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500 万ユーザーが遊ぶ大人気ゲームアプリを Google Cloud Platform で安定運用

群雄割拠、日々熾烈な競争が繰り広げられているスマホゲーム業界。この戦いを勝ちぬくためには、ゲームとしての楽しさはもちろん、快適にプレイできるネットワーク環境の構築も重要です。そこで今回は、Google Cloud Plat form が、スマホゲーム開発の現場でどのように活用・評価されているかを、『A3!(エースリー)』をはじめとしたヒット作で大きな注目を集めるリベル・エンタテインメントの皆さんに語っていただきました。

(利用している Google Cloud Platform サービス)Google Compute Engine、Google Cloud Storage、Google Cloud CDN、Google Stackdriver など

株式会社リベル・エンタテインメント

今回お話をお伺いしたのは、株式会社リベル・エンタテインメントが 2017 年にリリースしたスマホゲーム『A3!』開発チームの皆さん。『A3!』は、2017 年 1 月にリリースされ、わずか 1 年強で 500 万ダウンロードを達成したという大ヒットコンテンツです。昨年末に発表された G o o g l e P l a y「ベスト オブ 2 0 1 7」のゲーム アトラクティブ部門と、ユーザー投票部門 Top 5 ゲームの 2 部門で入賞を果たすなど、今、最も勢いのあるスマホゲームの 1 つと言えるでしょう。そんな『A3!』の企画がスタートしたのは、2015 年末のこと。翌年春からの開発スタートに向け、まずはクラウドプラットフォームの選定が行われました。ここで、なぜ G o o g l e C l o u d P la t fo r m(G C P)が選ばれたのでしょうか? その決め手は何だったのかを、インフラ構築・運用を担当した古田 重信さんと楡井

大輔さんに聞きました。「『A3!』の前にリリースした『アイ★チュウ』という作品でも、ネットワーク側の開発を担当したのですが、新作を作るにあたり、よりインフラのコストを下げたいという要望がありました。とは言え、もちろんそれでお客さまにストレスを感じさせるようなことがあってはいけません。さらに将来的には海外展開もしやすいプラットフォームを……と絞り込んでいくと、これはもう G o o g l e 以外ないだろう、と。」(楡井さん)「それまで使っていた大手クラウドプラットフォームと比べ、GCP のコストはおよそ 6 割程度。当時はまだアジア地域に台湾リージョンができたばかりということもあり、国内ゲーム業界で G C P の有用性に気がついている企業は少なかったのですが、挑戦する価値はあると考えました。もちろん、我々としても初めての

コスト削減や海外展開など、 今後を見据えて Google Cloud Platform への移行を決断

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テレビゲームの老舗、株式会社セガ・エンタープライゼス(現・株式会社セガゲームス)にて、『ファンタシースター』『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』など、数々の著名作品に携わってきた林田 浩太郎氏が 2006 年に設立した開発会社。2015 年に配信開始した音楽ゲームアプリ『アイ★チュウ』のヒット後は、自社提供のスマホゲーム開発に特化し、2017 年にはイケメン役者育成ゲーム『A3!』、本格海戦ゲーム『蒼焔の艦隊』をリリースしている。現在の従業員数は約 70 名。男女比率はおよそ半々となっている。

