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ドドドドドド ドドドドドドドドドドドド Yoichiro Yaguchi

ドラッカー流 コミュニケーション仕事術

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Page 1: ドラッカー流 コミュニケーション仕事術

ドラッカー流

  コミュニケーション仕事術

Yoichiro Yaguchi

Page 2: ドラッカー流 コミュニケーション仕事術

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ドラッカーが今なぜブーム?

チリ鉱山落盤事故のリーダールイス・ウルスア 氏

ユニクロ会長 柳井 正 氏

通称「もしドラ」累計 150 万部突破のベス

トセラー。都立高校の野球部マネジャーに

なった女子高生が、ドラッカーが「マネジメ

ント」で説いた経営理論を取り入れて甲子園

出場を目指す青春小説。

ドラッカーの「マネジメント」高校野球の女子マネージャーが     ドラッカーの『マネジメント』を読んだら

「事業の唯一の目的は顧客の創造である」と主

張。企業は社会を構成する一員であることを強

調し、社会の中で自らの存在理由を考えるよう

求める。企業はまず社会のニーズをいかに満

たすかを考えなければならず、利潤追求を第

一に置くと失敗するという考え方。

ドラッカーに傾倒しているリーダー

「柳井正 わがドラッカー流経営

論」(NHK出版)では、防寒下

着「ヒートテック」など大ヒット

商品開発の背景に、客の潜在的需

要に立ち返って考えるドラッカー

流思考があったことが明かされて

いる。

落盤事故で大きなリーダー

シップを発揮したルイス・

ウルスアさんは、ドラッ

カーの信奉者。「マネジメ

ント」を愛読していたとい

う。

ドラッカーの『マネジメント』には、組織社会が人々を幸福にする方法が示されている。

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顧客の創造と「マーケティング」・「イノベーション」

顧客の創造

① マーケティング ② イノベーション

• 企業は、社会的機関の一員。

• 企業は、顧客のニーズを満足させるために存在。

• そして、顧客のニーズを満足させ続けなければならない。

顧客をよく理解し、製品や

サービスが顧客にぴったり

と合って、ひとりでに売れ

てしまうようにすること。

人的や物的に、あるいは社

会的資源から、より大きく

て新しい富を生み出すこ

と。

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自治体における『顧客の創造』の解釈

住民・企業

自治体

職員

情報システム部門

顧客の創造

顧客の創造

マーケティング

イノベーション

顧客の創造

自治体全体から見ると、「顧客の創造」は主に地域の住民・

企業が対象になるが、情報システム部門から見ると、自治

体で働く職員と住民・企業が対象と考えることができる。

“ 時代とともに変化するニーズ”

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ドラッカーが考えた「 IT化社会」とは

• 時間・距離が短縮され、仕事のプロセスが変化– これまで、コミュニケーションに多くの「時間」、「経費」、「距離」が必要だった。– IT化社会は、コミュニケーションに関する「時間」、「経費」、「距離」が短縮する。– 「顧客」が変わり、新しい「商品」、「サービス」が生み出させる。

• そして、情報が中心の社会となる– 技術以上に、コミュニケーションの内容(情報)が重要になってくる。

コミュニケーション

コミュニケーション

時間 経費 距離 情報

情報

【これまで】

【これから】

短縮

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ドラッカー流

コミュニケーション仕事術

<実践編>

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情報を伝えるには感情的なつながりが必要

• 商品・サービスは、コミュニケーションを通じて、生み出され、提供される。– 情報を伝えるには送り手と受け手の間の感情的(人間的)なつながりが必要。– 優れたコミュニケーションに必要なのは情報の交換ではなく、知覚(感情)の共有。– 商品やサービスはコミュニケーションから生まれ、それらは、コミュニケーションによって提供される。– 企業の本質はコミュニケーションである。

• 【実践】仕事のシーンに応じて、「感情」を表現する。– 例えば、電子メールでコミュニケーションを取る場合、シーンに応じて「感情」を伝えてみるのはいかがでしょう

か?– 感嘆符「!」を付けたり、「(笑)」を入れたり、自分のキャラクターを含めて演出すべきです。(レバレッジコン

サルティング(株)本田直之 氏)

商品・サービスはコミュニケーションから生まれ、提供され

人資源

商品サービス

コミュニケーション

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時間を徹底的に管理する、まず、使った時間を記録

• マネジメントの要点はセルフマネジメントにあり、セルフマネジメントはまず時間管理から。– 成果をあげる時間マネジメントのステップには3段階ある。– ① 時間を記録する。時間をどのように使っているかを分析する。そのためには時間の使われ方を記録する。– ② 管理する。自分の活動を必要な時間と不必要な時間に分類し、不必要な時間の浪費原因を特定、改善する。– ③ まとめる。「不必要な時間の排除」、「必要な時間の効率化」によってできた時間をまとめる。

• 【実践】電子メールの予定表の機能を活用して、使った時間を記録。– この3つの時間管理を始めるには、「まず、何に時間を記録するか?」と考えますが、それには、電子メールの予定表の機能をフルに活用するのはいかがでしょうか?

