20130223 google apps+能動的教育とコミュニケーション-open

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Google Apps を嘉悦大学でどう使ったか。 2013/02 に武庫川大学にお招き頂いて喋ったときのスライド。

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「能動的学習とコミュニケーション」教育・研究コミュニケーション基盤

としてのGOOGLE APPS の活用とその課題

武庫川女子大学情報教育研究センター学術講演会情報コミュニケーション学会第 10 回全国大会

2013/02/23

嘉悦大学  情報メディアセンター長 遠山 緑生

自己紹介

嘉悦大学 経営経済学部 准教授情報メディアセンター長

遠山 緑生

next@kaetsu.ac.jp, http://nor.10yama.jp/

Twitter:10yama, facebook: 名前で

Agenda

嘉悦大学の概略 Google Apps の概要 ICT リテラシ教育の再考 ICT リテラシ教育と基盤の改革 Google Apps の利用ケース紹介

大学生活の基本ツールとしての電子メール 初年時 ICT リテラシ教育での活用 プロジェクトベースの教育における活用

コラボレーション基盤としての Google Apps 取り組みの成果

Q:

Google Apps について1. Drive/Docs なども含めて自組織で使っている2. Drive/Docs なども含めて個人で使っている3. Gmail のみを自組織で使っている4. Gmail のみを個人で使っている5. 全く使っていない

Q:

Google Apps について主に興味があることは1. 教育・講義など学生指導上の利用2. 組織内グループウェアとしての利用3. 導入 運営上の方針・技術的話題・4. 他のシステムとの組合せ5. 他のサービスとの比較

嘉悦大学の概略

嘉悦大学

1 キャンパス

2 学部(+1 研究科 )

1600 人

110 周年 /12 年目

嘉悦大学の概略

所在地: 東京都小平市

ビジネス系教育の 2 学部 経営経済学部 : 定員 200 ビジネス創造学部 : 定員 200

定員 400 人 ( 一学年 ) x 4 = 1600 人 大学院 ( ビジネス創造研究科 ) 修士 / 博士課

嘉悦大学の略歴

1903 年(明治 36 年)に日本初の女子を対象とした商業学校として設立。日本初の女性公認会計士を輩出。

1903 年(明治 36年)

1982 年(昭和 57年)

2001 年(平成 13年)

2012 年(平成 24年)

嘉悦孝により私立女子商業学校創立

嘉悦女子短期大学に改称

嘉悦大学経営経済学部開学嘉悦女子短期大学を嘉悦大学短期大学部に改称

ビジネス創造学部・ビジネス創造研究科博士課程開設

嘉悦大学のポジションまとめ

比較的小規模なビジネス系大学 経営 / 経済 / 会計 / 法学などを主とした科目構成 実用ビジネスリテラシとしての ICT 教育を重視 偏差値は高くはない 商業高校出身者が比較的多い 大学院進学者は少なく、ほとんどが就職

ユーザ数 総計約 1,800 人 学生総数 :   約 1,600 人 専任教職員数 : 約 100 人 非常勤教員数 : 約 100 人

大学のポジションとICT 教育・環境の関係 大学の構成やポジションやミッションで

ICT 教育・環境への要請は変わる ビジネス系か?理工系か?医学か?

少なくとも、 SE を育てるのが主目的ではない分野によっては、テンプレート的クラウド的サービ

スが使いにくい可能性(コンプライアンス的観点) 学部構成、キャンパス構成の複雑さ…

自大学のポジションとミッションを明確に 無闇に違う大学に憧れないのも大事そう

Google Apps の概要

Google Apps の代表的機能

Gmail ( メールシステム ) 容量潤沢、 SPAM ・ウィルス対策優秀な Web UI 、検索性

Google Drive 旧 Docs: Office スイート + フォーム機能 Web ストレージ + Dropbox に近い同期機能

Google Groups メーリングリスト+アーカイブ+アクセス制御

Google Sites 簡易Web サイト機能

Google Calendar ( スケジューラ ) その他: Google+,YouTube,Blogger 等利用可

メール (Gmail)

Sites: 簡易Web サイト作成

簡易 CMS として 教員間の資料共有や、

学生への資料配付用 Docs との組み合わせ

ある部署の教職員向け資料配付用として

学生サークルの簡易Web サイトとして

Drive/Document

Web ストレージ+いわゆる Office 系ソフト Docs, Spreadsheet, Forms など

リアルタイムでオンラインファイル共有可能 「複数 PCからの同時編集」が可能 Sites同様にアクセス制御ができるのが便利

Forms は便利 利用者 ID が強制取得でき、簡易集計機能もある 簡易的なアンケートや調査などが簡単にできる 1年生向けの ICT 系講義でかなり積極的に利用

Forms 利用例

Groups

メーリングリスト +各種サービスの ACL 対象

( アクセス コントロール・ ) 公式グループ

事務部門・教員委員会・全教職員 情報メディアセンターで用意 LDAP グループから自動同期

非公式グループ 強制 Suffix (-g) を利用して区別 学生も含めて自由に作成可

Calendar

いわゆるグループウェアのスケジューラ機能 グループのメーリングリストと連動

各部署単位や委員会単位でのスケジュール共有 いくつかの共有 ROカレンダー: 学事日程な

リソース機能を使って会議室予約に利用 Web埋め込み機能を使った会議室の空き確認

学生に「スケジュール管理」を教える 実用的にプロジェクトのスケジュール管理

会議室・教室予約管理

他のサービス・試験中のサービス

他の Google サービスも同アカウントで利用可 YouTube, Blogger など

最近試験中 Hangout: テレカンファレンス Google+: SNS

とりあえず enable して試してみるポリシー

機能概要まとめ

グループウェア・情報共有系の機能が一通りそろっている 似たようなサービス・ソフトは他にもアル

基本的に全て Web ベース

これら全てが大学のアカウントで使える マルチユーザ マルチデバイスな用途・環境・だと優位性がかなり出てくる コラボレーションとコミュニケーション

ICT リテラシ教育の再考

Q: 大学関係者にお聞きします

Q1: 自大学のメールアドレスを、学生はどれぐらい重要視していますか? 学生同士のやりとりに、自大学のアドレスが

使われていますか?

Q2: 学生は「 ICT リテラシの講義で学んだこと」をどれぐらいその講義以外で活用していますか?

Q3: 大学内で PC や ICT機器を日常的に学生が使っていますか?

