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Workshop Design #5・6 「クリストファー・アレグザンダーの 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー』 の概念を用いてワークショップの デザインを考えてみる。」(井庭崇)

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慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)2014年度「ワークショップデザイン」(井庭崇 担当)のスライド。 自分のこれまでの経験に即した、まったく新しいワークショップデザインの方法論を構築中。

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Page 1: Workshop Design #5・6 「クリストファー・アレグザンダーの 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー』 の概念を用いてワークショップの デザインを考えてみる。」(井庭崇)
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Workshop Design

Keio SFC 2014

井庭 崇(Takashi Iba)慶應義塾大学 総合政策学部 准教授[email protected] takashiiba

© Takashi Iba, 2014

2014年4月21日

#5・6

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ワークショップをつくるいきいきとした創造的な

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部分を足していく

ワークショップのつくり方

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ワークショップのつくり方

「いきいきとしたワークショップ」を ひとつの「まとまり」(全体: whole)

としてイメージする

全体を分化させていく

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「いきいきとしたワークショップ」を ひとつの「まとまり」(全体: whole)

としてイメージする

ワークショップのつくり方

そのワークショップにおける 「中心的なこと」(strong center)

は何かを考える

全体を分化させていく

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ワークショップのつくり方

「いきいきとしたワークショップ」を ひとつの「まとまり」(全体: whole)

としてイメージする

そのワークショップにおける 「中心的なこと」(strong center)

は何かを考える

その「中心的なこと」を 支えるもの・ことを考える

全体を分化させていく

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ワークショップのつくり方

「いきいきとしたワークショップ」を ひとつの「まとまり」(全体: whole)

としてイメージする

そのワークショップにおける 「中心的なこと」(strong center)

は何かを考える

その「中心的なこと」を 支えるもの・ことを考える

それぞれのこと・もののなかで 大切なことを詰めていく

全体を分化させていく

全体を分化させていく

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ワークショップのつくり方

全体を分化させていく

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『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・

アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

Christopher Alexander, The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life, The

Center for Environmental Structure, 2002

クリストファー・アレグザンダーの 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー』 の概念を用いてワークショップの デザインを考えてみる。

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「部分」は「全体」により導かれ、「全体」からつくり出される

「全体」が「部分」からつくり出されるのではありません。

花は花びらからつくられるのではありません。花びらは花における位置とその役割によってつくり出されているのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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これは、私たちがこれまで慣れ親しんできたものごとの概念とは、全く異なります。この新しい概念では、「全体」が常に存在し、まず、構造としての「全体性」から考えていくのです。

全体性は部分でできており、「『部分』は『全体性』からつくり出される」―――この一見矛盾する(安易に表現されるために、矛盾したように見えるだけなのですが)論理こそが、「全体性」の本質を根源的に表現している、と言えるのです。「全体性」を理解するためには、まず「部分」と「全体」がこのような全一的関係によって作用するという概念を持たなければなりません。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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全体(whole)

全体(whole)

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全体(whole)

センター(center)

全体(whole)

センター(center)

センター(center)

センター(center)と

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センター(center)

センター(center)

「センターとは空間内で以下のような特別な性質を持った集まりということができます。それは、それ自体がもつ組織構成と、その内的一貫性と、文脈と一致した関係性とでもって、(全体)空間内の他の部分とも密接な関連性を持ちつつ局所的ゾーンとしての「センター性」という性質を表出している集まりのことです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

センター性(centeredness)

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Center #1

Center #2

Center #3

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センター(center)

センター(center)

「センターとは空間内で以下のような特別な性質を持った集まりということができます。それは、それ自体がもつ組織構成と、その内的一貫性と、文脈と一致した関係性とでもって、(全体)空間内の他の部分とも密接な関連性を持ちつつ局所的ゾーンとしての「センター性」という性質を表出している集まりのことです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

センター性(centeredness)

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何年もの間、私はあらゆるもの — すべての形体 — は実体からつくり出された、という概念について考え続けてきました。・・・「秩序」の根本的な要素としてこれらの実体を明確に捉えようとした私の試みは容易にうまくいきませんでした。・・・

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

実体として現れた事物は不安定で、固定されたものではなく、明確な境界もなく、実のところ「事物」では全然ない、という事実が強調されることとなった

しかし15年ほど前にこれらのことはすべてはっきりとすることになりました。

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それは、建物の本質として極めて重要なこれらの厄介な実体は実は境界を持った実体ではなく、境界を持たない「センター」である、ということが理解できたときでした。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

様々な種類の「センター」それらは、湧き立つような「全体性」の集合体の中に現れるのです。

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どんな「センター」であれ、「センター」によってつくられる相対的な「全体性」や「センター性」は、合成された「センター」やその組織の「センター性」という観点からしか理解できないのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

