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zマイスターとの 新たな価値探求 System z ソフトウエアの最新機能と、 最新化がもたらす価値 zマイスターとの新たな価値探求 System z ソフトウエアの最新機能と、最新化がもたらす価値 Syかがemz IBM ϝΠンϑϨーϜͷ 45 年以上ͷ歴史ʹいɺ多くͷ客様ͷ基幹γ εテϜを支えΔΠンϑϥͱし採用さΕɺ現在最新ͷビδネε・ニーζʹ対応すべくɺϋー υΣΞɺソϑτΣΞ共ʹ進化し続けいΔϓϥッτϑォーϜͰすɻ 技術ͷ進化ɺ移Γ変 わΓͷ激しいIT業界ͷ歴史ʹいɺこΕけ長くɺ継続し客様ʹ価値を認Ί いいいΔϓϥッτϑォーϜɺ他ʹ例無いͰしΐうɻ そͷこͱを裏付けΔ事実ͱしɺ全世界ͷ市場を見ΈΔͱ 2010 年Β 2012 年ʹけ ɺSyかがem z ͷビδネε飛躍的ͳ伸びを示しい·すɻ一方Ͱɺ日本ͷ市場ʹい ɺ日本国産ベンダーͷϝΠンϑϨーϜͷΠϝーδを元ʹɺϝΠンϑϨーϜʹ対すΔネガ テΟϒͳΠϝーδ散見さΕい·すɻそͷΠϝーδを払拭すΔΊʹɺ進化・発展し IBM Syかがem z 提供すΔ機能ͱそΕʹΑ得ΒΕΔϝϦッτをΑΓ分Γ易い形ʹ 整理しɺ伝えͰΔΑうʹ取Γ組Έを進Ίい·すɻ 本コϥϜͰɺ最新ͷόーδョンʹ移行し頂い暁ʹɺ活用頂けΔ最新ͷソϑτΣΞ ͷ機能ͱɺ最新化Βす価値ʹいɺ主要ͳϛυϧΣΞͷ切Γ口Βɺ届けい し·すɻ 先輩 IT部門のシニアな社員。 豊富なϝインフレーϜ経験を持つ。 自称“zマイスター” 後輩 IT部門若手社員。 ϝインフレーϜが主担当だが オープン系も一部担当する。 登場人物

Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

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Page 1: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

zマイスターとの新たな価値探求System z ソフトウエアの最新機能と、

最新化がもたらす価値

zマイスターとの新たな価値探求System z ソフトウエアの最新機能と、最新化がもたらす価値

Syかがemz は IBM メインフレームの 45 年以上の歴史において、多くのお客様の基幹シ

ステムを支えるインフラとして採用され、現在も最新のビジネス・ニーズに対応すべく、ハー

ドウェア、ソフトウェア共に進化し続けているプラットフォームです。技術の進化、移り変

わりの激しいIT業界の歴史においても、これだけ長く、継続してお客様に価値を認めて

いただいているプラットフォームは、他に例が無いでしょう。

そのことを裏付ける事実として、全世界の市場を見てみると2010 年から2012 年にかけ

て、Syかがem z のビジネスは飛躍的な伸びを示しています。一方で、日本の市場におい

ては、日本国産ベンダーのメインフレームのイメージを元に、メインフレームに対するネガ

ティブなイメージが散見されています。そのイメージを払拭するために、進化・発展してき

た IBM Syかがem z が提供する機能とそれによって得られるメリットをより分かり易い形に

整理し、お伝えできるように取り組みを進めています。

本コラムでは、最新のバージョンに移行して頂いた暁に、活用頂ける最新のソフトウェア

の機能と、最新化がもたらす価値について、主要なミドルウェアの切り口から、お届けい

たします。

先輩:

IT部門のシニアな社員。

豊富なメインフレーム経験を持つ。

自称“zマイスター”

後輩:

