス
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実在店舗大手がデジタル店舗に本格的に追い込まれつつあり、一大転換を迫られ
ている
• オンライン民泊サービスを提供するエアビーアンドビー(Airbnb)とレン
タル・オフィス・サービス大手ウィーワーク(WeWork)は、出張客市場を
取り込むために業務提携した。
提携により、両社はエアビーアンドビーのサービスで宿泊先を見つけた出
張客に対して、最寄りにあるウィーワーク共用オフィス空間物件の会議室
や机、Wi-Fi 接続、プリンタ、そのほかの事務用備品を使えるようにするサ
ービスを提供する。ユーザーは双方のサービスを同時に予約できる。
両社は、シカゴとニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントン DC、ロンドン、
シドニーの 6都市で同サービスを開始する。
【10月 4日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-04/airbnb-teams-up-
with-wework-to-lure-business-travelers
• 米高級百貨店チェーン大手のニーマン・マーカス・グループ(Neiman
Marcus Group)は、ニューヨーク市内ソーホー地区にデジタル技術を駆使
した店舗を時限付き(10 月 12 日まで)で開設した。同店舗は、ファッショ
ン誌「マリー・クレア(Marie Claire)」とマスターカードによる合弁事
業。店舗内の試着室には、指触操作型の姿見群が設置されており、利用客
はそれらを指先で操作して別のサイズや色を店員に持ってきてもらうこと
ができる。また、店内のいたるところで店員のモバイル決済システムを使
って支払いを済ませることができるほか、店内にはモバイル端末用充電基
地も設置している。
【10月 2日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-02/neiman-marcus-
looks-to-fix-retail-pain-points-at-pop-up-store
• ウォルマート・ストアーズは、同社のオンライン小売事業の売り上げが
2019年 1月期に前年同期比で約 40%伸びるという見通しを明らかにした。
同社は、オンライン小売市場のてこ入れの一環として、新興企業の jet.com
を 2016 年に 33 億ドルで買収している。さらに、2017 年と 2018 年の 2 年間
には、それぞれ 110 億ドルの設備投資を実施し、オンライン販売事業を拡
充していく。ウォルマートはさらに、食品の出荷拠点を米国内で 1000 ヵ所
増やすほか、同社サイトで販売された商品の返品手続きを迅速化かつ簡便
化するモバイル用アプリも開発している。
【10月 10日 Bloomberg】
18
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-10/wal-mart-
expects-online-sales-to-grow-40-as-it-chases-amazon
https://techcrunch.com/2017/10/08/walmart-launches-mobile-express-
returns-to-refund-or-exchange-online-items-in-physical-stores/
• 電子決済サービス大手ペイパル(PayPal)は、同社傘下のモバイル送金ア
プリケーション「べンモー(Venmo)」での支払いを米国内小売店 200 万店
舗以上で利用できることを発表した。ベンモ―は 2013 年にペイパルに買収
されている。ベンモーはまた、利用者らが 1 回あたり 25 セントの手数料で
送金相手の銀行口座に即時送金できるサービスも開始する。
【10月 17日 Reuters】
https://www.reuters.com/article/us-paypal-hldg-venmo/paypal-rolls-
out-venmo-payments-to-its-u-s-retailers-idUSKBN1CM1GH
• ソニーは、ロボット犬「アイボ(AIBO)」を再び市場に投入する。最新ア
イボは、22 の軸で稼働するアクチュエータを搭載するほか、目には有機発
光ダイオード(OLED)パネルを搭載している。バッテリの寿命は2時間で、
充電には3時間かかる。また、ソフトバンクのペッパー(Pepper)のよう
に、月額定額料金(26 ドル)を支払う必要がある。定額料金を支払うこと
で Wi-Fi や高速無線通信規格「LTE」、クラウド経由バックアップなどが提
供される。
【10月 31日 THE VERGE】
https://www.theverge.com/circuitbreaker/2017/10/31/16588878/sony-
aibo-2017-announced-price-release-date
4.電子商取引と企業向け ITサービス
サプライチェーン・マネジメントは、IoT や AI によって新たな段階へと進んでい
る
• オラクルは、サンフランシスコで開催された同社の技術カンファレンス
