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6 はじめに
1 なぜ今、連携なのか?
2 企業連携の種類
3 連携するきっかけ
4 成功する企業連携の流れ
5 戦略企画フェーズ
6 連携先調査・打診フェーズ 7 連携計画策定フェーズ
8 契約フェーズ
9 実施・モニタリングフェーズ
10 解消フェーズ
11 企業連携成功の勘所
12 国の支援策
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(2)連携先調査・打診フェーズ 企画フェーズで明確にした目的および戦略に従い、連携先パートナー候補を調査して選別します。さらに初回ミーティング以降の事前検討を行います。
ステップ⑤ ファーストコンタクトとその後の流れ
ステップ⑥ ビジネスモデルレベルの議論
ステップ⑦ 企業連携の意思表示
ステップ⑧ 企業連携実施の準備
連携先調査・打診フェーズの4つのステップ
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ステップ⑤ ファーストコンタクトとその後の流れ
パートナーありきではじまる企業連携を対象外とすれば、ファーストコンタクト先は3つにわけることができでしょう。
すでに取引のある企業
自力で新たに探し出す企業
近しい人からの紹介
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すでに取引のある企業 →既存取引先です。お客様の場合もあれば仕入れ先、下請けの場合もあるでしょう。
自力で新たに探し出す企業 →雑誌や企業データベース、ウェブサイトから、連携の要件にあう企業をリストアップしてアプローチするケースと、ビジネスマッチングや商談会で積極的に名刺交換して近づくケースがあります。
近しい人からの紹介 →銀行や税理士、商工会議所および所属している業界団体等からの紹介で知り合う場合など。
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出会いの場は興味を持って探しだせば、いくつも入口が見つかるはずです。
昭和信用金庫のビジネスマッチングウェブサイト
東京商工会議所主催のビジネスマッチング商談会
首都大学東京の産学公連携センターのウェブサイト
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さらに、それぞれの場合で、どのレベル感から連携がスタートするかも知っておく必要があります。
いきなりトップ同士で話が具体的に進んでいくことは稀で、事前にキーマン同士の検討があるケースがほとんどでしょう。
複数社参加の勉強会
定期的な 情報交換会
部・課長レベルの検討会
経営層レベルでの情報交換会
企画ドキュメントベースの検討会
非公式な場での頻繁な意見
調整
経営層レベルでの数字の確認
ラフな状態
本気の状態 この辺りからのスタートすると お互いを知り、関係を構築しやすい
いきなりここからスタートすると かなりドライな関係の中でその後を 進めていくことになる恐れがある
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ステップ⑥ ビジネスモデルレベルの議論
ファーストコンタクトをどのタイプで行ったとしても、このビジネスモデルレベルの議論を綿密に行う必要があります。
お互い、ビジネスの意義、目的を共有しつつ、調整・修正事項があれば、お互いの議論、理解のもと、ビジネスモデルプランを変更していきます。
この時点でお互いの主張だけを言いあってはいけません。
相手のタイプは様々でしょう。自社の売り込み、アピールを熱心にする企業もいることでしょう。
しかし、それを遮らず、あらゆる可能性を検討するという意味で、相手の意見をじっくりと聞きましょう。
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その上で、お互いの目指す共通項を探りながら、ビジネスモデルを絵にしていきます。
コア企業(その後の議論をリードしていく)であるためには、この絵にする役目は相手に譲ってはいけません。
相手企業が納得できるレベルまで落とし込んでいく必要があります。
戦略企画フェーズのビジネスモデル検討用資料の例
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このステップでは、この検討で初めて連携先企業との共通の何かが生まれるということです。
できれば、ビジネスモデル(業務プロセスレベル)だけでなく、ビジネスの目的、目標、連携の意義を十分に理解してもらうことです。
もちろんこのビジネスを連携で行うメリットを感じてもらう必要があります。(同様の利益を得る他の手段よりも確実性が高い等)
そして、その相手は、最低でもキーマン部長以上、望ましくは、取締役、場合によっては社長レベルで納得していただきたいところです。
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ステップ⑦ 企業連携の意思表示
ステップ⑥まで進んだのであれば、ひとつ目の山を越えたと言ってもよいでしょう。
しかし二つ目の山はすぐにきます。
ビジネスプラン、モデルに相手企業が「いいですね」となっても、まだ企業連携の体をなしてはいません。
「企業連携をしましょう」という意思を、正式に表示しなければ次の具体的な行動には繋がっていかないのですが、大抵ここで、ちょっと時間がかかります。
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それは、ビジネスプランが100%確実なものではなく、ある想定に成り立つもの、リスクを含むものであるからです。
自社はともかく、連携先企業からのYESを引き出すための、クリティカルな条件をクリアできなければ、正式な意思表示にはつながりません。
たとえば、 新ビジネス立ち上げ時に顧客が3社受注できる。
連携技術の核になる部分の特許が1年以内にとれる。
シェアを獲得できる、広告効果、営業力がある。
制度、条例等が向こう3年間改定されない。
力のある他社が現時点、同様の企画をしていない。
などです。
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ここで、双方でクリアすべき条件についてお互い遠慮なく列挙して明確にします。
双方が許せる期間に、役割分担を決めて対応を進めていきます。
この条件は、これがクリアできないと、その後のビジネスの成功が極めて可能性の低い、リスクの高いものとなるものなので、この時点でクリアできなければ、連携の企画はストップという判断が必要になります。
この段階で触れておくべき事項として、各社の収益モデルです。具体的な数字は次のフェーズに決めていくとして、どの企業がどのように収益をもたらされるのかはこの段階で触れておくとよいでしょう。
ステップ⑧ 企業連携実施の準備
このステップでは、企業連携の意思表示を行い、連携プロジェクトを実施していくための各企業公式な手続きを進めていきます。
会社によっては、その内容は異なりますが、取締役会等の会社の最高レベルの意思決定の場で判断される事が多いでしょうか。
そのために準備すべきもの(呼び名は企業によって様々)は、大きく
ビジネス企画書
企業連携計画書
の2つです。
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ビジネス企画書 →省略
企業連携計画書 →戦略レベルのものと、実行計画レベルのものとを用意します。
実行計画書は、この時点では草案レベルの内容でかまいません。詳細は次のフェーズで詰めていきます。
ただし、組織、体制については正式な合意をとっておくことが重要です。
<企業連携戦略>
・目的、背景、意義 ・売上、利益他目標、収支計画 ・顧客、ニーズ、仮説 ・ビジネスモデル ・企業連携の与件、連携形態 ・リスクとその対応
<プロジェクト実行計画※> ・プロジェクト範囲 ・プロジェクト運営ルール (意思決定、会議体、リスク管理) ・組織、体制 ・スケジュール、成果物、役割分担 ・利益配分案 ・チェックポイント、撤退条件
※内容はフェーズ3で詳細を詰めていくので、 草案レベルになる。 84