エキサイティング!
数学クイズ
解答と解説
-京都大学数学作問サークルからの挑戦状-
全問正解者は6名でした!
すごーい!
Question 1(私立中学レベル)
2021は素数か。
素数とは、 1と自分自身以外に正の約数を持たない2以上の自然数のことを言います。ヒント
・はい ・いいえ ・どちらとも言えない選択肢
正解率 77%問 題
解答と解説
答え:いいえQuestion 1(私立中学レベル)
Question 2(有名中学入試レベル)1, 2, ・・・ , 2020 という番号が書かれている2020 個の電球がある。 はじめ電球はすべて消えているものとし、これらの電球に対して、次の操作を順番に行う。
[操作1] 1の倍数が書かれた電球のスイッチのON/OFFを切り替える [操作2] 3の倍数が書かれた電球のスイッチのON/OFFを切り替える [操作3] 5の倍数が書かれた電球のスイッチのON/OFFを切り替える ・ ・ ・ [操作1009] 2017の倍数が書かれた電球のスイッチのON/OFFを切り替える [操作1010] 2019の倍数が書かれた電球のスイッチのON/OFFを切り替える
これらの操作をすべて終えたとき、ついている電球の個数はいくつあるか。
有名中学入試の難化アレンジです。整数の性質に関する発想力を問います。ヒント
・75 ・552 ・1168選択肢
正解率 51%問 題
したがって,a1 + 1, a2 + 1, . . . , an + 1 はすべて奇数であるから, a1, a2, . . . , an はすべて偶数、 すなわちn は 「素因数2 の指数を除いて平方数」になる。 ここでn が2 で何回割り切れるか どうかはn の持つ奇数の約数の数に影響しないうえに、a が奇数の時はn は平方数を2 倍したものになり、a が偶数の時はn は平方数になるので、 重複なく数えるための工夫としてn を平方数または平方数を2 倍したものと考えるとよい。このとき であり である。
Question 2(有名中学入試レベル) 解答と解説
答え:75はじめすべての電球は消えているので、この操作によって番号n の電球がan 回スイッチが切り替えられたとするとanが奇数のとき 電球はついていて、an が偶数であるとき電球は消えている。 このことから, 番号n の電球がついているための条件はan が奇数である。操作1, 操作2,・・・, 操作1010 の中で, 番号n の電球が関与する 操作は操作d (ただしd は奇数で, d はn の約数) ですべてである. したがって電球のスイッチが切り替わる回数an は, 1 以上 2019 以下の奇数のうち, n を割り切るものの個数に等しいので,結局求めるべきn の条件は「n が正の奇数の約数を奇数個持つこと」である. 例えばn = 1 のときはn は約数として1 のみを持つのでn = 1のときはこの条件を満たす. そこでn ≧ 2 として考えると、
と素因数分解されたとする(ただしa は非負整数,a1, a2, . . . , anは正の整数, p1, . . . , pn は異なる奇素数). このときn の奇数の 正の約数の個数はまさしく であるから、これが奇数である。
2020 以下で最大の平方数は であり、2020/2 以下で最大の平方数は なので、1 から2020 までの整数の中で 平方数は から まで44 個あり、平方数を2 倍したものは から まで31 個ある。 したがって求める電球の数は
44 + 31 = 75 である。
Question 3(私立高校 難レベル)
の値を求めよ。
三角関数に関する深い知識および発想力が求められる問題です。エレガントな解法があります。ヒント
・1/2 ・1/√2 ・1選択肢
正解率 47%問 題
解答と解説
答え:1/2
であり、
であるから
である。
sinの倍角の公式から、
なので、
よって、
(補足: 三角関数は必ず-1 以上1 以下の値しか取らないこと
を覚えていれば, x = 2, 6, . . . , 86 に対してsin x◦ < 1 に気づけ
ます。これによってA < 1 が分かるので, A = 1 という選択肢
は実は簡単に除外できます。)
Question 3(私立高校 難レベル)
求める値をA とおく。A > 0 である。
Question 4(難関大レベル)
問題文で書かれた条件だけでは図形は1 つには定まりません。 もし「赤< 青や赤= 青の図は描けるけど赤> 青の図は絶対に描けない!」と思ったなら(2),(3) を 選択してください。また, 図をたくさん描いて実験することである程度答えの予想はできます。
ヒント
・赤 > 青 ・赤 < 青 ・赤 = 青選択肢
図のように、ある六角形について六本の対角線を引くことで赤・青・黄色の領域に分けている。 ここで、黄色い六角形は三組の対辺が互いに平行な凸六角形となっている。 図のような六角形であって, 赤い部分の面積と青い部分の面積について
正解率 32%
(1)赤 > 青, (2)赤 < 青, (3)赤 = 青
となるものは描けるか。 描けるものをすべて選べ。
問 題
解答と解説 1/2Question 4(難関大レベル)
