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平成 29 年度 初任研修(前期) 文書の基本 文書に始まり文書に終わる 文書に始まり文書に終わる 文書に始まり文書に終わる 文書に始まり文書に終わる 平成 29 年4月 広島県自治総合研修センター

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平成 29 年度 初任研修(前期)

文書の基本

~~~~ 文書に始まり文書に終わる文書に始まり文書に終わる文書に始まり文書に終わる文書に始まり文書に終わる ~~~~

平成 29 年4月

広島県自治総合研修センター

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目 次 第1 文書の意義と特性 …………………………………………………………………… 1 1 文書の一般的意義 …………………………………………………………………… 1 2 文書の特性 …………………………………………………………………………… 1 第2 文書等の分類 ………………………………………………………………………… 1 1 文書等の一般的分類 ………………………………………………………………… 1 2 公文書の分類 ………………………………………………………………………… 2 第3 文書事務 ……………………………………………………………………………… 3 1 文書等の管理の意義 ………………………………………………………………… 3 2 文書等の管理の流れ ………………………………………………………………… 3 3 文書等の取扱いの原則 ……………………………………………………………… 3 4 文書等の管理組織 …………………………………………………………………… 4 5 文書等の管理に関する規則など …………………………………………………… 4 第4 文書等の収受及び交付と処理 ……………………………………………………… 5 1 文書等の収受及び交付 ……………………………………………………………… 5 2 文書等の処理 ………………………………………………………………………… 5 3 文書等の起案 ………………………………………………………………………… 5 4 文書の回議・合議と審査 …………………………………………………………… 7 5 文書等の決裁 ………………………………………………………………………… 7 第5 文書等の施行 ………………………………………………………………………… 8 1 施行の意義 …………………………………………………………………………… 8 2 施行の手続 …………………………………………………………………………… 8 第6 文書等の整理と保管・保存 ………………………………………………………… 10 1 整理と保管・保存の意義 …………………………………………………………… 10 2 ファイリング・システム …………………………………………………………… 10 3 文書等の分類整理 …………………………………………………………………… 11 4 文書等の保管・保存 ………………………………………………………………… 13 5 保存文書の廃棄と文書館の審査・同館への引渡し ……………………………… 14

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第7 分かりやすく親しみやすい文書 …………………………………………………… 14 1 県の仕事と「分かりやすく親しみやすい文書」 ………………………………… 14 2 必要性 ………………………………………………………………………………… 14 3 作成における心構え ………………………………………………………………… 15 第8 公用文通則 …………………………………………………………………………… 15 1 公用文作成の基本 …………………………………………………………………… 15 2 公用文の書き方 ……………………………………………………………………… 15 3 用 語 ………………………………………………………………………………… 16 4 用 字 ………………………………………………………………………………… 17 第9 公用文の書式及び文例 ……………………………………………………………… 21 1 伺 い ………………………………………………………………………………… 21 2 往復文 ………………………………………………………………………………… 23 3 指 令 ………………………………………………………………………………… 28 4 書簡文 ………………………………………………………………………………… 28 5 標準ファイル ………………………………………………………………………… 28 6 公印押印の位置 ……………………………………………………………………… 29 第10 文書管理システム …………………………………………………………………… 30 1 文書管理システムとは ……………………………………………………………… 30 2 文書管理システムの運用管理体制 ………………………………………………… 30 3 文書管理システムの運用方法 ……………………………………………………… 30 例題集 ………………………………………………………………………………………… 33

