平成平成平成平成23年度年度年度年度
三重県臨床検査精度管理調査報告会三重県臨床検査精度管理調査報告会三重県臨床検査精度管理調査報告会三重県臨床検査精度管理調査報告会
Matsusaka City Hospital
松阪市民病院 中央検査室家戸美帆
2011.12.11 in 県立総合文化センター 多目的ホール
心電図検査心電図検査心電図検査心電図検査
問題の意図と正解率 問題1
感度:10.00mm/mV 紙送り速度:25.0mm/s
①洞房ブロック 10/43施設(23%)
②伝導されなかった上室性期外収縮②伝導されなかった上室性期外収縮②伝導されなかった上室性期外収縮②伝導されなかった上室性期外収縮 30/43施設(70%)
③Ⅱ度房室ブロック(Wenckebach型) 0/43施設
④Ⅱ度房室ブロック(MobitzⅡ型) 0/43施設
⑤Ⅲ度房室ブロック 0/43施設
⑥洞停止 3/43施設(7%)
洞房ブロック
洞結節の刺激生成は保たれているものの,洞結節から心房への刺激伝導(洞房伝導)が障害されている状態.
①P波を欠くRR間隔の延長②延長したPP(RR)間隔は,先行PP(RR)間隔の整数倍
洞停止
洞結節の刺激発生が一時的に欠如した状態で,3秒以上の休止期をもつものを指すことが多い.
①P波を欠く3秒以上のRR間隔の延長②洞停止時のPP(RR)間隔は先行PP(RR)間隔の整数倍にならないことが多い.
問題1解説
伝導されなかった
非常に早期に上室性期外収縮のP波が出現し,直前の正常QRSの強い不応期が残っているとき,上室性期外収縮は房室接合部あるいはヒス束を通過することができず,心室への興奮が出現しないもの.
上室性期外収縮
問題1解説
≪鑑別点≫
問題5
感度:10.00mm/mV 紙送り速度:25.0mm/s
①急性心筋梗塞(左冠動脈前下行枝病変)①急性心筋梗塞(左冠動脈前下行枝病変)①急性心筋梗塞(左冠動脈前下行枝病変)①急性心筋梗塞(左冠動脈前下行枝病変) 18/43施設(42%)
②急性心筋梗塞(右冠動脈病変) 0/43施設
③急性心筋梗塞(左冠動脈主幹部病変) 25/43施設(58%)
④高K血症 0/43施設
⑤早期再分極 0/43施設
問題5解説
≪心電図所見≫
①Ⅰ,aVL,V1~V6でST上昇
②Ⅱ,Ⅲ,aVFでST低下
③V2~V5でT波増高
④V1~V3でR波減高
問題5解説
≪心筋梗塞の部位診断≫ △:ときにみられる *:鏡像変化
心臓カテーテル検査にて心臓カテーテル検査にて心臓カテーテル検査にて心臓カテーテル検査にて左冠動脈前下行枝病変と診断左冠動脈前下行枝病変と診断左冠動脈前下行枝病変と診断左冠動脈前下行枝病変と診断
急性心筋梗塞(左冠動脈主幹部病変)の心電図
1)左軸偏位
2)QTc間隔の延長
3)QRS幅の延長
4)aVR誘導でのST上昇
5)胸部誘導での広範なST上昇
6)新たに出現した異常Q波
*左冠動脈主幹部(以下LMT)梗塞の心電図学的特徴についての詳細な報告は未だ少ない.
「aVR誘導での誘導での誘導での誘導でのST上昇上昇上昇上昇」は感度80%,特異度92%との報告がある.
「aVRののののST上昇に加え上昇に加え上昇に加え上昇に加え,顕著な異常電気軸偏位や広範な前胸部誘導でのST上昇,さらにQRS幅やQTc間隔の著しい延長の存在は強くLMT梗塞を示唆するものである.」との報告がある.
急性心筋梗塞(左冠動脈主幹部病変)の心電図
Circulation Journal 2006;70:525-529
①①①① ②②②②
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