ビジネス系大学におけるICT リテラシ教育

学生はどうやったら「本気で仕事に」ICT を活用できるようになるのか

大学に入ってきた学生が「不得意だが必要」な ICT リテラシとは

初年次教育としての ICT リテラシ教育とそのための ICT 環境基盤の再考

一般的な大学 ICT リテラシ教育像

デスクトップ PC が並んだパソコン教室

教室や学内 LAN 専用の各種サーバ・設定類

「パソコンの使い方」や「その資格」を主目的とした必修講義

一般的な大学 ICT リテラシ教育像

なんだか学生がとてもつまらなそう

一般的な大学 ICT リテラシ教育像

?

疑問 : 今の学生に合っているのか?

疑問 : いまどきの大学での情報リテラシ教育って?今時の学生さん達はデジタルネイティブ

高校の情報必修化、 Wordぐらい普通に使える ネットで楽しそうに遊んでいる みんなケータイ大好き ググって wikipedia でコピペ 教員よりネットがよく分かってる

コンピュータ教室+ローカルサーバ

学生に愛されないシステム 低自由度 : 学生の PC より使い勝手が悪い 閉鎖性 :

学内 LAN Only のファイルサーバなんて使わない 本学でのみ通用する「方言」的利用手順の不毛さ

UX(User eXperience): 学生は「世間のサービス」の品質基準で見るが、

学内サーバのクオリティはそれ以下 Web1.0以下の Web サイト検索しても出てこない利用ノウハウ

誰も本気で使っていない環境

[楽しくない ] → 悪循環

使ってても楽しくない・愛せない

活用されない 教育的効果も低くなる 学校の環境を使って活動する気にならない

環境自体の存在価値が薄くなり、より中途半端な扱いになる 新しいサービスの導入も遅れがち 保守運用コスト・ Secure なサービス維持も大変

「コンピュータ教室」的環境を必要とする状況

参加者の PC リテラシが水準以下かつ統一的で、全体を Step-by-step で教える合理性がある

学生個人保有の PC より圧倒的に高性能なワークステーションを必要とし、適切に更新できる場合

導入や維持運営に高度な運用スキルが必要な特殊なシステム /ソフトウェアを必要とする

閉じられた環境を使うための、制度的・組織的インセンティブがある場合

「コンピュータ教室」的環境を必要とする状況

参加者の PC リテラシが水準以下かつ統一的で、全体を Step-by-step で教える合理性があ

学生個人保有の PC より圧倒的に高性能なワークステーションを必要とし、適切に更新できる場合

導入や維持運営に高度な運用スキルが必要な特殊なシステム /ソフトウェアを必要とする

閉じられた環境を使うための、制度的・組織的インセンティブがある場合

本学に関しては、

そのどれにも当てはまらない

捨てたもの

デスクトップ PC が並んだパソコン教室

大学特有の環境・設定をなるべく排除

「パソコンの使い方」や「その資格」を主目的とした必修講義

新しい ICT 環境と講義

新しい ICT 環境と講義 ノート PC を中心とした ICT機器の BYOD Google Apps などクラウドサービスの活用 講義内外でのコラボレーションを重視した

ICT リテラシ教育

ICT リテラシ教育と基盤の改革

「今の学生」のリテラシ的課題

ICT 科目以外で ICT を活用できていない 一般操作はできても、問題解決とつなげられな

い 大人や社会とのコミュニケーションに難あり

友人との携帯メールのような大人向け PC メール コミュニケーションのモードを意識できない 説得力ある形で意見や議論を行えない

情報消費者であっても生産者になれない ケータイと PC が切れてしまっている

本当に PC は必要か、必要なのはいつなのか

PISA2009 「デジタル読解力調査」

参加 19カ国・地域中 『デジタル読解力』の平均点は、上位 (4位 )

にあり、習熟度の下位層 ( レベル 1以下 ) の割合は 2番目に少ない。

マルチメディア作品の作成では、『自分で上手にできる』、『誰かに手伝ってもらえばできる』が参加国・地域の中で最も低い

表計算ソフトを使ったグラフの作成については、 OECD 平均より低い水準

能動的なタスクに ICT を使うのが苦手

デジタルネイティブ世代を意識したICT 教育カリキュラム

コンピュータとネットワーク を 教えない

           ICT で 教える

カリキュラム全体の目標 知的生産における ICT 活用リテラシの経験と習得

大人のコミュニケーションができるように アカデミック ビジネスリテラシとしての活用と・

日常的な ICT 利用経験間のギャップを埋める PC そのものの操作習得を目的としない

「能動的学習とコミュニケーション」が必要

大学 ICT 環境の目標と整備方針 目標 「 ICT で教える」

講義における ICT 活用と日常の ICT 利用経験が断絶しないような環境

↓ 学生が大学の ICT 環境を積極的に使うことを期待

整備方針 学生が自分の ICT機器を有効に活用できる基盤 広く社会一般で利用されている

ICT サービスを積極的に活用する

ICT 利用環境整備のポイント

SaaS(Google Apps) の積極活用 オープンな仕様、講義以外でも使う気になる UX コラボレーションの土台になるサービス

BYOD (Bring Your Own Device) 学生自身の PC とケータイを徹底的に利用 誰かのものではなく、自分のものを どこでも・いつでも

快適なインターネット利用環境 Active Learning のための教室整備 人的支援体制の整備

教室環境から変える

KALC(Kaetsu Active Learning Classroom) BYOD機器によるコラボレーションを重視 マルチプロジェクタ+ホワイトボードスクリーン

無線 LAN と電源

Google Apps の役割

ICT の「 C 」を重視したリテラシ教育・実践の基盤 コミュニケーション&コラボレーション 本質的な意味で「グループ」ウェア 「一人でレポート書いて終わり」を超えた、知的作業のプロセスを形成する

どこでも・どのデバイスでも使える基盤 大学内にクローズ / 大学外にオープンを両立 Up-to-date な UX の実現

「自分のノート PC 」を基盤に

自分のものが一番愛せて、自由に使える 全員所有を義務とする

機種は仕様を満たせば自由 「斡旋」で 8〜 9割が入学時に購入

2012: Panasonic Let’s note CF-SX1毎日持ってくる程度に軽く、バッテリーが持つ簡易ビデオ編集程度に耐え、 4 年間使える性能共同購入による価格的メリットが出る機種

