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2013.12.23 【トピカル】風雲急を告げるEC業界を展望する
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風雲急を告げるEC業界を展望する
ビジネスエコシステム/PF理論/モジュール化/ネットワーク理論/ Winner Takes All/自律したプレーヤー/キュレーター/資源吸引
オムニチャネル/O2O/共通ポイント/ビッグデータ/
目次
1. 【問題意識】錯綜するEC 2. 【先行研究1】ビジネスエコシステム 3. 【先行研究2】プラットフォーム理論 4. 【先行研究3】ネットワーク効果 5. ECサイトへのプラットフォーム理論の応用 6. 各ECサイトの分析 7. 考察 8. 参考文献
1-1.EC企業の沿革(マクロ)
1995年 amazon.com誕生
1997年 NASDAQ上場
2000年 amazon.com.jp誕生
2001年 成果報酬型広告リリース
2002年 Amazon Web Services
2002年 マーケットプレイス誕生
2005年 市川FC開業
2006年 受託販売開始
2012年 Kindleストアオープン
Amazon Cloud Player
1997年 楽天市場誕生 1998年 楽天オークション開始 2000年 楽天大学開設 2001年 楽天トラベル、ブックス開始 2002年 楽天ポイント導入 2003年 ジャスダック上場 2004年 楽天証券開始 2005年 楽天カード開始 2007年 楽天生命開始 2008年 楽天銀行開始 楽天あんしん支払い開始 2009年 楽天Edy開始 2012年 電子書籍事業参入 2013年 東証一部上場
1996年 yahoo! japan開設 1997年 株式上場 1999年 ヤフーショッピング、 ヤフオク開始 2001年 ヤフーかんたん決済開始 東証一部上場 2012年 アスクルと資本業務提携 2013年 Tポイントと統合 yahooロジスティクス開始 ヤフーショッピング 無料化
2012年
10/24 Kindleストアオープン
10/31 コンビニ受け取り開始
1-2.近年のEC企業の動向
2012年 1/12 kobo買収 5/17 Pintarest社に出資 6/1 楽天Edy開始 9/1 クーポン事業参入 12/1 楽天スマートペイ開始 2013年 1/28 あす楽開始 3 /5 楽天ポイントリアル店舗へ 9/3 米国Vikiを買収 12/6 楽天でんわ開始
2012年 4/27 アスクルと資本業務提携 6/19 CCCと資本業務提携 7/17 yahoo JCBカード誕生 9/6 yahooクラウドストレージ開始 10/19 カカオジャパン出資(50:50) 10/15 LOHACOオープン 2013年 7/2 Tポイントと統合 7/18 yahooロジスティクス提供開始 8/29 Flipboadとの提携 10/7 出店無料化
供給者
消費者
yahoo
モールサイト(楽天,amazon,zozo)
広告サイト(カカクコム、オークファン)
1-3.EC間における情報流通網
ヤフー
供給者
消費者
yahoo
モールサイト(楽天,amazon,zozo)
広告サイト(カカクコム、オークファン)
1-3.EC間における情報流通網
ヤフー
今回のECの定義!
1-4.ECにおける2つのモデル
供給業者
商業者 モールサイト
供給業者
消費者 消費者
情報
情報
売買
売買
売買
モール型モデル 商業者モデル
1-4.ECにおける2つのモデル
供給業者
商業者 モールサイト
供給業者
消費者 消費者
情報
情報
売買
売買
売買
モール型モデル 商業者モデル
情報の仲介業 商品の仲介業
単なる仲介だけでは生き残れない。 付加価値を生み出す必要あり。
2-1.ビジネスエコシステムとは
多数の緩やかに結びついた参加者たちが共同の発展と生き残りを目的として、相互依存している 状態を表す概念である。
(Iansiti and Levien 2004)
供給業者
物流業者
消費者
EC業者
2-1.ビジネスエコシステムとは
多数の緩やかに結びついた参加者たちが共同の発展と生き残りを目的として、相互依存している 状態を表す概念である。
(Iansiti and Levien 2004)
供給業者
物流業者
消費者 EC企業はエコシステムにおいて、 キーストーン企業に成り得る。
• Kindle Store(オープン)
• Kindle(デバイス)
• AWS(クラウドサーバー)
• ロジスティクス
• 情報提供によるコラボ
• マーケットプレイス(モール)
• Amazon (商業者)
• 電子書籍
• コンテンツ
各社の自社内エコシステム
• 金融事業 • ポイント事業 • 電子書籍 • 生命保険 • 旅行 • ロジスティクス • 楽天経済圏 • 楽天市場(モール) • オークション(CtoC) • kobo Store(オープン) • kobo(デバイス)