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第1 文書の意義と特性 1 文書の一般的意義 文書とは,「文字やこれに代わる符号を用い,ある物体の上に,永続性のある状態で,特定人の具体的意識を記載したもの」というように捉えられている。 2 文書の特性 文書は,次のような特性を持っている。 項 目 特 性 伝達性 広範囲に,しかも長期間にわたって,その表示内容を伝達することができる。 確実性 意思や感情が文書で表示されると,内容がはっきりし,何回でも反復して読むことができるので,誤りなく伝えることができる。 客観性 いったん文書で意思や感情が表示されると,その意味内容は客観的に決定されるので,伝達する側の感情・態度や受け取る側の主観によって左右されることが少ない。 保存性 文書に表示された意思や感情は,その文書がある限り,長く将来にわたって維持・保存することができる。 第2 文書等の分類 1 文書等の一般的分類 (1) 公文書と私文書 公文書とは,一般的に「国若しくは地方公共団体の機関又は公務員がその権限に基づいて職務上作成した文書」をいい,私文書とは,公文書以外の文書をいう。 公文書であるためには,国若しくは地方公共団体の機関又は公務員の名義で作成されたものであり,かつ,その権限の範囲内で職務上作成されたものであることが必要である。 (2) 広島県法規上の文書 ア 広島県文書等管理規則上の「文書等」 広島県文書等管理規則第2条第1号では,「文書等」を次のように定義している。 「文書等 知事部局の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)をいう。」 イ 広島県情報公開条例上の「行政文書」 広島県情報公開条例第2条第2項では「行政文書」を次のように定義している。 「この条例において「行政文書」とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図面,写真及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。」

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2 公文書の分類 (1) 性質からみた分類 ア 公示文書 条例,規則,告示,公告 イ 令達文書 訓令,指令,通達,依命通達 ウ 往復文書 照会,協議,回答,通知,依頼,報告,申請など エ その他の文書 伺い,復命,儀礼的文書,契約関係文書,争訟関係文書など (2) 取扱手続からみた分類 分 類 概 要 収受文書 地方公共団体に送達された文書等で,文書取扱課・主務課が到達を確認した文書等をいう。 交付文書 収受文書を,文書取扱課がその内容に従い主務課に交付した文書等をいう。 供覧文書 収受文書,交付文書で,処理を必要としないもの又は具体的に上司の指示を受ける必要があるものについて,上司の閲覧に供する文書等をいう。 起案文書 収受文書,交付文書に対して,又は地方公共団体の機関などの発意によって,地方公共団体の意思を決定し,これを具体化するための案文を記載した文書等をいう。 合議文書 起案文書で,他課に関係のある原案について主務局長(局長,課長等)の意思決定を経た後に関係課の長に合議する文書等をいう。 決裁文書 地方公共団体の意思決定を行う権限を有する者の決裁を受けた文書等をいう。 発送文書 決裁文書で,郵送などの方法により,文書取扱課又は主務課で一定の手続に従って相手側に送付する文書等をいう。 完結文書 決裁文書のうち,施行を完了し,処理が完結した文書等をいう。 未完結文書 起案文書で決裁に至らず,又は決裁文書で施行されず,処理が完結していない文書等をいう。 未処理文書 収受文書,交付文書で,その後の処理が開始されていない文書等をいう。 保管文書 完結文書で,文書取扱課に引き継ぐまでの間において,主務課において保管する文書等をいう。 保存文書 主務課から引継ぎを受けた完結文書で,文書取扱課が保存する文書等をいう。 廃棄文書 保管文書又は保存文書で,原則として保管又は保存の期間が満了し,不要となったため廃棄する文書等をいう。 (3) 文書相互の関係からみた分類 ア 原本 一定の事項又は特定人の具体的意思を表示するため,作成者が作ったもとの文書等をいう。 イ 謄本 原本と同一の文字,符号を用いてその内容を完全に写し取った文書等をいう。 ウ 抄本 原本から必要部分のみ抜き出して,原本と同一の文字・符号を用いて写し取った文書等を いう。

