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第14回健康投資WG 事務局説明資料

(健康投資施策の取組について)

平成29年6月27日

経済産業省 商務情報政策局

資料2

1

1.本WGの検討事項に関する 成長戦略等への反映状況

2

本WGの検討事項に関する成長戦略等への反映状況(報告)①

第2 具体的施策 第2章 成長と分配の好循環拡大中期発展に向けた重点課題 Ⅰ Society 5.0に向けた戦略分野 1.健康・医療・介護 (2)新たに講ずべき具体的施策 ⅰ)技術革新を活用し、健康管理と病気・介護予防、自立支援に軸足を置いた、新しい 健康・医療・介護システムの構築 ②保険者や経営者によるデータを活用した個人の予防・健康づくりの強化 ・保険者のデータヘルスを強化し、企業の健康経営との連携(コラボヘルス)を推進する。このため、経営者が、自社の健保組合の状況を全国との比較で客観的に把握した上で、保険者と連携して健康づくりに取り組めるよう、厚生労働省と日本健康会議が連携して、各保険者の加入者の健康状態や医療費、健康への投資状況等をスコアリングし経営者に通知する取組を来年度から開始する。同様の取組を共済組合はじめ他の保険者でも展開する。 ・健康経営銘柄及び健康経営優良法人認定を拡大するとともに、働き方改革等も踏まえ、必要な評価項目の見直しを行うこと等を通じて、健康経営の質の向上と更なる普及を図る。

「未来投資戦略2017」(平成29年6月)より関連部分抜粋

第2章 成長と分配の好循環の拡大と中長期の発展に向けた重点課題 3.消費の活性化 (2)新しい需要の喚起 ①健康・予防分野の需要喚起 「生涯現役社会」の実現に向けて、国民一人ひとりが生活の質(QOL)を高め健康寿命を延ばせるよう、ICTやデータを活用した健康・予防サービスへの更なる需要拡大を図る。 国民全体の健康・予防への意識を高めるため、データヘルス等を活用し、企業の質の高い健康経営を促進する。加えて、自治体や企業・保険者における重症化予防等の先進的な取組の全国展開を図る。また、コンパクト・プラス・ネットワークと地域包括ケアの連携強化を図るなど、健康・予防に着目したまちづくりに取り組む。さらに、質の高い健康・医療・介護サービスに対するニーズに応えるため、AIやゲノム情報の活用等による革新的な医薬品、治療法、診断技術や介護ロボット等の開発等を促進する。 第3章 経済・財政一体改革の進捗・推進 3.主要分野ごとの改革の取組 (1)社会保障 ④ 健康増進・予防の推進等 産業医・産業保健機能の強化や健康経営を担う専門人材の活用促進を図りつつ、企業が保険者との連携を通じて健康経営を促進し、健康増進・予防づくりにおける優良事例の全国展開を図る。

「経済財政運営と改革の基本方針2017」(平成29年6月)より関連部分抜粋

本WGの検討事項に関する成長戦略等への反映状況(報告)②

3

4

本WGの検討事項に関する成長戦略等への反映状況(報告)③

「第3期がん対策推進基本計画(案)」(厚生労働省、第68回がん対策推進協議会)より関連部分抜粋 第2 分野別施策と個別目標 3.尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築 ~がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現する~ (4) がん患者等の就労を含めた社会的な問題(サバイバーシップ支援 ) ① 就労支援について (イ) 職場や地域における就労支援について (取り組むべき施策) 現在、職域における健康の保持や増進のための取組として、企業における「健康経営」を表彰する取組が推進されて

おり、平成27(2015)年の「健康経営銘柄」の選定に続き、平成29(2017)年2月には中小企業等を対象とした「健康経営優良法人」も認定されているが、その選定基準に、「がんをはじめ疾病に罹患した従業員の復職・就労支援」を盛り込むこと等を検討する。

「女性活躍加速のための重点方針2017」(平成29年6月、すべての女性が輝く社会づくり本部)より関連部分抜粋 3.生涯を通じた女性の健康支援の強化 (1)女性の健康増進に向けた取組 ③女性の健康維持の促進に向けた取組 加えて、女性の健康を維持・増進する施策(婦人科検診に対する補助等)の実施を含め、健康経営に取り組む企業を「健康経営銘柄」として選定する。こうした企業を長期的な視点から見た企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力的な企業として顕彰する取組の更なる普及を通じ、女性の健康維持を促進する。

「新たな「自殺総合対策大綱」の素案」(厚生労働省)より関連部分抜粋(パブリックコメント中) 5.心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを推進する (1)職場におけるメンタルヘルス対策の推進 さらに、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)や「健康・医療戦略」(平成26年7月22日閣議決定)に基づき、産業医・産業保健機能の強化、長時間労働の是正、法規制の執行の強化、健康経営の普及促進等をそれぞれ実施するとともに、それらを連動させて一体的に推進する。

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5

2.健康投資施策に係る取組について

次世代ヘルスケア産業協議会 「アクションプラン2017」 の全体像 誰もが人生を最期まで幸せに生ききることができる「生涯現役社会」を構築するため、これに貢献するヘルスケア産業を育成し、国民生活の向上につなげる。

