マルチユーザMIMOの基礎
新潟大学
西森 健太郎
第1章: はじめに
第2章: マルチユーザMIMO導入のための基礎
第3章: マルチユーザMIMO技術
第4章: マルチユーザMIMOの測定結果例と
今後の展開
第5章: おわりに
第1章: はじめに
背景
携帯電話(スマートフォン),無線LANの普及,WiMAXの登場.
→ 限られた周波数帯における加入者数増,高速伝送の実現.
商用システムの伝送速度の推移
0
2000
4000
6000
8000
10000
12000
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
西暦(年)
加入
者数
「人
」
1億人
携帯電話の加入者
0.1
1
10
100
1000
1995 2000 2005 2010 2015
> 100Mbps
標準化完成年度 (予定含む)
携帯電話
無線LAN
LTE
HSDPA
3G
11b
11a
11n
11ac
伝送
速度
[Mbp
s]
LTE-Advanced1人1台以上の所有
1
高速伝送のためのブレークスルー技術
第3世代移動通信: CDMA技術無線LAN,地上波ディジタル放送: OFDM技術 LTE, WiMAXへ
(Multiple Input Multiple Output) MIMO技術
100Mbps ( > 5bits/s/Hz) の壁を突破.
基地局
端末(ユーザ) 0.1
1
10
100
1000
1995 2000 2005 2010 2015
> 100Mbps
標準化完成年度 (予定含む)
携帯電話
無線LANLTE
HSDPA
3G
11b
11a
11n
11ac
伝送
速度
[Mbp
s]
LTE-Advanced
2
#1
#2
#NT
#1
#2
#NR
伝搬チャネル
送信用アレーアンテナ
受信用アレーアンテナ
送信信号
送信
側信
号処
理
MIMOシステムの定義
受信
側信
号処
理
S/P* P/S** 受信信号
複数のアンテナを送信・受信側に有し,送受の信号処理技術により無線区間の伝送速度を高める技術.
S/P : Serial to parallel transformation, P/S : Parallel to serial transformation
3
MIMOが持っている2つの側面
SD (Spatial Diversity)
SDM (Space Division Multiplexing)
送受信ダイバーシチの効果により安定した伝送品質を得る.
空間分割多重の効果により,伝送速度を高める.
多くの情報伝送
限られた周波数帯域で
高い信頼性を確保
本ワークショップの対象
4
11, tf
11, tf11, tf
ユーザ #1ユーザ #2
ユーザ #3
マルチユーザMIMO (MU-MIMO) の概念
SDMA : Space Division Multiple Access
基地局の異なる指向性を用い,複数のユーザが同時に通信.
基地局
基地局 vs. 複数ユーザのアンテナをMIMOチャネルとして考えると,
SDMA=マルチユーザMIMO
::
1
1
tf 周波数
時間
• 簡易端末(少ない素子数)によるMIMO伝送が実現可能.• LTE/LTE-Advanced (3.9/4G 携帯電話システム),IEEE802.11ac(次世代無線LAN) などで検討.
5
シングルユーザMIMO (SU-MIMO)の課題
基地局(受信)
ユーザ(送信)
受信側信号分離技術
送信側指向性制御技術(性能向上, オプション)
基地局(送信)
ユーザ(受信)
1s2s
1s2s
上り回線 (ユーザ→基地局) 下り回線(基地局→ユーザ)
2章で解説
6
マルチユーザMIMO (MU-MIMO)の課題
上り回線 (ユーザ→基地局) 下り回線(基地局→ユーザ)
基地局(受信)
ユーザ#1(送信)
受信側信号分離技術(SU-MIMOと同じ)
MU-MIMO用
指向性制御技術(ユーザ間の干渉回避)
基地局(送信)
ユーザ#1(受信)
)1(1s )1(
2s
ユーザ#2(送信)
)2(1s
)2(2s
)1(1s
)1(2s
)2(1s
)2(2s
ユーザ#2(受信)
ユーザ選択法
3章で解説
7
本ワークショップの構成
第1章 はじめに
第2章 マルチユーザMIMO導入のための基礎
第3章 マルチユーザMIMO技術
第4章 マルチユーザMIMOの評価例と今後の展開
第5章 おわりに
午前
午後
8
第1章: はじめに
第2章: マルチユーザMIMO導入のための基礎
第3章: マルチユーザMIMO技術
第4章: マルチユーザMIMOの測定結果例と
今後の展開
第5章: おわりに
第2章: マルチユーザMIMO導入のための基礎
2.1 SISOにおける信号および伝搬モデル2.2 MIMOにおける信号および伝搬モデル2.3 伝搬チャネルの推定方法2.4 チャネル容量とその解釈2.5 受信側信号分離技術2.6 送信側指向性制御技術2.7 各種MIMO技術の基本特性
2.1 SISOにおける信号および伝搬モデル2.2 MIMOにおける信号および伝搬モデル
ワイヤレスシステム
ネットワーク
基地局
基地局 基地局
端末A
端末B
①
②
③
④
端末Aと端末Bが通話をすることを考えてみよう!
