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私の知的遍歴 こやまゆうすけ

私の知的遍歴

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Page 1: 私の知的遍歴

私の知的遍歴

こやまゆうすけ

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保有する知識・技能学問分野 能力 備考

経済学 ★★★★★ 博士(経済学)

経営学 ★★★☆ 組織論の講義経験あり

社会学 ★★★☆ 講義経験あり

社会心理学 ★★★ 共同研究経験あり

その他社会科学 ★★ 思想的知識のみ

理工系諸科学 ★★★ 標準の経済数学+システム科学

研究ツール 能力 備考

社会調査・統計 ★★★★★ 専門社会調査士(8条規定)

プログラミング・シミュレーション ★★★ 近年はモデル面での学生の指導が主

外国語(英語) ★★★ 国際学会で発表できるが,会話は決して得意ではない.メールは問題なし

数学 ★★★ 経済学の理論で使う範囲は問題なし

ゲーミング・人間を使った実験 ★★★★ 講義・経験での実施経験多数

某大学との就職面接時資料として作成。能力はかなり盛ってます。

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経歴 出身:京都大学経済学部(専攻:現代経済学)

学位論文「ボトムアップアプローチと経済理論」

進化と学習をベースにした新しい経済理論体系の概括,経済系のシミュレーション,企業調査

(社)国際経済労働研究所非常勤研究員 社会心理学者と共同研究

主に企業・労働組合のアンケート調査を分析

2001年:学振PD@京都産業大学 実験経済学プロジェクトに関わる

2002年~2009年 東工大・助手(→助教) エージェントシミュレーション&ゲーミングシミュレーション

2009年~芝浦工大・准教授

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過去に行ってきた研究 社会シミュレーション

シミュレーションの方法論

実験経済学・ゲーミングシミュレーション

コンテンツ産業研究

一応、肩書きでは専門を「理論経済学・コンテンツ産業研究」としています

理論経済学を書いているのは、最低限の意地

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知的遍歴(0):高校時代まで(初代ファミコンからのゲーマー)

高校入学時:実は理系志望

高校1年時にベルリンの壁崩壊→理由は経済→経済学部志望へ

実は、数学科に進もうかかなり悩んだ

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知的遍歴(1-1)大学学部1991~1995 経済学に疑問:経済学って「科学」なの?

→科学哲学・科学論を勉強

今でも年に1~2冊は専門書を読む

今は社会科学の方法論が何とか書けるレベルかな?

科哲:「科学がどう行われてきたか=科学史」が重要

→経済学史(経済学の歴史)を学ぶ事に

フツーの主流派的な経済学が嫌いになる:嘘くさい

経済学の「古典」と呼ばれている本を色々と読む スミス・マルクス・シュンペーター・ウェーバー・ケインズ・・・

卒論は貨幣論

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知的遍歴(1-2)大学学部1991~1995 講義に出たのは4年間週3~5コマ

ゼミ+語学(+体育)、残りの時間は喫茶店で読書

1年生で『資本論』1巻を読む

入ったサークルが学術系=某団体とメンバー被りまくり

→3ヶ月で辞めたが、輪読していた資本論は1人で読破

結果的に、社会科学の古典を読む面白さに目覚める

新しい理論体系を一から作り出す醍醐味に魅了される 理論的に難易度の高いテキストも比較的楽に読めるように

なぜか、教育社会学にもはまる

学歴社会論って、やっぱり気になっていたので・・・

一応、普通の経済学も勉強しました

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知的遍歴(2-1)修士1995~1997 指導教員:経済学史だが、研究テーマで学史系×

「大学設置基準」で経済学史廃止→そのまま研究していても職業研究者なれない→悩みに悩みまくる

色々な本を読みあさる

人工知能・認知科学・数学・生物学・・・ 今の引き出しの多さにつながっています

フツーの経済学研究だけは死んでもやりたくなかった

最終的に、シミュレーションで修士論文

当時:複雑系ブーム

進化経済学会の設立

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おまけ:師匠からの厳しい一言

言葉に出来ないと言うことは、

わかってないと言うことだ

私の座右の銘です

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知的遍歴(2-2)博士(1)1997~2001 Dゼミにオブザーバ参加