– スーマートフォンからも、おなじ予定表を同期することができるので、外出時でもリアルタイムに書き込めるので便利です。

電子メールの予定表に、使った時間を記録していく。

スマートフォンを使えば、外出先からでもリアルタイムに書き込める。

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「非生産的活動」を特定する

• 時間の使い方を記録すると「ムダな時間」が見えてくる。– 時間の使い方を記録したら、次はそれを分析しなければならない。分析は次の3つの基準で行う。– ① 時間を浪費する仕事。多く時間を使っているにもかかわらず、成果が上がらない仕事。悪玉の仕事。排除する。– ② 他の人でもできること。専門領域外の仕事、あえて、自分が手を下さなくてもよい仕事。仕事を移譲する。– ③ 浪費させている他人の時間。自分自身のためではなく、周囲の人への配慮。定期的に尋ねること。

• 【実践】予定表に記録したスケジュールを分類し、分析する。– 電子メールの予定表に記録したスケジュールを、ドラッカーが指摘する3つの基準にあわせて、分類していきます。

その際、色分けで分類すると、「ムダな時間」が見えてきます。

使った時間を、色分けで分類する 一覧表示にして、合計時間を集計する

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「最初にすべきこと」から始めよ

• まとめた時間に、重要な仕事を割り振って、集中して実行する。– 時間の分析と、非生産的な活動を取り除けれたら、今度は時間をひとまとめにし、重要な仕事を割り当てる。– ドラッカーは次の2点を重視すると述べている。– ① 最も重要な事から始める。– ② 1時に1つの事だけ実行する。(今、すべきでないことに集中しない)– この2つを意識し、ドラッカーは、仕事をリストアップし、その優先順位をきめるべきと、述べている。

• 【実践】電子メールのタスク機能を利用して、仕事のリストアップと実行。– 電子メールのタスク機能を利用して、まず、自分の仕事をもれなくリストアップします。– 「重要度のフラグ」に重要度を設定し、重要度で並び替えます。そして、一気に集中して仕事を実行!。

まず、仕事をリストアップ。優先順位をつけて、重要なものから実施。

仕事の達成感を得るために、終了したら消し込んでいく。

重要度合いのフラグを設定。

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会議は、目的を明確に、出席者に貢献を要求する

• コストを考えれば、会議は意味のあるものにしなければならない。– 会議を「意味あるもの」にするためには、次の3点を意識した会議の開催と運営が必要。– ① 会議の目的を明確にする。「伝達」、「共有」、「決定」なのかによって、準備も進め方も変化。– ② 主催者だけが意見を述べる。意見を出し、質問し合う環境を整える必要。– ③ 最初から貢献にフォーカスする。目的を与えることによって、参加者に会議貢献を意識させる。– また、合って議論を交わすのが会議の目的であれば、参加人数を絞ることが、効率化の点で重要。

• 【実践】会議招集・機能を使って、事前に目的をはっきりさせておく。– 電子メールの会議招集・機能を使って、会議の参加者に対して、招集の依頼と同時に、会議の目的をはっきり伝えてお

けば、「会議の意味」は格段に飛躍します。また、事前に頭の中に入れておいて欲しい情報、背景、会議での貢献して欲しい事も、電子メールベースなので、参加者全員に対して、一斉に伝える事が出来ます。

会議の目的と、参加者に期待することをシンプルに伝える

当日の資料、事前に読んで欲しい資料も一斉に送付。

メールベースの通知なので、会議に参加「する」、「しない」が明確。

会議室も同時に予約

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目標ベースのコミュニケーション

• チームワークを高める鍵が目標をベースとしたコミュニケーション。– 組織におけるコミュニケーションとは、メンバーが相互の目標を理解し、何をすべきかを知ること。– 組織やチームの目標に従い、個人の目標を設定し、公開する。– 自他がそれぞれ目標を相互に理解することにより、自他の目標をベースとしたコミュニケーションが可能となる。– 仕事が進む中で何かの食い違いが生じた場合、メンバーがそれぞれの目標をベースとして、進むべき方法を調整する

こができる。

• 【実践】目標をベースにして電子メールのコミュニケーションを行ってみる。– ビジネス上の電子メールでのコミュニケーションでは、そのメールの目的が重要になります。例えば、「意見を求め

ているのか」、「作業をして欲しいのか」、「情報の共有なのか」を意識して相手にメールを送らないと、読み手は期待通りの行動に出る可能性は低くなります。そのため、メールを受け取り、読んだ人が、どのような行動をとってもらいたいのかを“はっきり”させる必要があります。

情報 目標

伝えたいこと 読み手への期待

メールを読んで、 何してほしのか?

