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satoshi-taniguchi
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患者向け疾病検索アプリによる自己診断と自己トリアージュの正確性に対する評価
BMJ 08 July 2015BMJ 2015;351:h3480
http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h3480
要約:谷口諭
Semigran, H., Linder, J., Gidengil, C., Mehrotra, A.
患者向けに、症状から疾病を自己診断するアプリや医師の診察等の必要性を診断するアプリが多く出され、利用が伸びている。
既知:
実際にあった症例の情報をこれらのアプリに入力し、どの程度正確に診断・判断をするかを検証する
実験目的
■ 研究背景
これらのアプリが診断、自己トリアージュの正確性や有用性について検証がされていない。
未知:
疾病自己診断アプリの例
■ 研究背景
自己トリアージュアプリ例
アウトプットとして、症状から可能性の高い疾病の候補を提示
疾病自己診断と自己トリアージュの両方を兼ねているアプリもある
どのような状態であれば、どのような対応が必要かを提示する例:様子を見る~すぐ受診
Virtual Nursehttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.senstore.alice.harvard
Steps2Carehttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.gss.android.Steps2Care
■ 対象
無料で提供されている自己診断・自己トリアージュiPhone/Android アプリ 23本
以下のキーワードでアプリ検索・ Symptom checker・ Medical diagnosis
それぞれの検索結果上位300 で切り捨て同一アプリを排除
同じ診断エンジンを利用しているアプリを排除
極めて限定的な疾病の診断のみをするアプリを排除
143 -100 -25 23
検証対象アプリ
自己診断+自己トリアージュ 11自己診断のみ 8自己トリアージュのみ 4
■ 手法• 実際にあった症例を45設定 (一般的なもの26+特殊なもの19)• これらの症例に性別 × 年齢を複数組み合わせ、自己診断、自己トリアージュ用に
症例情報を作成した> 自己診断アプリ用 770 件> 自己トリアージュ用 532 件
自己診断機能の検証・非医療者が 770 件の症例情報をそれぞれのアプリで入力・正しい診断が出るか否か、何番目の候補として出るかを記録
自己トリアージュ機能の検証・非医療者が 532 件の症例情報をそれぞれのアプリで入力・適切な対応を指示したか否かを記録
・緊急、診察が必要、観察 の緊急度で正確性が変化するか検証・一般的な症例、特殊な症例で正確性が変化するか検証・属性情報の付与によって正確性が変化するか検証・アプリの提供主体(保険者、医療者、その他企業)で正確性が変化するか検証・表示される結果候補数によって正確性が変化するか検証
■ 結果
医療者による症例診断の正確性は 85-90% 程度とされている必ず「医師の診察を受けるように」とするアプリもあったが、利用者に逆効果になる可能性は?
補足ポイント
自己診断は 58% 、自己トリアージュは 57% の正確性
Not Good!緊急性が高いほど、正確性が低くなる
Good!結果候補 3 個と 20個では大きな差がない
Good!緊急性が高い方が、正確にトリアージュできている
■ 参考:アプリごとの検証結果