ヘルスケア産業政策の基本理念

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【食・農×健康】 ○ 地域食品事業者と連携した、食関連ヘルスケアの推進 【観光×健康】 ○ 「スマート・ライフ・ステイ」の普及啓発を促進する。 ○ ヘルスツーリズムに係る商品開発等に取り組む地域を支援

【ヘルスケア産業創出に向けた事業環境整備】 ○ 自立的・持続的にビジネスが創出される仕組みの構築等

【スポーツ×健康】 ○ 職域における運動習慣の構築やスポーツ文化ツーリズム等の推進

【評価の仕組みづくり】 ○ サービスの品質確保に資するデータの収集等の検討

【関係法令の適応関係の明確化】 ○ グレーゾーン解消制度を活用し関係法令の適応関係の明確化

地域資源×

健康

品質

事業環境整備

【保険外サービスに係る情報提供による活用促進】 ○ ケアマネージャー等がアクセスしやすい環境整備・健康経営を支援

する事業者やヘルスケアサービスに係る情報の一元化

選択肢の壁 (新産業の創出・利活用の促進)

情報の壁 (サービスや品質の見える化)

【ソーシャル・インパクト・ボンドの導入促進】 ○ ヘルスケア分野におけるSIBの導入の更なる推進

事業

支援

【生涯現役社会の構築に向け重点的に取り組むべき分野の環境整備】 ○ 高齢者、要支援者、軽度認知障害者らが継続的に社会参画できる環境の整備(「仕事付き高齢者向け住宅(仮称)」に資するサービス等)

生涯現役社会に 向けた施策検討 ○「生涯現役社会」の構築に向けた環境整備の具体的な施策について評価軸を明確にし、総合的な効果について検証

【企業・保険者と民間サービスのマッチング】 ○ 日本健康会議と連携し、データヘルス見本市等を実施 【個人へのインセンティブの整備の促進】 ○ 健康リスクの度合いに応じた民間保険商品の課題等の抽出 【職域における運動習慣の構築】 ○ 通勤時間等を活用した運動・スポーツ習慣づくりの推進

大企業

【認定制度(中小規模法人部門)の推進】 ○ 保険者等が連携し都道府県単位で協働できる体制の検討等 【健康経営銘柄等の継続実施と効果的な情報発信】

○ 健康経営を実践する企業の割合が3割を超える業種を倍増 【日本健康会議等との連携による裾野の拡大】 ○ 「500社公表」の取組を通じ情報発信等を行う企業の見える化

中小

企業

【行動変容効果の実証研究】 ○ 糖尿病等の生活習慣病予防・重症化予防に向けた行動変容を促すための仕組みの構築に向け、医療分野の仕様に耐えられるAIの基盤を構築しつつ、糖尿病に関する医学的エビデンス(HbA1c)を大規模に収集。また、糖尿病以外の生活習慣病領域への応用可能性を検討。

【保険者への健康増進等を促進するインセンティブ制度の準備】 ○ 保険者種別の特性に応じた新たなインセンティブ制度に向けた準備 ○ 国保保険者努力支援制度の本格実施に向けた準備

身体の壁 (健康経営の 推進)

価値観の壁 (健康情報活用による行動変容)

イン

フラ

健康情報

事業者の育成

環境

整備

【健康経営の裾野の拡大に向けた環境整備、質の向上に資する施策の展開】 ○健康経営の認知度調査、認定法人に関する情報発信のあり方の検討、健康経営に資するヘルスケアサービスの情報の一元化

情報

提供 6

本WGにおける議論のフレームワーク

2.健康投資等への インセンティブの検討

○ 自治体等における予防等サービスの活用環境の整備 (SIB等の導入促進)

1.健康経営の 見える化

○ 経営層の理解不足 ○ 健康経営のメリットのエビデンス不足 ○ 情報発信の不足

○ 健康経営のメリットのエビデンス不足 ○ ノウハウの不足

○ 無関心層の行動変容を起こす 効果的手法

○ 「健康経営銘柄」の選定

3.健康投資等に取り組む 環境・ツールの整備

現状の課題

黒字:施策定着(継続実施) 青字:今後の取組事項

必要な対策

○ 糖尿病等の生活習慣病予防・重症化予防に向けた行動変容を促すための仕組みの構築

優良な法人の見える化

成果等の 見える化

○ 健康経営認知度調査 ○ 健康経営ハンドブック ○ 健康経営アドバイザー制度 7

○ 「健康経営優良法人」の認定・公表、取組内容の公表の検討

○ 健康経営度調査と企業業績等の関係性調査 ○ 「企業による「健康投資」に係る情報開示の方向性」の改訂 ○ 健康経営に取り組む企業を優良な投資・取引・就職先として支援する事業者等に関する情報の一元化

○ 企業・保険者と民間サービスのマッチング(健康経営に資するヘルスケアサービスの情報の一元化、データヘルス見本市の開催等)

○通勤時間等を活用した運動・スポーツ習慣づくりの推進

○ 健康宣言事業等の促進のため、保険者協議会などの枠組みなどを活用した、経済団体、自治体等と連携・協働できる体制の検討

○ 保険者種別の特性に応じた新たなインセンティブ制度の実施に向けた準備(後期高齢者支援金加算・減算制度や保険者努力支援制度など)

