特集 「The Creators」 レポート ~福岡・日本・アジアのコンテンツが集結~
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 10 月 8 日(土)・9日(日)の 2日間、福岡市役所西側ふれあい広場で「The Creators」が開催さ
れました。
The Creators は、福岡市で9月~10 月にかけて開催されるアジアとクリエイティブ関連事業の総
称「アジアンパーティ」の3大主要イベントのひとつであり、福岡のクリエイティブ関連産業の
振興と、「クリエイティブ・エンターテインメント都市」としての福岡の都市ブランディングを目
的としています。
今年は特に、福岡のクリエイターと他分野のコラボステージや、国際交流基金アジアセンターと
の連携による海外アーティスト招聘などの新しい要素を加えて、福岡・日本・アジアのコンテン
ツが一堂に会する2日間となりました。
イベント初日である8日(土)はあいにくの雨となり、一部プログラムは次の日へ延期となるな
どの影響がでましたが、翌日、9日(日)はうってかわって晴天となり、2日間で合計6万4千
人の方に来場いただきました。
それでは、そんなThe Creatorsの様子をレポートしていきます。
1.福岡のクリエイティブ企業によるステージ
【㈱しくみデザイン】
しくみデザイン社は、インタラクティブ(観客参加型・双方向)の分野で世界中から注目を集め
る福岡市の企業です。今回は、「VRC(VR×ラジコン)タイムアタックグランプリ」と称した観客
参加型のステージを制作いただきました。コースを走るラジコンに取り付けたカメラからリアル
タイムに送られてくる映像を見ながらステージ上で運転操作し、速さを競うタイムアタックゲー
ムです。順番待ちの人はセンサー付きカメラに向かってアクションをすると走行中のラジコンに
VR 上で攻撃可能であり、見ている皆様にも楽しめ、また、今後グローバル市場での拡大が見込ま
れる VR を来場者の方に身近に接していただける機会となりました。
また、しくみデザイン社には、この他にも新世代楽器「KAGURA」を披露いただきました。KAGURA
は、体の動きで音楽を奏でる新世代の楽器であり、米インテル社が主催するコンテストでグラン
プリを受賞した同社の作品です。国内外の多くのイベントでも引っ張りだこでパフォーマンスさ
●VRC タイムアタックグランプリのラジコンコースとステージの様子。子どもから大人まで多くの方に参加いただきました。
10 月 8 日(土) ~9日(日)
福岡市役所西側ふれあい広場
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れています。この日は、globe の名曲「wanna Be A Dreammaker」を KAGURA で演奏いただきまし
た。福岡市には、しくみデザイン社の他にも、福岡を拠点に世界で活躍しているクリエイティブ
関連企業がたくさんあります。この The Creators を通して、各社の取組みを、市民の方にも広く
知っていただけたらと思っています。
【㈱グッドラックスリー】
グッドラックスリー社は、ゲーム・映像・アプリなどを幅広く手掛ける福岡市の企業です。また
最近では、さらにその範囲を広げて、ショートドラマの制作にも取り組んでおられます。今回の
ステージでは、同社に所属する役者・三天屋多嘉雄氏による大衆演劇と、デジタル映像を融合し
た作品を披露いただきました。多くのクリエイターが作品制作には関わっており、異分野のコラ
ボによる新しい可能性を感じるステージでした。
【㈱ハッピープロジェクト】
ハッピープロジェクト社は、CG、アニメーションなどの映像制作を行っている福岡市の企業です。
ステージでは、同社のオリジナルアニメ「フルーティ侍」と、福岡に伝わる古武道「福岡黒田藩
傳 柳生新影流兵法 柳心會」のコラボステージを披露いただきました。ちなみに今回のコラボは、
ハッピープロジェクト社の田上社長が、柳生新影流の会員であり道場に通われていることから実
現しました。普段は接点がないようなアニメと古武道の両分野が、人を介してつながる、理想的
なコラボレーショーンの姿を見た感じがしました。
●KAGURA のパフォーマンス。この後にマークパンサー、小室哲哉のステージへと続くこともあり、
globe の曲が演奏された。
●大衆演劇とデジタル映像のコラボ。映像クリエイター、書道家、水墨画のアーティストも制作に関わった。
●フルーティ侍の映像をバックに、柳生新影流が演武。最後は、今回の作品制作の背景が語られた。
