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enginefive Inc. Masanobu Sato AzureとAWSのチガイ(≒使い分け) 2017.6.30

Azure aws違い

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enginefive Inc. Masanobu Sato

AzureとAWSのチガイ(≒使い分け)

2017.6.30

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はじめに

本資料は2017.6.30時点の情報にもとづいて作成しております。

内容に不備、誤りがありましたら心優しくご連絡お願い致します。

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自己紹介

佐藤雅信

経歴

1999~2014 某ネットワーク系商社

2014~2016 某クラウドインテグレータ

2016~ enginefive Inc.

資格

AWS Solution Architect Professional Level

AWS DevOps Engineer Professional Level

Azure Solution Architect (Azure系MCP 3冠)

テキーラマエストロ

得意分野

インフラエンジニアリング x ビジネス開発 x テキーラ

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そもそも

なんでAzureとAWSのチガイを知っておく必要があるの?

• SIer/CIerの立場

– ユーザからどっちがいいのかよく聞かれるようになった(←私)

– エンジニア/営業としてポイントはおさえておきたい

• エンドユーザの立場

– 他クラウドも伸びてきてるようで、なんか気になってはいる

– もっと安く/早く/良くなる可能性があるのでは?

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確かに、、

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ガートナーの

「マジック・クアドラント」

ではAWS、Azureがダントツ

https://www.gartner.com/doc/reprints?id=1-2G2O5FC&ct=150519

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確かに、、、

Azureに移行することで 5 分の 3 にまでコストが削減できた事例もあるらしい

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https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/rakuten-st.aspx

Page 7: Azure aws違い

Azure、AWSのチガイ(≒使い分け)は

知っておいて損はないかも

※ちなみに私はAzureもAWSもOracle Cloudも大好きな恋多きおっさんです

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そこで

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Azure Skillsという無償eラーニングに「 AWS の専門家のための Microsoft Azure」というコースがあったので受講してみました。

https://openedx.microsoft.com/courses/course-v1:Microsoft+AZURE213x_JPN+2017_T2/about

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Azure Skills

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Azure Skillsとは何なのか?どう始めるのか?は下記のブログに紹介されていますのでご興味ある方はチェックしてみて下さい!

• Microsoft Azureと戯れてみたhttp://sparkgene.hatenablog.com/entry/2017/06/29/102350

• Microsoft Azureオンライントレーニングをやってhttp://uchimanajet7.hatenablog.com/entry/2017/06/29/101534

• Skillsはエンジニアの育成に有効か?http://qiita.com/miyavi0406/items/5a54e70815c569f9a918

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チガイ其の一(世界のデータセンター)

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https://azure.microsoft.com/ja-jp/regions/https://aws.amazon.com/jp/about-aws/global-infrastructure/

16個のリージョン、43個のAZ(DC) 34個のリージョン

AWS Azure

サービスをグローバルに展開したい、ユーザに近いデータセンターにリソースを配置したい

こういう時は選択できるデータセンターの数が多い方が選択肢の幅が広がり嬉しいですよね。

カバーしているエリアはほぼ一緒ですが、Azureは南アフリカのNorthとWestにリージョンを作る予定のようです。

※Azureの1個のリージョンは複数のデータセンターで構成されていますが、Azure側でリソースを分散してくれるため、AWSのように自分で選択する必要はありません。

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チガイ其の二(国内のデータセンター)

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東日本、西日本にリージョンがあり、

高速なネットワークで接続

• 東日本リージョンのVMから西日本リージョンへのVMへPing(1400byte):Avg 9.74msec※自宅(東京)のPCからInternet経由で西日本リージョン

へのVMへ同様のPingをした場合:Avg 20.57msec

• 東日本リージョンのVMから西日本リージョンへのVMへ460MBのファイルを転送(SFTP):48sec , 9.6MB/s

• DBはSQL DBを利用することにより複数リージョンの構成が容易に構成可能

ディザスターリカバリーを国内のデータセンターで構成したい

日本国内に地理的に離れたデータセンターがあり、克、データセンター間は高速なネットワークでつながっていてほしいですよね。

また、マネージド化されたサービスでバックアップやリプリケーション、リストアができるとうれしいです。

AWS Azure

東京リージョンのみ

※2018年に大阪リージョン開設予定

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/new-osaka-local-region-coming-in-2018/

• 東京リージョンのみですが、リージョン内は複数のデータセンターで構成され、各データセンターの地盤、供給電源元は分かれていますのでデータセンターレベルでのディザスターリカバリーの構成は可能

