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科学技術振興機構社会技術研究開発センターの「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」領域のタスクフォースが中心となって開発した8輪EV-コミバスの、開発思想と実現までの足取り、現状、課題などを紹介する。
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Slow Mobility by a newly developed EV-Community Vehicle
to activate regional societies 地域社会を「ゆっくりずむ」で一体化・活性化する
低速・電動コミュニティバス
JST(科学技術振興機構) RISTEX(社会技術研究開発センター)
「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域
株式会社シンクトゥギャザー NPO法人北関東産官学研究会 群馬大学・次世代EV研究会 富山国際大学 社団法人蓄電型地域交通推進協会
2013年3月3日
eCom-8Ⓡ
イーコムエイト
Eコミバスは科学技術振興機構社会技術研究開発センター研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域における蓄電型地域交通タスクフォースにおいて基本設計を行いました。
株式会社 シンクトゥギャザー 群馬県太田市尾島町218
川端鐵工株式会社 黒部市生地芦区247
バッテリーは交換可能 1充電当たりの走行距離は約40km。しかし簡単に交換可能なので、運行距離には支障がありません。もちろん停留所での継ぎ足し充電も可能です。
小さな車体、全幅1.85m 幅1.85mのコンパクトな車体で、街中をゆっくり走っても邪魔になりません。 それでも楽々10人乗り。
解放感たっぷり ドアが無いので、いつも景色と一緒。荷物があっても楽に乗り降りできます。これはまさに・・
水平エスカレーター
シートは対面ベンチ ゆっくり走る車だからこそ、おしゃべりしながら楽しみたい! 知らない人との会話も広がる対面シートです。 これはやめられません!
今までの乗り物とは違う、 新しい交通システムをご提案します。
乗りたいところで乗り、降りたいところで降りる。自動車はお客様のご要望に応じで走ります。それがEコミバスです。
太陽光や小水力、風力、バイオマスなどの自然エネルギーの恩恵をたっぷりと受けることができる電気自動車です。
地域のニーズを的確にとらえ、地域に合った形状と機能を実現しました。わがままが言える電気自動車です。
ユックリズムの安心感。時速19㎞以下のスピードで、観光地を走ります。街ゆく人にもクリーンで安全です。
ベンチシートに揺られながら、景色をみながら、お話しをしながら移動することで、人と人とのふれあいが生まれます。
小さなタイヤ、低い床 タイヤのサイズは軽自動車と同じ13インチ。とっても低い床なので乗り降りも楽々です。
時速19kmで走行 歩行者の視線で街中が良く見える人にやさしいスピードです。街のスケールが車から人へと コンパクトに。
太陽光発電で走行距離アップ ルーフに560Wの太陽光パネルを装備。 晴れた日の走行ならば、バッテリーの約半分の電力を太陽が補います。
JST-環境エネルギーR&D領域で
独自のEV戦略が2009年に始まった
●EV化の戦略-1 生活をまもる(燃料価格暴騰対策)
●EV化の戦略-2 地域と地球にやさしい楽しい街づくり (脱温暖化へのライフスタイルの変革)
●EV化の戦略-3 地域の身軽なメーカーの新規参入 (脱温暖化への地域産業活性化)
●ポイント1 お年寄り、子供たちや観光客にも便利 (過疎対策、商店街・観光地活性化)
●ポイント3 「蓄電型コミュニティ交通」の国策具現化
●ポイント2 蓄電・分散型でスマートなエネルギー利用
eCom-8Ⓡのコンセプト
低速走行:最高20km/h
極めて低い死亡事故率、容易なメンテナンス
ひとびとを繋ぐコミュニティの足 どこでも乗り降り=「水平エスカレーター」 地域ニーズの重視:商店街、観光、福祉
適正技術でコストダウン
風土に応じた設計で無駄を省く クーラーなし、必要なければ窓ガラスもなし
② 極めて低い死亡事故構成率(乗員を含む)
① 安全性が高く死亡事故がおきにくい ②「視認性」が高く、街並みやショッピング スポットや小さな看板もよく目に入る ③ 発・停車が容易で、どこでも乗り降りができ お買い物やスポット探訪に役立つ ④ 車の中ではゆっくりした時間が流れ、 会話がはずみ、人と人のつながりが深まる ⑤ 安全性が高いため、開発コストが低い
⑥ メンテナンスが容易で運用コストが低い