大企業(健保)

中小企業(協会けんぽ)

自治体(国保) 対象者 : 2,950万人 対象者 : 3,488万人 対象者 : 3,520万人

健康投資の主体

○ 健康リスクの度合いに応じた民間保険商品の課題等の抽出

○ 「健康経営優良法人認定制度」と連動したインセンティブ措置の拡充の検討(民間事業者等によるインセンティブ調査等)

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「アクションプラン2017」の健康投資WG関連施策の概要

普及拡大 (面的展開)

質の向上(質的進化)

・健康経営の顕彰制度の継続実施(健康経営銘柄、健康経営優良法人)

・健康経営度調査と業績の関係性調査 ・中小企業等に対する健康経営の認知度調査 ・健康経営に取り組む企業を優良な投資・取引・就職先として支援する事業者等に関する情報の一元化

・自治体等におけるヘルスケアサービスの活用環境整備(SIB等の導入促進)

・「健康経営度調査」の項目や「健康経営銘柄」及び「健康経営優良法人」の選定・認定項目の新設や見直し

・企業等の健康経営に資するヘルスケアサービスの情報の一元化

・糖尿病等の生活習慣病予防・重症化予防に向けた行動変容を促すための仕組みの構築 等

「アクションプラン2017」の主な施策 平成29年度の活動指標

①平成29年度健康経営度調査について、業種内の回答率が30%を超える業種の倍増(5業種→10業種)を目指す

②健康経営優良法人(大

規模法人部門)認定法人数を310法人(2017認定法人は235法人)に拡大する

健康経営を実践する企業等の質の向上及び健康経営の裾野の拡大を図り、健康投資を促進するため、「生涯現役社会の構築に向けたアクションプラン2017」に基づき施策を推進する。

今後の課題

・健康経営に積極的な業界がある一方、調査の回答率が低い業界もある。また、中小企業等の認知度は高くない。

・企業等において実践する健康経営の質の向上。

・糖尿病実証事業について医学的エビデンスとしてより多くの情報を収集。

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3.健康投資施策の質の向上(質的進化)

健康経営優良法人認定の 評価項目等の見直しについて

【健康経営銘柄】

健康経営優良法人 【大規模法人部門】

健康経営優良法人 【中小規模法人部門】

製造業その他

東京証券取引所

上場会社

301人以上 300人以下

卸売業 101人以上 100人以下

小売業 51人以上 50人以下

医療法人・ サービス業 101人以上 100人以下

<健康経営に係る顕彰制度の対象法人>

健康経営に係る顕彰制度について(対象法人一覧)

10 ※ 本年夏頃追加認定の予定

24社 235法人 95法人 ※

2017年の認定数

健康経営に係る各種顕彰制度を推進することで、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができる環境を整備する。

【 大企業 等 】

【 中小企業 等 】

健康経営に係る顕彰制度について(全体像)

大企業・大規模医療法人※

健康経営度調査への回答

健康宣言に取り組む法人・事業所 (日本健康会議 宣言5)

中小企業・中小規模医療法人※

健康経営銘柄 33社

500法人

10,000法人

健康経営優良法人 健康経営に取り組む法人・事業所 (日本健康会議 宣言4)

健康経営優良法人

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健康経営に取り組む企業を顕彰する「健康経営銘柄」は社会的に大きな反響を得た。 「健康経営優良法人」については、日本健康会議との連携を図るため、大規模法人部門

は2020年までに500社以上を目指すこととし、中小規模法人部門は保険者が進める「健康宣言」に取り組んでいる企業から認定。

今後のスケジュール

12

2017年 2018年

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 …

健康経営度

調査

健康経営銘

柄2018

健康経営優良法人2018

大規模法人

中小規模法人

審査 期間

認定期間

~2019年 3月31日

健康経営優良法人

2018の発表

2018 申請期間

11月 (予定)

「健康経営銘柄2018」及び「健康経営優良法人2018」は、以下のスケジュールを予定。

健康経営優良法人

2017追加認定

健康経営銘柄

2018の発表

健康投資W

G (

基準解説書)

質問項目等 の検討

第14回健康投資W

G

健康経営度調査 9月

(予定)

12

大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

1.経営理念(経営者の自覚) 健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診 必須

2.組織体制 健康づくり担当者の設置 必須

3.制度・施策実行

従業員の健康課題の 把握と必要な 対策の検討

健康課題の把握

①定期健診受診率(実質100%)

左記①~④のうち2項目以上

②受診勧奨の取り組み

③ストレスチェックの実施

対策の検討 ④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)

健康経営の実践に 向けた基礎的な

土台づくりと ワークエンゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

左記⑤~⑦のうち少なくとも1項目

ワークライフバランス (過重労働の防止) ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 (メンタルヘルス不調の防止) ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