「オラクル・オープンワールド」で、新しいクラウド・サービスやブロッ
クチェーン・サービス、完全自律型データベースを開発するための人工知
能(AI)ツールを発表した。オラクルが発表したサービスは、同社がこれ
まで社内で使ってきたもので、それを顧客向けに拡充した恰好だ。同社の
顧客向け人工知能アプリケーション・ツール群を拡充したものだ。それに
より、オラクルの顧客企業は自社の顧客向けの AI アプリケーション群を社
内で開発できるようになる。
19
【10月 2日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/02/oracle-adds-ai-development-
service-to-platform-offerings/
https://www.arnnet.com.au/article/628035/oracle-chases-ibm-
microsoft-enterprise-grade-blockchain-cloud-service/
• ジョージア州コロンバスの聖フランシス病院(St. Francis Hospital)で
は、保険会社とのやり取りにリコンド・テクノロジー( Recondo
Technology)のウェブボット技術を導入。その結果、保険会社からの回収
額を増やすことに成功している。ボットを入れたことで、回収金額は導入
前の 2012 年の約 100 万ドルから倍増。その後 2014 年には 300 万ドル、
2016年には 490 万ドルに増加した。
さらに、そのボット技術によって、病院職員による保険会社への問い合わ
せ作業の大半の自動化にも成功している。
【10月 2日 HealthcareITNews】
http://www.healthcareitnews.com/news/hospital-says-web-bots-helped-
boost-point-sale-collections-nearly-4-million
• ソフトウェア大手オラクルは、人工知能(AI)を応用した完全自律型デー
タベースを 12 月に投入する計画だ。企業向けクラウド・サービスを強化す
るのが狙い。新たなデータベースは、サイバー攻撃によって生じた欠陥を
自動修復することで人手による管理を不要にし、コスト削減を可能にする。
また機械学習(Machine Learning)技術を使うことによって、データベー
スのパフォーマンスを自動で調節できるようにした。
• 仮想化技術大手 VM ウェア(VMWare)と独 ERP(企業資源計画)大手 SAP は、
“モノのインターネット(IoT)”を基盤とした法人向けソリューション群
の開発および提供で提携した。
提携により、両社の顧客企業らは、VM ウェアの OS 上で IoT 機器のデータを
処理し、SAP の分析技術を活用することによって、IoT 機器とそれら機器が
接続するネットワークをリアルタイムで管理できるようになる。
SAP はそのほか、IoT 向けの BaaS(Blockchain-as-a-Service)を9月に発
表している。同社はそれにともなって、ネットアップ(NetApp)やキャッ
プジェミニ(Capgemini)、デロイト(Deloitte)らとも提携している。
【10月 9日 ZDNet】
http://www.zdnet.com/article/vmware-sap-join-forces-on-enterprise-
iot/
20
• マネージド・サービスおよびサイバーセキュリティ・ソリューション提供
会社のセイジネット(SageNet)は、コンビニエンス・ストア向けの新たな
ITソリューションを発表した。
同社のソリューションは、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ
(HPE)製サーバ「プロリアント・イージー・コネクト(ProLiant Easy
Connect)」を基にジンストラ(Zynstra)と開発を進める店舗内 IT ソリュ
ーションから構成されている。
【10月 17日 TulsaWorld】
http://www.tulsaworld.com/business/technology/tulsa-based-sagenet-
and- HYPERLINK
"http://www.tulsaworld.com/business/technology/tulsa-based-sagenet-
and-partners-to-unveil-new-retail-it/article_39b34a0a-645a-5dbb-
8497-00ae8159033c.html"partners-to-unveil-new-retail-it/ HYPERLINK
"http://www.tulsaworld.com/business/technology/tulsa-based-sagenet-
and-partners-to-unveil-new-retail-it/article_39b34a0a-645a-5dbb-
8497-00ae8159033c.html"article_39b34a0a-645a-5dbb-8497-
00ae8159033c.html
5.半導体とハードウェア技術、大学・研究所の研究開発
(コンピュータも含む)
