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ソーシャルメディアと クラウドサービスを活用した 情報リテラシー教育の課題と展望 教育システム情報学会(JSiSE)2014年度 第6回研究会 於香川大学幸町キャンパス, March 21, 2015 2015321日(土) ○河野 義広

教育システム情報学会 2014年度第6回研究会20150321

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ソーシャルメディアとクラウドサービスを活用した

情報リテラシー教育の課題と展望

教育システム情報学会(JSiSE)2014年度 第6回研究会於香川大学幸町キャンパス, March 21, 2015

2015年3月21日(土)

○河野義広

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本日の流れ

ソーシャルメディアを取り巻く社会的背景

情報リテラシーⅡの授業概要

2014年度の課題

2015年度の授業計画

まとめ

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ソーシャルメディアの特徴

マスメディアの特徴

例:新聞、テレビ、雑誌、ラジオなど

新聞社、放送局などから大衆に向けた一方的な情報発信

一部のプロのみが情報発信する

ソーシャルメディアの特徴

例:ブログ、Twitter、Facebookなど

誰もが参加・発言できる

双方向でのやり取り

情報の拡散(リツイート、いいね!)

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一人ひとりが主役、個人が活躍する時代

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ソーシャルメディアの具体例

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クラウド(Cloud)とは?

概要

インターネット上に計算資源、データ領域を確保

多くのサービスがWebブラウザのみで利用可能

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インターネット

SNS動画

メール

地図買い物

利用

端末

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Googleの活用

Googleサービス

Googleが提供する各種Webサービス

検索、メール、ニュース、路線検索、買い物

ドキュメント、グループ、ブログ

Googleドライブ

文書、表計算、プレゼンの資料作成&共有が可能

グループディスカッションの回答作成に利用

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Googleドライブでの文書作成

文書はリアルタイムで共有可能

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ソーシャルメディア活用と情報リテラシー

社会的背景

ソーシャルメディアの急速な普及

Twitter、Facebook、LINEなど

様々な情報(人々の考え方、価値観)の流通や人脈形成

社会的課題解決の必須スキル

世の中にあるほとんどの課題は、一人では解決できない

それぞれの人の考え方や価値観が異なるため

ソーシャルメディア活用は社会的課題解決の必須スキル

情報リテラシーの重要性

時間的・空間的な制約を受けず情報交換できるツール

“情報”の扱い方に関する適切な知識=『情報リテラシー』 8

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ソーシャルメディアリテラシーとは

ソーシャルメディアをうまく活用できる能力

トラブルに適切に対応できること

情報の公開範囲を管理できること

他者と適切にコミュニケーションが取れること

ソーシャルメディアを使った人付き合い

基本は普段のコミュニケーションと一緒

単にいろんな人が見ているだけ(インターネット上で)

ツールは単なる手段であり、本質は道徳と通じる

相手のことを考えて発言する

相手が言って欲しくないこと、相手を傷付ける発言はしない

当たり前のことができれば、特に恐れることはない

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東京情報大学の新たな教育

東京情報大学

千葉市に本拠を置く情報系の私立大学

経営母体は東京農業大学(1988年設置)

2013年 1学部1学科12コース制に改組(総合情報学科の設置)

12コース制の特徴

3年次からのコース配属

“情報学”+コース別の専門性=ダブルエキスパート

プロジェクト研究

コース間で連携するプロジェクトベースの研究活動10

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情報リテラシーⅡの授業概要

概要

総合情報学科 1年次後期必修科目(約500名が受講)

ソーシャルメディアとクラウドサービスの活用

学生一人ひとりが自らの目的に応じた使い方を考えられること

主要トピック

ソーシャルメディア

各種ソーシャルメディアの特徴と機能

モラルやマナー、セキュリティ意識などのリテラシー

クラウドサービス

各種クラウドサービスの現状、活用方法

グループディスカッション

ブログ作成演習11

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情報リテラシーⅡの授業風景

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到達目標

到達目標

インターネット上での情報共有の仕組み

適切な情報収集・発信のためのリテラシー

社会のあり方や出来事を知るための情報感度

授業で学生に期待すること

オープンなコミュニケーションを体験し将来に役立てる

情報発信や人脈作りなどを通じ将来に役立つスキルを身に付ける

トラブルに遭遇した場合に対処できる能力を養う

普段から使っていなければ対処方法を知る術は何もない

2013年度の新設科目で現在2年目13

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授業運用

概要

対象:総合情報学科1年生470名

クラス数:8クラス(1限・2限で4クラスずつ)