従業員の心と身体の 健康づくりに向けた

具体的対策

保健指導 ⑧保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供

左記⑧~⑭のうち3項目以上

健康増進・ 生活習慣病 予防対策

⑨食生活の改善に向けた取り組み

⑩運動機会の増進に向けた取り組み

⑪受動喫煙対策

感染症予防対策 ⑫従業員の感染症予防に向けた取り組み

過重労働対策 ⑬長時間労働者への対応に関する取り組み

メンタルヘルス対策 ⑭不調者への対応に関する取り組み

4.評価・改善 保険者との連携 (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供 必須

5.法令遵守・リスクマネジメント 従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告) 必須

評価項目の見直し(現行の評価項目 中小規模法人部門) 健康経営優良法人2017を認定するプロセスにおいて抽出された課題と、「働き方改

革実行計画」を踏まえた評価項目の見直しを行う。

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評価項目の見直し(現行の評価項目 大規模法人部門)

14

大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

1.経営理念(経営者の自覚) 健康宣言の社内外への発信 必須

2.組織体制 健康づくり責任者が役員以上 必須

3.制度・施策実行

従業員の健康課題の 把握と必要な 対策の検討

健康課題の把握

①定期健診受診率

左記①~⑭のうち11項目以上

②受診勧奨の取り組み

③ストレスチェックの実施

対策の検討 ④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)

健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエン

ゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

ワークライフバランス ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

従業員の心と身体の 健康づくりに向けた

具体的対策

保健指導 ⑧保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供

健康増進・ 生活習慣病予防対策

⑨食生活の改善に向けた取り組み

⑩運動機会の増進に向けた取り組み

⑪受動喫煙対策

感染症予防対策 ⑫従業員の感染症予防に向けた取り組み

過重労働対策 ⑬長時間労働者への対応に関する取り組み

メンタルヘルス対策 ⑭不調者への対応に関する取り組み

取組の質の確保 専門資格者の関与 産業医又は保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与 必須

4.評価・改善 取組の効果検証 健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施

必須 保険者との連携 健保等保険者と連携

5.法令遵守・リスクマネジメント 従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告) 必須

評価項目の見直しに係る健康投資WGの議論

健康投資WG等において、健康経営優良法人認定制度の評価項目等に対していただいた主な指摘は以下のとおり。

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・法令遵守に係るストレスチェック、特定保健指導等は必須項目にしてはいかがか。

・認定制度において、今後、長時間労働対策は必須項目にしてはいかがか。

・従業員だけではなく、その家族にまで健康経営の取り組みを広げている企業を評価しても よいのではないか。

・認定制度の維持のためには、制度の信頼性の確保が必要。認定の取り消し基準やモニタ リング体制の整備等が重要。

・認定制度の費用対効果について、「医療費の適正化」という観点だけでは事業者に訴える 力が弱い。経営にどのようなインパクトがあるのか、経営学者や経済学者にモデルをつくって 立証することが必要。

評価項目の見直しに係る基本的な考え方

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今回の評価項目等の見直しについての基本的な考え方は以下のとおりとしたい。

事業者 保険者 労働者 義務 ・定期健診の実施(労安法※2)

・ストレスチェックの実施(労安法)【50人以上の事業場】

・特定健診・特定保健指導の実施(高確法※3)

・定期健診の受診(労安法)

努力義務

・保健指導の実施(労安法) ・ストレスチェックの実施(労安法)【50人未満の事業場】

・受動喫煙対策(労安法)

・保健指導を利用した健康の保持 (労安法)

・従業員の健康管理に関する法令により「事業者及び保険者の義務」とされているもの ⇒ 必須項目とする方向で検討 ・従業員の健康管理に関する法令により「事業者の努力義務」とされているもの ⇒ 現状どおり ・働き方改革実行計画に記載されている健康経営に関連する事項 ⇒ 関係法令改正の動向を注視しつつ、今回の見直しで評価項目に反映できるものは検討

<見直しに係る基本的な考え方>

<評価項目と法令上の義務等の整理>

※1.ストレスチェック及び特定保健指導については、労働者の受診や利用義務の規定は設けられていない。 ※2.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) ※3.高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)

働き方改革実行計画を踏まえた評価項目の見直しについて①

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1.労働基準法等の改正の方向性に係る論点 踏まえるべき項目 実行計画の記載ぶり 認定制度見直しの方向性

時間外労働の上限規制 (時間外労働の上限規制) 週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として月45時間、かつ、年360時間とし、違反には以下の特定の場合を除いて罰則を課す。(以下、略)

・関係法令の改正後、法施行までの期間等を踏まえつつ、評価項目等の見直しを検討

メンタルヘルス対策 (パワーハラスメント対策、メンタルヘルス対策) (略)過労死等防止対策推進法に基づく大綱においてメンタルヘルス対策の新たな目標を掲げることを検討するなど、政府目標を見直す。

・評価項目「ストレスチェックの実施」で措置済み。政府目標の見直しを踏まえ今後、適宜検討

勤務間インターバル制度 (勤務間インターバル制度) 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正し、事業者は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、政府は労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。(以下、略)