IFR(International Federation of Robotics)によると、2016 年の産業用ロボッ
ト世界売上高は前年比 18%増加の 131 億ドルで、ソフトウェアと周辺機器、シス
テム工学も含めると 400 億ドルに上る
【9月 28日 Bloomberg】
https://www.reuters.com/article/us-robotics-industrial-
statistics/electronics-industry-drives-2016-industrial-robot-sales-ifr-
idUSKCN1C22OR
• 米半導体大手ブロードコム(Broadcom)は、モバイル端末の位置情報の誤
差を 30cm 以内にする GPS チップの大量生産を計画している。現行のスマー
トフォンに搭載されている GPSチップの位置情報誤差は 3~5メートル。
次世代 GPS チップは、すでに 2018 年に発売されるスマートフォンに搭載さ
れることが決まっているものの、どの機種に搭載されるかについては明ら
かにされていない。
【9月 25日 THE VERGE】
https://www.theverge.com/circuitbreaker/2017/9/25/16362296/gps-
accuracy-improving-one-foot-broadcom
21
• 東芝傘下のフラッシュメモリ子会社である東芝メモリを買収する米投資会
社ベイ・キャピタル(Bain Capital)陣営は、早ければ 2020 年にも東芝メ
モリの新規株式公開(IPO)を目指す方針を明らかにした。ベイン・キャピ
タルは、韓国半導体大手の SK ハイニックスやアップル、デル、シーゲイト
らを率いて日米韓連合を形成し、東芝メモリを 2 兆円(買収後に約 4000 億
円を追加投資する計画)で買収する。
【9月 29日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-28/bain-is-said-to-
aim-for-toshiba-chip-unit-ipo-as-soon-as-2020
• グラフィック処理プロセッサ開発大手エヌビディア(Nvidia)は、自動運
転車向けの新たなシステム「ペガサス(Pegasus)」を発表した。製品は
2018年下半期に出荷される見通し。
ペガサスは、エヌビディアの自動運転システム・プラットフォーム「ドラ
イブ PX」の最新版と位置づけられ、現行システムの 10 倍以上にあたる毎秒
320 兆以上の演算処理を可能にする。システムには、同社のチップほか、制
御に必要な全てのハードウェアが統合されている。
【10月 10日 THE VERGE】
https://www.theverge.com/2017/10/10/16449416/nvidia-pegasus-self-
driving-car-ai-robotaxi
• カリフォルニア工科大学(カルテック)と米航空宇宙局(NASA)のジェッ
ト推進研究所(JPL)は、次世代ロボットを共同開発するために「自動シス
テ ム & 技 術 セ ン タ ー ( Center for Autonomous Systems and
Technologies:CAST)」を開設した。現在、カルテックと JPL の科学者ら
約 12人が同研究所に在籍している。
CAST では、無人機(ドローン)やロボット、宇宙船の本体をアルゴリズム
と組み合わせることで、状況に応じた論理的思考にもとづく行動を自律的
に実行できるロボティクスの開発を目指す。
【10月 24 日 Forbes】
https://www.forbes.com/sites/alanohnsman/2017/10/24/caltech-teams-
with- HYPERLINK
"https://www.forbes.com/sites/alanohnsman/2017/10/24/caltech-teams-
with-nasas-jet-propulsion-lab-to-build-the-next-generation-of-
robots/#3fa0d59c7648"nasas-jet-propulsion-lab-to-build-the-next-
generation-of-robots/ HYPERLINK
"https://www.forbes.com/sites/alanohnsman/2017/10/24/caltech-teams-
22
with-nasas-jet-propulsion-lab-to-build-the-next-generation-of-
robots/#3fa0d59c7648"#3fa0d59c7648
• パーデュー大学の研究者は、柔軟に加工できるコントローラ「iSoft」を開
発した。形を自由に加工できるだけはなく、あらゆるインターフェースに
対応できるのが特徴だ。iSoft の本体は、炭素を含むシリコン・ゴム材質で
できている。表面に触れると電気抵抗値が変わり、それがデータとして送
られる仕組みだ。配線がないため設計も自由に行えるという。本体と一緒
に開発したソフトウェア・プラットフォームを使えば、ゲームパッドから、
テレビ、電話まで対応できるコントローラを開発できるという。研究者ら