IT部門若手社員。

メインフレームが主担当だが

オープン系も一部担当する。

登場人物

Page 2: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

① げ/OSの概要【第5章】 z/OS

8281

第5章

z/OS

げ/OS は、Sけかがem げ で稼働する代表的な OS (Opeおaがing Sけかがem)です。OSとは、ハードウェ

アとアプリケーション・ソフトウェアの仲介役となるソフトウェアで、主な役割は、ハードウェア資

源の効率的管理と、アプリケーションからハードウェア資源へのアクセス制御です。げ/OS は、

Sけかがem げ プラットフォームの最も重要なオペレーティング・システムであり、Sけかがem げ ハードウェ

アの機能を余すことなく引き出すことができます。今日の げ/OS は、1960 年代の S/360 アーキ

テクチャーを起点とし、数十年間の技術的進歩の結果たどりついたもので、一度に一つのプログ

ラムしか処理できないオペレーティング・システムから、数多くのプログラムやユーザーとの対話を

並行処理できるオペレーティング・システムに進化しました。

げ/OS は、企業のアプリケーションおよびデータの中心で基幹システムを支えるIBM のメインフレー

ム上で稼働し、大量のトランザクションやデータの処理に必要な高い信頼性・可用性・拡張性・

パフォーマンスを提供します。また、オープン・テクノロジーに対応した機能を提供し、インターネッ

トや Java のアプリケーションなど広範囲で多様な実行環境に対応することができます。すなわち、

従来のメインフレーム上で稼働する資産を継承しつつ、既存資産と新しいアプリケーションを統合

した基幹システムを実現することが可能になります。

① げ/OS の概要は、歴史や機能のほか、オペレーティング・システムがユーザー、プログラム、バッ

チ・ジョブなどに対して割り当てる仮想アドレス範囲を示す「アドレス空間」のメリットを、システ

ム信頼性向上の観点からわかりやすくお伝えします。また、②役に立つ げ/OS 新機能は、げ/OS

V1R10 以降のリリースで利用可能になった幾つかの新機能を簡単にご紹介します。

1 z/OS の概要

後輩 : メインフレーム運用の仕事は地味というか、目立たないですよね。エンドユーザーから見

たら、OS が げ/OS であろうと UNIX であろうと関係ないし。最近流行りの Bぁg Daがa は

DB2がメインだし、SOAはWASが前面にでてくるし、一体 OSって何やってるんですかね。

先輩 : まあ、確かにね。言っていることは一理あるよ。OS とはハードウェアとアプリケーション・

ソフトウェアとの仲介役なので、エンドユーザーには げ/OS の凄さというか特長が見えにく

いかもしれない。でも、OS に問題が発生するとすべてのアプリケーションに影響を与える

ので、非常に重要な中核のソフトウェアであることは間違いないね。逆に、その存在が目

立たず、障害を起こすことなく黙々と仕事をしているのが っげ/OS の凄さ ぱ とも言えるんじゃ

ないかな。

後輩 : それでは、げ/OS の概要とか、先輩が言うっげ/OS の凄さ ぱ を教えてもらえますか。歴史と

か機能も聞きたいです。

先輩 : まず、げ/OS の概要だけど、げ/OS は企業の基幹システムを支える IBM の Sけかがem げ 上

で稼働し、大量のトランザクションやデータ処理に必要な高い信頼性・可用性・拡張性・パ

フォーマンスを提供している OS なんだ。また、我々ユーザーを げ/OS 独自の世界に囲い

込むようなことはなく、オープン・テクノロジーに対応していて、インターネットや Jaぎa の

アプリケーションなど広範囲で多様な実行環境に対応している。つまり、従来のメインフレー

ム上で稼働する資産を継承しながら、新しい技術を取り入れて成長を続けているわけで、

まあ っTおeうdけ & Tおadぁがぁぇうalぱ の同時実現といったところだね。

後輩 : げ/OS は、いつごろ出てきたのですか。先輩が新入社員の頃からありましたか?