株式会社リベル・エンタテインメント開発部 プログラム課 課長テクニカルディレクター磯貝 活伸氏

株式会社リベル・エンタテインメント開発部 企画課 課長ゲームプロデューサー/ディレクター久保寺 良一氏

株式会社アドバンスト・ネットインフラ構築・運用担当楡井 大輔氏

株式会社アドバンスト・ネットインフラ構築・運用担当古田 重信氏

・写真左から

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しかし、ゲームアプリの “本番” は、まさにここから。とりわけ『A 3!』のような注目作品では、初日のトラブルがもはやお約束のようになっています。作品によっては、初日にサーバーがダウンし、復帰に 1 週間以上かかるというケースも……。もちろん、『A 3!』もそうならないよう入念な準備をしていたのですが、初日に予想の 10 倍を超えるアクセスが殺到し、緊急メンテナンスを余儀なくされてしまいました。「とは言え、こうしたトラブルが起きても、GCE はインスタンスの立ち上げが速いので、素早い対応が可能でした。元々、横に拡げやすいシステムを作っておいたこともあり、状況に合わせて随時、サーバーを増強。緊急メンテナンスこそ避けられませんでしたが、最悪の事態(サーバーダウン)には至ることなく、初日を乗り越えることができたんですよ。その後、3 月に行った初の大規模なゲーム内イベントでも、その軽快さに助けられています。」(楡井さん)「G C P はインスタンスの立ち上げが速いだけでなく、いわゆる “暖気” が必要ないことも素晴らしい。他社のプラットフォームでは、立ち上げに数分~十数分かかる上、フルパフォーマンスを引き出せるようになるまでさらに待たされてしまうのですが、GCP なら 30 秒以内で起動し、しかも最初から全開で使える。この差はとても大きいですよ。さらに、データのバックアップ速度が群を抜いて速いことも、限られた時間内に作業を終わらせる助けになってくれました。他のプラットフォームでは最大 1 日はかかると言われたデータ量を、GCP ならわずか 15 分でコピーしてしまえるんです。実は、初日の緊急メンテナンスは、直後にインターネットの生放送特番を予定していたため、絶対に遅延が許されなかったのですが(笑)、このおかげで、ずいぶんと余裕をもって作業を完了することができました。」(古田さん)以降、ゲーム内イベントなどの盛り上がりに応じて、頻繁にトラフィックの爆発的急増が発生するものの、G C E 上に構築した『A3!』のネットワークはこれに見事に対応。「一時的にでもゲームが進められなくなるような大きなトラブルや、メンテナンスの延長

などもほとんど起きていません。」(久保寺さん)この 1 月に、無事、一周年を迎え、2 月には中国進出に向けたクローズド β テストもスタートした『A3!』。今後は、GCP の売りとなっている最新のマネージドサービスも駆使して、更なるサービス品質向上を図っていきたいとのことです。「今、気になっているのは、C l o u d S p a n n e r。喫緊の問題ではないのですが、将来的なユーザー数拡大を考えると、データベースにはもう少し余裕を持たせたい。その際、これが役立つのではないかと期待しています。あとは B i g Q u e r y ですね。サービス開始から 1 年が経過し、膨大なログデータが溜まりましたから、これを BigQuer y で解析して、今後のサービス向上に役立てたいと考えています。」(楡井さん)「そしていずれはそうしたデータを機械学習にかけて、ユーザー動向の把握に活用していきたいですね。お客さまが離脱する兆候を AI が教えてくれるようになると助かります……と、考えていくと、やっぱり G C P には大きな優位性があると感じます。『A 3 !』に限らず、今後の作品でも、これを使わない理由はないと話しているんですよ。」(久保寺さん)

環境ですから、ハンズオンや質問状のやり取りなどをしっかり行い、満を持して春から開発をスタートしています。」(古田さん)なお、『A3!』は、基本的には Google Compute Engine(GCE) 上で独自に開発。当時はまだ、Google のマネージドサービスの多くが β 版だったため、必要なものは自分たちで開発するという姿勢で臨んだそうです。ただし、ゲームの安定運用に必要となる負荷分散の工夫については、Google Stackdriver などが大いに役立ったとのこと。また、Web サイトの運用には Google Cloud CDN を活用しています。さらに、『A 3 !』の開発では、クライアント側の開発においても、GCP の大きな貢献があったと、本作でメインプログラマを務めた磯貝 活伸さんは言います。「『アイ★チュウ』を開発した時は、まずネットワーク側のプロトタイプができてから、通信周りを作り込み始めていたのですが、

それだとやはり開発スケジュールが後半に逼迫してしまうんですね。そこで今回は、クライアント側も GCP を使って、仮のネットワーク環境を構築。インフラ構築と並行してクライアント側の制作をスタートさせています。 G C P を触るのは初めてだったのですが、U I が分かりやすいなど、機能が使いやすく整理されていたので惑うことなく作業を進めることができました。もちろん、プロトタイプ完成後の通信のつなぎ込みも、問題なくスムーズに完了しています。」(磯貝さん)結果、初めての G C P 利用にもかかわらず、『A 3 !』は予定通り、2 0 17 年 1 月のリリースを実現。本作プロデューサーのひとり久保寺 良一さんも、「この規模のプロジェクトを、約 9 か月という短期間で完成させたのは、業界の水準からみても、かなりの開発スピードだったのではないでしょうか。」と胸を張ります。

高速立ち上げ・暖気不要の GCE で “不慮の事態” を乗り越える

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Google Cloud Platform を活用することで、ビジネスの将来に注力できるようになります。インフラストラクチャの管理やサーバーのプロビジョニング、ネットワークの構成などに起因する負担を軽減することができます。つまり、イノベーターもプログラマーも、自分の本来の仕事に集中することができます。


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