情報産業とは 情報産業=知識産業 情報産業論=産業活動全体の中で
,情報 ( 知識 ) 産業の%は ? 情報 ( 知
識 ) 産業が経済活動にどれだけ貢献しているか ? などについて数量的 ( 統計的 ) に把握する学問分野
情報産業の規模の把握 コリン = クラークの産業分類 ( 第
一次~第三次 ) に準じ,産業の中から「これは情報産業に該当する」と認定し,個々の産業の売上を足し算していくしかない
当該産業の従事者が基本的には「情報産業従事者=情報職業」となる ( はず )
情報 ( 知識 ) 産業とは何か 「情報とは組織化され,伝達され
るデータである。情報活動には情報財・情報サービスの生産,処理,流通において利用されるすべての資源を含む」
マーク = ポラト『情報経済入門』
① 情報の産業化
情報 ( 知識 ) の専門集団として,企業や消費者に情報 ( 知識 ) を最終消費財として提供
システム・インテグレータ (SI)は企業の情報システム構築・運用を請負い,顧問弁護士は法務サービスを提供
マッハルプの定義 旅行代理業,不動産仲介業などを
「専門的知識サービス」に分類 いずれも「認定資格」が必要で,
物の売買を直接に扱わず,知識の運搬・処理の仲介・代理を司るから
卸売業 ( 商社 ) ・金融 ( 銀行・証券・保険 ) も含むが,論争点に
コリン = クラークとの対照 第二次産業において,知識関連
機器の製造 ( 文房具から計算機まで ) を「知識産業」として扱う
第三次産業において,物財の流通に携わる産業は除外し,「知識サービス」に関わる業態を扱う
旅行代理店の仕事 顧客のコンサルティング 交通機関や宿泊施設のチケット取得代行。ツアー旅行商品の企画
添乗・ガイド ( の手配 )旅行業務取扱管理者 ( 国家試験 )
の資格取得者が常駐することが条件
知識産業生産額 (‘58)教育 601.9億$ 44.1 %研究開発 109.9 8.1コミ・メディア
383.7 28.1
情報機器 89.2 6.5情報サービス
179.6 13.2
合計 1364.4 100
マッハルプの分析 1958年段階で,米国知識産業の総生産額は国内総生産 (GNP) の29 % (GNP:付加価値の創出額 )
知識生産職業所得は国民総所得の32 %
1947→58 の平均成長率は 10 %。GNP の伸び率の約2 倍。
②産業の情報化
企業内部に情報 ( システム ) 部門。企業活動全般に情報システムを利用。情報 ( 知識 ) 職業としてのシステム・エンジニア(SE) などを雇用
あるいは法務部を設けて,知的財産権の管理を社内で行う
マーク = ポラトの三区分 産業→最終生産物により,情報部
門と非情報部門 (+政府 ) に区分 情報部門→第 1次:第 2次 第 1次:情報 ( ハード・ソフト )
をアウトプットする部門 第 2次:情報を扱う部門だが,
情報以外のものをアウトプット
第 1次情報部門 ①情報財製造業,②情報財の
卸・小売業,③情報流通 ( 通信 )産業,④情報処理・伝達サービス,⑤調査産業,⑥研究開発・発明産業,⑦リスク・マネージメント業 ( 保険 ) ,⑧情報活動への支援施設,⑨政府活動の一部 ( 教育・郵便など )
第 2次情報部門政府や非情報企業内部によって,内部消費のために生産されたすべての情報サービス。研究開発,データ処理,マネジメント,会計など,「産業の情報化」の部分
OA 化・ FA 化の進展。産業内の基幹業務のコンピュータ化
産業連関分析1次 2次 非 最終需要 GNP比
1次 69754 78917 --- 174585 21.9
2次 --- 616 227778 27440 3.4
非 59538 571503 593363 74.6
付加価値 199642 167826 427920
GDP比
25.1 21.1 53.8
ポラトの分析市場で売られない「第 2次情報部
門」の情報サービスのコストは生産物の市場価格に含まれた“隠れたコスト”。情報労働者の雇用経費,情報財の減価償却費など。
1977年,労働所得の58 %, GDP の 38.7 %が“情報”による