• 広告 • Tポイント事業 • kakao talk • Flip boad • ロジスティクス • ポータルサイト • 検索システム • LOHACO(商業者) • オークション(CtoC) • ショッピング(モール)
EC事業
2-2.ビジネスエコシステムにおいての競争戦略 • 伝統的な競争戦略 競争に勝ち残るために自社がいかにして、 ①価値創造:差別性の高い製品やサービスを開発する ②収益化:そのサービスからいかに多くの収益を上げるか
• ビジネスエコシステムにおける競争戦略 資源吸引:当該企業が相手先の限りある資源をどれだけ優先的に自社に配分し てもらえるか
①水平企業間競争(ライバル企業間での競争) ②垂直企業間競争(取引相手との競争)
規模の経済によるパワー関係ではなく、共存共栄を目的とした 長期的な協力関係
プラットフォームとは
3-1.プラットフォーム理論
各種の補完製品・サービスや補完コンテンツとあわさって、顧客の求める機能を実現する基盤となり、同時にプレーヤーグループ間の意志的相互作用の場(メディア)となる製品やサービス
(根来 加藤,2010)
• 基盤機能 補完製品が存在し、その多様性と質が該当プラットフォーム利用者にとって重要な選択要因となる。
• メディア機能 そのサービス自身が、異なるプレーヤーグループの相互作用を媒介することで成立する。
3-2.マルチサイドプラットフォーム理論
共通のプラットフォーム間によって媒介される、補完製品の供給プラットフォームと、補完製品の使用プラットフォームが並列的にセットとして存在している市場
(根来 釡池 清水,2011)
供給 プラットフォーム
使用 プラットフォーム
補完業者 補完製品 補完製品 ユーザー
PF間インターフェース
3-2.マルチサイドプラットフォーム理論
共通のプラットフォーム間によって媒介される、補完製品の供給プラットフォームと、補完製品の使用プラットフォームが並列的にセットとして存在している市場
(根来 釡池 清水,2011)
供給 プラットフォーム
使用 プラットフォーム
補完業者 補完製品 補完製品 ユーザー
PF間インターフェース
前者からの供給が後者の使用の前提となる。
3-3.ECサイトへのPF理論の応用
供給者グループ 消費者グループ
補完グループ
3-3.ECサイトへのPF理論の応用
供給者グループ 消費者グループ
補完グループ
全てのプレーヤーをマネジメントし、つながりを強化する必要がある
4-1.ネットワーク効果
ネットワーク特性を持つサービスにおいて、利用者数がサービスの効果に影響すること
• 直接的効果 - ネットワークの規模がそのまま需要者にとっての利用価値を左右する。 • 間接的効果
- ネットワークの規模に応じて、その製品の価値に直接関係する補完財の質・量が 決定される。また、補完財が需要者にとっての製品の価値を左右する。 • 需要者側のネットワーク効果
- ネットワークの外部性 • 供給者側のネットワーク効果
-規模の経済
4-2.マルチサイドプラットフォーム製品における ネットワーク効果
• サイド内ネットワーク効果 -同種のプレーヤー間で働くネットワーク効果
• サイド間ネットワーク効果 -異なる種類のプレーヤー間で働くネットワーク効果
供給者 消費者 供給者 消費者
4-2.マルチサイドプラットフォーム製品における ネットワーク効果
• サイド内ネットワーク効果 -同種のプレーヤー間で働くネットワーク効果
• サイド間ネットワーク効果 -異なる種類のプレーヤー間で働くネットワーク効果
供給者 消費者 供給者 消費者
双方の利用者をいかに 増やすかがポイント!
4-3.WTA(Winner Takes All)
プラットフォームサービスは、一般的にWTA(Winner Takes All)の傾向があり、特定の勝者による市場の独占が起こるとされている。
4-4.マルチサイドプラットフォームの戦略論 1. ネットワーク効果のマネジメント -如何にしてネットワーク効果を発生させプレーヤーを増やすか
1. 利益格差のマネジメント -両サイドをトータルに考えた価格設定(片側を無料にすることができる。)
1. マルチホーミングコストのマネジメント -複数のPFを使えば追加費用が発生する。(ex.iTunes)
1. セットとしてのPF製品のマネジメント -PFの両側に製品を販売することができる。(ex.iPod,Kindle)
1. 統合PFのマネジメント -どこまでオープンにし、どこまでクローズにするか。他社PFとの互換性。
1. プラットフォーム包囲(階層マネジメント) -複数のPFをハンドルすることにより、階層の異なるPFを囲い込む(ex.MicrosoftのIE)
基盤機能
基盤機能
メディア機能
メディア機能
供給者
消費者
5-1.ECサイトへのPF理論の応用
5-2.ECサイトのPF分析
基盤機能 メディア機能
● 決済機能 ● 物流機能
● ポイント ● 集客機能(広告) ● 顧客情報
基盤機能 メディア機能
● ポイント ● 物流 ● 顧客情報
● 決済手段 ● 集店機能(店舗、商品比較)
販売者側
消費者側
PFの機能をモジュール化して 外部に提供することが可能!
