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20153273回 フィンランドから学べ! The Finnish Institute in Japan訪問記

Curio Lab #3 『フィンランドに学べ!』The finnish institute in japan訪問

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2015年3月27日

第3回フィンランドから学べ!

The Finnish Institute in Japan訪問記

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The Finnish Institute in Japanに訪問してきました!

フィンランドセンターは、日本とフィンランドの学術・文化交流を推進する機関です。フィンランドセンターは、日本とフィンランドの学術・文化交流の架け橋となるべく、プロジェクトや情報提供などを通じて両国の連携を助けています。

※facebookページより抜粋。

http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/

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国民性の違いについて

日本→「個」よりも「全体」を意識する民族。

+)関係性、協調性、社会性などが育みやすい

-)意思決定力、自立心、責任感が育みにくい

フィンランド→「個」を「全体」よりも意識する民族。

+)主体性、自立心、責任感などが育みやすい

自らの意志に従い、責任をもって行動する

-)関係性、協調性、社会性などの育成には課題

これらの違いは、国土に対する人口密度の違いなどが影響という仮説

日本:集落体制→助け合いの中で農耕などが発展

フィンランド:一戸独立体制→各々が自立した生活の中で発展

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家庭環境(保護者-子ども)について

幼少期はfree timeをしっかりと確保し、沢山遊ぶことがとても大切だとされている。

free timeを確保するために、家事や育児は徹底的に効率化していく

Finlandは男女共働きが当たり前の環境

幼少期は言語に触れる、また手を使うことを重視

ものづくり(織物や工芸品を作る)

言語に触れることを重視

小さい頃から独立心や責任感が養われるような関わり方を家庭、学校ともにされている。(意識しながら気を付けているというよりも、それが自然なものとされている)

すべきことは自分で決める。

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家庭環境(保護者-子ども)について

上記にあるように、「自由」は「責任」を持って自らの意志で行動していくことによってはじめて成り立つものという考え方であり、日本にいると、この「自由」という言葉の捉え方や印象に差異を感じる。

日本は親が子供を大事にしすぎている印象。

幼少期は、何かを決める(習い事など)のも親の意志が介入しすぎている印象

それは本当にその子にとっていいことなのか?悪いことなのか?

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学校、教員の環境について

教員育成過程

日本

教員免許は比較的簡単に取得可。

高校よりも幼稚園、小学校の方が楽。

フィンランド

教員免許は基本的に大学院の修士まででないと取得不可

教えたい科目(数学、物理など)の修士号に備え、教授法の特別プログラムを 修了する必要がある。

高校よりも幼稚園、小学校の方が高いスキルが必要という位置づけ

幼少期は人格形成の初期段階であり、教科科目のteachingスキルだけで なく、社会性や人間性などの成長も同時にサポートする重要な時期であ り、教員としてのレベルもより高いものを求めるべきという考え方

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学校、教員の環境について

教員配属後の環境

日本

労働時間は世界一(特に部活動や校務分掌の時間が長い)

教材研究、自己研鑚の時間が中々取れない

離職率も年々増加(配属初期と、10-15年目に特に多い)

社会的地位も決して高くはない

カリキュラムは学校指導要領によって決定。教科書も文科省が検定

フィンランド

On/Offのメリハリある労働環境(休暇も年間を通して3か月以上)

教材研究、自己研鑚の時間が十分取れる

社会的地位はある(給料は決して高くはないが)

コアカリキュラムはあるものの、授業設計の裁量は教員にあり。教科書も検 定制はなし

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学校、教員の環境について

授業スタイルについて

日本

指導要領によっての縛りがあるだけに、創造的な授業がし難い

フィンランド

反転学習のような形がメイン。

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その他Q&A

日本では男女はそれぞれ何のために勉強しているのか?(最終ゴールはどこ?)

男性

良い大学に行って、良い企業に入りたい

why→たくさんお金をもらいたい

why→安定した人生、自由な人生、幸せな人生を歩みたい

女性

良い大学に行って、良い企業に入りたい

why→良い大学・企業で、素敵な旦那さんを見つけたい(という幻想)

why→安定した人生、自由な人生、幸せな人生を送りたい

お金が幸せを与えてくれるという幻想に縛られ過ぎてきたのではないか

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その他Q&A

そもそも自由とはなにか?幸せとはなにか?

ここを保護者や学校関係者など、大勢の大人たちで考えられるような対話や体験型 のワークショップをデザインしていく必要もあるのでは?

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その他所感

・日本は、働き方が多様になっているにもかかわらず、昔の働き方(専業主婦と会社に勤める夫)をしているときの子育て観を当てはめているから、家事が非効率になっている(例:1週間まとめて冷凍し小分けでレンジ→手抜き、という見方)。そのため母親、父親が子どもと接する時間が少なくなり、子どものことがわからなくなり、外部機関(学校、塾、習い事)にアウトソーシングしないと安心できない、、、といった構造がある。一方、フィンランドは共働きという働き方が前提のため、家事を効率することが当たり前、故に子どもと接する時間が増え、子どもの変化を直接感じることが出来る。そうすると子どもを変化させる要因が遊びや余白であることが理解できる、、、のか?

・地域の環境(寒くて死んじゃうから自ら生き抜くしかない)や国の成り立ち、働き方、といった大きな価値観から教育システムが出来上がっている。なので「フィンランド最高!自由って素晴らしい!フィンランド教育を取り入れようぜ!」といっても学校、家庭、先生、保護者の意識と構造が変わらないと取り入れられないのか。

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お話ありがとうございました!