• DBはRDSを利用することにより、Multi-AZ(複数データセンタ)構成が容易に構成可能

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チガイ其の三(仮想マシン)

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アプリケーション/ビジネス要件によって適切な仮想マシンを選択したい

仮想マシンのOS、CPU/Memory/Diskサイズの選択肢が多く、柔軟に後からも変更できるのがクラウドの良さ。

ディープラーニングなど重い処理をさせるためのハイスペックな仮想マシンも利用したいですよね。

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チガイ其の四(仮想マシン関連)

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AWS Azure

サービス Snapshot Backup Service

保存先 S3

SLA:99.9価格(50GB):$2.5

※東京リージョンでの価格

Blob Storage

SLA:99.9価格(50GB):¥633

※東日本リージョンで50GBの価格

静止点(Windows) ブロックレベルでの静止点 VSSでの静止点が可能

静止点(Linux) ブロックレベルでの静止点 ファイルレベルでの静止点

仮想マシンのバックアップをとりたい

静止点はブロックレベルではなく、VSS、ファイルレベルでとれると嬉しい。

バックアップファイルの保存は安く利用でき、ほぼ絶対にデータ消失が無いようにしたい。

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チガイ其の四(仮想マシン関連)

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AWS Azure

課金対象時間 1時間単位 1分単位

ハイパースレッド オン(論理コア2個に対して割り当てられる物理コア は1個のみ)

オフ(論理コア2個に対して割り当てられる物理コア は2個)※一部 のインスタンスで例外有り

ロードラバランサーのIP固定 不可能 可能

無料証明書※直接EC2/VMに関連するサービスではありませんが、、

有り 無し

その他の仮想マシン+αでの違い

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チガイ其の五(購入方法)

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Azure

AWS Azure

クレジットカード払い ポータルからアカウントを作成 ポータルからアカウントを作成

請求書払い リセラーパートナから購入 Microsoftに相談することで請求書払い可能または、CSPパートナから購入

前払い リザーブドインスタンス※前払いで利用できるサービスは限られている

EA(Enterprise Agreement)契約※LSPから購入可能

入札 スポットインスタンス※入札で利用できるサービスは限られている

-

再販(リセール) リセラーパートナになることで再販可能 CSPパートナになることで再販可能

無償利用枠 各サービス毎に無料枠が設定https://aws.amazon.com/jp/free/

30日間、¥20,500分のサービスが利用可能https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/

クレジットカード、請求書、前払い、、どんな購入/再販の選択肢があるのか?

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チガイ其の六(FaaSでのAPIサービス化)

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Amazon API Gateway

AWSLambda

HTTPSリクエスト

client AzureFunctions

HTTPSリクエスト

client

Lambdaの前に

API Gatewayが必要※Serverless Frameworkなどを使うことで、構築・運用は簡単に行える

FunctionsのみでOK構成がシンプルなので、実装・運用が簡単

※ただし、現時点ではAPI definitionはPreview

FaaSを使いServerlessでAPIを作成したい

AWS Azure

Functionsで利用できる言語Bash, Btach, C#, F#, JavaScript, PHP,

PowerShell, Python, TypeScript

Lambdaで利用できる言語JavaScript, Python, Java, C#

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チガイ其の七(GPUインスタンス)

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AWS Azure

メモリ 15〜732GB 56〜224GB

GPU 1〜16 1〜4

ネットワーク 拡張ネットワーキングによるプレイスメントグループ内では最大 20 Gbps

InfiniBand による RDMA の利用が可能(NC24r)

コンピューティング用 P2インスタンスNVIDIA Tesla K80

NCシリーズNVIDIA Tesla K80

グラフィック用 G2インスタンスNVIDIA GRID K520

NVシリーズNVIDIA Tesla M60

日本リージョンでの利用 G2インスタンスは利用可能 海外リージョンのみ

GPUインスタンスでガリガリ画像分析、機械学習を行いたい

GPUインスタンス間を高速なネットワークで接続し、ハイパフォーマンスなクラスタを組みたい。

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チガイ其の八(マネージドサービスのDB)