使わざるを得ない環境づくり 1 年の時は最低でも週 2 回必要な講義 学校からの連絡は原則Web とメール

「自分のノート PC 」を基盤に

最大の自由度

ICT リテラシ教育・環境改革:まとめ カリキュラム・ ICT 環境と組み合わせた改革

「 ICT で教える」 講義における ICT 活用と日常の ICT 利用経験が断絶しないような環境

Google Apps は「銀の弾丸」ではない 教育プログラムと、 ICT 基盤整備の方向性に

どう整合性を見いだすか

ビジネス系の学生は「 5 年後の社会」で役立つリテラシが重要 現状から見たら多少ラディカルなぐらいが適切

GOOGLE APPS の利用ケース

Google Apps の利用ケース

大学生活の基本ツールとしての電子メール ケース 0: Gmail の活用

初年時 ICT リテラシ教育での活用 ケース 1: 50% アンケート ケース 2: タイピングスコア分析

プロジェクトベースの教育における活用 ケース 3: Groups の活用 ケース 4: Calendar の活用 ケース 5: Drive によるファイル・文書共有

Gmail の活用

ケース0 : Gmail の活用度合い 大学のメールアカウント、使われてますか?

移行前 (〜 2007) 容量制約・安定性欠如・トラブル etc… 学生は、無理に使わされる意味がわからない

「教職員・大学からの連絡はメールで行う」といっても説得力がない使い勝手

Gmail 導入の評価

旧システムに比べて非常に高評価 大容量・安定・ SPAM 対策・ WebUI 運用コストは圧倒的に低下 移行時の多少のトラブルを差し引いても

学生にも定着・利用頻度も向上 ユーザのアクティベート率は 100% 「学校のメールアドレス」を使うようになった 学生に愛される? 使われるシステム

54

確認 : 嘉悦生は常にメール必読 「未読メール」は白地に太文字です

「既読メール」は薄い背景色がつきます

毎日全部読んで既読にすること !特に新学期は大事な告知メールで来るからね!

(色はテーマによるけどね )

1 年生のメール利用頻度

とはいえ、もはや LINE や facebook や twitter の方が連絡取りやすかったりもしますが

ビジネスリテラシとしてのメール

1 年春 そもそもメールを読む習慣づけ 「携帯メール」からの移行を意識させる

Subject をつける、名乗る、文面を考える 1 年秋

検索・フィルタ・自動化ルールなどの機能 「一連の仕事プロセスの中で」どう

メールが使われるのかを考える 課題実践の中でヒントとして提示

57

1 年秋学期冒頭での課題例

メールチェックポリシーについて、以下を説明してください 条件 : 自分にとって重要なメールの例

例 : 「〜」というキーワードを含む例 : 「x先生」からのメール

想定ストーリー機能 : 携帯でチェック、スター、ラベル、フィルタ…各機能を、どういうタイミングでどのように

活用するか考える具体的なメールの例を考えて、

「最初のメールチェック」から、「そのメールに関連する仕事が全部終わるまで」をストーリーにしてみてください

ICT リテラシ教育での活用

ICT4 科目

1 年春 : ICT スキルズ プロセスを意識した

他者に働きかけるコミュニケーション 1 年春 : ICT ツールズ

数の可視化によるコミュニケーション 1 年秋 : ICT メディア

視覚によるコミュニケーション 1 年秋 : ICT コモンズ

社会性を意識したコミュニケーション

ICT4 科目

1 年春 : ICT スキルズ プロセスを意識した

他者に働きかけるコミュニケーション

1 年春 : ICT ツールズ 数の可視化によるコミュニケーション

1 年秋 : ICT メディア 視覚によるコミュニケーション

1 年秋 : ICT コモンズ 社会性を意識したコミュニケーション

科目目標 1 – ICT ツールズ

1 年生春学期終了時の学生を想像してください

自分自身の「何らかの数量データ」を一学期集めてグラフにして説明できますか?

ICT ツールズ

数の可視化によるコミュニケーション データに基づいた議論ツールとしての ICT

ゴール : → 利用ソフト :

Google Spreadsheet Google Forms Microsoft Excel Microsoft Word

Excel を教えるのが目的ではない

表 グラフ

~ について

  ~ について検討するには、~ というデータが必要である。

 表 1/ 図 1 からは、 ~ であるという結果が読み取れる。これは当初の仮説を支持する/ しない。また、 ~ という事も分かった。

 ここでは、 ~ について検討する。 ~ について、 ~ ということが分析の結果分かった。

難点 :  大学一年生

難点 :  大学一年生

データやグラフと現実の関係性をイメージするのが苦手

ICT ツールズの目標と課題

数量データの取り扱い /表計算の基本理解 「生活実感に基づく」「楽しい」データ分析 自分で作れるものとしての「表」や「グラフ」

を直感的理解を伴う形で伝えたい

統計手法としての正しさ以前のレベルで身近な存在としての数量データを意識させたい

一般的でまともな統計データを使って教えると、

学生が感覚的について来ない データ収集から、分析を言語化するまで

一連のプロセスを身近なデータで経験させる

この目標に向けたツール

「自分達で簡単に数量を集められる」ツール Google Spreadsheet + Forms の活用

集めたデータを簡単に分析できるツール Google Spreadsheet + MS Excel

分析したデータを文章に表現するツール MS Excel + MS Word

ケース 1: 50% アンケート

1 年生最初の講義での課題 クラスの 50%が該当する質問を考えて調査 作業の流れ

テーマを出す「ちょうど 50%ずつの回答に割れそう」 質問の文章と回答方法を考える

例 : 犬と猫なら、どちらが好き?例 : 朝ご飯食べた?食べてない?

Googleフォームで質問紙を作る クラス内のメンバに回答を求める

メーリングリストにフォームのアドレスを送信する Google スプレッドシートで結果を確かめる

68

質問項目を記入する

1. アンケート

テーマを記入

2. 質問内容をタイトルに記入3. 質問の形式

を「ラジオボタ

ン」に

4. 回答の選択肢を二つ記入

7. 最後に「保存」をク

リック

6. 質問例 2 は不要

削除してください

5. 質問が書けたら [ 完了 ] ボタン

を押す

69

他の人のアンケートに答える

届いているメールを確認してみましょう 上部タブ「受信トレイ」か、

上部メニューの「メール」をクリック

受信トレイに他の人のアンケートが届いています

回答し [送信 ] ボタンを押す

70

集計する→結果発表!