先輩 : 私が新入社員のころは、げ/OS という製品名ではなく、MVS と呼んでいたね。MVS は

Mきlがぁえle Vぁおがきal Sがぇおage の略で、日本語に訳すと『多重仮想記憶』と言えるかな。

この MVS によって仮想記憶化がサポートされ、ユーザー、プログラム、バッチ・ジョブ

などのタスク毎に固有のアドレス空間を提供することで、処理の多重化ができるようになっ

たんだ。

後輩 : すみません、ちょっとわからないです。それと、MVS と げ/OS の関係がわかりません。

Page 3: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

【第5章】 z/OS ① げ/OSの概要

83

① げ/OSの概要【第5章】 z/OS

84

先輩 : ごめん。そうね、ホテルを例にして言うと、タスクが宿泊客で、部屋がアドレス空間かな。

MVS 以前や他の OS では、物理的な記憶装置をうまく分割して使えないため、すべての

処理をひとつのアドレス空間で実行します。ホテルというか旅館の大部屋に多くの宿泊客が

泊まるようなイメージだね。まるで、私の中学、高校時代の修学旅行みたい。

後輩 : えっ、そうなんですか。私の中学、高校時代の修学旅行は、ちゃんと一人一部屋でした。

先輩 : 豊かな時代になったということだけど、まさに、その一人一部屋が MVS の設計思想なの

です。各タスクが個別のアドレス空間で稼働するので、仮想記憶の参照など、お互いを干

渉することがなく、さらに、ある特定タスクの異常終了が他のタスクに影響を与えないこと

が MVS の特長です。例えば、私の時代の修学旅行であれば、誰かがいびきをかいたら、

同じ部屋の仲間が眠れないということになってしまいます。

後輩 : 私の時代であれば、一人一部屋なので、隣の部屋の仲間がいびきをかいても、私は熟睡

できるということですね。いわゆる っ 部分障害が全体障害につながらない ぱ ということだと

思います。

先輩 : その通り。1974 年に発表された MVS は、その後、1996 年に OS/390 としてリリー

スされ、2001 年には 64 ビット・アドレッシングをサポートする げ/OS としてリリースされ

たんだ。げ/OS は、MVS の歴史を継承する製品だけど、その関係を簡単に言うと、MVS

からOS/390では処理の同時実行可能数が増えました。これは、ホテルの部屋数が増えて、

同時に宿泊できる人数が増えたことを意味します。また、OS/390 からげ/OS では、一部

屋の大きさが体育館並みになったということでしょうか。

後輩 : ありがとうございます。ホテルの例で、げ/OS の概要は理解できました。それでは、げ/OS

の主要機能としてはどのようなものがありますか?

先輩 : げ/OS の機能は、いくつかのフィーチャーとして提供されているよ。まずは、BCP (Baかe

Cぇうがおぇl Pおぇgおam)。これは、メモリー記憶域やシステム資源の管理、プログラムのタス

ク管理など、げ/OS の重要で基本的な機能を提供しています。

後輩 : これはオープン系と変わらないですね。

先輩 : 確かに、どのプラットフォームでも必ず必要な部分ですね。次は、JES2 (Jぇb Eうがおけ

Sきbかけかがem 2)。私のようにメインフレームを長年担当してきた技術者にとっては当たり前

の機能だけど、意外にも、この機能がオープン系の OS には標準でついていないことがわ

かりました。この JES2 は、バッチ・ジョブの制御を行いますが、同時に多数のジョブを実

行したり、ジョブを順番に流したり、あるいは処理しないで貯めておくこともできます。さら

には、印刷帳票の入出力制御を行います。他の OS には、こんな機能ありましたか?

後輩 : はい、オープン系の OS には標準機能としてなかったと思います。確か、別製品で対応し

ているはずです。でも、機能的には JES2 の方が上ですね。

先輩 : その他に、 ネットワーク通信機能を提供する Cぇmmきうぁcaがぁぇうか Seおぎeお や げ/OS 上

で UNIX 標準の Shell コマンドを実行したり、CC++ で作成したプログラムを実行する

UNIX Sけかがem Seおぎぁceか (USS)があります。

後輩 : えっ。げ/OS で Shell コマンドですか。

先輩 : そうだよ。だから最近のメインフレームは っ オープン・メインフレーム ぱ とも言われています。

Jaぎa、XML、UNICODE、Web サービスもごく普通に動きますよ。また、データ暗号

化機能を提供する Cおけえがぇgおaえhぁc Seおぎぁceか、システムのリソース保護やアクセス管理

を強固に行なうSecきおぁがけ Seおぎeお、外部記憶装置のアクセスを行うDFSMS など、OS と

して企業のシステムを運用するための機能は全て揃っています。

後輩 : まさに、っALL ぁう ONEぱ ですね。このフレーズと、ぱTおeうdけ & Tおadぁがぁぇうalぱ がとても印

象に残りました。先輩のおかげで、げ/OS の概要は理解できたと思います。ありがとうござ

います!

