•出産を終え退院すると、ご両親は赤ちゃんと向き合う生活が始まります。そこで、入院中には感じなかった、生活の中での不安を感じるようになることがあります。
•湿疹、鼻ずまり、母乳(体重の増え方)にかかわることは“健診での心配事ベスト10”に入ります。
•多くのご両親が不安に感じることを、退院後に自ら対応できるような準備、心構えが大切になります。
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本日の目標
退院してから1か月健診までに多くのご両親が心配することをあらかじめ伝える。
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1ヵ月健診で多い質問
•鼻づまり
•便秘
•ぜろぜろ
•湿疹
•寝ない
•いきむ
•臍肉芽
•出べそ4
•目ヤニ
•吐乳、溢乳
•げっぷ
•しゃっくり
•黄疸
•授乳足りてる?
皮脂欠乏性湿疹
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•やわらかな赤ちゃんの肌には、「弱酸性」「低刺激」「無香料」「無着色」と表示された低刺激性のシャンプーを選んで洗ってあげましょう。
•液体・泡状のシャンプーが適しています。固形の石けんは、どうしても石けんカスが残りがちです。洗った後にしっかりすすぐこともポイントです。
•入浴直後は、角質に水分が充分含まれているので、すぐに保湿剤を塗ることも大切です。
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7http://www.happy-note.com/doctor/010-030.html
•赤ちゃんの頭と体を洗うとき、お湯をかけるのが心配
……というお父さん・お母さんが意外と多いです。でも、怖がることはありません。羊水の中で泳いでいた赤ちゃんですから、頭からお湯をかけても大丈夫。赤ちゃんだって顔に水がかかると目をつぶりますし、耳に水が入っても自然と出ていきます。
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脂漏性湿疹
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•油脂分とフケがいっしょになって固まり、うろこのような黄色い痂疲(かさぶた)になる。•頭皮、ひたいやまゆ毛、鼻のまわり、あごにもできる。•適切なケアを行うことで、生後3ヵ月過ぎには皮脂分泌の低下とともに軽快する。
洗い方の注意点
•黄色い厚い痂疲に、オリーブオイル(ベビーオイル)を塗り、30分以上おいてふやかしてから、よく泡立てたせっけんをつけた手で、爪をたてずにやさしく洗う。
•一度に全部の痂疲を取り除こうとせず、無理なくとれる分だけ毎日少しずつうすくしていくように洗う。
•すすぎ:ぬるま湯に浸してゆるく搾った軟らかいガーゼで、何回もそっと押しぶきする。石鹸が残らないように注意する。
•拭く:軟らかい綿のタオルでそっと水分を吸い取るように押しぶき。
•頭も乾いたタオルで髪の水気を吸い取るように何度も押さえて拭き取る。
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鼻ずまり ぜろぜろ音がする
• 鼻が鳴る、奥の方に見えるけど取れない・・・
・鼻の通り道が狭いので良く鳴ります。
・赤ちゃんは哺乳中は鼻呼吸しています。ほんとに詰まると、哺乳できなくなります。吸いつきが良くて飲めていれば大丈夫です。
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目やに・結膜下出血
•多くは鼻涙管の狭窄
•朝は目があかないほど目やにがでることも。
•基本は目頭のマッサージ。
•プラス:点眼
12http://e-appu.jp/childcare/i4_5.html
血液がうっ滞して血がにじみだしたため白目に出血したもの。自然に吸収されます。視力には影響なし
吐乳・溢乳・げっぷ・しゃっくり
•赤ちゃんの胃袋は大なり小なりねじれている(ひょうたんのよう)。口側の袋からは逆流しやすい。授乳後は立て抱きを長く(目安30分:母親はリクライニングでもたれて、児が腹ばいになるように抱くと楽)。
•げっぷをしようとして肩まで持ち上げるときに吐くことも少なくない。授乳後、すぐに上のように抱っこするだけでもげっぷはでる。
•しゃっくりが続くようなら、授乳するとよい13
いきむ
•新生児、とくに最初の2-3週間は、腸が動くとしばしばいきむもの。適切に排便するのを覚えるのに2-3ヵ月要することもある。
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・お腹のマッサージ・綿棒こより
ねない・昼夜逆転
•わたしたちは1日が24時間ということを意識せず生活していますが、赤ちゃんが1日が24時間であるとわかるようになるのは、生後3・4カ月の頃です。
•生後3・4カ月頃になると自然のリズム(光と闇)や周囲の人の刺激に影響されるようになります。
•このころまでは、昼でも赤ちゃんが寝ているときに一緒に休むのがよい(赤ちゃんのリズムに母親が合わせる)
赤ちゃんが泣く
•ほとんどの赤ちゃんは生まれて数ヵ月間は抱っこしていないと泣く。
•ずっとお母さんのお腹の中でゆらゆらしてきたのだから・・・・。
•生まれて1-2ヵ月の赤ちゃんをベッドに置くと泣くのは普通のこと。
黄疸
• 小児科医から黄疸の数値があがったので光線療法をはじめます・・・。
17ほとんどの場合1-2日で軽快します。(黄色みはしばらく残ります)
分娩施設を退院するまでにできるようになってほしいこと
1. 児がおっぱいを欲しがっているサインに応える
2. 母親が自分に適した授乳姿勢で楽に授乳できる
3. いくつかの授乳姿勢を知っている
4. 苦痛になるほどの乳頭痛や乳房の張りすぎがない
5. 児が有効に吸着・吸啜でき、体重が増えだしている
6. 母親が自信を持ってひとりで授乳できる
7. 困ったときはどこに助けを求めるか知っている
おっぱいを欲しがっているサイン
泣き出してから飲ませますか????
・おっぱいを吸うように口を動かす
・吸うときのような音をたてる
・手を口に持ってくる
・素早く目を動かす
・クー とか ハ~ という様なやわらかい声を出す
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夜起きておっぱいを欲しがる
•夜起きて母乳を欲しがると、母乳不足ではないかと心配する。母乳は消化によいので、すぐにお腹がすく。
•このため、母乳で育つ児は人工乳で育つ児に比べて授乳間隔が短い。 それがヒトの児の自然な姿。
•夜2~3回起きておっぱいを欲しがるのは、ごく当たり前のこと。
•ちょっとした刺激ですぐに目を覚ますのは母乳育ちの赤ちゃんの特徴でもある(母乳で育つ児に乳幼児突然死症候群が少ない理由の1つ)
1か月検診で気になること・・・
⽪膚落屑 中毒疹
稗粒腫 いちご状⾎管腫
結膜下出⾎ 頭⾎腫
魔⻭ ⾆⼩帯短縮
副乳 副⽿
臍⾁芽 臍ヘルニア
支援を求める
産後1か月:
育児に専念できる環境が望ましい。
退院直後から1ヵ月の間は、最も育児不安が大きく、最も手助けが必要な時期。
みんなで協力することが大切
退院~生後1ヵ月間に知っておいてほしいTake Home Message
• 赤ちゃんの鼻づまり:(冬場は感染対策・乾燥対策)
• スキンケア• 母乳育ち:1日の授乳回数は10-12回くらい• 夜も2-3回授乳するのが一般的• 赤ちゃんはおけば泣くもの• 昼と夜は関係ない• 支援を求める