は、低コストで万能コントローラが開発できると期待している。ただし現
時点では研究開発の段階で、実用化は先の話し。
【10月 24日 Engadget】
https://www.engadget.com/2017/10/24/tactile-soft-sensor-controller-
wearable/
• デューク大学の救急病棟医師は、任天堂のゲーム機器「ウィー(Wii)」の
コントローラに組み込まれている動作感知センサー用マイクロチップを利
用して、3D 超音波装置を開発した。核磁気共鳴イメージング(MRI)や CT
スキャンほどの精度はないものの、従来の2次元スキャンに比べて遥かに
精度が高く、なおかつそれらの検査機器に比べて遥かにコストが安い。マ
イクロチップのコストはわずか 10 ドル。同チップは、スマートフォンの向
きを変えたときに調整するのにも使われている。
【10月 31日 BUSINESS INSIDER】
http://www.businessinsider.sg/3d-body-scan-device-motion-sensing-
microchip-nintendo-wii-2017-10/?r=US HYPERLINK
"http://www.businessinsider.sg/3d-body-scan-device-motion-sensing-
microchip-nintendo-wii-2017-10/?r=US&IR=T"& HYPERLINK
"http://www.businessinsider.sg/3d-body-scan-device-motion-sensing-
microchip-nintendo-wii-2017-10/?r=US&IR=T"IR=T
6.エマージング市場(フィンテック、AI、自動運転車など)
人工知能(AI)は、2035 年までに 12 の先進国における 16 種の産業界に総額 14 兆
ドルをもたらすことになる
【10月 19日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-19/google-wants-to-train-
other-companies-to-use-its-ai-tools
23
• マサチューセッツ工科大学(MIT)コウク研究所(Koch Institute)の研究
者らは 、錠剤の形で飲み込めるセンサーを開発した。
センサーが入っているカプセルが溶けるとセンサーが胃や腸の内壁に粘着
し、消化器官疾患の診断や食物摂取の追跡を含む胃腸活動に関してデータ
を収集する仕組みだ。センサーは、柔軟性を持つポリマーを材料としてお
り、大きさは 2x2.5 センチメートル程度。胃腸の伸縮に合わせて伸縮する
こともでき、数日以内に消化される。
【10月 10日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/10/researchers-develop-digestible-
sensors-for-monitoring-the-gastrointestinal-tract/
• デューク大学とアスペン研究所(Aspen Institute)の研究者たちはこのほ
ど、水道管理に革命を起こす「インターネット・オブ・ウォーター
(internet of water)」という概念について発表した。この概念では、デ
ータが広範囲に共有されるほど、水道システムを最適化するための意思決
定が向上すると考える。たとえば、水道の蛇口から出てくる水が、どこで
取水されたのか、どのように浄化されたのか、市町村や州が負担している
水道管理コストは 1 ガロンあたりいくらなのかなどについてデータを元に
把握できるようにする。そうすることで、水不足への迅速な対応などが可
能になる。
【10月 13日 TechCrunch】
https://techcrunch.com/2017/10/13/researchers-propose-an-open-
internet-of-water-tracking-use-quality-and-costs/
https://nicholasinstitute.duke.edu/articles/internet-water-could-
revolutionize-water-management
• パナソニックは、深層学習新興企業のアリモ(Arimo)を買収する。パナソ
ニックは、アリモを吸収することで人工知能(AI)と“モノのインターネ
ット(IoT)”のソリューション事業を大幅に強化していく。
アリモは、深層学習技術を基盤としたデータ解析技術の開発を得意とする。
パナソニックでは、既存製品群にアリモの技術を応用していく。たとえば、
業務用の空調システムや冷蔵庫にアリモの技術を統合し、それらの稼働状
況に関するデータの収集と解析結果をもとに、自動化やエネルギー効率化
を中心とした機能拡充およびスマート化を強化するといった具合だ。
【10月 23日 WebWire】
https://www.webwire.com/ViewPressRel.asp?aId=215546
24
• ウォルマートのオンライン小売部門 Walmart.com は、人工知能(AI)を駆
使することによって、取り扱う商品数を劇的に増やすことに成功している。
たとえば、2011 年に同サイトが取り扱っていた商品数は 70 万点。現在その