回答一覧シートで 「フォーム」→ 「回答の概要の表示」

を選択

または、フォーム編集画面から [ 回答を表示 ]→[ 概要 ]

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いま、皆さんが体験したこと

調査、研究の一手法「仮説検証」1. 仮説を立てる

「“~”はクラスの 50%である」が仮説2. データを集める

質問文を考える アンケートを取ってみる

3. データに基づいて、仮説を検証する 集計して、仮説がどの程度正しいか確かめる 仮説と異なった結果が得られても、

それは一つの成果

72

この課題の意味

大学での「学び」の基本 課題を自分で設定する

疑問を持つ・問題を考える・チャレンジを持つ 「なぜ〜なんだろう」 「どれぐらい〜なんだろう」 「〜をやってみよう」

課題を解くための情報を集める 調査する

資料を調べる・人に聞く 理解する 発見する

課題に答えを出す→次の課題へ

を支える

ICT

科目目標 1: ICT ツールズ

例 : 1 学年 400 人が、毎週タイピング速度を記録して 1 学期記録する

平均がどれぐらい上がると思いますか?

第 1回

第 2回

第 3回

第 4回

第 5回

第 6回

第 7回

第 8回

第 9回

第10回

第11回

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

自分クラス学年

ケース 2: タイピングスコア分析

毎週一定時間のタイピング練習を行う 毎週、 Google Spreadsheet にスコアを記録する 自分と全 1 年生の週刊タイピングスコア推移が集積する

データを使って、自分と集団の分析データを使って、原因と結果を考える

自分自身のデータを使った分析

サンプルデータを自分自身で集める コア : タイピング速度データの分析

毎週学年全員でタイピング速度入力 大量の実データに基づくデータ分析 基本的な分析・表 / グラフ作成の理解 レポートとしてまとめる

ツール Google Spreadsheet + Forms MS Excel, Word

ICT ツールズ 授業計画内容

第 1 回

データを使った自分分析

タッチタイピング練習: Mikatype のインストールとタッチタイピングデータ分析入門 #1 : 50 %アンケート

第 2 回 データ分析入門 #2 :○○%アンケート~ A は B より○○% ×× だ~

第 3 回 表作成入門:オリジナル時間割をつくる。印刷する。

第 4 回 データ分析入門 #3 :自分のコミュニケーション傾向(電話・メール・ SNS )

第 5 回 データ分析入門 #4 :自分のコミュニケーション傾向(表・グラフから語る)

第 6 回

データを使った自分と集団の分析

データ分析基礎 #1 :タイピング速度の記録を集計する(自分と集団の比較)

第 7 回 データ分析基礎 #2 :タイピング速度の比較分析(平均・最大値・最少値)

第 8 回 データ分析基礎 #3 :タイピング速度の比較分析(自分と似た傾向の人を探す)

第 9 回 データ分析基礎 #3 :タイピング速度の比較分析(表・グラフから予測する)

第 10回

データを使って原因と結果

を考えてみる

データ分析応用 #1 :原因を探る(なぜ違いがあるのか)

第 11回

データ分析応用 #2 :原因を調べる(アンケート調査の設計と実施)

第 12回

データ分析応用 #3 :原因を調べる(アンケート調査の集計とグラフ化)

第 13回

データ分析応用 #4 :原因を調べる(クロス分析)

第 14回

データ分析応用 #5 :原因の考察(レポートのまとめ方)

第 15回

まとめ

最終課題 レポート課題

78

タッチタイピング王 速報!講義回 1 分間入力速度平均 最速

第 1 回 87 248

第 2 回 100 277

第 3 回 109 261

第 4 回 113 299

第 5 回 117 309

第6回 121 305

第7回 126 319

第8回 129 344

第 9 回 133 328

総計114 (平均)106 (中央

値)

344 (最大値)b12xxx さん

ホームポジションできて

ますか?

最速王のほか、「クラス賞」

「 Mr.&Mrs 、平均」「 Mr.&Mrs 、中央値」

などが表彰されます。

79

自分と昨年度の学生との比較

80

最終編データを使って原因と結果を考えてみる編

原因 結果

「タイピング速度の速さ」速い人・遅い人がいるタイピング速度の

速さの原因はなんだろう?

81

速い・遅いの原因を挙げよう

2~4 人でグループワーク 速い /遅いの違いの原因となりそうな事を人

数 x2 個上げてみよう 原因例:

一週間あたりの練習時間 高校が PC 教育に力を入れていたか否か

質問の選択方法を考える ラジオボタン・チェックボックス スケール / グリッド・連続数値 自由回答

82

最終レポート課題 主題 : 「タイピング速度のデータ分析」

一学期分のタイピング速度のデータと、アンケート結果を元に分析する 学んできた内容を復習してレポートでまとめる

表・グラフを使い、考察を文章で説明する

以下の節から構成すること1. 概要

このレポートに何を書いたのかを、読む人がすぐ理解できるように、最初に一段落で分かりやすくまとめること。

2. タイピング速度の推移分析3. タイピング速度と変化要因の関係分析4. タイピング速度分析のまとめ

83

このタイプのコミュニケーションができるようになったことをレポートで示す

最終課題の目的

データを使ってグラフと表で表現し思考した結果を語る

ケース 1,2 での活用例

ケース 1: 50% アンケート ケース 2: タイピング速度分析

Google Forms + Spreadsheet 「生活実感に基づく」「楽しい」データ分析 ラピッド「調査 /分析 /検証」ツールセット オンラインツールのリアルタイム性が重要 全学的な共通アカウントであっさり使える 他の選択肢もあり得るが、

プロセス全体の即時性・利用ハードルの低さ

プロジェクトベース教育での活用

デジタルネイティブ世代を意識したICT 教育カリキュラム

コンピュータとネットワーク を 教えない

           ICT で 教える

カリキュラム全体の目標 知的生産における ICT 活用リテラシの経験と習得

大人のコミュニケーションができるように アカデミック ビジネスリテラシとしての活用と・

日常的な ICT 利用経験間のギャップを埋める PC そのものの操作習得を目的としない

「能動的学習とコミュニケーション」が必要

プロジェクトベース教育での活用

初年次段階から、グループワークやPBL(Project-based Learning) を多用

グループによるプロジェクト作業の基盤 教職員グループの仕事・学校運営インフラ

としても活用 多用できる機能

Groups( メーリングリスト+アクセス制御 ) Calendar( スケジューラ ) Drive(ファイル共有、ドキュメント共有 ) Sites(簡易Webフォーム作成 )