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2.福岡クリエイターズアワード
今年で4回目を迎える、福岡クリエイターズアワード。今年はテーマを「エンターテインメント
×テクノロジー」とし、映像作品や、映像と音楽・パフォーマンスなどの組み合わせによる作品
を広く募集し、3作品を表彰しました。
クリエイティブ・ラボ・フクオカ会長賞(市長賞)100万円 【株式会社 Zero-Ten】
グランプリにあたるクリエイティブ・ラボ・フクオカ会長賞(市長賞)を受賞したのは、福岡市
の映像会社「株式会社 Zero-Ten」です。当初は表彰式で映像と能楽師によるここでしか見られな
いコラボ作品を披露する予定だったものの、豪雨で翌日へ延期になった影響で、映像のみの紹介
となりましたが、福岡を代表する映像制作会社として、圧巻の映像で来場者を魅了していました。
審査員特別賞 30万円 【福岡スクールオブミュージック&ダンス専門学校】
準グランプリにあたる審査員特別賞を受賞したのは、福岡スクールオブミュージック&ダンス専
門学校による、映像とダンスのコラボ作品です。専門学校の授業過程の中に、この福岡クリエイ
ターズアワードへの募集を組み込んでいただき、早い段階から映像制作コースの学生とダンスコ
ースの学生が協力して作品を制作され、完成度の高い、ひきつけられるステージでした。
学生優秀賞 5万円 【九州大学 芸術工学部 佐藤 沙友里 】
今年から新設した学生優秀賞を受賞したのは、九州大学の佐藤さんです。福岡市は、若者率(人
口に占める 15~29 歳の割合)が政令指定都市で第1位の都市です。学生や若いクリエイターがこ
のアワードをステップに、国内外で活躍していただきたいと思っています。
●受賞者:株式会社 Zero-Ten 作品名:DLUM TAO~Bunkyo~踊る○太鼓
●受賞者:福岡スクールオブミュージック&ダンス専門学校 作品名:+City
●受賞者:九州大学 芸術工学部 佐藤 沙友里 作品名:ダイエットファイター!!
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3.ブース(福岡のクリエイティブ企業、協賛企業など)
福岡のクリエイティブ企業によるブース、体験型のブース、協賛企業によるブースなど、これま
で以上に多種多彩なブースを多く設置しました。幅広い年代に楽しんでいただけたとともに、福
岡のクリエイティブ企業のことにも興味を持っていただける機会になったと思います。
【annolab(あのらぼ)】
福岡市を拠点に、インタラクティブな映像制作など新しい体験や価値の創造に取り組んでいる
annolab。今回は、子供にも楽しめる、組み木のおもちゃ「KUMICA」で動物を創って遊べるブース
を出展いただきました。小さいころからこういう遊びに多く触れれば、クリエイティブなセンス
がきっと身についてくのでしょうね。
【株式会社ガンバリオン】
福岡市を代表するゲーム制作会社のひとつであるガンバリオン。家庭用ゲームソフトの紹介や、
スマホゲーム「ゴロンディア」の試遊体験会を実施いただきました。福岡にはたくさんのゲーム
制作会社がありますが、The Creators にブース出展いただくのは、今回のガンバリオン社が初め
てです。これからも、福岡のゲーム産業の振興に協力して取り組んでいければと思います。
【すまっぽん!(株式会社カムラック】
福岡市を拠点にホームページ作成やプログラムを開発している株式会社カムラック。同社が開発
したアプリ風ホームページ「すまっぽん!」の紹介を実施いただきました。すまっぽんは、すで
に多くのイベントや福岡のアイドル「LinQ」のメンバーが利用しています。今回の出展が、今後、
ますます多くの利用者が増えるきっかけになればと思います。
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【日本画家 絹谷香菜子 & 株式会社 Zero-Ten】
福岡在住の日本画家、絹谷香奈子氏の豹の水墨画に、福岡市の映像制作会社「株式会社 Zero-Ten」
のデジタル映像を投影し、豹が歩き出すように見えるデジタルアート作品「旅に出るものたち
-Leopard- by 絹谷香菜子&Zero-Ten」を展示いただきました。この作品は以前、福岡アジア美術
館でも展示されていましたが、今回、より多くの方に触れていただく機会として福岡市役所1階
に設置し、楽しんでいただけたと思います。
【モバイルプラネタリウム(天文ハウス TOMITA)】
福岡に拠点を持つ、天文ハウス TOMITA による、移動式プラネタリウムを展示いただきました。