×周辺の建物による受信電力低下
アンテナと伝搬が重要
サービスエリア(by 回線設計)
(例) 携帯電話の
システム通信品質の劣化
干渉
回線設計におけるアンテナ・伝搬
送信機
アンテナ
伝搬路
アンテナ
受信機
アンテナと伝搬の特性が無線通信の特性を大きく決定する.【私の経験によると,各分野の研究者により,感覚がずいぶん異なる】• アンテナ屋 : 3 dB (例 : セクタアンテナのクロスオーバー点)• モデム屋 : 1 dB (例: BER vs. SNRでの理論からの劣化許容度)• 伝搬屋 : 10 dB (例: 伝搬損失式の許容マージン)
移動通信におけるマルチパス環境
電波の
・受信電力・到来方向・遅延時間は時間とともに変動
送受信の距離だけでは,その特性を推定するのが困難.
[文献] 菊間,アダプティブアンテナ技術,オーム社,2003.
11
本WSでの伝搬モデル:レイリーフェージング
移動通信における見通し外の伝搬環境はレイリーフェージングで模擬できる.
QI hjhh
2221
1211
hhhh
H: 各要素が独立したレイリーフェージング i. i. d. レイリーフェージング(independent and identically-distributed)
MIMOの場合
SISOの場合
実部,虚部が独立で,平均0,標準偏差sを持つ正規分布で表される分布.
(2x2 MIMOの場合)
12
-30-25-20-15-10-505
10
0 1 2 3 4 5相対
信号
電力
[dB
]
-30-25-20-15-10-505
10
0 1 2 3 4 5相対
信号
電力
[dB
]
-30-25-20-15-10-505
10
0 1 2 3 4 5相対
信号
電力
[dB
]
移動距離 [m]
2波
4波
8波
周波数:2GHz
携帯電話がつながらない
快適(あたり
まえ)
レイリーフェージング~特性例~ 13
伝搬変動のキーパラメータ
• 伝搬損失:送受信距離に比例した受信電力の低下
シャドーイング: 建物スケールでの変動(見通しあり/なし)
フェージング: マルチパスによる干渉(レイリー,仲上ライス)
自由空間伝搬損失 (1)
電球からの光のエネルギーを考える.
光源
一定面積で切り取った面を通る光量 = 明るさ
球の表面積 = 4d2
光のエネルギー密度は 4d2
に反比例する.
電波も光と同じように考えることができる.
d
自由空間伝搬損失 (2)
損失 1/LtG
送信側 受信側
tP rGアンテナ利得
アンテナ利得
距離 d
rP
rA実効面積
受信局の受信電力24 dAGPP rtt
r
送信電力[W]
受信電力[W]
自由空間伝搬損失 (3)
損失 1/LtG
送信側 受信側
tP rGアンテナ利得
アンテナ利得
距離 d
rP
rA実効面積
アンテナの実効面積
4
2r
rGA
送信電力[W]
受信電力[W]
24
d
GGPP rttr
[m]: 波長
自由空間伝搬損失 (4)
損失 1/LtG
送信側 受信側
tP rGアンテナ利得
アンテナ利得
距離 d
rP
rA実効面積
送信電力[W]
受信電力[W]
24
d
GGPP rttr
自由空間伝搬損失
24
dL
自由空間伝搬損失 (6)
損失 1/LtG
送信側 受信側
tP rGアンテナ利得
アンテナ利得
距離 d
rP
rA実効面積
送信電力[W]
受信電力[W]
LGGPP rtt
r 通常,dB (デシベル)で表現する.
rttr GLGPP 送信側 損失 受信側
一般の回線設計式 (1)
rAttr GLGPP
損失 1/LAtG
送信側 受信側
tP rGアンテナ利得
アンテナ利得
距離 d
rP送信電力[W]
受信電力[W]
)()(),( tLtLfdLL FScPA 伝搬損失 シャドーイング フェージング
時間により変動することに注意
伝搬損失のモデル
実験により様々なモデルが提案されている.
