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Page 1: AI - 農研機構...AI を活用した呼吸器病・消化器病・周産期疾病の早期発見技術の開発 体表温センサによる子牛の呼吸器病の早期発見 ウェアラブルセンサと

お問い合わせ先 農研機構 動物衛生研究部門 企画連携室〒305-0856 茨城県つくば市観音台 3-1-5電話:029-838-7713 E-mail:[email protected]:http://www.naro.affrc.go.jp/niah-neo/index.html

AIを活用した呼吸器病・消化器病・周産期疾病の早期発見技術の開発革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)

畜産現場において呼吸器病、消化器病および周産期疾病による経済的損失が大きな問題となっています。このような家畜の病気を防ぐためにはその徴候を早期に発見することが重要です。動物衛生研究部門では、家畜の健康状態を示す様々なバイタルサイン(生体情報)をウェアラブルセンサによって個体ごとに「見える化」し、人工知能(AI)を活用して自動的に検知・判断することで、異常を早期に発見して死廃事故や経済損失を回避する技術の開発に取り組んでいます。

量産化技術品質・安全性評価製品化に向けた改良音声識別手法の開発 脈波センサ

音声センサ体表温センサ

ルーメンセンサ

深部体温補正装着・留置法の改良自律神経系機能評価手法の開発群飼への適用性

周産期疾病鈍性発情、排卵障害生殖機能回復遅延、難産、起立不能、自律神経系機能異常

消化器病鼓脹症

ルーメンアシドーシス低カルシウム血症食滞、第四胃変位

牛呼吸器病ウイルス性肺炎細菌性肺炎

豚呼吸器病PRRS

マイコプラズマ肺炎混合感染

早期発見早期治療

センサとセンシング技術の開発

疾病の早期発見技術の開発

クラウドシステムの構築と統合的な解析手法の開発

活動量センサ

教師データの収集/疾病判定基準の作成現地実証試験

家畜疾病による経済的損失の低減

ユーザーにわかりやすく提示

センシングデータベンチマーキングデータ飼養環境/診療情報

データの統合/ビッグデータの分析基盤疾病発見アルゴリズム

クラウド

AIによるデータ解析

AI(家畜疾病早期発見)コンソーシアム〔代表機関〕農研機構動物衛生研究部門〔共同研究機関〕農研機構畜産研究部門、産総研集積マイクロシステム研究

センター、道総研根釧農試、広島県総研畜産技術センター、酪農学園大、帯広畜産大、東大院新領域創成科学研究科・農学生命科学研究科、広島市大院、九大院工学研究院、宮崎大、全農飼料畜産中央研究所、共立製薬(株)、(株)ファームノート、(株)リバネス、凸版印刷(株)

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AIを活用した呼吸器病・消化器病・周産期疾病の早期発見技術の開発

体表温センサによる子牛の呼吸器病の早期発見

ウェアラブルセンサとAIを活用した牛の周産期疾病の早期発見

革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)

健康管理に重要な体温測定をセンサにより連続的に常時監視、発熱を早期に発見できる技術を開発

発熱検知アルゴリズムの確立体表温データを直腸温相当値へ補正(補正体表温)することにより、直腸温と同様の基準(赤線 :39.8℃以上)で発熱判定が可能

▶体表温センサのデータをインターネットのクラウド上にアップデートし、スマートフォンやタブレットなどで確認することができます▶現在、全国数箇所の農場で実証試験を実施中!!!

尾根部腹側にベルトを用いて装着

小型無線体表温センサ

(体表温)

(補正体表温)

赤点は直腸温(実測)

39.8℃発熱と判定

周産期(分娩の兆候が現れてから分娩後、生殖器が正常な状態に回復するまでの期間)の代表的な疾病として、難産、乳熱、胎盤停滞や産褥熱・乳房炎などの発熱性疾患、鈍性発情などがあります。このプロジェクトでは、体表温センサおよび活動量(首輪型加速度)センサを併用し、周産期疾病の早期発見技術の開発に取り組んでいます。

活動量(首輪型加速度)センサ

体表温センサ(尾根部)と活動量センサ(首輪型)を装着した牛

お問い合わせ先 農研機構 動物衛生研究部門 企画連携室〒305-0856 茨城県つくば市観音台 3-1-5電話:029-838-7713 E-mail:[email protected]:http://www.naro.affrc.go.jp/niah-neo/index.html

鈍性発情の早期発見技術の開発の取り組み

パドック/放牧 フリーストール 繋ぎ飼い

活動量センサのみ 発情検知率行動を制限する飼養環境では精度が低下

体表温センサ+活動量センサ

牛の鈍性発情を授精適期前の早期に発見可能

体表温センサのみ外気温の変化で精度が低下

発情検知率

体表温センサによる発情検知

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AIを活用した呼吸器病・消化器病・周産期疾病の早期発見技術の開発

ルーメンセンサによる牛の消化器病の早期発見

革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10(分)

ルーメン液温度の日内変動

6時 10時 14時 18時 22時 2時 6時

(℃)40

38

36

34

採食時の波形

ルーメン運動の測定波形

ルーメンセンサ

経口投与

首輪中継機 429MHz

429MHz

受信アンテナ

牛の胃内に留置したルーメンセンサから送信されるデータを、タブレットやPCで常時モニタリングして、牛の胃の調子をリアルタイムに把握できます。首輪中継機を介することで、送

信距離は60m程度になります。ルーメンセンサからの無線データの送信

ルーメンセンサによる牛のルーメン運動と胃液温度の測定

牛のルーメン(第一胃)アシドーシスや鼓脹症などのルーメン障害は、牛の生産性を大きく阻害する消化器疾病です。牛のルーメン機能を常時モニタリングすることができれば、効果的な疾病の早期発見・対策や食欲増進などの生産性向上が期待できます。我々は、牛のルーメン収縮運動やルー

メン液の温度を非侵襲的に検出できる経口投与型の無線ルーメンセンサシステムを開発しました。

音声センサによる豚の呼吸器病の早期発見

養豚農家・管理獣医師へ通知

豚では豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)・マイコプラズマ肺炎などの呼吸器病まん延による経済損失が大きな問題となっています。新たに音声センサを開発し、咳などの呼吸器病の兆候を早い段階でとらえることができるシステムを構築して、早期発見・早期治療による損耗低減を目指します。

呼吸器病の早期発見

・センサの開発・健康豚のデータ収集・実験感染豚のデータ収集(PRRS, マイコプラズマ肺炎など)

お問い合わせ先 農研機構 動物衛生研究部門 企画連携室〒305-0856 茨城県つくば市観音台 3-1-5電話:029-838-7713 E-mail:[email protected]:http://www.naro.affrc.go.jp/niah-neo/index.html

▶現場で実際に使用できる技術の開発に向けて研究を進めています。

音声センサ

異常な呼吸器症状の検出クラウドシステムへのデータ集積


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