時速20kmがもつ優位性
(財団法人 交通事故総合分析センター ITARDA INFORMATION No.79より)
11~20km/hの速度帯 と比較して、 41~50km/hでは16倍 51~60km/hでは31倍
11~20km/hの速度帯 では、1%に満たない
①極めて低い歩行者死亡事故率
危険認知速度別歩行者死亡事故率(2007年)
②極めて低い死亡事故構成率(乗員を含む)
最も死亡事故の多い 速度帯
・車両単独 ・車両相互 正面衝突 ・車両相互 追突 による死亡事故は 極めて低い
(財団法人 交通事故総合分析センター ITARDA INFORMATION No.80より)
普通・軽自動車死亡事故の危険認知速度別構成(2007年)
低速車は他の車の迷惑になるか 2010年、群馬大が 市道で「低速バス運行実験」
区間所要時間[秒
]
停止時にたまる車の台数
結果:低速運転でもトラブルなし。 (この実験では大型バスを用いたが、車幅の狭いE-コミバスならば、左に避けて後続車を
流せるため、通常の交通との共存は、より容易になる。)
低速バス(大型) 2010年3月5日AM8時の場合
EV-コミバス「 eCom-8Ⓡ 」の主要諸元 項目 内容
乗車定員 10 名
外観寸法
全長 4,405 mm
全幅 1,850 mm
全高 2,425 mm
最低地上高 135 mm
車輌重量 空車時重量 1,080 kg
総重量(10人乗車時) 1,630 kg
性能
最高速度 19km/h
一充電走行距離 40 km (19km/h定地)
最小回転半径 5.6 m
モーター
種類 DCブラシレス
インホイールモーター
最大出力 20 kW (2.5kW×8)
最大トルク 52 Nm (6.5Nm×8)
駆動方式 全8輪駆動
ソーラーパネル 最大出力 560 W (140W×4)
最大電圧 78 V
バッテリー
種類 リチウムポリマー電池
電圧 52 V
容量 100 Ah
充電
交流入力電源 単相(50/60Hz) 入力電圧 AC100V
充電時間 約8時間
1.2010年、群馬大次世代EV研(宗村氏(㈱シンクトゥギャザー)リーダー) と協力企業がマウス型の一人乗り車(写真1,2)を完成。 同車用インホイルモータ(写真3)は㈱ミツバが開発。 2.2011年2月、JST-RISTEX環境・エネルギーR&Dプロジェクトは、 このモーターを並列装着した低速コミバス製作を宗村氏に依頼。 3.2011.9 第1号試作車完成(写真4)。富山の川端鉄工㈱も内装に協力。
4輪マウスから8輪の eCom-8Ⓡへ ーEVの特徴を生かしたEV-コミバス制作の経緯ー
写真1(マウスのコンセプト) 写真2 (μ-TT2) 写真3(インホイルモーター) 写真4(8輪コミバス)
桐生の取り組み
群馬大学・次世代EV研究会によるマイクロEVの開発 地域の技術力を結集
低炭素街社会を目指して マイクロEVを用いた 様々な実証試験
マイクロEVの足回り技術を 利用してE-コミバスを開発
マギー1 μTT2
●H22環境省「チャレンジ25地域づくり事業」(小水力発電を蓄電 EVの電力に) ●H22国土交通省「超小型モビリティー実証試験」(マイクロEVの市内実走試験) などを展開
μEVトラック
富山の取り組み
低炭素型の、エコ温泉リゾート構築にむけ活動
でんき宇奈月プロジェクト
マイクロEVレンタルサービス 電動アシスト自転車貸し出し
EVを宇奈月の日常に!
小水力発電所の実証実験 小水力でEVを充電
小水力で充電したバッテリーをEVに供給する実証運用
スパマラソンのペースカーはEVで。電動自転車も導入。
日本のツェルマットを目指しEVの温泉街「宇奈月」づくりを開始(H21年度国交省、建設業元気回復補助事業)
eCom-8Ⓡの活用計画(桐生)
イベント時のトランジットモール化や高齢者の方を中心とした福祉交通・お買い物客,観光客用バスなどとして,地域への導入に向けた実証試験を行いながら,活用法
を検討 ⇒ 商店街や街の活性化に
伝統的建築群(ノコギリ屋根工場等),織物産業,自然資源等が豊かな「織都桐生」の観光・生活の足として
eCom-8Ⓡの活用計画(富山)
狭い温泉街を、歩行者と共存できるサイズとデザイン すれ違っても怖くないスピード・威圧感のないサイズ 歩行者が見ても気持ちの良くなるスタイル
歩行者スケール(pedestrian scale)の移動速度 時速20kmで温泉街をゆっくりと移動 ゆっくり走ればお土産が見える、和服の女将が微笑んでくれる 移動を楽しむ。観光するためのモビリティー
温泉旅館街に電気自動車ゾーンを設置してガソリン車フリーの街並み形成を目指した実証実験を計画中。Eコミバスはその中核に。
電気自動車ゾーン
9月24日、富山県黒部市にてEコミバスの試乗会を実施。子どもたちにも大人気!