• 奥村ー秦式
• Walfisch-池上モデル
• 坂上式
• 市坪式
パラメータ
• 周波数,送受信間距離 (必須)
• アンテナ高,建物高,道路幅など
(モデルにより異なる)
伝搬損失モデル
dfd
dL
c
P
10
1010
2
10dB,
log10 [dB] 6.147log20log20
4log10
自由空間伝搬損失は以下の式で与えられる.
伝搬損失係数(移動通信環境では3~4の値になる)
係数 (送受信間距離 d = 0)
奥村カーブ
移動通信の場合,送受信間は見通し外であることが多い.
平均的な伝搬損失 >> 自由空間伝搬損失
過去の先人たちが,市街地,郊外地などさまざまな場所で実測データを取得,解析し,経験則に基づく,伝搬損失を算出.
奥村カーブ・ 伝搬損失の距離特性をグラフ化・ 周波数やアンテナ高などのパラメータ
変化に対する特性をグラフ化
奥村ほか,日本電信電話公社,研究実用化報告,vol.16, No.9,pp.1705—1746, 1967.
秦式
• 奥村カーブから数値で伝搬損失を得ることができるようにモデル化
• 市街地の場合,以下の式で与えることができる.
)(log82.13log16.2255.69),,(10/)log55.69.44()(
),,(log)(10 log)log55.69.44()(log82.13log16.2255.69
1010
10
10
10101010
mbcmbc
bb
mbcb
bmbcP
hahfhhfhh
hhfdhdhhahfL
fc : 周波数(150~500 MHz), d : 基地局-移動局間距離 (1~20km)hb:基地局アンテナ高 (30~200m) , hm:移動局アンテナ高 (1~10m)
)( mha :移動局アンテナに対する補正項
MHz) 400 (fc 97.4)]75.11([log2.3
MHz) 400 (fc 11)]54.1([log29.8)(
)8.0log56.1()7.0log1.1()(
210
210
1010
m
mm
cmcm
h
hha
fhfhaa) 中小都市
b) 大都市
Walfisch-池上モデル (1)• 2GHz以上での移動通信の実用化に伴う周波数の拡張
• 平均建物高や道路幅などの周辺環境をパラメータとして考慮
10/)20(),( drb khh
)2(log93
)(log10)(log102.8
1204log20)f(log1020)f,,,,,(
10
21010
10c10c
wkkLLhhw
ckwhhh
dabsh
orimr
frsb
)f,,,,,()(log),(10 c10 whhhdhhL rsbrbP
rbr
rb
rb
hhh
hhhh
for 1518
for 18 dk
d : Distance between Tx and Rx (20-5000m)fc : Frequency (800-- 2000 MHz for ) (800– 5000 MHz for )hb: 基地局のアンテナ高 (4– 50 m)hm : 移動局のアンテナ高 (1– 3 m)hr : 周囲の平均建物高w : 道路幅 [m]
: 道路角[degrees]
rb hh rb hh
urban MHz,2000ffor )1925/f(5.14
suburban MHz,2000ffor )1925/f(7.04 MHz2000ffor 8
cc
cc
c
fk
md, hhdhhm, dhhhh
, hh, h h
rbrb
rbrb
rb
rb
500 for /1000)(6.154500for )(8.054
MHz2000f for 54 MHz2000f for 71.4
c
c
ak
rbrbbsh hhh hL for 0 or , for hr)-hb(118log10
9055for 55114.0.04
5535for 35075.0.52 350for 354.010
L
ori
Walfisch-池上モデル (2)
マクロセル
中継局
フェムトセル
ピコセル
ネットワーク
ヘテロジーニアスネットワーク
ヘテロジーニアスネットワークやコグニティブ無線は,セル形態(アンテナ高,屋内外,サービスエリア)が混在する環境で,無線通信システムを実現する必要がある.
様々な環境間での伝搬損失特性を評価する必要が生じている.
【文献】丹野他,信学技報RCS2009-317,(2010.3).
市坪モデル
d : 送受信間距離 (200-3000m)fc : 周波数 (2 GHz帯)hb: 基地局アンテナ高 (3.5– 30 m)hm : 移動局アンテナ高 (1.5– 30 m)
/2.2)(f20log 14log4.8)f,,(
10/log851),(
)f,,(log),(10 dB /2.2)(f20log 14log4.8loglog851
c1010c
10
c10
c10101010
mbmb
mbmb
mbmb
mbmb
hhhhhhhh
hhdhhhhdhhL
• (比較的簡単なモデルで),コグニティブ無線やヘテロジーニアスネットワークにおいて,様々なセル形態における伝搬損失を評価
したい.
d : 基地局-移動局間距離 (100-1000m)fc : 周波数 (0.4-8GHz)hb: 基地局アンテナ高 (30-120m)
移動局アンテナ = 1.5 m で固定
)f,(log)(10
dB 50.2flog4.20log9.27loglog5.212.80
c10
c10101010
bb
bb
hdhhdhL
北尾モデル
• (比較的簡単なモデルで),広い範囲の周波数帯
(地デジ~IMT- Advanced)までの伝搬損失を評価したい.