・関係法令の改正後、法施行までの期間等を踏まえつつ、評価項目等の見直しを検討

「働き方改革実行計画」(平成29年3月、働き方改革実現会議決定)において、方向性が示された各分野において、健康経営を推進するために踏まえるべき項目を抽出。

各項目に係る評価基準の見直しの方向性は以下のとおり。

働き方改革実行計画を踏まえた評価項目の見直しについて②

2.女性の健康課題や治療と仕事の両立に向けた論点 踏まえるべき項目 実行計画の記載ぶり 認定制度見直しの方向性

女性活躍の推進 (2)多様な女性活躍の推進 (略)女性の活躍に関する企業の情報の見える化を進め、一層の女性活躍に向けた企業の取組を促進する。具体的には、労働時間や男性の育児休業の取得状況、女性の管理職比率など、女性が活躍するために必要な個別の企業の情報が確実に公表されるよう、2018 年度までに女性活躍推進法の情報公表制度の強化策などについての必要な制度改正を検討する。(以下、略)

・女性特有の健康課題に向けた取組は、女性活躍の推進等の観点から検討が必要であると考えられるため、2019年に実施する認定に向けて、検討を行っていく。

治療と仕事の両立 (1)会社の意識改革と受け入れ体制の整備) (略)会社の意識改革と受入れ体制の請議が必要である。このため、経営トップ、管理職等の意識改革や両立を可能とする社内制度の整備を促すことに加え、(略)両立支援にあたっての留意事項などを示した、会社向けの疾患別サポートマニュアルを新たに作成し、会社の人事労務担当者に対する研修の実施等によりその普及を図る。(以下、略)

・下記を評価項目に追加してはどうか。 【中項目】 健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント 【小項目】 病気の治療と仕事の両立支援 【評価項目】 病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(メンタルヘルス対策以外)

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大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

3.制度・施策

実行

健康経営の実践に 向けた基礎的な

土台づくりと ワークエンゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

左記⑤~⑧のうち 少なくとも1項目

ワークライフバランスの推進 ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

病気の治療と仕事の両立支援 ⑧病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(⑮以外)

健康経営優良法人の評価項目の見直しについて(まとめ)

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健康投資WGや働き方改革実行計画等の議論を踏まえた評価項目の見直し案は以下のとおり。

【必須項目の追加】 ①「特定健康診査・特定保健指導の実施(保険者の義務)」を、小項目「保険者との連携」に追加。 ②「定期健康診断の実施(事業者の義務)」及び「ストレスチェックの実施(事業者の義務、50名人以上の事業

場)」を、大項目「法令遵守・リスクマネジメント」に追加。

【評価項目の追加】 ・「病気の治療と仕事の両立」を、中項目「健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲージメント」に追加

大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

4.評価・改善 保険者との連携 保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施

必須 (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供

5.法令遵守・リスクマネジメント ・定期健診を実施していること(自己申告) ・50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施していること(自己申告) ・その他、従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)

必須

(例:中小規模法人部門認定基準(案))

(例:中小規模法人部門認定基準(案))

健康経営優良法人の評価項目の見直しについて(論点)

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見直しを踏まえた論点は以下のとおり。 <論点> ①中小規模法人部門について →「病気の治療と仕事の両立」は、健康経営を進める上でも重要な項目と考えられるが、中小規模法人の取組状況

は把握出来ていない。 →よって、今回の見直しにより「病気の治療と仕事の両立」を評価項目に追加するものの、中項目「健康経営の実践

に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」の認定要件は現行のまま(3つのうち少なくとも1項目)としたい。(※今後、当該評価項目に係る取組状況等の把握を行い、認定要件の検討を行う。)

②大規模法人部門について → 「病気の治療と仕事の両立」は中小規模法人と同様、重要な項目であり、健康経営度調査の結果を踏まえても、

取組が困難な項目ではないと考えられる。 →よって、今回の見直しにより 「病気の治療と仕事の両立」を追加した上で、認定要件も「15項目のうち12項目

以上」に変更したい。 ③その他、見直すべき評価項目の有無

大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

3.制度・施策

実行

健康経営の実践に 向けた基礎的な

土台づくりと ワークエンゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

左記⑤~⑧のうち 少なくとも1項目

ワークライフバランスの推進 ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

病気の治療と仕事の両立支援 ⑧病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(⑮以外)

(中小規模法人部門認定基準(案))

論点①

大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

1.経営理念(経営者の自覚) 健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診 必須

2.組織体制 健康づくり担当者の設置 必須

3.制度・施策実行

従業員の健康課題の把握と必要な

対策の検討

健康課題の把握

①定期健診受診率(実質100%)

左記①~④のうち 2項目以上

②受診勧奨の取り組み

③ストレスチェックの実施

対策の検討 ④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)

健康経営の実践に 向けた基礎的な

土台づくりと ワークエンゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

左記⑤~⑧のうち 少なくとも1項目

ワークライフバランスの推進 ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

病気の治療と仕事の両立支援 ⑧病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(⑮以外)

従業員の心と身体の 健康づくりに向けた

具体的対策

保健指導 ⑨保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供

左記⑨~⑮のうち 3項目以上

健康増進・ 生活習慣病 予防対策

⑩食生活の改善に向けた取り組み

⑪運動機会の増進に向けた取り組み

⑫受動喫煙対策

感染症予防対策 ⑬従業員の感染症予防に向けた取り組み

過重労働対策 ⑭長時間労働者への対応に関する取り組み

メンタルヘルス対策 ⑮不調者への対応に関する取り組み

4.評価・改善 保険者との連携 保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施

必須 (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供

5.法令遵守・リスクマネジメント ・定期健診を実施していること(自己申告) ・50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施していること(自己申告) ・その他、従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告)