【送信】

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意思決定は、前提を知り、原則を踏まえる

• 正しい意思決定は、相反する意見や異なる視点の衝突から生まれる。– 正しい意思決定のための条件として、ドラッカーは次のような意見を述べています。– 重要な事柄にだけ絞り込んで決定の数をむやみに増やさない。– 決定にあたって原則に基づくべきか、個々の事情を重視すべきかをよく判断する。– 賢明な決定よりも “健全な決定” を心がける。– そして、「満場一致なら決定するな、正しい決定は相反する意見や異なる視点の衝突から生まれる。」と述べている。

• 【実践】電子メールの “スレッド” 機能を使って、“意図のない” 正しい意思決定を。– 参加者の多い会議では、反対意見を提示したり、意見の不一致を作り出すことが難しい場面があります。– 参加者に率直な意見を提示させるためには、電子メール上のスレッドを使って、意思決定を行ってみるのはいかがで

しょうか?

主催者が関係者に議案を提示する

議案のメールに対して関係者が次々に率直な意見を述べる。必要に応じて、会議招集を行い協議する。

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これからは、「情報」ではなく「知識」へ

• 知識が最も重要な生産手段。生産に関わる創意、知識、情報をもって働く。– ドラッカーは、次に到来する社会は「知識社会」と述べている。– 「知識社会」で働く人を「知識労働者」と表現し、「生産に関する創意、知識、情報を持って働く」と定義。– また、「情報と知識は明らかに異なっており、次の社会は情報という無機質なものではなく、知識という有機的な要素を中心に形成されなくてはならない」とも述べている。

– 知識は、人の間で共有され、そして、次第に目に見えるように体系化して、また、別の知識と結びつくというプロセスへ。

• 【実践】コミュニケーションで得られた知識を蓄積、検索、活用する。– 頭の中には完全に記憶していないことでも、過去に受信した電子メールに書いてあると思い出し、受信したメールを検索する場面がよくあります。それは、すなわち、業務上の知識は、会話、以外にも電子メールというコミュニケーションで得るという証であり、その知識はメールボックスに日々蓄積されると言えます。

– 容量の大きなメールボックスは知識のデータデータベース。必要なときに検索し、活用するという方法も考えられます。

【これまで】 【これから】

情報 情報 知識

情報のみ

メールボックスメールボックス

知識のデータベース

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コア・コンピタンスに集中すること

• 専門的な知識労働者を集めた組織ほど、コア・コンピタンス以外の業務をアウトソースする。– 知識労働者は組織の目的に従って、個々の仕事を明らかにし、遂行し組織の成果に貢献する。– 知識労働者に本来すべき事に集中させることが、その組織の卓越した競争力、それが、コア・コンピタンスになる。– 組織の目的が明確になるほど、コア・コンピタンスの領域も専門化されるため、アウトソーシングする流れが強まる。

• 【実践】電子メール、コミュニケーションツールをクラウドへ、アウトソーシングする。– 現在のテクノロジーでは、これまで庁舎内で設置、運営してきた電子メールを、メールボックスの情報をそのまま、

クラウド型の電子メールへ移行することができます。– コア・コンピタンスは、つまり、職員以外では出来ない仕事。情報システム部門では、職員の生産性向上に向けた様々な企画を生み出し、実行していくという部分になってきます。システムの運用や管理は今後、アウトソーシングされて、既に庁内ある情報システムはクラウドへとシフトすると考えられます。

運用・保守

開発・ PM

庁内生産性向上企画・実施

庁内生産性向上企画・実施

コア・コンピタンス

集中・拡大

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参考図書

• 本資料の作成にあたっては、他に次の図書を参考にさせていただきました。

これならわかる ! ドラッカー思考 (PHP文庫 )著者: 枝川 公一 PHP研究所

図解で学ぶ ドラッカー入門著者: 藤屋 伸二 日本能率協会マネジメントセンター

図解で身につく!ドラッカーの理論 ( 中経の文庫 )

著者: 久恒 啓一 中経出版

今日から即使える! ドラッカーのマネジメント思考

著者: 中野 明 朝日新聞出版