プラネタリウム投影による星空解説やアニメーション上映会、平成 29 年にオープン予定の福岡市
科学館のパネル紹介を実施いただきました。2日間で 20 回以上の上映をいただき、毎回大人気の
ブースとなりました。
また、この他にも、エイベックス社による 360 度 3D シアター、韓国の企業によるロボットフィッ
シュ、協賛企業各社によるブース展示が行われました。
●360 度 3D シアター ●ロボットフィッシュ MIRO ●CARBON COFFEE(あそびシステム株式会社)
●ボートレース振興会 ●九州産業大学 ●博多ガン検査クリニック
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4.アジア・海外からのコンテンツ ~Neo Asian Pop Showcase~
The Creators は、アジアンパーティの主要事業のひとつであり、アジア・海外のプログラムも取
り入れています。今年は、国際交流基金アジアセンターの特別協力のもと、フィリピン(マニラ)、
アメリカ(ロサンゼルス)、日本(京都)から3組の DJ/アーティストを招聘し、パフォーマンス
を行いました。DJ/アーティスト選定は、日本を代表するネットレーベル「Maltine Records」、映
像・演出は渋谷のクリエイターシェアハウス「渋家(シブハウス)」のクリエイターが担当し、ア
ジア・海外・日本で共同制作したステージとなりました。
5.ライブステージ(アーティスト、DJ、クリエイター)
The Creators では、毎年有名アーティストによるライブステージを開催しています。今年は、小
室哲哉、マークパンサー、lol などが登場しました。特に、小室哲哉の登場時には、会場が歓声
で大盛り上がりとなり、globe などの名曲にあわせた DJ パフォーマンスで会場のみんなが魅了さ
れていました。
福岡に関係するアーティストも多く登場しました。福岡出身の西内まりやによる、新曲の PR や、
福岡を離れて東京でデビューした時のエピソードトークでは、このイベントで最も多くの来場者
におこしいただき、会場が超満員となりました。また、福岡を拠点に国内外で活躍するアイドル
「LinQ」と妖怪ウォッチ(福岡の「株式会社レベルファイブ」が制作)の映像のコラボステージ
が繰り広げられ、福岡のコンテンツのかけ合わせによるここでしか見られないステージとなりま
した。
●Moon Mask(フィリピン) ●Meishi Smile(アメリカ) ●TORIENA(日本)
●小室哲哉(DJ)ステージ ●マークパンサー(DJ) ●lol
●西内まりや ●福岡のアイドル「LinQ」×妖怪ウォッチ
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さらに、福岡のステージはまだまだ盛りだくさんです。福岡でのライブを中心に活動する、バリ
カタスタイルコーラスグループ「FREAK」や、福岡発民族系トランスバンド「HABANA」、昨年の福
岡クリエイターズアワードで審査員特別賞を受賞した「DJ iSOP」と福岡のファッションアイコン
「西本早希」のグラフィックのコラボなど、根強い人気を誇り福岡を代表する、アーティスト/DJ
がステージで躍動し、初めて観た観客をも魅了していました。
また、この他にも、協賛企業による、趣向を凝らしたステージが開催されました。
6.グランドフィナーレ(福岡第一高等学校 吹奏楽部 × DJ KO HAYASHI)
そして、この The Creators のフィナーレを飾ったのは、「福岡第一高等学校吹奏楽部」と福岡の
DJ「KO HAYASHI」のコラボステージです。吹奏楽×DJ という新しいコラボが、誰もが知っている
SEKAI NO OWARI の”Dragon Night”の演奏により実現し、会場は感動に包まれました。最後は、
アーティストや福岡市の髙島市長も登壇して、Daftpunk の世界的な名曲”One More Time”で盛
り上がり、クリエイティブなステージやブースで満載の今年の The Creators は、大盛況のうちに
終了となりました。
来年はさらにパワーアップした The Creators をお見せしたいと思いますので、お楽しみに!
●FREAK ●HABANA ●DJ iSOP×PLIG-IN×KYNE×西本早稀
●BOATRACE 振興会 ●㈱セドナエンタープライズ(脱毛ラボ) ●九州産業大学
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