「センター」が生き生きし、そして他の「センター」たちによって生み出される、「生命」を持つための方法は、ある限られた数の実践的な方法に則っています。

私が断定できた限りでは、たった15の法則しかありません。

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1. スケールの段階性(Levels Of Scale) 2. 力強いセンター(Strong Centers) 3. 境界(Boundaries) 4. 交互反復(Alternating Repetition) 5. 正の空間(Positive Spaces) 6. 良い形(Good Shape) 7. 局所的に現れるシンメトリー(Local Symmetries) 8. 深い相互結合と両義性(Deep Interlock and Ambiguity) 9. 対比(Contrast) 10. 段階的変容(Gradients) 11. 粗っぽさ(Roughness) 12. 共鳴(Echoes) 13. 空(くう)(The Void) 14. 簡潔さと静謐さ(Simplicity and Inner Calm) 15. 不可分であること(Not-Separateness)

15の基本特性

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Levels Of Scale Boundaries

1. スケールの段階性 3. 境界Strong Centers

2. 力強いセンター

Alternating Repetition Good Shape

4. 交互反復 6. 良い形Positive Spaces

5. 正の空間

Local Symmetries Contrast

7. 局所的に現れるシンメトリー 9. 対比Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

Gradients Echoes

10. 段階的変容 12. 共鳴Roughness

11. 粗っぽさ

Not-SeparatenessThe Void

13. 空(くう)Simplicity and Inner Calm

14. 簡潔さと静謐さ 15. 不可分であること

パターン・ランゲージRealityリアリティ プラス

Pattern Languages

創造的な未来をつくるための言語

中埜

Nakano H

iroshi

江渡浩一郎

Eto Koichiro

中西泰人

Nakanishi Yasuto

竹中平蔵

Takenaka H

eizō

羽生田栄一

Eiiti Hanyuda

井庭

崇﹇編著﹈

Iba Takashi

パターン・ランゲージ

定価(本体 2,400円+税)

創造的な社会へ応急処置的な社会から、

中埜 博 江渡浩一郎 中西泰人竹中平蔵 羽生田栄一

井庭 崇

パターン・ランゲージによって、私たちはどのような未来をつくることができるのか?気鋭の社会学者・井庭崇が、中埜博、江渡浩一郎、中西泰人、竹中平蔵、羽生田栄一という各界のフロントランナーを迎え、徹底討論。

読者のリアリティに、新たな知をプラスする

﹇編著﹈

パターン・ランゲージ

!!

『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博,

江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一,

慶應義塾大学出版会, 2013)p.327

15の基本特性のイメージ

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Levels Of Scale

1. スケールの段階性さまざまなスケールを含む

「センター」の「生命」が最も強力になるのは、隣接する「センター」との間のサイズの関係がある特定の場合 —

おそらく元のセンターの半分かもしくは2倍である場合

そのサイズの差は極端に大きくても、極端に小さくてもそうはなりません。ある「センター」を強力なものにするためには、他の「センター」を最初の『センター」のおよそ半分か4分の1の大きさにする必要があります。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Strong Centers

2. 力強いセンター

生き生きとしている構造の中で、おそらく最も重要な特徴は、異なったスケールごとに存在するのは、単なる「センター」や「全体性」や「実体」というものではなく、実は「力強いセンター」として存在するのだということです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Boundaries

3. 境界

「生命センター」は — ほとんどいつでも — 「境界」で囲われて強化されている

「境界」は結合と分離を同時に行う

「境界」は囲い込んでいる「センター」とほぼ同じ規模の大きさであることが必要です。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Alternating Repetition

4. 交互反復

「センター」同士が補強し合う最も効果的方法のひとつに「センター」の反復があります。

「センター」は反復することで別の「センター」を強化するのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Positive Spaces

5. 正の空間

「正の空間」というものは、空間のある部分が外側に膨らむときに発生し、それ自身の中に実体があるのですが、隣接した計上からの残りもののように決してなりません。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Good Shape

6. 良い形

構成要素それ自体が「良い形」

機能的である事物は自身の中に多くの「センター」を持つことが必須であり、そしてより多くの「センター」を持つことによって「良い形」になる

「良い形」はそうした事物をより美しくするだけでなく、より素晴らしく、より機能的に働かせることもできるのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Local Symmetries

7. 局所的に現れるシンメトリー

場における「力強いセンター」の存在は、多種多様に連結し、重複する「局所的に現れるシンメトリー」の数の多さに依る

完全なシンメトリーは、事物において「生命」よりも「死」を表すことがしばしばあります。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

多くの場合、「生命構造」は何らかの「結合」形態を持っています。結合とは「センター」と「周辺環境」が互いに「絡み合って」いる状況のことです。

「深い相互結合と両義性」・・・「センター」とその周辺は、大きめの「センター」のふたつが中間的「センター」を持ち、相互に浸透し合う「相互結合性」と「両義性」のふたつが両方の「センター」を力づけます。そして、そのふたつの「センター」は、それらを結びつけている真ん中の「センター」からその力を得るのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Contrast