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AWS Azure

MySQL / MariaDB RDS※MySQL5.6互換のAuroraも含む

Azure Database for MySQL※現時点ではPreview

Postgress RDS Azure Database for Postgres※現時点ではPreview

SQL Server RDS ※サイズアップ時のサービスダウンは数分必要

SQL DB※サイズアップ時のサービスダウンは数秒で可能

Oracle RDS 無し

冗長構成 Multi-AZ構成でのMaster-Slave構成が可能また、Read Replicaの作成も可能

MySQL、PostgressはMulti-Master構成が可能。Read Replicaの作成も可能※現時点ではPreview

パフォーマンス 40vCPU、160GB Memory(db.m4.10xlarge)32vCPU、244GB Memory(db.r3.8xlarge)

Public Previewのため現時点では未明

備考 RDSの使い勝手(バックアップやスケールアップ、Read Replica、など)が良いためAWSを選択するケースも非常に多い

現時点ではSQL Server以外のDBではAzureはAWSと比較して弱いが、MySQL、PostgresがGAになりMulti-Master構成によりサービスダウンタイムの極小化、高いパフォーマンスが発揮できる(かも)

ミッションクリティカルなデータベースの運用も枕を高くして寝むりたい

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チガイ其の九(マネージドサービスのRedis)

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AWS ElasiCache Azure Redis

可用性(SLA) SLA定義無し SLA 99.9%※Standard/Premiumのみ

自動フェイルオーバー 可能 可能※Standard/Premiumのみ

Read Replica 可能※1 つのシャードに対し最大 5 個のリードレプリカノードを構成可能

可能※Premiumでシャードの数を増やすことにより、スループットを比例して増加させる事が可能

クラスタ構成 可能(Multi-AZ) 可能※Premiumのみ

閉域ネットワーク内のデプロイ 可能※VPNC内へのデプロイが可能

可能※PremiumはVNet内へのデプロイが可能

データ永続化 サービス提供無し 可能※Premiumのみ

クロスリージョンレプリケーション 可能 サービス提供無し

大規模、グローバルなシステムでRedisを使いたい

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チガイ其の十(コンテナの課金)

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専有リソース 共有リソース

• リソースの上で稼働するコンピュートリソース(Container)に合わせて確保する必要ある

• リソース追加は起動時間がかかる(VMのため)

• 余裕を持ってリソースを確保するため、コスト効率が低下する

• 膨大な既にデプロイされている共有リソース上に必要なときに必要な量のコンピュートリソース(Container)を確保が可能

• 既にリソースはデプロイされているので拡張に伴う起動時間はゼロ

• 課金は利用したコンピュートリソースのみのため、コスト効率が高い

Container Container Container

Container Container Container

Container Container Container

Container Container Container

AWSでのContainerを利用した場合(ECS / EC2上にDockerを構成した場合)

※AzureもContainer Serviceを利用した場合はこちらのパターンになる

Azure App Service on Linuxを利用した場合※現時点では本サービスはPreview

課金対象

課金対象

AWS Azure

コンテナを使ってオートスケール時の起動速度を上げたい

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チガイ其の十一(SLA)

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AWS Azure

仮想マシン EC2 99.95%※月間使用可能時間割合

仮想マシン 99.95%※可用性セットで構成された2台以上のVMのどちらかへの接続

ストレージ S3 99.9%※月間使用可能時間割合

Blob Storage 99.9%※データの読み取り/書き込み要求が正しく処理

DNS Route 53 100%※使用可能時間

DNS 99.99%※少なくとも 1 つの Azure DNS ネームサーバーから応答を受信

Traffic Manager 99.99%※少なくとも 1 つの Azure DNS ネームサーバーから応答を受信

CDN CloudFront 99.9%※月間使用可能時間割合

CDN 99.9%※エラーなしでクライアントの要求に応答し、要求されたコンテンツを配信

AWSのSLA詳細https://aws.amazon.com/jp/agreement/

AzureのSLA詳細https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/

SLAが保証されているサービスを使い、可用性の高いシステムを実現したい

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チガイ其の十二(ログ管理)

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Log Analytics(インフラ系ログ)

Application Insights(アプリケーションログ)CloudWatch Logs

Elastic Service

ログ情報を元にグラフィカルなレポートをチームメンバーと共有したい

AWS Azure

※EC2のAmazon EC2 インスタンスのログをリアルタイムで監視したり、CloudTrailから取得できる操作ログも監視。ただし、カスタマイズ性の高い可視化は別途作り込みが必要 。Elastic Serviceは柔軟な使い方ができるが処理するデータ容量によってはインスタンスサイズを大きくする必要がありコストが高くなってしまう場合がある