数は、6000 万点に達している。また、オンライン販売も好調で、売り上げ
が前年同期比で 67%増を記録している。同社はまた、それに伴い、半導体メ
ーカー大手エヌビディア(NVIDIA)からグラフィク処理プロセッサ(GPU)
を大量に購入している。
【10月 23日 VentureBeat】
https://venturebeat.com/2017/10/23/how-ai-helped-walmart-go-from-
700000-to-60-million-items-online/
7.サイバーセキュリティ(重要インフラ、民間、関連技術など)
民間による政府のセキュリティ専門家の引き抜きは、今後新たな問題へと発展す
る可能性がある
• ST マイクロエレクトロニクスは、サイバー攻撃に対するセキュリティ機能
を搭載した車載マイクロプロセッサ「テレマコ(Telemaco)3P」(STA1385
系)を開発した。テレマコ 3P は、データ交換やメッセージの暗号化および
認証を監視し、独立したセキュリティ防御として機能する強力な専用のハ
ードウェア・セキュリティー・モジュール(HSM)を搭載する。また、受信
メッセージや車輌間(V2V)通信用機器の安全性も確認する。
【9月 30日 STMicroelectronics】
http://www.st.com/content/st_com/en/about/media-center/press-
item.html/n3739.html
• 米通信サービス大手ベライゾン・コミュニケーションズは、同社が6月に
買収したヤフーの個人情報流出について最新情報を発表した。
ヤフーは 2013 年8月にハッキングによって個人情報が漏洩したことを発表
した。その際に、被害規模は 10 億人分としていたが、今回の発表で全利用
者数約 30億件のアカウントの情報が流出していたことが明らかにされた。
【10月 3日 NY Times】
https://www.nytimes.com/2017/10/03/technology/yahoo-hack-3-billion-
users.html
• IT 大手は、米政府で特別管理秘密を取り扱う(セキュリティ・クリアラン
ス)人材を積極的に雇っている。当人の履歴や家族構成、人間関係が徹底
的に審査されているというのも大きな魅力のようだ。
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ただし、政府から人材を引き抜くにはそれ相当の費用を覚悟しなければな
らないようだ。ClearenceJobs.com の調べによると、セキュリティ・クリア
ランスの政府担当官の平均給与は 11 万 9000 ドル。それらの中でも最も高
額と言われているのが CIAで同 12万 1000 ドルだったという。
【10月 23日 Bloomberg】
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-23/tech-firms-seek-
washington-s-prized-asset-top-secret-clearances
https://www.axios.com/tech-firms-look-for-staff-with-security-
clearances-2500242822.html
• 化粧品大手タルト・コズメティクス(Tarte Cosmetics)の2つのデータベ
ースからおよそ 200 万件の顧客データが漏洩していることがセキュリティ
会社によって明らかになった。クロムテク・セキュリティ・センター
(Kromtech Security Center)によると、データベースは誰でもアクセス
ができ、顧客名、住所、メールアドレス、クレジットカードの最後の4桁
の情報が閲覧できるという。情報が漏洩しているのは、2008 年〜2017 年ま
でに同社のサイトで商品を購入した顧客の分。データベースにはさらに、
ランサムウェア・グループ「CRU3LTY」が仕掛けたフォルダーも残されてい
たという。タルトは、データベースにオープンソースのモンゴ DB を採用し
ている。
【10月 24日 GIZMODE】
https://gizmodo.com/cosmetics-brand-tarte-exposed-personal-
information-abou-1819723431
• シメトリア(Cymmetria)は、ハッカーの攻撃に対して逆に攻撃を仕掛ける
“ハッキング・バック”ツール「メイズハンター(MazeHunter)」を市場
へ投入した。これは、ハッカーが侵入すると、そのネットワーク内でハッ
カーの動きをリアルタイムで追跡し、感染した機器からハッカーのツール
を奪う仕組みだ。もともと、同社の顧客だった通信事業者大手と金融機関
から依頼を受けたのが開発のきっかけとなったという。
一部では、たとえ相手がハッカーだとしても、システムを攻撃するのは違
法だとの声も上がっている。それに対して、シメトリアは、攻撃対象があ
くまで自身のネットワークで感染している機器にとどまっているとして、
正当性を主張している。
【10月 24日 DarkREADING】
https://www.darkreading.com/attacks-breaches/new-tool-debuts-for-