必須

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定基準(案)

論点①

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大項目 中項目 小項目 評価項目 認定要件

1.経営理念(経営者の自覚) 健康宣言の社内外への発信 必須

2.組織体制 健康づくり責任者が役員以上 必須

3.制度・施策実行

従業員の健康課題の 把握と必要な 対策の検討

健康課題の把握 ①定期健診受診率

左記①~⑮のうち12項目以上

②受診勧奨の取り組み

③ストレスチェックの実施

対策の検討 ④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)

健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント

ヘルスリテラシーの向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

ワークライフバランスの推進 ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み

職場の活性化 ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み

病気の治療と仕事の両立支援 ⑧病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(⑮以外)

従業員の心と身体の 健康づくりに向けた

具体的対策

保健指導 ⑨保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供

健康増進・ 生活習慣病予防対策

⑩食生活の改善に向けた取り組み

⑪運動機会の増進に向けた取り組み

⑫受動喫煙対策

感染症予防対策 ⑬従業員の感染症予防に向けた取り組み

過重労働対策 ⑭長時間労働者への対応に関する取り組み

メンタルヘルス対策 ⑮不調者への対応に関する取り組み

取組の質の確保 専門資格者の関与 産業医又は保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与 必須

4.評価・改善 取組の効果検証 健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施

必須 保険者との連携

健保等保険者による特定健康診査・特定保健指導の実施

健保等保険者と連携

5.法令遵守・リスクマネジメント ・定期健診を実施していること(自己申告) ・50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施していること(自己申告) ・その他、従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていな

いこと(自主申告) 必須

健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定基準(案)

論点②

22

その他の見直し項目

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【大規模法人部門】 ・認定要件の追加 健康経営度調査の「健康経営度」の結果が、回答法人全体の上位50%以内であることを大規模法

人部門の認定要件とする。

【中小規模法人部門】 ・ 申請者の見直し 大規模法人部門と同様に、申請者は企業と保険者との共同申請とする。

評価項目以外に法人部門ごとに以下の見直しを行いたい。

※2017年2月に認定した際の審査実績や今回の議論を踏まえ、「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定基準解説書」等の見直しを行い、次回WGにおいて検討を行う。

(参考)健康経営度調査 基準検討委員会で寄せられた意見 平成28年度健康経営度調査の基準検討委員会における委員からの指摘は以下のとお

り。(対応方針は、基準検討委員会において検討の上、次回WGで報告予定)

本調査の設問について

・今までは取り組みの内容を聞く設問が多かったが、健康経営への取組の結果、どういう効果 があったかという点も評価できるような調査項目としてはいかがか。

・投資家との対話について、例えば、どの様なKPIをもって投資家との対話を行っているかを 把握するなど、対話の質を掘り下げる事が出来るとより良い。

・労働組合と取組を進めている企業も評価してはいかがか。

・受動喫煙対策については、必須化してはいかがか。

・ストレスチェックについては、実施率によって足きりをしても良いのではないか。

本調査を活用した健康経営の普及について

・業績や株価に与えているインパクトについて分析頂きたい。

・回答企業と非回答企業では株価のパフォーマンスに顕著な差が出ていると思われる。回答率 を引き上げるため、回答企業を公開する事で非回答企業にプレッシャーを与えてはいかがか。

・総合組合や協会けんぽと企業が連携している好事例などを展開頂きたい。

・業種によって、取り組みのレベルが異なっていると思われることから、今後は業種別の成績を 比較できるよう公表頂きたい。

24

25

4.健康投資施策の質の向上(質的進化)

その他の取組について

健康経営に資するヘルスケアサービスの情報一元化等

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企業等がより質の高い健康経営に取り組むに際し、外部のヘルスケアサービスを活用しやすい環境を整備するため、企業等の健康経営に資するヘルスケアサービスについての情報の一元化及び健康経営を支援する金融機関等に関する情報の一元化について手法を検討し、健康経営に取り組みやすい環境を整備する。

<取組の方向性・論点> ・健康経営銘柄選定企業や健康経営優良法人、保険者、産業医等に対するヒアリングを実施するととも

に、以下の検討を行う。 ①企業等が、外部のヘルスケアサービスを活用しつつ健康経営を推進するに際し、自社に合ったヘルスケ

アサービスをより容易に選択することができるよう、ヘルスケアサービスが一元化された情報にアクセスしやすい場(既存のポータルサイトとの連携等)の検討・設計

-持続的な情報提供サイトとするためには、どのような仕組みづくりが必要か ②健康経営に資するヘルスケアサービスの類型化の検討(別紙参照) ③企業等がサービスを選択する上で必要な、品質等に関するデータの収集や評価のあり方等に関する

検討。

<健康投資ワーキンググループにおける主なコメント> 健康経営を支えるサービスについて、サービスをいかにカテゴライズするかも重要。カテゴライズの方法については、健康経営を取り組む企業等に、どういったサービスを活用しているかヒアリングすることが考えられる。

