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四角大輔 Freedom prologue

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Page 1: 四角大輔 Freedom prologue

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Page 2: 四角大輔 Freedom prologue

20代は身軽だ。やりたいことはなんでもできる。

これからどんな大人にだってなれる。

自分にしかできない仕事、豊かで自由な生活、

大好きな仲間とワクワクする挑戦、

愛する人との最高の出会い、

なんでも夢見ることができる。

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Page 3: 四角大輔 Freedom prologue

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でも、夢あふれる若者たちのほとんどは

いつの間にか、現実や常識にがんじがらめの、

〝良識あるマトモな 〝

社会人になる。

そういう大人を多く見てきているはずだ。

そして、自分は絶対にそうはなりたくないと思う。

〝新しいことは原則として排除〝という空気に抗えず、

毎日、目に見えない社会の重圧に押さえ付けられながら、

まわりの顔色をうかがって生きるようなマネは、

誰だってしたくない。

Page 4: 四角大輔 Freedom prologue

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そう思っていたはずなのに、

多くの20代が、なりたくなかったはずの大人になっていく。

なぜだろう?

不思議に思ったことはないだろうか?

Page 5: 四角大輔 Freedom prologue

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誰だって、

他人がつくったルールや、まわりの評価になんか縛られたくない。

誰もが心の底では〝自由に、自分らしく生きたい〝

と願っている。

いくつになってもそうだ。

20代はそれでも、自由を求める気持ちが強いから、

なんとか束縛から逃れようと努力もする。

しかし就職したり、仕事をはじめたり、

社会人生活にどっぷり浸かっていくうちに、

いつの間にかそういう気持ちをなくしてしまう

Page 6: 四角大輔 Freedom prologue

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ぼくも15年間会社勤めをして、

同じような経験をいっぱいしてきた。

苦痛な人付き合いもあったし、

出世のための駆け引きも目撃したし、

堂々めぐりする会議、残業に継ぐ残業も、

ひと通り、それがどういうものだかわかっているつもりだ。

そのまま、それなりの収入と安定を得ながら、

生きていくという選択肢もあった。しかし、ぼくはすべてを捨てた。

Page 7: 四角大輔 Freedom prologue

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ぼくは独自の〝オフロード〝

を選んだ。

今は、東京とニュージーランドの湖畔を

往来するノマドライフを送っている。

東京では、仲間たちから刺激をもらいながら、

大学生に向けてライフスタイルに関する講義をしたり、

企業にブランディングアドバイスを行ったりしている。

ニュージーランドでは、

日の出とともに目覚め、太陽が沈むと休み、

庭で育てた野菜と釣ったばかりの魚を食べ、

大自然からインスピレーションをもらいながら、

本や、雑誌の記事を書いたり、

アウトドアギアの開発をしたりしている。

都市空間にいても、原生林に囲まれた湖畔にいても、

テクノロジーが発達したおかげで、

自由自在に仲間や情報とつながることができる。

Page 8: 四角大輔 Freedom prologue

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そんなぼくのライフスタイルを見た人たちは

「いい生活ですね」と言ってくれることが多い。

だが、それはどうだろう。

水道もきていない森の生活は決して楽じゃない。

年収は、会社勤めをしていたときよりも

はるかに少ない。

今の仕事だって、そもそも安定も保証もなにもない。

でも、いざというときの備えはできている。

日本に戻らず、

このままニュージーランドにとどまり、

半自給自足ライフを続けることで、

1年150万円もあれば

暮らしていけるだけの、

知恵と生活力をすでに手に入れている、

ということだ。

Page 9: 四角大輔 Freedom prologue

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だから仕事を失うこと自体、怖くない。

どんな仕事もいっさい妥協なしに攻めきれる。

「そんな生き方はとてもできない」と多くの人は言う。

本当にそうだろうか?

誰でも本気でのぞめば手に入れられる生き方だとぼくは思っている。

この違いを決定づけているのはなんだろう?

それは20代のうちにその人が、

どれだけ自分にとって不要なものを捨てられたか?