9. 対比

「統一性」は区別されることから生じるものです。つまり、あらゆる「センター」は、識別できる、周囲と反対のものでできているからです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Gradients

10. 段階的変容「生命」を真に持つあらゆるものは、ある種の柔軟性を備えている

質は、ゆっくり、繊細に、そして徐々に、事物全体にわたって横断的に変化します。ここに「段階的変容」が発生します。あるひとつの質は、空間を横切ってゆっくりと変化しつつ、別な質になるのです。

質の変化としては、そこに存在する「センター」が変化に対応して、サイズを変え、間隔を変え、強さやその性質を変えることです。

「段階的変容」とは、空間の状況変化に応じた自然な対応のことです。空間を横切っていく変化に対して「センター」が正確に適応する、と言ってもいいでしょう。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Roughness

11. 粗っぽさ

「生命」を持っているものには、必ず何らかの形態的な「粗っぽさ」があります。

これは偶然ではありません。技術文化の低さのためでも、手づくりのためでも、不正確さのためでもありません。それは、ものが「全体性」を持つとき、避けることのできない、本質的な構造の特徴なのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Echoes

12. 共鳴ある要素間の深いところに横たわる類似性 — 集合的類似性のようなもの —

の存在

「共鳴」は・・・デザイン全体にいきわたる「角度」あるいは似通った「角度」の集合と関係しています。

「共鳴」が存在すれば、大きな「センター」群やその要素のすべてが同じ集合の一員となります。それらの「センター」はお互いに「共鳴」し合い、唯一の統一を形成し、結びつける深い内的類似性をうみ出すのです。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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The Void

13. 空(くう)

最も完全な「全体性」を持った深遠な「センター」の核心には、「空」(くう)が存在します。

静けさこそが、「センター」のエネルギーを「センター」自身へと集めていくのです。そしてその強さのもとになります。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Simplicity and Inner Calm

14. 簡潔さと静謐さ

「全体性」や「生命」はいつでも「簡潔」であろうとします。

「静謐さ」・・ゆったりさ、威厳、静けさ

せいひつ

この特質は、不必要なものがすべて取り払われたときにうまれる

自分以外の「センター」を支援していない「センター」は、すべて剥ぎ取り、切り取り、消去います。すると、煮詰められて残るのが「静謐さ」の構造です。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Not-Separateness

15. 不可分であること生命の「全体性」は外世界と一体化している。

「生命」と深く結びついている「センター」は、感情的にもその周囲と結びついており、切り離されることなく、孤立もせず、その周囲と「不可分」です。

深く一体化している「センター」には分離というものは無いのです

そこでに質の良否は、外世界全体との接続の強弱で決まります。

外世界との正しい結びつき方は、意識的に、意図的に、自分のつくり出そうとしているものが、その周囲と区別ができないようにしていくことでしか、うみ出せません。

『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

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Levels Of Scale Boundaries

1. スケールの段階性 3. 境界Strong Centers

2. 力強いセンター

Alternating Repetition Good Shape

4. 交互反復 6. 良い形Positive Spaces

5. 正の空間

Local Symmetries Contrast

7. 局所的に現れるシンメトリー 9. 対比Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

Gradients Echoes

10. 段階的変容 12. 共鳴Roughness

11. 粗っぽさ

Not-SeparatenessThe Void

13. 空(くう)Simplicity and Inner Calm

14. 簡潔さと静謐さ 15. 不可分であること

15の基本特性のイメージ

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Strong Centers

2. 力強いセンター

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Alternating Repetition

4. 交互反復

Local Symmetries

7. 局所的に現れるシンメトリー

Roughness

11. 粗っぽさ

Page 43: Workshop Design #5・6 「クリストファー・アレグザンダーの 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー』 の概念を用いてワークショップの デザインを考えてみる。」(井庭崇)

プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

Echoes

12. 共鳴

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Boundaries

3. 境界

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Contrast

9. 対比

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

The Void

13. 空(くう)

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

Positive Spaces

5. 正の空間

Levels Of Scale

1. スケールの段階性

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プレゼンテーションについての 対話ワークショップの場合

Not-Separateness

15. 不可分であること

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Levels Of Scale Boundaries

1. スケールの段階性 3. 境界Strong Centers

2. 力強いセンター

Alternating Repetition Good Shape

4. 交互反復 6. 良い形Positive Spaces

5. 正の空間

Local Symmetries Contrast

7. 局所的に現れるシンメトリー 9. 対比Deep Interlock and Ambiguity

8. 深い相互結合と両義性

Gradients Echoes

10. 段階的変容 12. 共鳴Roughness

11. 粗っぽさ

Not-SeparatenessThe Void

13. 空(くう)Simplicity and Inner Calm

14. 簡潔さと静謐さ 15. 不可分であること

15の基本特性

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『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・

アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)

Christopher Alexander, The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life, The

Center for Environmental Structure, 2002

クリストファー・アレグザンダーの 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー』 の概念を用いてワークショップの デザインを考えてみる。