・サービスと、企業や保険者をマッチングする仕掛けも重要。(第12回)

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健康経営銘柄・健康経営優良法人認定基準

施策実施や動機づけのための 既存サービス・商品(例)

(a) 経営理念(経営者の自覚)

(b) 組織体制 健康経営アドバイザー等専門家 コンサルティング(人事・組織・業務改革) 等

(c) 制度・施策実行

a)従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討

・健康課題の把握 各種検診 人間ドック実施 ストレスチェック 等

・対策の検討 健康経営アドバイザー等専門家 コンサルティング(人事・組織・業務改革) 等

b)健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲージメント

・ヘルスリテラシーの向上 健康関連研修サービス オフィス設計 マッサージ/リフレッシュルーム運営支援 職場環境改善に資するIoT テレ

ワーク支援 等 ・ワークライフバランス

・職場の活性化

c)従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策

・保健指導 ※基本的には職場で実施

・健康増進・生活習慣病予防対策 社員食堂運営受託 オフィス惣菜 健康機器 フィットネスクラブ 禁煙プログラム 睡眠支援サービス 予防接種 勤

怠管理システム メンタルヘルス対策 等 ・感染症予防対策

・過重労働対策

・メンタルヘルス対策

・保険者との連携 医療/健康データ分析 特定健診実施/健診事務代行 郵送健診 遠隔面談システム 等

(d) 評価・改善 コンサルティング(人事・組織・業務改革) 医療/健康デー

タ分析 等

<健康経営に資するサービスの類型化(例)>

(参考)健康経営に資するヘルスケアサービスの情報一元化等 健康経営優良法人認定制度の認定基準ごとに、健康経営に資するサービスを類型化すると、以下

の案が考えられる。

(平成28年度健康寿命延伸産業創出推進事業(健康経営・健康投資普及推進等事業)調査報告書の内容 を一部改変)

質の高い健康経営に資するサービスを創出するため、平成28年度に実証事業を実施した糖尿病軽症者等を対象とする健康情報等を活用した行動変容サービスについて、日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業として、より厳格な検証を実施し、科学的根拠(エビデンス)の構築を図る(公募中:6/5~7/6)。

また、平成28年度に策定した「健康情報等交換規約定義書」により、臨床研究を通じて得られる質の高い健康情報等を収集・解析し、行動変容サービスの高度化につながる人工知能(AI)アルゴリズムの開発等を目指す。

加えて、こうした行動変容サービスの糖尿病以外の生活習慣病領域等への応用可能性を検討する。

健康情報等を活用した行動変容サービスの創出・高度化

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【行動変容サービスイメージ】

共通データベースに データを蓄積

データ解析手法や 基礎アルゴリズム等の

研究開発

「健康情報等交換規約定義書」 により質の

高い健康情報等を統合的に収集

被験者フィールドA

被験者フィールドB …

被験者フィールドX

【交換規約を介したデータ収集イメージ】

データ取得 歩数・活動量 体重 血圧 HbA1c 等

セルフモニタリング 専門職の モニタリング

! 異常値

進捗確認、 指導内容の 確認・共有

品質管理担当

管理栄養士

専門医

参加者

マイデータ

チャット

効果的な 指導・コミュニケーション

健康情報等を活用した ヘルスケア産業の創出・高度化

【出所】株式会社エス・エム・エス資料より経済産業省作成

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5.健康投資施策の普及拡大(面的展開)

健康経営度調査と業績の関係性調査① 健康経営の効果を明確化し、健康経営の更なる普及を図るため、過去3年間の健康経

営度調査のデータと企業業績等の関係性について調査を実施。 調査結果も踏まえ、統合報告書等への記載の促進など、企業における効果的な情報発

信のあり方について検討を実施し、「企業の『健康経営』ガイドブック」等の見直し等を検討する。

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<取組の方向性・論点> ・企業や投資家等が、健康経営が企業の維持・成長に資するものであると評価するに当たり、重要視する

主要な指標を抽出する。 ・これらの指標と企業の健康経営の取り組み状況の関係性を分析し、企業や投資家等に対して情報提

供し、健康経営に対する投資環境を整備する。 ・更に、国内外で健康経営について効果的に情報開示している事例を収集し、健康経営度調査や健康

経営アワード等を通じて企業に紹介すると伴に、情報発信のあり方をまとめた「企業の『健康経営』ガイドブック」の改訂も検討する。

-企業経営者や投資家が重要視する指標はどの様なものが考えられるか。

<次世代ヘルスケア産業協議会、健康投資ワーキンググループにおける主なコメント> 企業の情報開示において、検診受診率、保健指導実施率、喫煙・メタボ率だけでも公表して頂きたい。(第12回WG) ・今まで、健康経営に関する議論はアブセンティーイズムが主だった。今後はプレゼンティーイズムにも目を向けていく必要がある。生産性向上に直結するようなツールの開発を進めていくべき。(第6回協議会)

・費用対効果について、「医療費の適正化」という観点だけでは事業者に訴える力が弱い。経営にどのようなインパクトがあるのか、経営学者や経済学者にモデルをつくって立証することが必要。(第6回協議会)