答え:赤 > 青 と 赤 = 青
一方、青い領域の面積は で表すことができる。
ここでS > 0 であることに注意。
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図のように、各頂点に名前をつけることにする。このとき、赤い三角形は全て相似であることを示す。 例えば△ABH と△IBC については、対頂角より∠ABH =∠IBC であり、IC とAH が平行であることから、 錯覚が等しくなるため∠HAB = ∠CIB となる。 よって対応する2 つの角がそれぞれ等しくなるため、△ABH と△IBC は互いに相似である。 他の赤い三角形についても、同じようにして隣り合う三角形が相似であることが示せるため、 6 つの赤い三角形は全て相似であることがわかる。 ここで、AH = pb, BH = pa, AB = pc という長さで書けるものとする。 6 つの三角形の相似比を
と定義する。また、三辺の長さがa, b, c であるような三角形の面積をS とする。このとき、三角形ABH の面積はp2S となっている。 また、AB = pc, BI = qc であるため、△ABH と△HBIの面積比はp : q となっている。よって△HBI の面積はpqS となっている。 同様にして、それぞれの青い三角形について面積を求めることができる。 結局、赤い領域の面積は となり、
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Question 4(難関大レベル)
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このとき、相加相乗平均の不等式より
となっているため、これを全て足し合わせると となり、 2 で割ってS を掛けると となるため、結局赤い領域の面積≧ 青い領域の面積が導かれる。 また、等号成立条件はp = q = r = s = t = u のときであり、 これは「赤い三角形6 つがすべて合同である」場合に対応する(たとえば六角形GHIJKL を正六角形にすればよい)。 よって(2) の場合というのは決して起こらない。以上より選ぶべき選択肢は(1),(3) である。
選択肢をすべて選ばせるという形式が最もこの問題を自然に問うことができるため, 三択の選択肢から適するものをすべて選ばせるという形式にせざるを得ませんでした。 実質選び方は7 択ありうるのですが, (3) 赤= 青は「正六角形の場合」という最もシンプルな場合を考えることで容易に選択できると思います。 ですから, (3) 以外の選び方の部分で四択になります。ここからはやや直感的ですが, ある程度六角形の形が極端な場合(黄色の六角形を極限的に四角形に近づける変形) を考えると赤> 青も可能だと思えます。 なので(1) は選択できる可能性が高いです。 残した(2) がどうなるかについては直感では処理できないと思うので, (1)(2)(3) と(1)(3) で迷うと思われます。
解答と解説 2/2
Question 5(難関大レベル)
まず「444 の444 乗の444 乗」と「444 の444 の444 乗乗」は異なるものです。 前者は であり, 後者は だからです。計算の際は合同式を使うと便利です。 フェルマーの小定理は合同式で表現するとn^{p-1}≡1 (mod p) ということになります。
ヒント
・4 ・8 ・44選択肢
「444 の444 の444 の444 の444 の444 の444 の444 の444 の444 乗乗乗乗乗乗乗乗乗」 を47 で割ったあまりを求めよ。 ただし、素数p とp の倍数ではない整数n に対して がp の倍数であること(フェルマーの小定理)は用いてよい。
正解率 30%問 題
答え:8Question 5(難関大レベル)
5. a - b のn で割ったあまりが等しいことをa ≡ b(mod n) と書く。
という444 のn 個現れる数をF(n) で表す。
このとき, F(n + 1) = 444^F(n) であり, 求めるものはF(10) の 47 で割ったあまりである。 であるからF(7) は 5 で割って1 余る偶数である。よってF(7) = 10a + 6 (a は整数) と書ける。フェルマーの小定理
によって, mod11 より
(フェルマーの小定理を使った部分が分かるように直前でFLT という文字を等号の上に乗せた) よってF(8) は11 で割って4 余る偶数であるからF(8) = 22b + 4 (b は整数) と表せる。 フェルマーの小定理 によって
よってF(9) は23 で割って9 余る偶数であるから 46c + 32 と表せる。
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解答と解説 1/2
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フェルマーの小定理 によって
Question 5(難関大レベル)
よってF(10) を47 で割ったあまりは8 である。
解答と解説 2/2