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西洋哲学史の総合 大哲学者が大哲学者たる所以を解決

7.西洋哲学史の総合

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Page 1: 7.西洋哲学史の総合

西洋哲学史の総合

大哲学者が大哲学者たる所以を解決

Page 2: 7.西洋哲学史の総合

「存在論」

「存在」のモデル パルメニデスBC545-BC501

「在る」は在るが、「無」は在らぬ。(今までの哲学が無いものを混入していたため、このように言って批判した)

「存在論」

古代ギリシャ

哲学の流れ

タレス

哲学の祖

(本質は何か?

本質は「水」である)

↓(本質は無限だ)

(本質は空気だ)

↓(四元素の変化だ)

↓「万物は流転する」

こう言ったヘラクレ

イトスに対し、

存在論のパルメニデ

スは対立した。

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「人間は万物の尺度」

プロタゴラスBC500-BC430

主観的自我のモデル

「人間は万物の尺度である」※ソフィスト。これまでの神や自然中心の発想を人文主義的観点に転換した。

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「イデア論」プラトン

BC427-BC347「洞窟の比喩」

「洞窟の中で囚人が手足を縛られ、洞窟の奥の方しか見えない状態にある。

囚人の背後にある器物が入口の火に照らされ、囚人は壁に映された器物の影しか見えない。すると囚人は、器物の影だけを真実と認めることになる」

ソフィストに対立したソクラテスの弟子。アカデメイア創設。「イデア(真実)への憧れ」。

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「範疇論」

範疇観念の関与アリストテレスBC384-BC322

「洞窟の比喩」では影は真実の模造(イミテーション)だったが、

アリストテレスにおいては形相(真実)は個

物に内在する。形相と質料の統一で個物があり認知する。

ラファエル画「アテネの殿堂」では、

師プラトンが上を指しているのに対し、下を指し、

地に足がついている。博物学を修め範疇を整理し、まとめた。

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「考えるコギト」デカルト1596-1650 演繹法「我思う。ゆえに

我あり」(コギト・エルゴ・スム)

これまでがアリストテレス哲学の教条主義だったのに対し、理性を説いた。

数学の座標を考案した。

Page 7: 7.西洋哲学史の総合

「観念の連合」「記号論」

「複合観念」=「体系観念」 ロック1532-1704

「演繹法」に対し帰納法を主張。

「大陸合理論」に対し「イギリス経験論」。「記号論」の創始者。

誰しも赤ん坊の時は白紙。(タブラ・ラサ)印象が作られ、単純観念→複合観念へ。「観念連合」

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「蓋然性」

「類似」=「疑似現実」 ヒューム1711-1776

観念連合によれば、因果律は絶対ではない。(だから以後実験科学が重視された)

同様に外界も人間の産物である。

したがって、「である」ではなく、全て「かもしれない」と蓋然的にしか言えない。(懐疑論)

Page 9: 7.西洋哲学史の総合

「感性」「悟性」「理性」

「物自体」は分からない カント1724-1804

ヒュームの著作に驚愕。

「独断のまどろみを破られた」→哲学の道へ。

改めて人間の知的活動全般を見直し、「感性→悟性→理性」の3段階にまとめた。

最後の理性の段階では「二律背反」に陥る。「世界は必然である/

偶然である」「有限である/無限である」「部分に分けられる/部分

に分けられない」「神はいる/いない」

「物自体」は認識できないが、実践上道徳の基盤として物自体は重要。

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「マキャベリズム」

現実主義 マキャベリ1469-1527

現実主義者マキャベリスト

「君主は愛されるよりも畏れられよ」「君主は狐と獅子を範とせよ」

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「機械論」

ホッブス1588-1679 物体的対象と手段的特徴

「生命とは四肢の運動に他ならず」

「心臓とはぜんまい、神経は線、関節は歯車のことであって」

「主権が人工の魂であり、それが全身に命と運動を与える」

政治のない状態=「自然状態」

Page 12: 7.西洋哲学史の総合

「功利主義」

手段的特徴から価値意識 ベンサム1748-1832

人間は、幸福・快楽を求め、不幸・不快・苦痛を逃れようとする。

「最大多数の最大幸福」

Page 13: 7.西洋哲学史の総合

家族・市場・国家

体系観念・・・理性 ヘーゲル1770-1831人倫は、家族-

市場-国家の弁証法的な三段階(正-反-合)を経て発展する。

国家は普遍性を実現するため、市場の利己性を監視する。

Page 14: 7.西洋哲学史の総合

「単独者」「実存主義」

キェルケゴール1813-1855

客我から主我に切り替わる

「人は単独者としてひとりであり、しかも全世界においてひとりである。神に対してひとりである」

ヘーゲルの理性の完成に抵抗感を覚える

一般的・抽象的たることに対立し、特殊的に実存する、一個の人間に着目した

Page 15: 7.西洋哲学史の総合

能動的ニヒリズム

創造的な状態 ニーチェ1844-1900

「人間が、生と破壊的創造力たる生成の無垢な力に定位する立場に立つことは、通常は行わない。しかし、宗教・道徳・理知などの一切の価値を棄て、勇気を持って強固たる「威力への意志」を志すならば、それはもはやかつての自身とは違う。「絶対であるがゆえに当然にも固体を破裂させ、恐怖に満ちた暴力をもたらす自由な生成の創造力に自らを賭ける者こそ、人間を超える者、すなわち、

“超人“である」

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放下(ほうげ)

実存の最終、表彰等 ハイデガー1889-1976

「物をその秘密の領域へ向けて放ち渡す。そのとき物は、その秘密の領域へと差し戻されつつ、その充足のうちに輝き現れる。物が物であるためには、無尽蔵なものとして引きこもっていく秘密の領域が必要なのである。この領域を開け放ち、保持し守ることこそ、放下である」

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参加(アンガージュマン)

サルトル1905-1980

存在論に還る「人間には本質がもともと備わっている訳ではなく、各人の人間性、あるいは自分らしさは選択と行動を通して現実化する」

「人間は、自らつくるところのもの以外の何ものでもない」

それゆえ、人々は自分が自由に選択できることを自覚し、積極的にアンガージュマンしなければならない。仕事、結婚、政治参加など。

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ま と め•

大哲学者が大哲学者た

る理由は、人類の精神

を一段階上に引き上げ

たからである。

ただし大哲学者はサル

トルまでである。(存在

に還ったから)

したがって現在哲学者

を自称する人は大哲学

者とは言えない。

新しい哲学は、今まで

の哲学的発想法を全て

押さえた上で生み出す

べきである。本論はそ

の一助となる。