ICT4 科目

1 年春 : ICT スキルズ プロセスを意識した

他者に働きかけるコミュニケーション 1 年春 : ICT ツールズ

数の可視化によるコミュニケーション 1 年秋 : ICT メディア

視覚によるコミュニケーション 1 年秋 : ICT コモンズ

社会性を意識したコミュニケーション

ICT4 科目

1 年春 : ICT スキルズ プロセスを意識した

他者に働きかけるコミュニケーション 1 年春 : ICT ツールズ

数の可視化によるコミュニケーション 1 年秋 : ICT メディア

視覚によるコミュニケーション

1 年秋 : ICT コモンズ 社会性を意識したコミュニケーション

初年次教育で : ICT コモンズ

社会性を意識したコミュニケーション ゴール :

グループでのフィールドワークを経験制作物をネットで公開・共有する

利用ソフト : SNS (Twitter, facebook) Google Sites, Blogger Google Calendar スマートフォンのカメラや各種機能 Office Suite 各種

91

ICT コモンズ : 具体的内容

自分で取材して Blog に記事を書いてみましょう 面白ニュースサイトや blog 、フリーペーパーの記事を想像してみましょう

例 : @Nifty デイリーポータル http://portal.nifty.com/

自分や仲間の記事を集めて、フリーペーパーを作ってみましょう 来年の 1 年生が 4月のガイダンスに読む事を想

92

ICT を活用した <共有> のため

1. 情報を収集・発見しよう 取材・フィールドワークで情報を集める 携帯電話・デジタルカメラの活用

2. 情報を整理し、まとめよう 集めた情報から新しい価値を見つける 編集の視点

3. 情報を共有しよう オンライン /オフラインを通じた情報共有

公開・配布できる発信

さらにプロジェクト実践の機会

2 年生以降の科目におけるグループワーク グループワークを中心としたゼミ 学友会活動(学園祭など)・サークル活動 「働ける大学」

HRC(Human Resource Center)オープンキャンパススタッフ

SA/TA ICT helpdesk 、図書館学生スタッフ

大学の理念「実学」の実践

Q

大学 1 年生の「男女の持ち物」で一番所有率に性差が

あるのはなんでしょうか?

ケース 3: Calendar の活用

大学生になって一番失敗することの一つ:スケジュールが管理できない 「覚えきれない程の予定」を持つモノが初めて 中長期の作業分割とプランニングが必要な

プロジェクトに参加するのが初めて スケジュールがかち合って調整するのが初めて

Google Calendar が活用できる PC でもスマホでも使える メールアドレス・ ML単位でカレンダー共有可

96

初年次科目: ICT コモンズでのスケジュール管理指導例

Blog記事の取材・調査内容と計画を考える 次々回の講義までに、必要な取材が行われて、 Blog記事が書いてある事

そのためにはどんな作業が必要か考える 必ず、何らかの「取材」を含むこと

歩き回って、記事に関連した「何か」物事を見つけて撮影 写真を撮る・メモを取る・実況する・場所を記録 インタビューする

97

ToDo を順番にリストアップ

本命案に必要な取材・調査の内容を考え、作業を「 ToDo リスト」に分割する ToDo: やらなければいけないこと、忘れてはい

けないことなどを一覧化したリスト 最初:今日残り時間約 30分 最初に手をつける事

最後:次々回講義まで - Blog記事を公開

なるべく具体的に必要作業を分割する まずは所用時間・予定は空欄にして、内容を

リストアップすること

98

ToDo の実行計画を立てる

ToDo の内容を「いつやるか」実行計画を立てる

立てた計画の通り、本気で実行すること!1. 各 ToDo項目の所要時間を見積もる2. いつやるか、予定を立てて日付を決める3. 手帳・スケジューラ・カレンダーに書き写す

1. 自分の手帳・スケジュール管理方法が決まってない人、変えてみたい人は、Googleカレンダーを使ってみよう

定着して活用されているケース

学生団体・グループ・プロジェクトでのスケジュール管理 /共有に活用される

実際にプロジェクトをやらせてみると

学生自身がいろいろ足りないことに気づく 連絡を取る方法を重層的にしないといけない

ホウレンソウの必要性に気づく スケジュール管理・予定調整ができない 必要なファイルを誰かしか持っていない 作った成果をみんなでまとめる場所が必要

問題に気づいたときに「これを使うといいよ」と言えるツールがGoogle Apps に揃っている

ケース 4: Groups (ML+ACL) メーリングリスト+アーカイブ+アクセス制御 公式グループ

事務部門・教員委員会・全教職員 情報メディアセンターで用意 管理システムで LDAP グループから自動同期

半公式グループ 1 年生のクラス、ゼミなど

非公式グループ 強制 Suffix (-g) を利用して区別 学生も含めて自由に作成可

アクセス制御

Google Apps 利用上最大の利点の一つ

Groups のグループ単位で、Google Apps スイートの情報共有管理ができる 「嘉悦大学の人」も可能

実用面・情報リテラシ教育双方で、「誰に何を見せていいのか」を利用者が意識しやすいのは重要

学生の連絡手段に関する考察

メーリングリストは実はあまり活用されない 要らないわけでもないらしい

LINE強い!

「大学のメールアドレス+ML」は、最低限の共通線として機能する

Q

自組織内でのファイル交換に、何を最も使っていますか?

