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笠井賢紀(かさい よしのり)
龍谷大学 社会学部 コミュニティマネジメント学科 専任講師
1983 年 5 月 17 日、千葉県千葉市生まれ。
30 歳、 A 型。
専門は質的調査法とまちおこし論。
講師の自己紹介
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魅 力 的 な 人 物 紹 介 の た め に
(自分・他者)
魅力的: 気になる、興味がわく、もっと知りたくなる
魅力的な自己紹介ができると 「知ってもらいたいと思える自分」を知ってもらえる(隠さなくて大丈
夫) いろいろな人に「この人と親しくしたい」と思ってもらえる
魅力的な他者紹介ができると ほかの人の良いところを見つけられる・伝えられる ほかの人に信頼してもらえる
今日の内容
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名前は 笠井 賢紀 生まれは千葉県、育ちは北海道、 20 代はずっと神奈川県 小さい頃から 歌、絵、字、運動 はどれも苦手…。中高は生徒会長に。 大学に入って初めて海外に(中国、韓国、台湾、フィリピン、インドネシ
ア、タイ、インド、ネパール、アメリカ、メキシコ、スペイン) フィリピンのスラムで暮らす人たちの人生史を研究 滋賀県の複数の地域でまちおこしにかかわる
講師の自己紹介 その2
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「紹介」はひとりではできない
紹介する人 と 紹介を聞く人 が必要
紹介をする人が伝えたいことは? これだけでは魅力的にならない➡
紹介を聞く人が知りたいことは? これだけだと「自分」が伝わらな➡
い 紹介をする人と聞く人との関係・立場は?
「自分」を「友だちの友だち」に紹介するとき 「自分」を「好きな人」に紹介するとき 「恋人」を「お父さん」に紹介するとき
人物紹介のポイント
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「自己紹介」ではなく、ほかの人に自分を紹介してもらおう そして、ほかの人を自分が紹介してあげよう
ほかの人を魅力的に紹介するためには プロフィールを確認:名前、年齢、誕生日、血液型、…(全部必要?) 聞き手が知りたいことを確認(今回:聞き手=同じ高校の友だち) 「もっと知りたい」と思わせるような深みを持たせる
登場人物は 3 者 紹介する人 紹介される人 紹介を聞く人
他己紹介?
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1. ふたり一組になろう• できるだけ、よく知らない相手を選ぼう(知っている相手だと難し
い!)
2. お互いを紹介するための情報を聞きだそう(合わせて 10 分)• 聞いたことは忘れないようにメモしておく
3. 4 人一組になろう• ふたりの組がふたつで 4 人一組
4. 他己紹介しよう(一人につき 2 分、合わせて 8 分)• Aさんが、Bさんのことを、CさんとDさんに紹介• CさんとDさんは、Bさんの魅力的な点をメモしよう
他己紹介の流れ
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• 洋楽とか洋画が好きだという話から話が広がった• 自分と同じ趣味
• 好きな歌手=自分と同じ
• 基本的なことを聞いているのに話し方が違う• ところどころに面白い要素が• EXILEのKEIJIを紹介するときに「きれいなむきむき」と表現
• 自分が知らない歌手のこととかを紹介してくれた
• 自分がしらないことを言ってくれるので、それに興味をもってみようと思えた• 和食好き
• 自分とは違うような感じの人がいるから考えが広がった• 酢がだめ!
• 質問はふつう(ありきたり)だったけれども、笑顔が素敵
魅力的な点は?
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語り 語りも一人では難しい 話の繋がり(物語性)を作る
個人(アイデンティティ)の重層性・可変性 人は、色んな顔をもっている 持っている顔は変わりうる
語りの一回性(一度きりであるということ) 「今」語りたいことと「明日」語りたいことは違う 「あなた」と語りたいことと「あの人」と語りたいこととは違う 同じ過去について語っていても、過去の描き方は毎回異なる
「語り」ということ
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気持ちよく語れるように 相手の話を興味を持って聞いているサイン(姿勢、視線、あいづち) 否定・批判しない(質問はOK) 取り調べのようにしない closed question と open question を混ぜる
表面的な話で終わらないために 「ノリ」で回収しようとしない 語彙を増やす 脱線をおそれない
ひとり語りにならないように 自分も話す、相手にも話してもらう
語るために
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1. 6 人一組をつくり、魅力を引き出したい人をひとり(★)選ぶ
2. ★以外の 5 人は「魅力を引き出すための糸口(質問)」を準備する(紙に書く)
• ★の人はどんな質問をされるかを予想する(紙に書く)
3. ★の人を「語り手」にして、魅力を引き出すような語りを展開する( 5分)
• ★以外の人の語りはやや控えめに• 質問の紙は見せなくて良いし、見なくて良い(ほかの質問もしてよい)
4. ★以外の 5 人は「引き出せた魅力」を模造紙に書いて整理( 5 分)• ★の人はどのような点が魅力と捉えられたか予想する(紙に書く)
5. ★以外の 5 人は、魅力をほかの人に伝えるストーリーを作る• 語られたことを全部使う必要はない• 語られていないことを使っても良い
6. 発表
人の魅力を語りで引きだそう
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ほかの人に語ることがある、ほかの人の語りを聞ける、ほかの人が聞いてくれる
聞いてもらいたい話がない、聞いてくれる人がいないこともある 人に自分を語りたくてしかたないときがある
人に自分を語れないようなときもある(それだっていいじゃないか) 物語がうまく紡げるときがある
そんなにまとめられないときもある(それだっていいじゃないか)
人の「キャラ」、「能力」、「容姿」だけで判断しない その人は、どんな物語の中に生きているのだろう
「本当の自分」は、どこにいるのだろう
語りに耳を傾けられる優しさと余裕、自分を語れる勇気
語れるということ
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語りについての研究 その人は、なぜそのような
語りをしたのか(しなかったのか)
人生に埋め込まれている(=反映されている)社会はどのようなものか
語りと生活 自分はどのように生きてき
たのか(人生をまとめるお手伝い)
自分では気がついていない、自分や社会の魅力とは(引き出すお手伝い)
魅力的な人物紹介をできることが、なんなのか
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正解がわからないこともたくさんある(だからこそ、楽しい)
自分で探すためには… 知識:本をたくさん読む、いろいろな人の話を聞く 技術:練習・実践をたくさん積む、いろいろな経験をする 態度:謙虚になる、興味関心を封じない、ほかの人に敬意を払う
正解を「知る」のではなく、自分で探す