・・こ れ か ら ・・
低コスト化・信頼性向上(普及)
導入主体の経営計画パッケージ(経済)
商店街、温泉・観光地、住宅地、農村
活性化シナリオ(活用・連携)
充電・電池交換・運行システム(インフラ)
(目的)第3条 当法人は、地域交通としての蓄電型地域交通の普及に より、地域交通の利便性の拡大と環境保全に寄与することを目的 とし、その目的に資するため、次の事業を行う。 (1) 蓄電型地域交通を導入するためのノウハウの集積とそのパッケージ提供 (2) 蓄電型地域交通を運行するために必要な基本計画・事業計画の策定 (3) 蓄電型地域交通を構成する要素機器および全体システムの設計・ 製造技術にかかわる情報の集積と提供 (4) 蓄電型地域交通を構成する要素機器、部品およびノウハウの提供 (5) 蓄電型地域交通普及支援のための研究会、セミナー、シンポジウム開催 (6) 蓄電型地域交通の普及のための政策等に関する提言および情報発信 (7) 蓄電型地域交通に基づく地域振興等のための技術・制度・政策等に 関する調査研究事業・実証事業・人材育成事業・市民啓発事業等受託 (8) その他、当法人の目的を達成するために必要な事業
FORTESがこれからE-コミバス導入を応援します
社団法人蓄電型地域交通推進協会(FORTES)
2010.7.29設立、理事長:川村健一広島経済大教授 設立記念講演:国交省 都市・地域整備局 英 直彦 街路事業調整官(当時)
堀尾正靱(不許複製)
CO2を出さない 地域ごとの電源構成と発電CO2原単位
0%
20%
40%
60%
80%
100%
USA EU Japan China
20
60
80
100
0
40
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
0.60 0.43 0.43
0.98
0.2
0.6
0.8
0
0.4
OIL
COAL
NUCLEAR
Renewable
GAS
Global
0.58
Source: World Energy Outlook 2007
CO2 Intensity
Energy Source Combination
1.0
Cal
0.27
USA EU Japan China Cal
CO
2 I
nte
nsi
ty
kgCO
2/k
Wh
Energ
y S
ourc
e
Com
bin
ation
%
Global
日産自動車研究所広田氏より
堀尾正靱(不許複製)
対ガソリン
CO
2排出量
CO
2 E
mis
sion (
ICE-G
aso
line=
1)
電気自動車のCO2排出量(ガソリン車=100%)
41% 40%
19%
30% 30%
68%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
Global USA Cal Japan EU China
カリフォルニア州、日本、欧州において電気自動車のCO2削
減効果が大きい
日産自動車研究所広田氏より
堀尾正靱(不許複製)
燃料代が安い 距離走行当たりの燃料代
(円/k
m)
Fuel cost
(yen/k
m)
2.5 2.6
0.61.3 1.4
0.40.9
15.1
11.0
7.1 7.0
4.9
4.0 4.0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
欧州 日本 インド ブラジル 米国 ロシア 中国EU Japan India Brazil United States
Russia China
Gasoline
EV
走行距離あたりの燃料代(電気代)はEVの方が大幅に安い。
日産自動車研究所広田氏より
ベンゲン(Wengen)ミューレン(Murren)、ツェルマット(Zermat)
スイスには町ごとEV化を
あたりまえに行っている村がある
富山国際大 上坂博亨(ひろゆき)先生の視察報告
上坂博亨氏撮影
堀尾正靱(不許複製)
2009.3.23
8輪車の意義を
慶応大学 清水 洽教授から伺った
•優位性をまず示す作戦
•未来は8輪車10輪車
•になる!