USB メモリ メール添付 ファイルサーバ Dropbox や Web ストレージ Google Drive/Documents

ケース 5: Drive の活用

学生はプロジェクト実践の中で、「情報を共有すること」の重要性に気づく 最初はメールで添付、 USB でファイル交換→限界 ファイル共有の必要性に気づく→ Drive の活用

パターン 1: ファイル共有Web ストレージとして オフライン同期可能な Web ストレージ ファイルサーバ的機能 グループワークをして、初めて利便性に気づく

パターン 2: コラボレーション機能を活用する Documents/Spreadsheet の即時共同編集機能

ファイル共有手段としての比較

即時共同編集機能によるコラボレーションは圧倒的に便利、慣れると非常に活用される 会議のログ取り、データ入力の共同作業、 etc…

単なるファイル共有Web ストレージとしては他のシステムもよく使われている 特に Dropbox ユーザは多い 写真などは facebook が使われる事も多い

他の利用ケース

Google+(SNS) 入学前教育で使ってみました

Forms 出席かねて課題を出してみています

YouTube 「 ICT メディア」講義の他、割と利用

Calendar 職員組織のスケジュール共有 / 会議室予約

コラボレーション基盤として

Google Apps 機能概要まとめ グループウェア・情報共有系の機能が

一通りそろっている 似たようなサービス・ソフトは他にもアル

基本的に全て Web ベース

これら全てが大学のアカウントで使える マルチユーザ マルチデバイスな用途・環境・だと優位性がかなり出てくる コラボレーションとコミュニケーション

コラボレーション基盤としてのGoogle Apps

パーソナルなメールの送受信なら、個人のスマホで充分

大学のアカウントの意味は? 「絶対誰にでもコンタクトできる共通手段とし

てのメールアカウント」としての価値 ID管理システムとしての側面

グループ管理と組み合わせるとより力を増す 組織としての大学の構成員同士が

コラボレーションしやすい基盤整備が重要 「グループの適切な管理」を

組み合わせることで、力を発揮する

ユーザとグループの管理

技術的にも導入・運用・活用の最大の課題は「ユーザ管理」と「グループ管理」 ここがどれぐらい作り込めるかで決まる

ユーザ・グループ管理・認証はOpenLDAP と連携管理 学内設置の LDAP サーバをマスターとして連動

ユーザ管理・認証

オンプレミスサーバ

OpenLDAP

Linuxサーバ

LAN 機器

radius

Windows

サーバ等

Samba

OSSTech 社ユニコーンIDマネー

ジャ

マスタデータ

Google Apps

Provisioning API

Google社サービス

ユーザ管理・認証

学内の OpenLDAP サーバが基本 OSSTech社 ユニコーン IDマネージャーで連携 http://www.osstech.co.jp/product/unicorn パスワード変更時は、専用ページから同時に変更

Google Apps 側のユーザ管理は直接使わない ユニコーン IDM 経由で Slave として管理

現時点では教職員・学生の区別なく利用

取り組みの成果

ICT 環境の改革 : 目指したもの

学生が、ICT を積極的に講義以外にも活用するようなICT 利用環境

学生が日常的に PC ・ネットを使うようになった

117http://blog.kaetsu-pr.net/ から

Google Apps の利用拡大

導入時 ~: 他の機能も制限を設けず利用可 一部教員・学生による利用 積極的なサポートは行わないが、利用は止めな

2010 年 4月〜 : グループ制御の導入 導入当初は Google グループ機能がなかった 別システムの簡易グループウェア → カレンダー 別ドメインのサーバ → グループ アクセス制御に利用可能になった結果、

他の機能 (Forms など ) も利用シーンが拡大

ネットワーク利用の増加

嬉しい? 悲鳴 学生が学内で PC を良く使うようになった

帯域が足りなくなった フレッツビジネス 100Mbps → SINET4 1Gbps

場所により無線 LAN につながりにくくなった アンテナ増設 ログインポータルが重い → 構成変更

レガシーな教室環境の維持経費が減った分より機動的な経費の利用が可能に

全体評価

割と成功

「今の学生」のリテラシ的課題

ICT 科目以外で ICT を活用できていない 一般操作はできても、問題解決とつなげられな

い 大人や社会とのコミュニケーションに難あり

友人との携帯メールのような大人向け PC メール コミュニケーションのモードを意識できない 説得力ある形で意見や議論を行えない

情報消費者であっても生産者になれない ケータイと PC が切れてしまっている

本当に PC は必要か、必要なのはいつなのか

大事なこと

学生自身の PC とケータイを徹底的に利用 誰かの管理下ではなく、自分の手元で どこでも・いつでも

コラボレーションのために ICT を利用する

なるべくオープンで大学以外でも使える環境を使ったICT 利用環境を提供する

大事なこと

学生自身の PC とケータイを徹底的に利用 誰かの管理下ではなく、自分の手元で どこでも・いつでも

コラボレーションのために ICT を利用する

なるべくオープンで大学以外でも使える環境を使ったICT 利用環境を提供する

Google Apps はこれらのコンセプトに向いていた

成功の要因

やりたい事ありきでの導入 なんとなく Google Apps ではない 要求を自分たちで明確にした上で導入 自分たちの運用能力とサービス内容を吟味

パートナーに恵まれた OSSTech社の製品とサービスが本学向き 初期導入例 : Google社からの細かくサポート

応用的な機能・高度な利用は後から導入 Google Apps のクセになれてから他の機能を利

ご清聴ありがとうございました

125

お問い合わせ:

嘉悦大学 情報メディアセンター

imc@kaetsu.ac.jp http://imc.kaetsu.ac.jp/

遠山 緑生

next@kaetsu.ac.jp http://nor.10yama.net/

Twitter: 10yama / facebook : 名前

Google Apps について私が知っている二、三の事柄

良い点

仕様が改善される機能が増える

裏返すと

困る点・不便な点

仕様が変わる機能が終わる

困る : 一部サービスの終了

Personalized Start Page iGoogle の Google Apps 版 一部 Widget を管理者側で固定できた

学内 Web システム各種へのリンク集提供 ニュース配信

「とりあえずポータル」に割と便利に使っていた

昨年度途中で提供終了 ポータル機能は別システムに移行 とりあえずリンク集は別に提供

ちょっと困る : 仕様が変わる

マルチアカウント切替機能対応への対応 一般の Gmail ・他のドメインの Apps アカウントと

の共存機能

基本的には便利になるのだが、仕様が変わってしまう

あるタイミングでドメイン全体で enableする必要 Enable した画面をみないと理解しづらく、事前説明無理

「そろそろ強制的に Enableするよ」という時期が続いた

Enableすると戻れないので押すのが怖かった

ちょっと困る : 仕様が変わる

かなり頻繁に UI が変わるのでマニュアルが古くなる 利用ガイドの印刷配布を原則やめました

いつの間にか IE7/8 での添付ファイル機能の仕様が変わっていた

容量 Up などの機能向上は有り難いが、いつから使えるようになるのかよく分からない 「いつ使えるようになるの」と聴かれても答えられな

グループの仕様が変わるようなので、ちょっと不安

対応策TIPS

基本対応方針

機能強化・利便性向上のメリットを重視する

仕様変更は代償としてある程度諦める

本当に大きい変更やサービス停止は数ヶ月前に事前告知があるので、期間内に対応する

対応策

管理者は、日常的に個人用 Gmail も使っておく 多くの新機能・新 UI は先に個人用 Gmail に導入 目立つ変更があった場合、情報を事前共有

実験用ドメインを Google Apps で別途確保 機能の enable/disable や切り替えが発生する場

合、実験用ドメインで事前に試す

利用者への対応

様々な機能のうち「コア機能」とするミニマムセットを決めて、サポートを頑張る

それ以外の機能の利用は止めないが、積極的には利用推奨もサポートもしない事を理解してもらう

協力的なベータテスターグループを確立する 教員+学生が望ましい サービスが止まったり変更されても対応できる

導入を決めるまで

Q: Google Apps でいいの? 信頼できるサービスなのか?