修論審査で「もっとシミュレーション勉強しろ」と言われた

結果的に、その方が東工大に移るときに助手で就職

小規模な学会に入ることに 社会経済システム学会、ゲーミングシミュレーション学会

メルマガを書く

ニュースの解説を読んでいてむかつく 「コレなら俺の方が上手く説明できる」

まぐまぐ!でメールマガジンを発行:最終的に80回以上 ピーク時で登録読者数1700人ぐらい

この頃に学会で現職場の方と会う

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知的遍歴(2-2)博士(2)1997~2001 シンクタンクでアルバイト

なぜか社会心理学の部署 仕方ないので学術書を何冊か独学

自力で統計ソフトSAS・多変量解析などを独学

分析・報告書作成を通じて社会調査を実地で身につける 結果的にコレが今のメシの種です

データ分析ばかりやらされたので質問紙作成は今でも苦手

学術振興会特別研究員に3度落ちる

コレになると学生でアリながら給料がもらえます

もっと業績無くてももらった奴も居るのに・・・

PD(博士3年終了時)としてようやくもらえる

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知的遍歴(3)学振PD 2001~2002 京都産業大で実験経済学プロジェクト

簡単な意志決定プログラムを作成

科研費プロジェクト(社会学実験)

実験プログラムの仕様策定・組み込み&運用

Linux上でApache&Perlの設定

このときに博士論文執筆

新しい時代の経済学に必要な概念・手法は何か→調査・AI的な技術・シミュレーション

それを実際に使った研究事例を示す

京大時代のD先生に誘われる

→東工大助教へ

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おまけ:博士論文審査時のやりとり 審査委員のK先生

「コレ、経営学と社会学の研究だけど、経済学じゃ無いね」

小山

(キレ気味で)「思想チェックで落とされたなら胸張って帰るので、どうぞ落としてください」

指導教員が慌てて丸く収める

・・・学問とは戦いです。気合いで負けるな。

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知的遍歴(4)東工大・助教2002~2010 プログラムを書かなくなる

情報系出身の学生を指導してると、無理と思うように

耳学問でコンピュータ・AIの知識が増大

コウモリ(もしくはトリックスター)的仕事が増える

理系に:文系の人がシミュレーションをどう捉えてるか紹介

文系に:理系の人が使うシミュレーション技術を紹介

→結果的に、いくつかの論文に昇華

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知的遍歴(5)芝浦工大2010~ ゲーム産業の本を読む→コレは酷い→俺がやる!

お誘いを受けて研究プロジェクトに参加

→『コンテンツ産業論』(東京大学出版会)に結実

出版が芝浦に移ってからと言うだけで、中身は東工大時代

デジタルゲーム学会・コンテンツ文化史学会に参加

ゲーム開発者と知り合い&IGDAに参加

→実際の現場の人と議論できる人脈を得る

→デジタルコンテンツ協会の仕事依頼

→講演を聴いた方:ダイヤモンドオンラインの仕事依頼

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今から振り返ると・・・(人生的な意味で) 人生、何が役立つかわからない

いまの学生指導→アルバイトで身につけたもの

ゲーム研究:情報系の知識がすごく役に立っている 技術的な説明は最低限理解できる

学ぶときは独学!

実力>>越えられない壁>>コミュ力

就職:コネというか人間関係というか オブザーバしていた研究室の助教に

経済学者なのに、社会学者の声かけで現職場へ

(注)ちゃんと公募で通ってますw

重要:相手が声をかけたくなるぐらいの能力を見せる

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今から振り返ると・・・(学問的な意味で) どの学問にも、両方あります

すごく健全な点

すごく不健全な点

→コレが,学際研究を妨げる

経済学,社会学,(社会)心理学,情報学,(広い意味の)工学ぐらいは両方言えます

学際研究をしたいなら

自分で複数の言葉を話せるようにならないといけない

システム工学・システム科学:学際研究のベース 学際研究では一種の「共通語」

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これから何やるの? これまでも結構テキトー

巻き込まれ仕事多数 便利屋として生きております

そんなことが無いと、初音ミクの紹介論文なんて書かない

「現場」をもって、責任が出てきた

飽きたらサヨウナラ、とはいかない その分野では第一人者的ポジションでもあるし・・・

コンテンツ系(特にゲーム系)とは一生つきあうと思う

※でも、もうちょっとだけ理論的なこともやりたいなとも思う