もしくは捨てられなかったか?にすぎない。

多くの20代は、多くのものをかき集めてしまう。

当然だ。

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新しい人間関係、新しいモノ、新しい価値観、新しい世界…

社会に出たばかりで、ついていくのに精一杯。

大人になるというのはそういうことだ、という考え方もある。

たしかに吸収できるものは、吸収できるうちにした方がいいかもしれない。

だが、なんでもかんでも大事にしすぎるのが問題だ。

気づけば、いつの間にか、まさかとは思うが、

人はいろんなものを捨てられなくなっているからだ。

ぼくが今自分にとって

心から満足のいくライフスタイルを送ることができているのは、

とにかくストイックに捨て、

身の回りをミニマムにすることを意識したこと。

そして、反対になるべく余計なものを

取り入れないようにしてきたからだと思っている。

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ぼくは20代の頃、

周囲から「目上の言うことには従え」

「まわりと同じようにやれ」

と何度も古い価値観を押し付けられそうになったが、

そのほとんどを拒み続けた。

そのせいでずいぶん痛い目にも遭った。

でもだからこそ、今のように、

刺激的な毎日を楽しむことができているのだと思う。

新しいモノや、幅広い人付き合いを求めない今の若者は

元気がなくてダメだといわれることがよくあるが

ぼくはそんな風には全然思わない。

「あれも欲しい、これもやりたい」とむやみに選択肢を増やしても、

時間の使い方に迷い、貴重な人生の時間を失う一方だ。

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20代は捨て。

今後の自分にプラスにならないと思ったものは、潔く捨てればいい。

捨てれば捨てるほど、視界と思考からノイズが取り除かれ、

本当にやりたいことが明らかになるからだ。

人生は余計なものを削ることで、自分らしさを取り戻していく。

捨てれば捨てるほど、集中力が高まり、本当の能力が引き出される。

Page 13: 四角大輔 Freedom prologue

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誘惑や悩みや葛藤の多い20代を、

自分らしさを見失うことなく、

強くたくましく生きていってほしい。

Page 14: 四角大輔 Freedom prologue

C H A P T E R : 1

視界にある〝ノイズ〞を捨てる。01モノは知らないうちに、少しずつ着実に空間を侵略していく。

棚に入りきらないモノ、床に重ねたモノ、引き出しに入れたモノ、テーブルにのせ

てあるモノ……。

それらは「いつか片付けよう」と保留したモノかもしれないし、「あると便利かも」

と保管しておいたモノかもしれない。

よく見てみよう。それらのモノが活躍したのはいつだ?

大好きなモノ以外はすべてノイズだ。

視界のノイズはあなたの空間だけでなく、生活も、頭の中も複雑にしていく。

多くの人がノイズに対して寛容すぎる。

それなのに、今より広い空間で働くことや、暮らすことを求めている。

だがこのままでは、家や職場がより広くなっても、ノイズが拡大するだけだ。

ためしにやってみよう。たとえば今、机の上をリセットしようと決めてみる。

筆記用具かMacBook、そしてお気に入りのティーカップ以外をすべてどけて

みる。

できることなら、その机を窓の近くへ移動させる。

小さな目ざわりを許すな。

Simple and Creative Life

視界にある

〝ノイズ〞を捨てる。

01

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モノとの別れは、過去の自分との別れ。

Beauty of Nothing

今使わないモノ

を捨てる。

02窓の外がいい景色じゃなくてもいい。

レースのカーテン越しに感じる、太陽の光や空の存在に意識を向けてみる。

それらは、都会にいても感じられる貴重な〝自然〞の存在で、ノイズとは正反対の

ものだ。

視界と頭の中からノイズを減らすと、思考が急に鮮明になり、すぐにでも目の前の

ことに手を付けたくなってくる。

ひとたび手を付ければ、あっという間に時間が流れる。胸の奥が発熱し、ワクワク

してくる。

それが本当の意味での、〝クリエイティブな時間〞だ。

そしてクリエイティブな時間をどれだけ持てるかが人生の質を決める。

自分を劇的に変えるためには、まずシンプルでミニマムな空間を手に入れることだ。

「いつかしまおう」から

「今すぐなくす」へ。

Page 16: 四角大輔 Freedom prologue

C H A P T E R : 1

今使わないモノを捨てる。02どれも、自分が選んで手に入れたモノだ。

愛着もあるだろうし、なかなか捨てられないモノもあるだろう。

「いつか使えるかもしれないから」と、とっておきたい気持ちもよくわかる。

「もう二度と手に入らないモノだから」という言い訳をくり返し、一生保管し続ける

モノもあるかもしれない。

捨てる基準はシンプルでいこう。

今、使っていないモノは捨てる。

即座に売るか、譲るか、処分すればいい。

〝思い出の品〞以外、手放して困るモノはない。

とっておくか迷ったら、捨てる。

自分の人生の優先順位はつねに変わっていき、それとともに、必要なアイテムも変

わり続けているからだ。

おすすめは1年に2回、たとえば正月と6月1日、もしくは年度末の3月31日と9

月30日を「頭と心をきれいにする日」と決めて、荷物を総点検し、部屋の模様替えを

してみること。

〝思い出の品〞も、じょじょにコンパクトにしていく。これは何年かかってもいい。

最初は、まずダンボールを一つ用意してその中にまとめる。思い出の品は一年に一

度でいいから、少しずつ捨てていく。手紙類はスキャン、立体物は写真をとって記録

に残す。大きな収納箱から小さな収納箱へ、毎年小さくしていく。手放すことに対す

る、悲しみや罪悪感とともに捨てる。

それを墓場まで持っていきたいかどうか自問自答しながら。

めざすは心をかき乱すモノが一つもない、

お気に入りのやさしい音楽が流れるシンプルな空間。

無駄のない上質なカフェやホテルにいるような快適な時間は、けっこう簡単に手に

入るものなんだ。

「とりあえずとっておく」から

「とりあえず捨てる」へ。