配置:教員各クラス2名、TA・SA各クラス2名

授業運用

講義と演習をバランスよく配置

基本知識の講義後、演習やグループディスカッションを実施

演習で利用するアカウント

Google、Twitter、Facebook

ソーシャルメディア講義

15コマ中5コマ(前半3コマ・後半2コマ、間に1.5ヶ月の観察期間)14

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授業資料の紹介

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2013年度の課題

課題

(1) クラス間での授業進行の違い

教員のソーシャルメディア熟練度の差

(2) ソーシャルメディアに抵抗感のある学生へのフォロー

実名登録に抵抗のある学生の不安を取り除くこと

(3) Twitterハッシュタグへの不適切な投稿

授業に対する不平不満、サボり

(4) 作業が早い学生向けの内容

習熟度別クラスの実施、適切な課題の提示

(5) 各アカウントの事前準備

対外接続時のプロキシの影響で、大量のアカウント作成不可

宿題としてアカウント作成を指示

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2014年度の授業運営

授業運営

(1) 演習内容の優先順位の共有

内容の優先順位をA~Cで事前共有

(2) 各アカウントの削除方法の提示

授業最終回の削除方法の提示←管理は自分の責任で

(3) クラス毎のハッシュタグの運用

ハッシュタグはクラス単位で運用

(4) 上級クラスの設置

1、2限1クラスずつ上級を設置

担当はソーシャルメディアに習熟した教員が担当

(5) 各アカウントの事前準備の徹底

ガイダンスでの周知

当該授業回までの確認徹底17

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クラス分けのためのアンケート

概ね7項目以上該当する学生を上級クラスに配当

18図3.インターネットに関するスキル

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授業計画2014(1)

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1. ガイダンス・授業で利用するサービスの紹介・メールの転送,設定,マナー・ソーシャルメディア・ガイドライン

2. HTML文書作成応用編(1)・HTML5とCSS3

3. HTML文書作成応用編(2)・Webサイト作成演習

4. クラウドサービスの基礎・クラウドの概要,各種サービスの紹介・Googleアカウントの作成・Googleグループの基礎

5. ソーシャルメディア(1)・ソーシャルメディアの概要,仕組み・Twitterの登録,基本操作の説明

6. ソーシャルメディア(2)・Facebookの登録,基本操作の説明・プライバシー設定,情報の公開範囲

7. ソーシャルメディア(3)・TwitterとFacebookの特徴の違い・ソーシャルメディアリテラシー(1)・モラルやマナー,セキュリティ意識について

アカウント作成までの時間稼ぎ

ソーシャルメディアの基礎を3回で実施

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授業計画2014(2)

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8.中間のまとめ・小テストと解説

9. クラウドサービスの応用(1)・Googleグループ,ドライブの活用

10.クラウドサービスの応用(2)・CMS(Contents Management System)の紹介

11.クラウドサービスの活用(1)・ブログ作成演習(1)

12.クラウドサービスの活用(2)・ブログ作成演習(2)

13.ソーシャルメディア(4)・ソーシャルメディアリテラシー(2)・パーソナルブランディング・コース選択に向けて

14.ソーシャルメディア(5)・ソーシャルメディアの使い分け・地域・社会での活用事例

15.まとめ・各ソーシャルアカウントの削除方法

Googleサービス演習

ソーシャルメディア後半はディスカッション中心

ブログ演習は継続できるよう第7回に移動

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情報リテラシー教育の課題

2年間の運用で得られた課題

(1) 教員側のソーシャルメディア活用スキル

教員が実体験として学生に伝えられること

グループワーク時の教員のファシリテーション能力

(2) 学生がソーシャルメディアを習慣的に利用する仕掛け

「やらされ感」ではなく、モチベーションを意識した授業運営

(3) 疑問点や悩みについて相談・議論ができる場

相談窓口の設置

学内SNSの導入によるコミュニケーション

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授業計画2015(1)

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1. ガイダンス・授業で利用するサービスの紹介・メールの転送,設定,マナー・ソーシャルメディア・ガイドライン

2. Webシステムの基礎(1)3. Webシステムの基礎(2)4. クラウドサービスの基礎・クラウドの概要,各種サービスの紹介・演習(Gmail・Googleカレンダー)

5. ソーシャルメディア(1)・ソーシャルメディアの概要,仕組み・ソーシャルメディアリテラシー(1)・Twitterの概要,基本操作の説明

6. ソーシャルメディア(2)・Facebookの概要、基本操作の説明・プライバシー設定、情報の公開範囲7.クラウドサービス(1)・ブログ作成演習(1)

・ブログテーマ:大学生活・毎週授業の最後に感想や理解したことをブログに書く・ブログのシェア、カスタマイズ

次期システムへの移行・Google Apps・Office 365

ソーシャルメディアの基礎を2回で実施

継続できるようにブログ演習を実施

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授業計画2015(2)

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8. クラウドサービス(2)・Googleグループの基礎9. 小テスト(1)10. クラウドサービス(3)・Googleグループ,ドライブの活用

11.クラウドサービス(4)・Googleドライブのフォーム

12.ソーシャルメディア(3)・TwitterとFacebookの特徴の違い・モラルやマナー、セキュリティ意識について・LINEにおけるトラブル事例

13.ソーシャルメディア(4)・ソーシャルメディアリテラシー(2)・パーソナルブランディング・コース選択に向けて

14.ソーシャルメディア(5)・ソーシャルメディアの使い分け・地域・社会での活用事例・小テスト(2)

15.まとめ

Googleサービス演習

ソーシャルメディア後半はディスカッション中心

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まとめ

まとめ

情報リテラシー教育の運用

ソーシャルメディアとクラウドサービスの活用

演習やグループワークによる授業運営の工夫

2015年度の実施計画

今後の課題

学生の満足度向上や円滑な授業運営のための改善策

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おわり

ご清聴頂きありがとうございました!

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東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科システム開発コース 助教

河野 義広Tel:043-236-1149

E-mail:[email protected]ブログ:http://www.yoshihirokawano.com/

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