Page 4: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

【第5章】 z/OS

85

【第5章】 z/OS

86

② 役に立つげ/OS新機能

2 役に立つ z/OS 新機能

 プロシージャーにおける『入力データセット』のサポート

先輩 : プロシージャー(JCL PROC)には、大きく2 種類あるのは知っているよね?

後輩 : はい、カタログ式プロシージャー(PROC)、いわゆるカタプロと、入力(IN-STREAM)

プロシージャー(PROC/PEND)があると思います。

先輩 : その通り。では、君のこれまでの経験で、プロシージャーを使った際に困ったことは何かあっ

たのかな?

後輩 : 確かにありました。SYSIN DD * ステートメントを含むユーティリティーをカタプロに登録し

て実行したところ、JCL エラーになってしまいました。エラー・メッセージやマニュアルを

調べたのですが、そのような使い方ができない旨、明記されており、製品の制約事項のよ

うでした。

先輩 : それで、対応はどうしたの?

後輩 : 代替策としては、 1. 実行時にカタプロをオーバーライドして、SYSIN DD * ステートメ

ントを指定(追加)する、または、2. ユーティリティー制御ステートメントを DASD 上に

格納し、SYSIN DD ステートメントで該当データセット名を指定する方法があると思いま

す。私は前者 1. で対応しました。

先輩 : なるほど、それはよい経験をしたね。以前から、カタログ式プロシージャー(PROC)や

入力(IN-STREAM)プロシージャー(PROC/PEND)では、入力ストリーム・データセッ

ト(//ddうame DD * ステートメント、//ddうame DD DATA ステートメント)の指定がサ

ポートされておらず、無理に指定すると、エラー・メッセージ(IEFC601I INVALID JCL

STATEMENT)の出力を伴い、JCL ERROR が発生します。

後輩 : 今ちょうど、げ/OS のリリース・アップを計画中ですが、最新レベルでも、この制約は相変

わらず同じでしょうか?

先輩 : いい質問だね。朗報があるよ。実は、先日出席した げ/OS の研修で得た情報だが、げ/OS

V1R13(2011 年 9 月出荷の最新リリース)からは、この制約が大きく緩和されたんだ。

② 役に立つげ/OS新機能

後輩 : どういうことですか?

先輩 : げ/OS V1R13 からは、カタログ式プロシージャー(PROC)や入力(IN-STREAM)プロシー

ジャー(PROC/PEND)において、入力ストリーム・データセット(//ddうame DD * ステー

トメント、//ddうame DD DATA ステートメント)の直接指定がようやくサポートされるよ

うになったんだ。この新機能の対象は JES2 サブシステムに限定されるけど、STC、バッ

チ・ジョブいずれでも利用できるよ。

後輩 : JES3 サブシシテムでは、げ/OS V1R13 でも、まだ従来の制約が残っているのですね。

先輩 : そう。私も最新のマニュアルを確認したが、JES2/JES3 の記述が明確に区別されてい

るね。あと、この新機能を利用するには、JCL の変換(CONVERTER)処理を げ/OS

V1R13 のメンバーで行うことが前提というのも大事だね。逆に、ジョブの稼働メンバーは、

げ/OS V1R12 以下のレベルでも可能になっている。

後輩 : これは助かります。カタログ式プロシージャー(PROC)や入力(IN-STREAM)プロシー

ジャー(PROC/PEND)と、入力ストリーム・データセット(//ddうame DD * ステートメント、

//ddうame DD DATA ステートメント)が同居できて、分離せずに済むので、煩雑な JCL

コーディングから解放されると思います。げ/OS のリリース・アップが完了したら、ぜひ利用

してみたいと思います。

先輩 : 新機能の利用例を載せておきますので、参考にしてください。

z/OS V1R10 環境での稼働結果 :