Eliika試乗
インホイルモーター見学 堀尾正靱撮影
2008 EV開発に向けた情報収集開始
低速EVコミバス戦略構築への道
2009.3.23堀尾・重藤、湘南慶応キャンパスに清水教授を訪問し動輪数の自由度を理解
2009.9.28-10.4 上坂教授ほかスイスZelmatほかのEV村を訪問
2008.12.16 日産自動車研究所に広田氏を訪門しEV戦略を見学
2009.4.2 堀尾、川村、重藤 群大次世代EV研と意見交換
2009.3.18 堀尾・重藤 三菱自動車を訪ね、三菱の戦略を聴く
2009.9.12 富山にタケオカ自動車を訪問
2009.4.17 川重研究所に堤氏を訪問しギガセルと電池電車開発を見学
2009.6 電池交換方式・最高時速20km/hrの
コミュニティバス概念に到達
2009.5.18 中島社長もメンバーに入れタスクフォースを設置
低速EVコミバス戦略への道
2009.4.14 川村教授の紹介で中島ゼロスポーツ社長と面会
2009.7.13 川村、堀尾 国土交通省訪問
2009.6 パンフレット作成
領域のEV戦略を設定
EV化の基軸は量的気候変動対策・燃料価格対策。
従来型の交通システムの維持ではなく、車離れ、 ライフスタイルの変革とつなぐ。
内燃機関車系大メーカーだけでなく、身軽なメーカー の新規参入、市場活性化の促進。
お年寄りや子供にも便利なEVコミュニティ交通の 創出で、過疎対策、商店街活性化を実現。
蓄電型コミュニティ交通の創出で、国策課題を推進。
分散型のスマートなエネルギー利用を促進。
2009.6.4 タスクフォースにて方針決定
低速(20km/h)EVコミバス
2010.3 群馬大学、桐生で低速交通実験
2010.3.23 ゼロスポーツ基本設計納品
2009.12.10 堀尾、岡田 全国町村会理事会で説明
群大正門→
JR桐生
JR桐生
→東武新桐生
東武新桐生→
JR桐生
JR桐生
→群大正門
バス(低速運転) 596 982 883 519 1115
乗用車* 390 640 551 285 675
バス(低速運転) 674 1037 892 576 1250
乗用車* 400 624 559 365 765
バス(低速運転) 637 941 997 693 1330
乗用車* 416 558 795 442 858
バス(低速運転) 501 904 839 523 1024
乗用車* 338 368 478 380 718
バス(低速運転) 777 870 761 500 1277
乗用車* 452 533 589 398 850
バス(低速運転) 635 937 953 495 1130
乗用車* 352 685 482 344 696
14:--
8:--
11:--
14:--
*)NISSAN TIIDA(1200cc)
合計(周回時間)
所要時間 [秒]
測定日時 車種
8:--
11:--
3月5
日(金)
3月7
日(日)
区間
群馬大学の低速バス運転実験(2010)
9人乗り低速EVコミバスの当初仕様
48
内 容 備 考
9名永久磁石式同期型
6.5KW 60分定格密閉型鉛電池
4個 直列48V・135Ah/3h
前 輪 サイズ 145R12 6PR後 輪 サイズ 145R12 6PR
4015mm1600mm1990mm2400mm
前 輪 1267mm後 輪 1300mm長 さ 735mm
幅 1450mm280mm130mm
前軸重 400(440)kg オプションなし後軸重 600(650)kg オプションなし
計 1000(1090)kg オプションなし車両総重量 計 1495(1585)kg
20km/h 定積40km 定積・平坦路4.2m
登板能力 tanθ =0.3(度) 17度/7km単相(50/60Hz)
200V交流入力電源
入力電圧充 電
項 目
性 能
最高速度一充電走行距離最小回転半径
重 量車両重量
輪 距
荷 台
( )内はドア付車両
コミバス 主要諸元表 (数値は性能改善のため変更する場合があります)
全 幅全 高軸 距
モーター
バッテリー
タイヤ
寸 法
床面地上高最低地上高
種 類
形 式
種 類定格出力
搭載数電圧・容量
全 長
乗車定員