2GHz
COST 231IchitsuboKitao
COST 231Ichitsubo
2GHz
アンテナ高が低い場合は取り扱いに注意が必要 ⇒ 測定による更なる検証が必要.
COST = 579m = 38.0ICHI = 590m = 36.8KITAO = 540m = 42.7
hBS=30m, hMS=2m hBS=4 m, hMS=2m
COST = 184m α = 47 ICHI = 300m α = 43.8
伝搬損失式の比較
)f,,,,,()(log),( c10 whhhdhhL rsbrb
Cost 231Ichitsubo ),(log),(
dB 14log4.8loglog851
10
101010
sbsb
sbsb
hhdhhhhdhhL
Antenna height hb [m]Antenna height hb [m]
hm=30m
hm=2mhm=2m
アンテナ高に対する伝搬損失係数の比較
建物の挿入損失を考慮した伝搬損失
Rec. ITU-R P, 1238-4
dB 28log20log10 1010 nLfddL fcd : 送受信間距離 (<100m)fc : 周波数 (2400-5200 MHz) :伝搬損失定数Lf : 床,天井,壁の通過による付加損失
屋内環境モデル
【文献】802.11無線LAN教科書,第11章
環境 集合住宅内 戸建て住宅内 オフィス内
周波数
[GHz]2.45 5.2 2.45 5.2 2.45 5.2
28 30 28 28 3.0 3.1
Lf [dB] 10 13 5 7 14 16
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 10040
50
60
70
80
90
100
110
Distance [m]
Path
loss
[dB
]
伝搬損失の比較 (5.2 GHz)
自由空間伝搬損失
屋内オフィス環境
回線設計の例
• 802.11a無線LANを例にとり,回線設計を行う.
Modulation(Coding rate)
54Mbps
6Mbps
Transmissionrate
Minimum receivedpower
6Mbps 9Mbps 12Mbps18Mbps24Mbps36Mbps48Mbps54Mbps
BPSK(R=1/2) BPSK(R=3/4) QPSK(R=1/2) QPSK(R=3/4) 16QAM(R=1/2) 16QAM(R=3/4) 64QAM(R=2/3) 64QAM(R=1/2)
- 82dBm- 81dBm- 79dBm- 77dBm- 74dBm- 70dBm- 66dBm- 65dBm
Rec. ITU-R P, 1238-4
d
nLfddL
f
c
10
1010
log10
dB 28 log20log10 d < 100m
fc = 5200 MHz = 3.1Lf = 16 dB
屋内環境モデル
通話可能なエリアの求め方 (1)
オフィス環境を想定すると,
[dB] )(min MTAPHPA GdLGPR 受信電力は以下の式で与えられる
HPAHPAP
Transmitter
APG
Tx
LMTG
Rx RReceiver
[dB] )log10( 10min MTAPHPA GdGPR
[dB] )/(1010 )( min RGGP MTAPHPAd d について解く
0
20
40
60
80
100
0 10 20 30 40 50 60
Com
mun
icab
le d
ista
nce
[m]
Bit rate [Mbps]
通信できる範囲 = Communicable distance [m]
通話可能なエリアの求め方 (2)
【注意】あくまでこの結果は,平均的な特性であることに注意したい.
実際は,シャドーイング,フェージング,マージンを考慮して回線設計は行われる.(最悪値評価,時間率評価など)
dBi 2dBi 2
dBm 19
MT
AP
HPA
GGPdB 0 fL
Lf = 16 dB(隣の部屋)
宿題
• 自由空間伝搬損失
• 屋内伝搬モデル
を比較した場合,27ページ目の回線設計を
考えると,10m~100mにおける受信電力を
計算せよ.
また,100mにおける受信電力はそれぞれ
どのような値になるか求めよ.
(対応する変調方式は?)
シャドーイング
• 周辺の建物分布の変化によってフェージング変動の平均値が
変化する現象
• 伝搬路が多数の散乱過程で構成されていることから,ランダム
な散乱係数の積で表現される.すなわち対数正規分布に従う
• これまでの測定結果では,屋外では標準偏差は6~8dBとなることが知られている.
• 屋内では,2GHz帯では,住宅地で8dB, オフィスで10dB,
5GHz帯では,オフィスで12dB程度の結果になることが報告.
