No.14-3-2
RPP-MT-1052
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の開発(サプレッションチェンバー補強技術の検討)
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仕様書
1. 件名
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の開発(サプレッションチェンバー補強
技術の検討)
2. 概要・目的
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により引き起こされた東京電
力福島第一原子力発電所事故については、現在、事故を収束させるために、安定した炉
心冷却システムを構築し、安全な停止状態を継続する努力が行われている。
これらの廃止措置に係る作業は長期間にわたると考えられる。
現在、溶融した燃料が原子炉圧力容器(以下、「RPV」とする)内と原子炉格納容器
(以下、「PCV」とする)の底部にあると想定されている。そのため、トーラス室内に
ある格納容器の一部であるサプレッションチェンバー(以下、「S/C」とする)も損傷
を受けている可能性がある。
今後、発生が予想される地震により、S/Cの更なる損傷を防ぐための追加的な措置
が必要となる。このため、高線量・狭隘な環境でS/Cを補強する技術の開発が必要で
ある。
本業務の目的は、サプレッションチェンバーの補強技術の概念検討を行うことである。
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原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の開発(サプレッションチェンバー補強技術の検討)
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3. 事業内容
高線量・狭隘な環境でS/Cを補強する技術の開発のうち、補強技術の概念検討を行
う。具体的には以下の項目を実施する。
(1)S/C補強技術の検討
現在のプラントの状況を前提にS/Cを補強可能な追加サポートの検討を行う。
追加サポートはS/Cの水平移動を制限するためのものとする。垂直荷重について
は考慮しない。
この追加サポートは原子炉建屋(以下、「R/B」とする)の1階床面に穴を開け
トーラス室に設置することが前提となる。S/C補強のイメージを図1に、トーラ
ス室の概要を図 2に示す。
トーラス室には、機器及びサポート類が設置されていることを考慮して、追加サ
ポートが可能かどうかについて予備的な検討を行う。
検討するための条件や必要な情報は発注者から別途提示する。検討に必要な図面
については3DCAD図を提示する。
サポートを検討するための荷重条件などについては別途調整の上、提示する。
(2)補強箇所の検討
3.(1)で検討した補強技術について、R/B1階及びトーラス室内の干渉物を
確認し、サポートを設置する位置と補強箇所数を検討する。
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図1 S/C補強のイメージ
S/C
サポート
R/B1階からトーラス室内に設置
滞留水水面
約OP.-300 BFL OP.-1230
1FL OP.10200
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図2 1F-1トーラス室概要
A
A
A-A
断面
B-B
断面
BB
北
北東
三角
コー
ナー
北西
三角
コー
ナー
南東
三角
コー
ナー
南西
三角
コー
ナー
サプ
レッ
ショ
ン
チェ
ンバ
ー
外側
キャットウォーク
内側
キャットウォーク
内側
キャットウォ
ーク
S/C
支持
脚
ベン
ト管
滞留
水水
面約
OP
.-3
00
90
°
0°
27
0°
18
0°
外側
キャットウォ
ーク
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4. 実施期間
委託契約締結日から平成 27年 2月 28日まで
5. 納入物
(1)提出図書 :各2部(以下に示す図書)
図書分類 種類 部数 提出期限
実施計画書 受領用 2 契約後 2 週間以内
工程表 受領用 2 契約後 2 週間以内
体制表 受領用 2 契約後 2 週間以内
打合せ議事録 参考用 2 打合せ後 2週間以内
月報 参考用 2当該月末から2週間以内
(ただし最終月分は納入時)
成果報告書 参考用 2 納入時
(2) 上記提出図書の電子データ一括を収めたCD-ROM2枚。
6. 納入場所
名称: 日立 GE ニュークリア・エナジー(株)
係宛名: 日立事業所 原子力資材調達部 原子力調達グループ
住所:茨城県日立市幸町3-1-1
7. 検収条件
作業完了証明書の受領をもって検収とする。
8. その他条件
(1)S/Cの構造、周辺の干渉物等の環境条件については、守秘義務契約後に受注者
に対して図面やデータを送付する。
(2)受注者は、発注者から提示する検討資料、情報を本契約以外の目的で第三者に提
供してはならない。
(3)本事業は、国からの委託事業であることから、支払いに当たっての記録を保管す
る。
(4)本仕様に関して疑義が生じた場合は、双方協議の上、発注者が指示するものとす
る。
(5)本案件の適用先は、東京電力福島第一原子力発電所である。
以上