1. 実行 JCL:

//BEANSZZ JOB MSGCLASS=X,NOTIFY=&SYSUID

//HELLO PROC

//STEPA EXEC PGM=IEBGENER

//SYSIN DD DUMMY

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//SYSUT2 DD SYSOUT=*

//SYSUT1 DD DATA

HELLO WORLD

/*

// PEND

//GO EXEC HELLO

Page 5: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

【第5章】 z/OS

87

【第5章】 z/OS

88

2.JOBLOG(JESMSGLG/JESJCL):

IEFC452I BEANSZZ - JOB NOT RUN - JCL ERROR 385

1 //BEANSZZ JOB MSGCLASS=X,NOTIFY=&SYSUID

IEFC653I SUBSTITUTION JCL - MSGCLASS=X,NOTIFY=BEANS

2 //HELLO PROC

//STEPA EXEC PGM=IEBGENER

//SYSIN DD DUMMY

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//SYSUT2 DD SYSOUT=*

//SYSUT1 DD DATA

// PEND

3 //GO EXEC HELLO

4 ++HELLO PROC

5 ++STEPA EXEC PGM=IEBGENER

6 ++SYSIN DD DUMMY

7 ++SYSPRINT DD SYSOUT=*

8 ++SYSUT2 DD SYSOUT=*

9 ++SYSUT1 DD DATA

3.JOBLOG(JESYSMSG):

STMT NO. MESSAGE

3 IEFC001I PROCEDURE HELLO WAS EXPANDED USING INSTREAM PROCEDURE

DEFINITION

9 IEFC601I INVALID JCL STATEMENT

z/OS V1R13 環境での稼働結果 :

1. 実行 JCL:

//BEANSZZ JOB CLASS=A,MSGCLASS=H,MSGLEVEL=(1,1),NOTIFY=&SYSUID

//HELLO PROC

//STEPA EXEC PGM=IEBGENER

//SYSIN DD DUMMY

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//SYSUT2 DD SYSOUT=*

//SYSUT1 DD DATA

HELLO WORLD

/*

// PEND

//GO EXEC HELLO

② 役に立つげ/OS新機能

2.JOBLOG(JESJCL):

1 //BEANSZZ JOB CLASS=A,MSGCLASS=H,MSGLEVEL=(1,1),NOTIFY=&SYSUID

IEFC653I SUBSTITUTION JCL - CLASS=A,MSGCLASS=H,MSGLEVEL=(1,1),NOTIFY=BEANS

2 //HELLO PROC

//STEPA EXEC PGM=IEBGENER

//SYSIN DD DUMMY

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//SYSUT2 DD SYSOUT=*

//SYSUT1 DD DATA

// PEND

3 //GO EXEC HELLO

4 ++HELLO PROC

5 ++STEPA EXEC PGM=IEBGENER

6 ++SYSIN DD DUMMY

7 ++SYSPRINT DD SYSOUT=*

8 ++SYSUT2 DD SYSOUT=*

9 ++SYSUT1 DD DATA

3.JOBLOG(JESYSMSG/SYSPRINT/SYSUT2):