SaaS でセキュリティは問題ないの?

オンプレミスサービスでなくて大丈夫か?

無償サービスでいいのか?

結果的に高くつかない?

Q: Google Apps でいいの? 信頼できるサービスなのか?

SaaS でセキュリティは問題ないの?

オンプレミスサービスでなくて大丈夫か?

無償サービスでいいのか?

結果的に高くつかない?

自組織の運用能力よりは

Google の方が信じられるよねえ…

信頼性・セキュリティについて

自分たちのオンプレミスサーバ運用能力より、Google社の方が運用能力は高いだろう

コストメリットも高い サービス提供条件の変更などのリスクと、

ベネフィットを比較し、 Google Apps を選択

サービス内容・安定性ともに実際に向上

有り体に言えば 前のシステムよりマシ、 いまどきのメール運用は小組織には難しすぎる

意志決定システム改善

以前 : 単一 SIer 任せで、意志決定を放棄

Google Apps 導入を含むシステムリプレースの意志決定は、情報メディアセンター単独では重かった

CIO+ 情報基盤会議の設立 意志決定手続きを明確化

Q: 結局ロックインされてない?

機能を使えば使うほど、 Google Apps に依存 シングル SIer依存は脱したが、

ベンダーロックインされている側面は否めない

常に「本当にこのままでいいのか」は疑う 同じサービスを他のシステムで実現できるか検討

特殊すぎる使い方はなるべく避ける

最終的にはリスク・ベネフィットの天秤 大事なのは時々ちゃぶ台ひっくり返す意思決

定?

本当は改善したい事

学生・教職員がフラットに1ドメイン 時々不安

メールは問題が少ないが、グループ・カレンダー機能などのアクセス制御

教職員と学生を完全に分けるのも、緊密な連携のためには不便

教職員だけ有償機能も使いたい事がある Positini のメールアーカイブ機能など

周辺環境

嬉しい? 悲鳴 学生が学内で PC を良く使うようになった 帯域が足りなくなった → 増強 無線 LAN ポータルログインが重い → 構成変更

より使いやすいシステムの提供 新学部・大学院とも実社会との連携を重視 キャンパス外活動の増加

よりオープンで実社会に近い ICT 環境に 遠隔作業の積極的サポート スマートフォンなどモビリティの積極的サポート

セキュリティ・安定性の強化

スマートフォンサポート

学生に使わせたい PC のメール一週間に一回しか開きませーん

とか言わせない 学生にスケジュール管理というものをさせたい

男子って手帳持ってないですよねなんだか

試しに入学手続き資料に「買うといいよ」と書いてみたけど…

他のシステムの構成

本当はいろいろクラウド化したい 特に 3月以降、学内サーバ室管理がしたくない 限られたリソースで他にすべきことがあるんじゃ

汎用プロダクト ファイルサーバーや Web サーバをやめたい コストメリットが出せそう

大学専用プロダクト 教務システム・学生ポータル・図書館システム等

「日本の大学」というマーケットが半端?

今後の課題

専門性が高い / 高額なソフトウェア・ハードウェアの利用環境提供手法 レンタル? デスクトップ仮想化 ?

BYOD機器の多様化・傾向の変化への対応 ノート PC? タブレット ? スマートフォン ?

教職員業務用環境との整合性 より保守的な運用を行う必要のある領域

ネットワークセキュリティ向上と自由な利用との両立

各種規定・利用ポリシーとの整合性維持

Google Apps 導入の経緯

組織体制

情報メディアセンター センター長 ( 教員 ) 1 名 情報システムグループ+図書グループ 情報システムグループ

専任職員 2名 非常勤教員 兼 職員 1 名派遣職員 ( 一般事務 ) 2名

情報基盤会議 全学的な情報基盤の整備方針・意志決定 議長 + 各部署の代表から構成

前史

情報教育・利用環境を重視

1997 年〜 短大、ノートPC貸与 2001 年〜 経営経済学部設立 e-Campus

ノート PC 全員購入 「学ナビ」 Web ポータルを中心とした

教務・事務運営 全学生へのメールアドレス付与 無線 LAN の全キャンパスへの配備

(2001+2002) 学生のノート PC まで Active Directory に登録

当時の文系短大・単科大としては割と積極的

情報教育・利用環境を重視

1997 年〜 短大、ノートPC貸与 2001 年〜 経営経済学部設立 e-Campus

ノート PC 全員購入 「学ナビ」 Web ポータルを中心とした

教務・事務運営 全学生へのメールアドレス付与 無線 LAN の全キャンパスへの配備

(2001+2002) 学生のノート PC まで Active Directory に登録

当時の文系短大・単科大としては割と積極的

導入したけど 6 年間ほぼ現状維持で放置(パッチも当たってない)

OSS+SaaSによる

システムリプレース

2007 年に大規模リプレース

2007 年 3月 : ネットワーク 基幹ネットワークスイッチ (Foundry Super X) 無線 LAN アクセスコントローラ (Aruba 6000)

2007 年 8月 : サーバ OSS+SaaS で Windows Server 群を置き換え 認証・メール・ Webファイルサーバ等 汎用サービスはほぼ全面的に置き換え

教務システム・学生ポータル・図書館 OPAC以外

リプレース前の課題 (1)

シングル SIer によるロックイン状態 システム構成を大学側で把握できていない 要求や環境の変化についていけない Sier側もインターネットサーバ運用能力が低い 大学側の自主運用・問題解決能力不足