※インフラ系のログだけでなく、アプリケーションログもAzureのマネージドサービスを利用して取得、視認性の高い可視化が簡単に可能。Log Analyticsは保存したログのデータ容量で課金

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チガイ其の十三(動画配信)

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Media ServiceElastic Transcoder

Amazon Elastic Transcoder

AzureMedeia Service

※1 つの動画ファイルから複数の配信形式/DRM方式をトランスコードする際、劇的に圧縮が可能(先の事例では 4 分の1 ほどまでストレージ コストを削減)

動画配信サービスのコスト効率を上げたい

マルチデバイス向けの動画配信用コンテンツのトランスコーディングをコスト効率よく処理させたい。

AWS Azure

※1 つの動画ファイルから複数の配信形式をトランスコード可能。

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チガイ其の十四(Cognitive Service系)

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29種類 + α(ラボ)視覚、音声、言語、知識、検索の5カテゴリ

※Previewのサービスも含む

※数が多いだけでなく、特に視覚(画像認識)は人間の誤認識率よりも低かったたという研究発表もあり非常に精度も高い。画像分析(ConputerVision)は100万迄は1,000枚につき¥103の課金(5,000枚まで無料のプランもあり)

3種類音声、画像の2カテゴリ

AIを取り入れて、自社のサービスの付加価値を上げたい

学習済みの画像認識、音声認識などをRest API/SDKで簡単に組み込みたい。

スモールスタートしたいので、使った分課金で利用したい。できるだけ安く!

AWS Azure

※画像分析(Rekognition)は100万迄は1,000枚につき$1の課金

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チガイ其の十五(BI)

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Quick Insight Power BI

シンプルに利用できるが、逆にできることはまだ少ない。 本格的なBIツールでTableauと比較しても遜色なく、安価。

オンプレミス/Azure上にReport Serverを立てて、閉域ネットワーク内にデータを保存しておくことが可能。

無償版で利用できる機能範囲も非常に広い。

グラフィカルなレポートを簡単、克、安価に作成しチームメンバーと共有したい

AWS Azure

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使い分け例

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※上記はあくまで個人の主観です。実際は様々な状況、前提条件があるため一概には言えません

利用用途 向いているクラウド 理由

サービスをグローバルに展開し、ユーザに近いデータセンターにリソースを配置したい

AzureAuzreは他のクラウドと比べリージョン数が多く、カバーしているエリアも広い

ディザスターリカバリーを国内のデータセンターで構成したい

Azure Azureは日本の東西に利用できるデータセンタがあり、克、高速なネットワークで結ばれている。またバックアップ、リストアを簡単に行えるサービスも充実している

IaaSを中心としたサービスを利用したい AWS AWSはIaaSに付随するかゆいところに手が届く機能が多く、また選択できるインスタンスタイプも豊富。サーバーエンジニアにとってはサービスの概念が理解しやすくキャッチアップしやすい

MySQL、Postgresを利用したい AWS(現時点では) AWSはRDSという強力なデータベースのPaaSがあり、大規模な本番環境での実績も多い

動画配信サービスを開発したい Azure AzureのMedia Serviceによりストレージ課金費用を大幅に抑えられる可能性がある

簡単に使えるAIを利用したい Azure Azure Cognitive Serviceは種類、認識精度が高く、安価に使える。また、カスタムも一部可能なため、適用範囲が広い

データの可視化を行いたい Azure PowerBI、LogAnalyticsといった簡単、安価に利用できるサービスが揃っている

PaaSを積極的に利用したい Azure AzureはApp Service、Cosmos DBなどホットプール(予め温まっている共有リソース)が利用できるPaaSが充実している

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Next Step

For AWSユーザ

Azureに興味を持ったなら、Azure Skillsをやってみよ!

• Azure Skills ※「AWS の専門家のための Microsoft Azure」からがおすすめ

https://www.microsoft.com/ja-jp/learning/azure-skills-training.aspx

For AzureユーザAWSに興味を持ったなら、クラウドサービス活用資料集を読んでみよ!

• クラウドサービス活用資料集https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/

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まとめ

• エンドユーザ視点ではその時、その先使えるものを選択していきたい

• 技術、サービスの進化は日進月歩

• 個人の戦闘力を高めつつ、チームでのキャッチアップ力が重要!(一人で全てをマスターするのは100回死の淵から復活したサイヤ人でも無理!!)

• 結果、アイディアを形にするスピードがどんどん早くなる!≒エンジニアとして仕事が楽しくなる!(はず)

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