2
2
2exp
22)(
rrp
r : 受信電力 [dB],: シャドーイングの標準偏差 [dB], :距離減衰[dB]
Tx Rx
送信電力
Ph
SISOの信号モデルとSNRの定義
伝搬路応答熱雑音
y(t)s(t)
)()()( tnthsPty
n(t)
受信信号
とすると,受信SNRは,
2
2
hPSNR
雑音電力
信号電力
E[|s(t)|2]=1, E[|n(t)|2]=2
SISO: Single input single output
送信機 受信機
9
)(
)()(
)(
)()(
)(
)()(
2
1
2
1
21
22221
11211
2
1
tn
tntn
tsP
tsPtsP
hhh
hhhhhh
ty
tyty
RTTRRR
T
T
R NNNNNN
N
N
N
)( )( (t) tt nHPsy 受信信号ベクトル
伝搬チャネル×送信信号 熱雑音ベクトル
MIMOの信号モデル
#1
#NT
#2
#1+
+
+#2
#NR
)(tsTN
)(2 ts)(1 ts
)(tyRN
)(2 ty)(1 ty
)(tnRN
)(2 tn
)(1 tn
行列 ベクトル
10
ijh送信(列)
受信(行)
MIMO
ijh送信(列)
受信(行)
行列としては,このような形式になるので,行×列で表現する.
TR NN
TR NN MIMO
しかし,送信を先に書きたくなるし,間違えやすい...#(IEEE AP Trans. の特集号の論文記事で勘違いされた経験)
)2,8(),( RT NN だと混乱しない.
レイリーフェージング(1) ~考え方~
L 波の信号が到来し,
距離 移動する.
#1 素波#iに着目
#2
#3
#L-1
#Ld
d I
Q
i
ri
: 位相振幅
複素平面における表現
d
id cos
i :到来方向
端末移動に対する等価的な移動距離
L
iii jr
Lh
1)exp(1
伝搬チャネル応答
i
L
iii djjr
Lh
cos2exp)exp(1
01
'
移動による位相変化
8波程度の合成で
レイリー分布となる.
レイリーフェージング(3) ~累積確率分布~
0.1
1
10
100
-30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10
CD
F [%
]
相対受信電力 [dB]
8波,16波
4波
2波
1波
レイリー(理論値)
累積確率分布: Cumulative Distribution Function (CDF)意味:縦軸の値は横軸の値以下となる確率を表す.
(例) 相対受信電力 -20dB以下になる確率は約1%
2
2
2 2exp)(
ss
rrrp
振幅 r : レイリー分布 位相 : 一様分布
Constant21)(
p
伝搬チャネル応答 h の確率密度関数
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
0 1 2 3 4 5
p(r)
r
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
0 60 120 180 240 300 360
p()
[°]
1s
s : hの実部と虚部の分散
仲上-ライスフェージング (1)
端末の移動
仲上-ライスフェージング
(見通し内+見通し外の信号)
LOS : Line of Sight, NLOS : Non Line of Sight
22 / NLOSLOS hhK Kファクタ
端末の移動
(見通し外の信号のみ)
1
100 )exp(
11)exp(
L
iiiNLOSLOSRice jr
Ljrhhh
LOS 成分 NLOS 成分
レイリーフェージング
Kファクタ ⇒ 大
直接波が支配的になることを確認.
仲上-ライスフェージング (2)
累積確率分布: Cumulative Distribution Function (CDF)意味:縦軸の値は横軸の値以下となる確率を表す.
0.1
1
10
100
-30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10
CD
F [%
]
相対受信電力 [dB]
(レイリー)
0 dB3 dB
6 dB 20 dB
40 dB
10 dB
dBK
MIMOの伝搬モデル(2)
LOS成分 アレーアンテナの出発・到来方向を考慮した行列
d
1(基準)
sin2exp0
dj
sind
#1#2
MIMOの伝搬モデル(1)
NLOSLOS KKK HHH
11
1
LOS成分 NLOS成分
K : Kファクタ
K = 0 とすれば,レイリーフェージングを模擬することができる.
TR NN の行列)
(
NLOSH : 各要素が独立したレイリーフェージング i.i.d. レイリーフェージング
(independent and identically-distributed)
NLOS成分
MIMOの伝搬モデル(3)
LOS成分 アレーアンテナの出発・到来方向を考慮した行列
LOSH のn, m番目の要素を とすると,nmLOSh ,
0,0,0
0,0,0
0,
sin)1(2exp
sin)1(2exp)exp(
AoAAoA
DoADoAnmLOS
ndj
mdjjrh
LOS信号の
振幅・位相 出発方向出発角側の素子間隔
到来角側の素子間隔
到来方向