STMT NO. MESSAGE

3 IEFC001I PROCEDURE HELLO WAS EXPANDED USING INSTREAM PROCEDURE DEFINITION

ICH70001I BEANS LAST ACCESS AT 17:29:21 ON FRIDAY, OCTOBER 28, 2011

IEF236I ALLOC. FOR BEANSZZ STEPA GO

IEF237I DMY ALLOCATED TO SYSIN

IEF237I JES2 ALLOCATED TO SYSPRINT

IEF237I JES2 ALLOCATED TO SYSUT2

IEF237I JES2 ALLOCATED TO SYSUT1

IEF142I BEANSZZ STEPA GO - STEP WAS EXECUTED - COND CODE 0000

IEF285I BEANS.BEANSZZ.JOB02625.D0000103.? SYSOUT

IEF285I BEANS.BEANSZZ.JOB02625.D0000104.? SYSOUT

IEF285I BEANS.BEANSZZ.JOB02625.D0000101.? SYSIN

IEF373I STEP/STEPA /START 2011301.1730

IEF032I STEP/STEPA /STOP 2011301.1730

CPU: 0 HR 00 MIN 00.00 SEC SRB: 0 HR 00 MIN 00.00 SEC

VIRT: 60K SYS: 252K EXT: 0K SYS: 12168K

IEF375I JOB/BEANSZZ /START 2011301.1730

IEF033I JOB/BEANSZZ /STOP 2011301.1730

CPU: 0 HR 00 MIN 00.00 SEC SRB: 0 HR 00 MIN 00.00 SEC

1DATA SET UTILITY - GENERATE

-IEB352I WARNING: ONE OR MORE OF THE OUTPUT DCB PARMS COPIED FROM INPUT

PROCESSING ENDED AT EOD

HELLO WORLD 00090001

② 役に立つげ/OS新機能

Page 6: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

【第5章】 z/OS

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【第5章】 z/OS

90

 バッチ・ジョブにおける『ジョブ完了コード』のサポート

先輩 : ところで、話は変わるけど、バッチ・ジョブにおける『ジョブ完了コード』には興味あるかい?

後輩 : えーと、確か、『ジョブ完了コード』とは、実行されたステップの中で最大の戻りコード、

または、最後の ABEND コードが代表値として報告されるはずです。

先輩 : はい、その通り。では、この機能が不便と感じたことはないかい?

後輩 : あります。実行ジョブにおける特定ステップの戻りコードに着目したい場合、ジョブ・ログの

確認がちょっと面倒ですね。もちろん、EXEC ステートメントの COND パラメータと組み合

わせることで、特定ステップの戻りコードに応じて処理を進めることはできますが、特定ス

テップの戻りコードが代表値として『ジョブ完了コード』にセットされると便利だと思います。

先輩 : それはよかった、朗報があります。げ/OS V1R13 からは、バッチ・ジョブ実行時の機能拡

張として、『ジョブ完了コード』の制御ができるようになったのです。この新機能を利用する

ことで、ジョブ・ログの吟味から解放され、業務視点でのジョブ成功・失敗が容易に判断で

きます。

後輩 : 具体的に教えてください。

先輩 : げ/OS V1R13 では、『ジョブ完了コード』を制御する目的で、JCL JOB ステートメントに

て下記のような新規パラメータ(JOBRC)が追加されました。

1. JOBRC=MAXRC: 実行ステップの中で最大の戻りコード、または、最後の ABEND

コード

2. JOBRC=LASTRC: 最後に実行した STEP の戻りコード、または、ABEND コード

3. JOBRC=(STEP,かがeえうame[.えおぇcかがeえうame]): 該当ステップの戻りコード、または、

ABEND コード

後輩 : 以前との互換性はどうなっていますか?

先輩 : さすが、よい質問だね。でも、 その点はご心配なく。げ/OS V1R12 までの挙動は、

1.JOBRC=MAXRC に該当し、げ/OS V1R13 での省略時値も 1.JOBRC=MAXRC な

ので、ストレート・マイグレーションの観点では問題ありません。

後輩 : なるほど、この新機能 3. が、私の求めていた機能になりますね。

② 役に立つげ/OS新機能

先輩 : その通り。また、3. の場合、該当ステップが実行されなかった場合は、1.JOBRC=MAXRC

の扱いになります。

後輩 : 変な話ですが、3. で指定されたステップが存在しない場合は、どうなりますか?

先輩 : おぉ、 鋭い質問だね。その場合は、 エラー・メッセージ(IEFI010I STEPNAME IN

JOBRC DOES NOT MATCH ANY STEP IN THE JOB)が出力されて、即座にジョ

ブは終了します。($HASP396 あぇbうame TERMINATED)

後輩 : この新機能を利用するには、JCL JOB ステートメントに JOBRC パラメータの明示指定

が必須ですか?

