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議論について 境耕佑 2015/02/19

議論について

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議論について境耕佑

2015/02/19

何がしたいの?

価値のある議論をしたい

不毛な議論①

単なる言い合い

A「やっぱりきのこの山のほうが断然うまいわ」

B「は?何いってんの?たけのこの里のほうがうまいに決まってんだろ」

A「きのこの山のほうがチョコ多いし、 ビスケットのカリっと感がぜんぜん違うわ」

B「たけのこの里はチョコとビスケットが一体となっていて、 製品としての完成度が格段に上だっつーの。」

A&B「(やっぱ分かり合えないわ)」

不毛な議論②

意見が全く出ない、 「もはや周知」な議論

A「エンジニアPCはこれからはMACにしようと思うんですけど、いいですかね?」

B「・・・・」

C「・・・・」

A「特に。。。意見は無いですかね?。。。」

B「・・・・」

C「・・・・」(カチャカチャ ッターン)

A「・・・じゃあこれからはMACってことで行きましょう」

不毛な議論③

有力者のゴリ押し

A(ベテラン)「もうPHPやめてこれからはRubyで開発するから」

B(新人)「え、、、でも3,4行のロジックだったらPHPで書いたほうが楽なときもあると思うんですけど。。。」

A「は?まじでないわwwwPHPとか情弱が使う言語だし。もっと勉強してから発言しろよww」

B「あ、、、はい、、、すみません。。。」

なぜそうなるのか? - 下記2点の理解不足

1. 議論にとって何が重要か 2. 議論のやり方

1. 議論にとって何が重要なのか

争点を”客観的に”、”様々な観点から”分析し、 争点を十分に把握した状態でその本質を探り、 最終的に主観的な判断を下す根拠を得ること

“客観的に”とは?

データと論拠に基づいた 主張をすること

“様々な観点から”とは?

反対意見、異なる視点からの 意見を歓迎すること

議論は勝ち負けではない 議論の結論は参加者全員の成果物

様々な観点から分析することが重要

客観的な情報を集め主観的な判断につなげる 客観的な判断ができるならそもそも議論なんて不要

他者の意見を聞くこと

自分の意見を主張すること

2. 議論のやり方 2-1. 議論の流れ 2-2. 議論の鉄則

議論の流れ

1. 立論 2. 反対尋問 3. 反駁 4. 結論

立論 1. 問題はなにか

それはどの程度深刻なものなのか

2. 原因はなにか それは現状では解決できないものなのか

3. 解決策はなにか それは実行可能な現実的な案か

4. その案によって本当に問題は解決するのか

5. 問題解決したことによるメリットは 現状変革により生じたデメリットを上回るか

反対尋問

相手の議論の確認 認識の相違は必ず解消する

立論の5要素の検証 解決策の強度を確認するために、 あえて反対意見をひねり出したり

反駁

議論の論点の絞込 主張のメイントピック以外に反対が集中した場合

相手の主張に対する反対意見

新たな論点は作り出さない 論点のすり替え防止

結論

解決案を 採用するのか 却下するのか

代替案を採用するのか 選ぶ

ディベートの鉄則 1. 主張するものは証明すべし

主張、データ、論拠(理由付け)の三つの関係性を明確にすること

2. 沈黙は同意(≒無関心)を意味する 賛成なのか、反対なのかを示すだけでも価値がある

3. 建設的な議論をする 批判ではなく改善提案

論理的に一貫した議論を行う 感情論に振り回されない 発言の印象を問題にしたり

本質的でない部分で攻撃しやすいところを攻撃したり

4. 人格と議論を切り離す 個人攻撃、人格攻撃は禁止

議論のテンションは議論の中だけで完結させる

5. 意見と事実を切り離す

最後に

主観的な意見は悪ではない 直感はとても重要なファクター

なぜそうなのか、論理的に説明できないか 相談してみるのも一つの議論

ルールは破るもん ルールを守ることが目的ではない より良い議論をすることが目的

不適切なら改定するなり、破るなりすればいい

参考文献 茂木 秀昭 (2001)『ザ・ディベート―自己責任時代の思考・表現技術』 ちくま新書. 岩田 宗之 (2007)『議論のルールブック』 新潮新書.

読もうと思っている 飯田 泰之 (2006)『ダメな議論―論理思考で見抜く』 ちくま新書. 香西 秀信 (2007)『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』 光文社新書.