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池袋物理学勉強会(7) 高橋康 量子力学を学ぶための解析力学入門 第3章 正準形式の理論 @gm3d2 Oct. 15, 2014 池袋バイナリ勉強会会場

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池袋物理学勉強会(7)

高橋康量子力学を学ぶための解析力学入門

第3章 正準形式の理論

@gm3d2Oct. 15, 2014

池袋バイナリ勉強会会場

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第2章でのハミルトン形式● 運動エネルギーT、ポテンシャルV

…既知と仮定● 運動量を によって定義● ハミルトニアンH(pp, qq)を

H = T + V によって定義

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運動量の定義が自明でない場合への拡張

● Lagrangian を出発点とする● 一般化運動量 p

(3.1)● ハミルトニアンH(qq,, p p)

(3.2)● は(3.1)を解いて(qq,, p p) で表すものとする

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この定義からHamiltonの運動方程式を導く

● Hamiltonianの変化分は独立変数q、pにより

(3.5)

と表せる● 係数は偏微分の定義そのもの

δq の係数が 、δp の係数が

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Hの変化分の計算● 今H は で定義されているので

(3.6) pの定義から0

δq、δpで表すべきだが結果的に消えるのでその必要もない

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正準運動方程式● 上記の比較から、それぞれ

(3.7)

これにEuler-Lagrange方程式

とpの定義を用いると

(3.9)

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例1 調和振動子● Lagrangianから出発

(3.10)

一般化運動量pとHamiltonian

(3.11)

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例1 調和振動子 (2)● 運動方程式

(3.13)

pを消去

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例2 中心力を受ける質点● Lagrangian

(3.14)

● 一般化運動量pとHamiltonian H

(3.15, 3.16)

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例2 (2) 極座標による解析● Lagrangian

       (1.17)● 一般化運動量p

(3.18)

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例2 (3) Hamiltonian● Hamiltonian

       

(3.19)● 運動方程式(r成分)

(3.20a,b)

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例2 (4) 運動方程式● 運動方程式(θ成分)

       

(3.20c)

● 運動方程式(φ成分)

(φはサイクリック座標) (3.20d)

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例3 電磁場中の粒子● 電場と磁場を考慮に入れた運動方程式

       

(3.22)● e: 粒子の電荷、E: 電場、H: 磁場● ここでは電磁場は運動方程式に従って決定される量で

はなく、あらかじめ空間、時間依存性が与えられた既知の場とする→外場(external field)

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電磁ポテンシャル● スカラーポテンシャルA0

       静電ポテンシャル、空間電位

● ベクトルポテンシャルA

電場と磁場が両方Aから決まる空間を伝搬する「電磁波」を表現できる(時間に依存しない成分は静磁場を表す)

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Hamiltonian

● これから運動方程式が出ることを確認

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pを消去粒子の場所が変化することにより粒子の感じる電磁場の変化

電磁場が陽に時間依存する分

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さらにpを消去

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i=1としてみると       : j = i の項は消える

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まとめると

Hamiltonianから運動方程式が導出できた

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自由粒子との比較

と変更した式になっているminimal electromagnetic interaction

→「ゲージ理論」につながる観察

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演習問題 1(3.7b)より

よってqがサイクリック座標であれば右辺が0、左辺も0となる

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演習問題 2

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演習問題 3

: 一般化座標

● Mの非対称成分は消える→Mは対称行列と仮定

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演習問題 3 (2)

をHに代入

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演習問題 4(スキップ)

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演習問題 5(スキップ)

● Hamilton-Jacobiの方程式と呼ばれる● 今の段階では考え方が面倒な割に意味が

はっきりしないのでパス● 正準変換についてやってから改めて

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演習問題 6● L'とLの差がqの関数W(q)の時間微分

       

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演習問題 7● 一般論として、外場が絡んでくると保存する

かどうかは外場次第● 例        

注: 当初A0の空間依存性を忘れてHが時間保存しないとしていたがu_1rohさんの指摘により修正

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演習問題 7 (2)正準方程式から

       

が成り立つので、これより● この例ではHamiltonianは保存● (μは定数)などとす

るとHは保存しなくなる

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演習問題 7 (3)● 電磁場を外場でなく、それ自身のLagrangian

やHamiltonianで定義される力学変数として扱えば粒子と電磁場の全Hamiltonianは時間に対して保存する

● 特殊相対論のところで電磁気学もあわせて扱 うことにする     

   

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Legendre変換● 変数(x, y)の関数f(x, y)があるとき、これの偏

微分係数 を考える● 独立変数を(x, y)としているので、これの意味

は正確には と書くべき● 変数x の代わりに を用い、(p, y)を独立

変数としたら?

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Legendre 変換 (2)● (p, y)を変数とすると、fの偏微分係数に影響

が出る● は仕方ないとして、 も とは違っ

てしまう● f に調整を施して を定義し、

     とできないか?

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Legendre 変換 (3)● と定義すればよい

確認:

よって

キャンセル

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Legendre 変換 (4)● f(x, y) - xpでなく、xp - f(x, y)としてもよい● Hamiltonianはxp - f、熱力学ではf - xp方式● その分符号がひっくり返る箇所がある● いずれの定義でも、2回Legendre変換を行う

と元のfに戻る

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Legendre 変換 (5)● ただ変数をxからpに変えるだけなら勝手な(p,

y)の関数g(p, y)を考えてもよかった● 物理的には、変換に関係しなかったyについ

ての偏微分係数が保存されることが重要● つまり一変数でLegendre変換を使ってもあま

り意味がない

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Legendre 変換 (6)● y …は変換に使わなかった変数● yはxやp …で偏微分する際に変化しないもの● …ということは● LやHに含まれる任意のパラメータをyと見立

ててもよい(定数でさえも)!

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Legendre 変換 (7)● 調和振動子で試す

どんな複雑な系でも同様!