伊能社中の一億総伊能化計画

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FOSS4G Hokkaido 2014での講演資料です

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伊能社中の 一億総伊能化計画

ジオメディアサミット北海道 2014/6/28(Sat)

仙石 裕明

自己紹介

合同会社マイクロベース CEO 東京大学大学院 博士課程(今月修了) マイクロジオデータ研究会 副運営委員長 NPO法人伊能社中 副理事長 !六本木のジオデータサイエンティスト 夢はReal SimCityの実現!! !趣味: バイク、ニコニコ動画

仙石裕明

@xianshiyuming

NPO法人伊能社中とは

教育の情報化に向けて、学校教育におけるデジタル地図の普及活動・利活用支援を行っている団体です。

教員向け研修会の開催 地図教材の普及活動地図教材ソフトの開発

伊能社中メンバー

現役若手教師、教師を目指す学生、研究者、地図好きなど…

↓理事⾧長

伊能社中を支える理事・監事

!理事 碓井照⼦子

理事 渡邊英徳奈良⼤大学名誉教授

慶應義塾普通部教諭

監事 太⽥田弘

⾸首都⼤大学准教授

2011.11 奈良

2011年11月に活動開始 2013年11月にNPO法人化

伊能社中の始まり

2013年11⽉月受賞(電⼦子国⼟土賞)

2013年1⽉月受賞 (LOD)

“デジタル地図を教材として使えるのではないか?” という興味範囲からいきなり実践へ

お断り

本スライドでは口語ベースでやや強調して文章をつづっています。ご了承ください。

今日の話題

伊能社中の一億総伊能計画・・・・

一億総伊能化

誰もがマッパーになって地図を作成・共有できる社会

今日の話題

伊能社中の一億総伊能計画・・・・

誰もが地図教材を 作成・共有できる社会

2014年1月にそれは起きた

出典: 朝日新聞 「高校日本史の必修化検討 新科目「公共」も」     http://www.asahi.com/articles/ASG175FL3G17UTIL01X.html

世界史が必修、日本史と地理は選択制

高校社会科

1989年以来

2019年以降

(1)日本史と公民を必修、世界史と地理は選択制 (2)日本史と世界史を必修、公民と地理を合体した新教科を創設 (3)日本史、世界史、地理の総合科目を新設

高校地理どうなる?

高校地理科目の履修者が減るかもしれない

仮にそうなったと仮定すると…

大学の地理学科に進む学生が 減るかもしれない…

測量・GIS関係の仕事への志望者が 減るかもしれない…

FOSS4Gコミュニティを支える人が 減るかもしれない…

まとめると…

高校地理 を履修

大学・大学院で 地理学科に進学

FOSS4Gを支えるコミュニティ

オープンデータを支えるコミュニティ

測量・GIS業界へ就職 その他

その他

高校における 日本史必修化

高校地理 を履修

大学・大学院で 地理学科に進学

FOSS4Gを支えるコミュニティ

オープンデータを支えるコミュニティ

測量・GIS業界へ就職 その他

減 減

減 減

減その他

近い将来、FOSS4Gのコミュニティが 弱体化してしまうかもしれない…

どうにかしないば

いかん!!

高校日本史が必修化されること自体は悪いことではない。 !

日本で生きていくうえで、 日本の歴史を理解することは とても重要

問題なのは、必修科目が増えること によって、生徒が必修科目を継続することが構造的に定着してしまうこと !

特に受験を控えた生徒にとって、また新しく選択科目をとるよりも負担の少ない継続科目を選択することは想像に容易い。

高校地理ピンチ!?

大事な前提

生徒は科目を選択できる

つまり、

人気があれば地理科目は 選ばれ続ける。

つまり、

人気さえあれば必修だろうが 選択だろうが関係ない

最後は

生徒にとって選ばれる科目で あれば良い

そのために地理をめちゃくちゃ !

・格好良くておもしろく、 ・体系的に効率的に、 ・スマートに学べる

科目にすれば良い

注) !

本スライドは高校地理だけが優れていれば良いと言っているわけではありません。どの科目も受験上・トップダウンの構造上の理由ではなく、生徒自らの意思で選ばれる科目であることが望ましく、そのためのあり方について提議しています。

ではどうすれば、生徒に地理の 魅力を伝えられるか?

伊能社中の仮説 (生徒側の立場にもなって考える)

デジタル地図教材の導入によって !

生徒の関心・好奇心を引き出し、 生徒の理解力をより高めることができる

・格好良くておもしろく、 !

!

・体系的に効率的に、 !

!

・スマートに学べる

デジタル地図教材の導⼊入によって

可視化!動的!多彩!

脱暗記!板書する時間から考察する時間に!

断片的ではなく、つながりが分かりやすい

先行事例

引用:Apple iTunes 元素図鑑 http://a2.mzstatic.com/jp/r30/Purple4/v4/5b/b0/09/5bb00942-b1fc-c517-9250-10b3bf61dfac/screen480x480.jpeg

引用:エスマックス - 元素図鑑がアップデート!元素の歌が日本語になった!「元素図鑑 http://livedoor.2.blogimg.jp/smaxjp/imgs/3/e/3e0a4f94.jpg

まさに伊能社中が目指す教材そのもの

これと同じことを高校地理でも 実現できないか?