hacking-back-at-hackers-in-your-network/d/d-id/1330121?_mc=KJH-
Twitter-2017-10
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8.政府・市場動向(通信市場、規制など)
世界の ICT(information and communication technology)支出額が 2016 年の
4.3兆ドルから 2021年には 5.6兆ドルに増加する見通しだ
【10月 22日 ZDNet】
http://www.zdnet.com/article/ai-robotics-iot-augmented-and-virtual-
reality-to-bolster-ict-spending/
• 欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は、グーグルやフェイスブックに代
表される米インターネット・サービス大手らへの課税強化策の草案を 2018
年に提案する方針を明示した。同強化策は、昨年 12 月に EU 委員によって
提出されていた。これに対して、EU に加盟している小国からはすでに反対
の声があがっている。米企業への規制を厳しくすることによって、それら
小国に対する米企業の進出が抑制される可能性があるからだ。例えば、ア
イルランドでは、アップルやフェイスブック、グーグルが税金が安いこと
から同国で事業を拡大している。
【9月 29日 PHYS ORG】
https://phys.org/news/2017-09-eu-google-facebook-tax-juncker.html
• サムスン(Samsung)は、次世代無線通信規格「5G」を接続車向けに応用す
る実験をベライゾンと米国内で展開していく。米国内では、複数ベンダー
による末端間 5G 接続車実験をミシガン州アナーバーで最初に成功させた。
同試験では、4G と 5G の併用を試験した。また、同試験では、シスコ・シス
テムズも通信関連機器の開発で協力している。
サムスンは今後、ダラスとデンバー、ヒューストン、マイアミ、サクラメ
ント、シアトル、ワシントン DCで行っていく。
【10月 15 日 auto connected car news】
https://www.autoconnectedcar.com/2017/10/samsung-5g-test-outdoors-
in-seoul-with-verizon-in-ann-arbor-dallas-denver-houston-miami-
sacramento-seattle-dc/
• カナダの人工知能(AI)開発業界は現在、ライダー技術の開発に注力して
いることから、近い将来にカナダが自動運転車技術革新の拠点になる可能
性もあるとみられている。
たとえば、その中でもケベック市にある国立光研究所(National Optics
Institute)からスピンオフしたレダーテック(LeddarTech)が注目を集め
ている。同社は個体素子(solid-state)を使った距離の計測機器「LiDER
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(Light Detection and Ranging)」を開発している。同社の技術はすでに、
デルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive)やフィアット・クラ
イスラー(Fiat Chrysler)から注目を集めている。
【10月 23日 Automotive News】
http://www.autonews.com/article/20171023/COPY01/310239943/canada-a-
leader-in-ai-is-now-taking-aim-at-autonomous-vehicles
• 連邦政府機関がデータセンターに投入する費用は、2015 年の 55 億ドルから
2020年には 58億ドルに増加する見通しだ。IDCが報告した。
現在、米連邦政府は、データセンターの効率化に向けてその数を減らして
いる。しかし、その一方で各データセンターの規模が拡大することになり、
結局支出が増大することになる。IDC によると、支出の中でもとくに突出す
るのが施設の管理コストだという。その支出額は 2020 年までに年平均
2.8%で増加していく見通しだ。
これに対して、ソフトウェアの支出は同比 2.2%増、ハードウェアが同比
1.3%増になる見通し。電力については同比1%増に留まる見通し。その一
方で、人件費はデータセンターの支出の中でも最も大きな部分を占めてい
るが、向こう5年で年率 0.6%程度の伸びに留まる。
【10月 26日 Nextgov】
http://www.nextgov.com/cloud-computing/2017/10/federal-data-center-
spending-climbing-despite-reduction-efforts/142083/?oref=ng-
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