(目的)第3条 当法人は、地域交通としての蓄電型地域交通の普及に より、地域交通の利便性の拡大と環境保全に寄与することを目的 とし、その目的に資するため、次の事業を行う。 (1) 蓄電型地域交通を導入するためのノウハウの集積とそのパッケージ提供 (2) 蓄電型地域交通を運行するために必要な基本計画・事業計画の策定 (3) 蓄電型地域交通を構成する要素機器および全体システムの設計・ 製造技術にかかわる情報の集積と提供 (4) 蓄電型地域交通を構成する要素機器、部品およびノウハウの提供 (5) 蓄電型地域交通普及支援のための研究会、セミナー、シンポジウム開催 (6) 蓄電型地域交通の普及のための政策等に関する提言および情報発信 (7) 蓄電型地域交通に基づく地域振興等のための技術・制度・政策等に 関する調査研究事業・実証事業・人材育成事業・市民啓発事業等受託 (8) その他、当法人の目的を達成するために必要な事業
2010.7.29 持続的な取り組みをめざし
社団法人蓄電型地域交通推進協会を設立 理事長:川村健一広島経済大教授
記念講演:国交省 都市・地域整備局 英 直彦 街路事業調整官
2011 2月 方針の大変更
ゼロスポーツの危機を察知し、別の路線を構築
スバルOB宗村氏と群馬大学次世代EV研究会が
1人乗りμ―TT2 のために開発した
インホイルモーターに注目
2011.2.3 群馬大学天谷教授と相談。
μーTT2用インホイルモータを8個使った
9人乗りコミバス製造を宗村氏に依頼
2011 3月1日 ゼロスポーツ破産発表 日本郵便側として、荷台下にエンジン(モーター)があるサンバーはEVに改造した場合にどうしても荷台が20cmほど上昇してしまい荷室のスペースが犠牲にな
る。一方で、ダイハツ『ハイゼット』はフロントエンジンのためEV改造による荷室スペース減少がない。また
ゼロスポーツにしても将来の車両変更による開発のやり直しを考えると、サンバーをあきらめてハイゼットベースでの1030台納品に傾いた。両者の思惑が一致し、ベース車両の変更と開発期間延長のため2011年1月と2月納品の次年度繰越に合意した。
しかし、日本郵便側で異変が起こる。契約変更の手続きをすすめるうちに重大なミスを発見したのだ。ゼロスポーツとの契約は随意契約である。日本郵政グループはいまだ完全民営化されておらず、随意契約の条件のひとつとして実証実験の実施を義務付けている。じっさい、ゼロスポーツと日本郵便は2009年度に2台、2010年度に8台の実証車両を走らせており、随時契約の条件を満たしていたのだが、サンバーからハイゼットへの車両変更が条件外になるおそれがわかった。
日本郵政グループの随意契約といえば「かんぽの宿一括売却」騒動が思い出される。日本郵便はベンチャー企業のために危ない橋を渡ることを避け、ゼロスポーツに対してベース車両の変更と30台の納品の繰越を認めないという通知をしたのが1月18日。それは1月納品期限である21日のわずか3日前であった。
奇しくも日本郵便はこの期間、業績悪化が深刻なことが明らかになり、多方面でのリストラも検討されている。3000台の車両をEVに置き換えるというプロジェクトも最初のステップでつまずき、大幅に計画は見直されるであろう。 110302 三浦和也
領域プロジェクト、桐生PJとタスクフォースが共同で
2011.2 桐生を拠点に仕切り直し
群馬大次世代EV研の中核:宗村氏の㈱シンクトゥギャザー(桐生)が開発したインホイルモータ(左下)を活用して、低速コミバス(右)を試作することにした(側面窓ガラスは当面なし)
主要諸元
項目 内容 乗車定員 10 名
外観寸法
全長 4,400 mm
全幅 1,850 mm
全高 2,425 mm
最低地上高 140 mm
車輌重量 空車時重量 1,050 kg
総重量(10人乗車時) 1,600 kg
性能
最高速度 19km/h
一充電走行距離 40 km (19km/h定地)
最小回転半径 5.6 m
モーター
種類 DCブラシレス
インホイールモーター
最大出力 32 kW (4.0kW×8)
最大トルク 48 Nm (6.0Nm×8)
駆動方式 全8輪駆動
ソーラーパネル 最大出力 560 W (140W×4)
最大電圧 78 V
バッテリー 種類 リチウムポリマー電池
電圧 52 V
容量 100 Ah
充電 交流入力電源 単相(50/60Hz)
入力電圧 AC100V
充電時間 約8時間
eCom-8Ⓡの主要諸元