5-2.ECサイトのPF分析
基盤機能 メディア機能
● 決済機能 ● 物流機能
● ポイント ● 集客機能(広告) ● 顧客情報
基盤機能 メディア機能
● ポイント ● 物流 ● 顧客情報
● 決済手段 ● 集店機能(店舗、商品比較)
販売者側
消費者側
5-3.各社ECにおけるPFモジュール機能の 販売者側へのオープン化
物流システム 決済機能 ポイント(顧客データ) 集客
Amazon △(マーケットプレス) pay with amazon × ×
楽天 楽天ロジスティクス 楽天あんしん決済 △(楽天グループ内) ×
ヤフー ヤフーロジスティクス × ◯(Tポイント) ◯(リンクフリー)
5-3.各社ECにおけるPFモジュール機能の 販売者側へのオープン化
物流システム 決済機能 ポイント(顧客データ) 集客
Amazon △(マーケットプレス) pay with amazon × ×
楽天 楽天ロジスティクス 楽天あんしん決済 △(楽天グループ内) ×
ヤフー ヤフーロジスティクス × ◯(Tポイント) ◯(リンクフリー)
自社以外のEC供給者からの収益 幅広い顧客データ 自社以外のECサイトからの広告収益
共存共栄となる資源吸引モデルの構築!
5-4.モジュール機能の活用事例
• サイトブランド化が出来ない →選択肢の1つになってしまう。 cf)無印良品
ECサイトの対応 既存ECの問題点
• 決済機能の提供 • 物流機能の提供 • ポイント機能の提供
5-4.モジュール機能の活用事例
• サイトブランド化が出来ない →選択肢の1つになってしまう。 cf)無印良品
ECサイトの対応 既存ECの問題点
資源吸引!
• 決済機能の提供 • 物流機能の提供 • ポイント機能の提供
6-1.考察
• モジュール機能の オープン化による 外部ECへの対応
• 購買意欲の創出 -リアルへの進出 -ウェブへの対応 • 未対応EC分野への 進出 • 消費者間ネットワーク効果の形成
• 実店舗との連動
供給者側への対応
消費者側への対応
• 顧客データ活用による商業者モデル化
• 自社経済圏の構築による収益一括吸収
自社への対応
各社のSWOT分析
S O
W T
S O
W T
S O
W T
・デバイス ・物流機能 ・コンテンツ ・ID(クローズ) ・商業者モデル
・サーバー
・ポイント ・SNS ・O2O
・リアル店舗 ・オムニチャネル ・キュレーション ・ファッション ・ページデザイン
・金融 ・自社経済圏 ・物流機能 ・ID(クローズ) ・O2O
・SNS ・モバイルコマース ・商業者化 ・ポータル
・デバイス ・コンテンツ
・ポータル ・広告 ・物流機能 ・検索機能 ・オープンポイント ・オープンID
・デバイス ・決済のOP化
・リアル店舗 ・オムニチャネル ・ファッション ・ページデザイン ・コンテンツ
・SNS(kakao,Flip)
・リアル店舗 ・オムニチャネル ・キュレーション ・ファッション ・ページデザイン
供給者側への対応を強化 自社経済圏の構築強化 消費者側への対応を強化
生産者
消費者
モールサイト(楽天,amazon,zozo)
広告サイト(カカクコム、オークファン)
6-2.購買意欲の創出と顧客の誘導 欲しい物が 決まっている!
ヤフー
生産者
消費者
モールサイト(楽天,amazon,zozo)
広告サイト(カカクコム、オークファン)
6-2.購買意欲の創出と顧客の誘導 リアル ウェブ
欲しい物が 決まっている!
ヤフー カタログ型から雑誌型へ
6-3.ECの商業者モデル化
供給者グループ 消費者グループ
6-3.ECの商業者モデル化
供給者グループ 消費者グループ
Big Dataの蓄積
6-4.考察
• 顧客データ活用による商業者モデル化
• 購買意欲の創出 -リアルへの進出 -ウェブへの対応
• 未対応EC分野への 進出 • モジュール機能の オープン化による 外部ECへの対応 • 消費者間ネットワーク効果の形成
データによる対応
ECによる対応
• 自社経済圏の構築による収益一括吸収
グループによる対応
6-4.考察
• 顧客データ活用による商業者モデル化
• 購買意欲の創出 -リアルへの進出 -ウェブへの対応
• 未対応EC分野への 進出 • モジュール機能の オープン化による 外部ECへの対応 • 消費者間ネットワーク効果の形成
データによる対応
ECによる対応
• 自社経済圏の構築による収益一括吸収
グループによる対応
モジュール特化によりWTA現象の構築すると プラットフォーム包囲戦略 により、新規参入が可能?
機能特化の事例
• CCC • LINE
7.参考文献・資料 • 経済産業省
『平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』
• 中田善啓
『ビジネスモデルのイノベーション』(2010年)
• 椙山泰生 高尾義明
『エコシステムの境界とそのダイナミズム』(2011年)
• 水野学 小川進
『ビジネスシステム資源吸引』(2011年)
• 根来龍之 加藤和彦
『プラットフォーム間競争における「非」決定論のモデル』(2010年)
• 今井賢一(2008年)
『創造的破壊とは何か』
• マルコ・イアンシティ
『キーストーン戦略』
• アスキークラウド2014年1月号
『対アマゾン流通本土決戦』