移行前後 : 運用体制自体の改善

単一 SIer 任せの情報基盤 問題発見・トラブル

対処もお任せ 結果的にかなり

高コスト 新サービスへの

対応スピードが遅い

大学主導でのシステム構築・運用 適材適所の組み合せ

職員の専門性育成 低コスト化 新サービスの提供 学生・利用者の方を向いたサービス提供

移行前 移行後

要するに

自分たちで何が必要なのかをちゃんと理解して構築・運用しよう

リプレース前の課題 (2)

特にメールサーバはかなり腐った状態 容量不足・不安定動作・ SPAM問題 セキュリティパッチもろくに適応されていない SMTP サーバがブラックリスト登録されている

学生に愛されない・バカにされるシステム

Google Apps の導入

メールサーバ更新が目的 国内大学で 3番目の導入

半年前に導入した日本大学様にヒアリング 比較検討案

OSS によるオンプロミスでのサーバ構築 メールシステムをじ健全に保ち続ける運用体力は? Google Apps 以上の利便性が提供できるか? コストは? 無償のものを信頼していいのか?

他の Web メールシステム当時、 Google Apps と比較すべきシステムなし

導入プロセス

2007 年 7月 : Google Apps 利用開始 2007 年 8月 : 基幹サーバ群のリプレース

認証・ユーザ管理 旧 : ActiveDirectory + SFU on Windows

Server 2000 新 : Samba3 + OpenLDAP on Linux +

Google Apps 2007 年 9月〜 : 新メールシステムに移行

3ヶ月間、既存のメールサーバと平行運用 MX は旧メールサーバ、 Google Apps に全転送

2008 年 1月〜 : 単独運用化・旧サーバ停止

導入パートナー

パートナー OSSTech社

http://www.osstech.co.jp/pr/2007-10-15 キヤノンマーケティングジャパン社

Google Japan からもレスポンス良い支援 初期導入事例のためか、メールで直接導入支援 7~9月の導入・システム更新作業時 導入後のヒアリング Blog での紹介・社長講演・ノベルティグッズ

導入紹介の記事

日経コンピュータの記事 2007/11/12 特集「ここまできた SaaS の実力」

PC-Webzine 2007/11 Business Communication 2007 Vol.44 @IT 「情報システムを自分たちの手に取り戻せ」オープンソースで情報システムを刷新した嘉悦大学 http://www.atmarkit.co.jp/flinux/jirei/kaetsu/kaetsu_jire

i01.htm

Google Japan Blog: 嘉悦大学訪問記 http://googlejapan.blogspot.com

/2007/11/blog-post_26.html

導入時紹介記事

日経コンピュータ 2007/12/24

導入紹介の取り上げられ方

「 OSS と SaaS でソフトウェア購入費ゼロ!」

Google Apps は 3番目の導入でした 日本大学、東京女子大学、嘉悦大学

副次的効果として大学の広報になりました

現在の ICT 基盤システムの構成 SaaS (Google Apps for Education Edition)

メール・カレンダー・グループ etc… オンプレミス (42U ラック x 2 本強 )

学内 LAN機器 OSS on VMWare を主体としたサーバ群

認証サーバ・ファイルサーバ・学内用 Web サーバ パッケージソフトによるサーバ群

教務システム・学生用ポータル・図書館 OPAC 外部 VPS

公開用 Web サーバ

その他の ICT 科目

科目目標 1 – ICT スキルズ

1 年生春学期終了時の学生を想像してください

他人に対して「自分の好きなモノ」を 5分間、

説得力ある形で説明できますか?

ICT スキルズ

プロセスを意識した他者に働きかけるコミュニケーション

ゴール : → ぺちゃくちゃ Kaetsu 5分のプレゼンテーションで

自分の興味を伝える

利用ソフト : メール (Gmail) ネット検索 Microsoft Word Microsoft PowerPoint

ICT スキルズ

自分の興味を説得力ある形で他者に伝える 情報の入力→出力のプロセスを繰り返し経験する 入力 :

自己紹介や自分の興味トピック 関連資料をネットで探して引用

整理 : 手法 : PREP 法 (Point, Reason, Example, Point)

出力 : レポート プレゼンテーション

ICT スキルズ 講義構成

第 1 回ガイダンス自己紹介ドキュメントの作成 メールでの自己紹介

第 8 回 レポートの作成 4 レポートの作成

第 2 回 自己紹介ドキュメントの作成 2  1 枚自己紹介スライドの作成

第 9 回 ぺちゃくちゃ Kaetsu スライドを作りはじめる

第 3 回自己紹介ドキュメントの作成 3  PREP を用いた紹介ドキュメントの作成

第 10回

ぺちゃくちゃ Kaetsu 2 情報デザインとスライド作成

第 4 回 自己紹介ドキュメントの作成 4 紹介ドキュメントの発表

第 11回

ぺちゃくちゃ Kaetsu 発表

第 5 回 レポートの作成 自分に関する資料の検索

第 12回

ぺちゃくちゃ Kaetsu 発表 2

第 6 回レポートの作成 2 キャッチコピー(キーセンテンス)を作る

第 7 回 レポートの作成 3 レポートの作成

ICT メディア

視覚によるコミュニケーション ゴール :

1ページ程度の視覚的なポスターと3分程度の動画コンテンツ

利用ソフト : Adobe Photoshop Elements Adobe Premier Elements Picasa YouTube

ICT 環境・他の改善点

教室を変える

KALC(Kaetsu Active Learning Classroom) BYOD機器によるコラボレーションを重視 マルチプロジェクタ+ホワイトボードスクリーン

無線 LAN と電源

快適なインターネット利用環境

キャンパス中で快適に使える無線 LAN整備 Aruba 6000 + 802.11 a/b/g/n

対外回線の強化 SINET4 1Gbps接続

次世代ファイヤーウォールの導入 自由度と安全性の両立→アプリケーション可視化によるモニタリング

PaloAlto Network PA-2050

携帯電話の屋内補助アンテナ整備

人的支援体制 : Helpdesk

学生スタッフによる ICT 利用サポート窓口 ICT 利用の幅が広がる 不定型の利用が増える ついて来れない子もいる

→講義以外の形でのフォローアップが大事

自分のノート PC は壊れる 自助的メンテナンスの補助 補助的機器の貸し出し

写真:嘉悦大学ソーシャルマーケティングプロジェクト blog よりhttp://blog.kaetsu-pr.net/archives/1183

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