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tsunehiko-shimadu
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嶋津 恒彦 齋藤研究室
生物の移出入がもたらすパーマネンスについて
ロトカ・ヴォルテラ方程式
食う食われるの関係にある2種の個体群動態を表したモデル
ただし
:被食者の個体群サイズ, :捕食者の個体群サイズ
解は閉曲線を描く
自然の共存状態を表現しきれていない
ロトカ・ヴォルテラ方程式の性質
閉曲線は初期値に依存する
方程式系 に組み込まれていない修復力の源は何なのか?
何が共存状態を引き起こすのか?
生物が共存するメカニズムの解明に繋がる
生物の移出入のおかげで共存している?着眼点
自然界で行われている現象
ロトカ・ヴォルテラ方程式には組み込まれていない
本研究の目的
ただしかつ
とする
移出・移入を考慮したロトカ・ヴォルテラ方程式が共存状態となる条件を求めること
被食者の移出・移入を考慮した結果
発表の流れ
( i )移入が一定( ii )移入が時間に依存する(証明の流れ)
捕食者の移出・移入を考慮した結果( i )移入が一定
( ii )移入が時間に依存する
条件の再考
共存状態の定義
被食者と捕食者の移出・移入を考慮した結果
定義定義方程式系はパーマネントである
共存状態の定義
解有界閉領域,def
第一象限内部の
第一象限内部の
被食者の移出・移入のみを考慮した場合
( i )移入が一定
ただし
方程式系 はパーマネント
定理1定理1
とする
ならば方程式系 はパーマネント
( ii )移入が時間に依存する
が存在し,任意の に対して定理2定理2
定理1の条件定理1の条件
定理2の証明の流れ
すべての解は解に依存しない第一象限内部の有界閉領域に留まる
証明したいこと証明したいこと
(1)第一象限内部の有界閉領域 を作る
(3)解はある時刻で に入る
(2)解は に留まる
リヤプノフの方法を使うリヤプノフの方法を使う
(1)有界閉領域 を作る
ただし
, , ,とする
は閉曲線
関数 について
のとき
任意の に対して
は閉曲線
関数 について
任意の に対して
のとき
解は の上側から交わらない
(1)有界閉領域 を作る
(2)解は に留まる
(3)解はある時刻で に入る
に入らない解は の周りを反時計回りに動き続ける:詳しくは修士論文を参照
被食者の移出・移入を考慮した結果
発表の流れ
( i )移入が一定( ii )移入が時間に依存する(証明の流れ)
捕食者の移出・移入を考慮した結果( i )移入が一定
( ii )移入が時間に依存する
条件の再考
共存状態の定義
被食者と捕食者の移出・移入を考慮した結果
捕食者の移出・移入のみを考慮した場合
方程式系 はパーマネント
定理3定理3
( i )移入が一定
ただし とする
ならば方程式系 はパーマネント
定理4定理4
( ii )移入が時間に依存するとき
が存在し,任意の に対して
定理3の条件定理3の条件
条件の反省
定理2の条件定理2の条件 定理4の条件定理4の条件
一定量以上の移入を供給できるほど外部系が大きい
「移出入+外部系のパーマネント性」が方程式系をパーマネントにした?
外部系にパーマネント的な個体群の維持を要求する
被食者と捕食者の移出・移入を考慮した場合
ならば方程式系 はパーマネント
定理5定理5が存在し,任意の に対して
課題の解決
捕食者と被食者のそれぞれにパーマネント的な移入がなくともパーマネントとなる
定理5の条件定理5の条件
生物の移出入がパーマネントをもたらした
被食者の外部系 捕食者の外部系内部系
結論
生物の移出入がパーマネントを引き起こす
定理5:適切な移出入は方程式系をパーマネントにさせた
生物が移出入を行っているから
生物が共存するのは
と示唆できた
必要十分条件を求めること
ならば方程式系 はパーマネント
が存在し,任意の に対して
定理2定理2
ならば方程式系 はパーマネント
定理5定理5が存在し,任意の に対して
ならば方程式系 はパーマネント
定理4定理4が存在し,任意の に対して