従業員の健康は、ESG投資のSに位置づけられる。女性の活躍に関しては、有価証券報告書に書くこととなったが、健康経営もそこまで進められないか。各社の統合報告書やCSR報告書を評価している機関に打ち込みにいくのも重要。(第12回WG)

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健康経営度調査と業績の関係性調査② 昨年度の調査事業において、「健康経営」と「組織の健康指標(医療費、健康リスク、生

産性)」の関係性について調査を実施。 今年度は、「健康経営」と「組織パフォーマンス指標(企業業績、企業価値等)」との関

連性を中心に調査を実施する予定。

【アンケートより把握】

【経営理念】 社内外発信

【健診・問診】 血圧・BMI、血液検査データ、生活習慣(問診)データ

【医療費】 医療費(点数)、受診日数

健康経営の実施状況 健康経営実施の結果

【企業業績】 売上高、利益率、事故率等

【労働生産性】(一部企業) プレゼンティーズム、アブセンティーズム

【組織体制】 会議の実施、担当者の設置

【制度・施策実行】 データ把握、環境整備、個別施策、取組みの質

【評価・改善】 PDCAの状況

【ストレスチェック】(一部企業)ストレス度、満足度等

【健診・レセプトデータ、アンケートより把握】

突合

①健康経営と組織の健康指標(医療費、健康リスク、疾病状況、生産性等)の関連性の検証

②健康経営と組織パフォーマンス指標(経常利益、売上高、勤務状況等)の関連性の検証

企業規模別の健康経営

実践状況と健康・パフォーマンス指標の相

関を把握

投資対効果測定手法の開発

<健康経営実践度と「健康指標」・「組織パフォーマンス指標」の関連性調査>

【第14回健康投資WG資料から一部再掲】

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

血圧リスク者率

脂質異常症リスク者率

空腹時血糖値リスク者率

喫煙リスク者率

メタボ該当率

高スコア群

低スコア群

(参考)健康経営度調査と業績の関係性調査(昨年度の結果)

東京大学等が、土木建築業種の大企業23社に対し、健康経営度調査を実施するとともに、健診・レセプトデータ(過去3年分)を突合。

健康経営度調査結果の中央値で高スコア群と低スコア群の2群に分け、医療費、各種リスクとの関係性を分析。 年間医療費平均、メタボ該当率、喫煙リスク者率、空腹時血糖値リスク者率、脂質異常症リスク者率、血圧リス

ク者率において、高スコア群が低スコア群をいずれも下回る結果が得られた。

(*p<0.05)

170,060

147,422

135,000 140,000 145,000 150,000 155,000 160,000 165,000 170,000 175,000

年間医療費平均

高スコア群 低スコア群

*

*

*

*

*

*

※リスクの割合は、健康経営度調査に回答した企業個社ごとに、特定健診を受けた者のうちリスク者が占める割合を算出し、高スコア群企業、低スコア群企業の中で平均化したもの。

【第13回健康投資WG資料から一部再掲】

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中小企業等に対する健康経営の認知度調査 本年度より、中小企業等における健康経営の普及を図るため、中小規模法人を中心とし

た健康経営認知度調査(アンケート)を実施する予定。 アンケート項目は、これまでに実施した類似のアンケートをもとに設計し、アンケートに回答す

ることで、健康経営の考え方や取り組み方法が理解できるものとする。

33 <健康投資ワーキンググループにおける主なコメント> ・健康経営の認知度は、大企業と中小企業では相当大きな差がある。健康経営に関する認知度調査は、行うこと自体が周知策になるので、是非実施して欲しい。(第12回)

<中小企業1万社を対象にした認知度調査(平成27年度)>

平成28年度に案件形成を支援した神戸市及び八王子市等の事例を踏まえ、SIB導入のノウハウ集を作成し、他の自治体による導入を促進する。

事業規模の不足が課題となっていることを踏まえ、より大規模(広域)でのSIB導入モデルの案件形成を支援する。

これまでの検討や事例を踏まえ、資金調達に係る課題をとりまとめ、案件形成への活用を図る。

ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)導入に向けた環境整備

サービス 提供者

受益者

SIB 運営組織

資金提供者

成果報酬 (コスト削減分)を

支払

出資 配当

地方自治体等

評価組織

サービスと社会的コスト削減の因果関係を評価

評価を フィードバック

資金提供

サービス 提供

<SIBの一般的なスキーム>

社会的投資家

篤志家

企業CSR 財団助成

機関投資家

個人投資家

想定される投資家 兵庫県神戸市 東京都八王子市

実施期間 3年間(評価期間2年含む)

事業内容 食事療法等の保健指導を行い、対象者の生活習慣の改善を通じて、ステージの進行/人工透析への移行を予防する。

対象者の過去の検診・検査情報と人工知能を活用し、オーダーメイドの受診勧奨を行い、大腸がん早期発見者数を増やす。

サービス対象者 神戸市国保加入者のうち、 糖尿病性腎症者

八王子市国保加入者のうち、 前年度大腸がん検診未受診者

サービス提供者 保健指導事業者 受診勧奨事業者

案件組成支援 公益財団法人日本財団、ケイスリー株式会社

平成29年度事業着手する2市の内容・体制

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