先輩 : いや、JES2PARM JOBCLASS ステートメントにも、下記のような新規パラメータが追

加されたので、例えば、(b)JOBRC=LASTRC を明示指定しておけば、JCL JOB ステー

トメントの JOBRC パラメータ省略時値として利用できます。つまり、JCL JOB ステート

メントの JOBRC パラメータは、JES2PARM で設定された省略時値をオーバーライドす

るわけです。

(a)JOBRC=MAXRC (省略時解釈)

(b)JOBRC=LASTRC

後輩 : この機能を利用する上で、何か注意点はありますか?

先輩 : げ/OS V1R13 では、この新機能を利用する・しないにかかわらず、ジョブ完了時の

NOTIFY メッセージ($HASP165)にて示される『コード(cccc)』が、 常に 4 桁

表示されるように変わりました。 例えば、"MAXCC=0" が "MAXCC=0000" となり、

"MAXCC=12" が "MAXCC=0012" となりますので、メッセージ自動化処理では影響有

無の確認が必要です。

後輩 : いろいろ聞いてしまいましたが、ありがとうございます。勉強になりました。これは、ぜひ

利用してみたい新機能ですね。

先輩 : 新機能 3.JOBRC=(STEP,かがeえうame[.えおぇcかがeえうame]) の利用例を載せておきますの

で、参考にしてください。

② 役に立つげ/OS新機能

Page 7: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

【第5章】 z/OS

91

【第5章】 z/OS

92

z/OS V1R13 環境での稼働結果 :

1. 実行 JCL:

//XXXXXXX JOB CLASS=A,MSGCLASS=H,MSGLEVEL=(1,1),NOTIFY=&SYSUID,

// JOBRC=(STEP,TEST.STEP1) ぇお JOBRC=(STEP,TEST.STEP2)

//PROC1 PROC

//STEP1 EXEC PGM=IEFBR14

//*=====*

//*RC=00

//*=====*

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//STEP2 EXEC PGM=IDCAMS

//*=====*

//*RC=08

//*=====*

//SYSPRINT DD SYSOUT=*

//SYSIN DD *

DELETE XXXXXXX.TEST1028

/*

// PEND

//TEST EXEC PROC1

/*

2. 各ステップの実行結果 :

-STEPNAME PROCSTEP RC

-TEST STEP1 00

-TEST STEP2 08

3.JOBRC=(STEP,TEST.STEP1) パラメータを指定した場合 :

SE '14.01.09 JOB01764 $HASP165 XXXXXXX ENDED AT N1 - JOBRC=0000',LOGON,

USER=(XXXXXXX)

4.JOBRC=(STEP,TEST.STEP2) パラメータを指定した場合 :

SE '14.07.18 JOB01766 $HASP165 XXXXXXX ENDED AT N1 - JOBRC=0008',LOGON,

USER=(XXXXXXX)

② 役に立つげ/OS新機能

* げ/OS 新機能に関するコラムは、『マイグレーション教授のワンポイント・アドバイス』でも掲載し

ていますので、あわせて参照ください。

② 役に立つげ/OS新機能

Page 8: Zマイスターとの新たな価値探求 z/OS

185

IBM、IBM ロ ゴ、ぁbm.cぇm、AIX、CICS、CICSPleぐ、DB2、IMS、IうfぇSえheおe、NeがVeぁく、えきおeScale、RAA、

RACF、Raがぁぇうal、Raがぁぇうal Team Cぇうceおが、SPSS、Sけかがem げ、Tぁぎぇlぁ、WebSえheおe、げ/OS およびzSecきおe は、

世界の多くの国で登録された Iうがeおうaがぁぇうal Bきかぁうeかか Machぁうeか Cぇおえぇおaがぁぇう の商標です。他の製品名および

サービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、

くくく.ぁbm.cぇm/legal/cぇえけがおade.かhがml をご覧ください。

● 掲載された情報は 2013 年 3 月現在のものです。事前の予告なく変更する場合があります。

● 製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくは IBM ビジネスパートナーの営業担当員にご相談ください。

● 本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞は掲載当時のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。