じゃあどうやって実現する?

うーーーん(-ω-;)

いや簡単でしょ!!

我々にはGISがあるじゃないか!! 割と近いことをいつもやっている。

たとえば、こんなの?

世界⼈人⼝口密度

出典: Wikipedia - World population density map http://commons.wikimedia.org/wiki/File:World_population_density_map.png

違う。これではあまり今までと変わらない。 元素図鑑のような感動はない。

元素図鑑にある要素といえば、

・立体的(3D) ・インタラクティブ ・前にでてきた知識とつながる  等

GoogleEarthを使ってもう一回やってみた

世界⼈人⼝口2005年 http://opentextmap.org/library/?p=2325

リアルっぽくなってきた!!

イスラム教徒の割合 http://opentextmap.org/library/?p=472

旭川市国際交流マップ http://opentextmap.org/library/?p=2225

地理科目だけじゃない!

戦国武将マップ http://opentextmap.org/library/?p=680

戦国武将マップ http://opentextmap.org/library/?p=680

時間軸も入れると時系列で変遷が分かる

続・伊能社中の仮説

こういう教材が全単元で用意されていれば、 生徒(だけでなく教師も)はとてもワクワク 学ぶことができるのではないか

でもつくるの大変じゃない?

大変です!!

一人ならね!

戦国武将マップ作成にかかった時間

3⼈人 × 平均3時間 = 合計9時間

戦国武将マップ作成の作業内容• Wikipediaから戦国時代の武将をリストアップ • Wikipediaの各武将ページから武将の画像、年代、場所を取得。画像がない場合は、他サイトからライセンスの有効な画像を探す

• 武将の画像の背景を消す • 武将の画像をGoogleEarth上でプロット • 武将の生存していた年代からタイムスライダ作成

もしこれを10人でやったら?

戦国武将マップ作成にかかるであろう時間

10⼈人 × 平均0.9時間 = 合計9時間

10人で一気に集まってやれば、 1時間ちょっとで教材がつくれてしまう

これが伊能社中のやり方

あとは10人以上規模のワークショップを 開いていけば、どんどんデジタル地図教材を 量産していけるぞ!

この体制を実現するために、 伊能社中はNPO法人化しました!!

伊能社中のユニークな仕組み

伊能社中の会員になると、 会員がプロジェクトを立ち上げることができる

会員のプロジェクト案が運営委員会で認定 されると、NPOから活動支援を受けられる

伊能社中の組織戦略デジタル地図教材 に関する研修会開催 (教師向け)

デジタル地図教材作成に関する 資料を定期的に公開 デジタル地図教材を公開

デジタル地図教材作成に関する コンテスト・ワークショップを開催

デジタル地図教材を 作成可能な人材・コミュニティを増やす

生徒・教師

これまで教材というと、教育関係者がつくるものだった

しかし、実際にはその代表である教師は生徒指導、部活指導等 教科指導以外にもやらなくては いけないことが沢山あって大変!!

もちろん素人が教育者になることは 難しいが、教材をつくってその魅力 を伝えることはできる

オープンデータのおかげで 教材のソースは容易に取得できる ようになってきた

FOSS4Gのような オープンソースのおかげで 教材作成に必要な機能を 実施できるようになってきた

教育関係者だけでなく、 地図というアプローチから 教育に問題意識を持つ人は 誰でも教材をつくり、共有できる 社会の仕組みづくり

伊能社中の一億総伊能計画・・・・

これが

注) 伊能社中がつくろうとしているのは教材であって、教科書ではない

学びへの意欲や関心、理解を深めるための”教材”を普及させていく

”この本は教科書になることを目指したのではありません。むしろ、子どもたちを豊かにする本として学校の図書館に置いてもらってに自発的に読んでもらったり、両親から買い与えてもらう本、というポジションを狙っています。”

引⽤用: IT Media:「元素図鑑」はハリー・ポッターの世界を⺫⽬目指してつくられた    http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1007/23/news068.html

セオドア・グレイ - 元素図鑑作成者

冒頭で高校地理がやばいと述べました

FOSS4GやGIS系の業界に 入る人が減っていくことが ”やばい”のではない

本当にやばいのは、 地理への魅力や理解を分からない人が 今後増えていくかもしれないこと

今日みなさんにお伝えしたいこと

地図好きのみなさんに 子供たちに地理の魅力を伝える 力を貸してほしい

会員となって一緒に活動して いただけると幸いです!!

その他にも伊能社中の活動を、 データ面、システム面、人材面、 支援していただけたら幸いです

データウィキペディア

国土数値情報 GISデータ

ソフト

インターフェース デバイス

専門 ソフト

エンジニア デザイナー

研究者 専門家

行政 企業 研究機関 市民 NPO

教師・生徒・児童

伊能社中が目指すデジタル地図教材普及の流れ

伊能社中に興味をお持ちになられた方へ

つづきはホームページで!http://www.iknowshachu.org/

• GoogleEarthってインターネットが使えない学校じゃ使えないんじゃないの?

• どうやってやり方を学んだらいいの?       など

以下のようなご質問にお答えします。

まとめ

みなさん、会員になってください

まとめ

みなさん、会員になってください

まとめ

1億総伊能化をめざし、FOSS4Gで教育を 盛り上げましょう!!

ご清聴いただきありがとうございました !

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