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エ 正本 謄本の一種。法令等の規定によって,作成権限のある者が原本に基づいて特に正本として作成した文書等をいう。原本と同一の効力を持つ。 オ 副本 正本に対する語。ある文書等の本来の目的以外に予備・事務整理などのために,正本と同 一内容に作成された文書等をいう。副本は,謄本のようにまず原本があって,それに基づい て作成されるのではなく,初めから正本と同一内容のものとして作成される。 第3 文書事務 1 文書等の管理の意義 文書等の管理とは,地方公共団体で取り扱う文書等に関する事務の総称をいう。 地方公共団体の活動は「文書に始まり文書に終わる」といわれるように,そのほとんどが文書等を通じて行われている。したがって,文書等の取扱いが正確,迅速に行われるかどうかが,地方公共団体の事務処理に,極めて大きく影響する。 事務処理が原則として文書等を通じて行われていること(文書主義)の理由は,次のとおりである。 (1) 地方公共団体の事務は,住民や関係者に影響を及ぼすことが多いので,その処理を慎重に行い,言い違いや聞き誤りのないようにして,誰でも同じ受け取り方ができるようにしておかなければならない。そのためには,文書等にしておくのが最もよい。 (2) 地方公共団体の事務を処理する場合は,長の補助機関が,各自に割り当てられた職務を分担して処理し,事務関係者及び決裁権者の承認を得なければならない。そのためには,文書等によって処理することが,最も正確であり,便利でもある。 (3) 行政の安定性,継続性を保持するためには,地方公共団体の意思表示,処理経過などを,整理された文書等によって保存しておかなければならない。 2 文書等の管理の流れ 文書等の管理をその流れに従って区分すると,次のようになる。 (1) 文書等の収受及び交付に関する事務 (2) 文書等の処理に関する事務 (3) 文書等の施行に関する事務 (4) 文書等の整理と保管・保存に関する事務 (5) 文書等の廃棄に関する事務 3 文書等の取扱いの原則 (1) 文書等は,正確,迅速に取り扱うこと。 (2) 文書等は,丁寧に取り扱うこと。 (3) 文書等は,責任を持って取り扱うこと。 (4) 文書等の処理状況を明らかにしておくこと。

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(5) 文書等の適正な保管・保存に努めること。 4 文書等の管理組織 本庁では,総務局総務課(以下「総務課」という。)を文書取扱課とし,各課長を文書事務取扱主任とする。地方機関では,庶務事務を取り扱う課を文書取扱課とし,各課長を文書事務取扱主任とする。課長が置かれない場合には,これに相当する職にある者を文書事務取扱主任とする。さらに,文書事務取扱主任は,課の職員のうちからファイル責任者を命じる。 (1) 総務課長の責務 総務課長は,本庁及び地方機関における文書等の管理の状況について随時調査し,その取扱いが文書等の管理の原則に従って行われるように指導しなければならない(文書等管理規則§4)。 (2) 文書事務取扱主任の責務 文書事務取扱主任は,常にその課における文書等の適正・円滑な管理を図るとともに,文書事務の改善に心掛けなければならない(文書等管理規程§3)。 (3) ファイル責任者の責務 ファイル責任者は,文書事務取扱主任の指導の下に,ファイル管理表に基づき,適正な文書等の分類整理を行わなければならない(文書等管理規程§4)。この役割は,各グループ(係)のリーダー(係長)が務めるようにするべきである。 5 文書等の管理に関する規則など 広島県での文書等の管理は,文書等管理規則,文書等管理規程などで定められている。これらの規則などは,文書等の管理の統一性を確保し,その適正な管理を行うために必要なものである。 具体的には,次のものがある。 広島県公告式条例(昭和 25年広島県条例第 46号) 広島県情報公開条例(平成13年広島県条例第5号) 広島県個人情報保護条例(平成16年広島県条例第 53号) 広島県報発行規則(昭和36年広島県規則第 44号) 広島県地方機関の長に対する事務委任規則(昭和39年広島県規則第 56号) 広島県文書等管理規則(平成13年広島県規則第 31号) 広島県訓令の公布等に関する訓令(昭和 26年広島県訓令第 42号) 広島県公印規程(昭和38年広島県訓令第22号) 広島県決裁規程(昭和38年広島県訓令第 32号) 公用文に関する規程(昭和57年広島県訓令第1号) 広島県文書等管理規程(平成13年広島県訓令第5号) 広島県地方機関当直規程(平成16年広島県訓令第7号)

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第4 文書等の収受及び交付と処理 1 文書等の収受及び交付 (1) 収受の意義 文書等の収受とは,郵送などによって地方公共団体に到達した文書等を,文書取扱課又は主務課が受領し,到達を確認する一連の手続をいう。 (2) 交付の意義 文書等の交付とは,収受の手続の終わった文書等を,その内容に応じて文書取扱課が主務課へ引き渡すことをいう。 2 文書等の処理 (1) 処理の意義 文書等の処理とは,収受文書の内容に従い,又は自らの発意によって,地方公共団体がその意思を決定し,これを具体化するために文書等により行う全ての手続をいう。具体的には,主務課で,収受文書の交付を受け,起案,回議,合議,審査を経て決裁に至る一連の事務処理をいう。 (2) 処理の原則 ア 法令適合の原則 イ 責任処理の原則 ウ 即日処理の原則 エ 情勢適応の原則 3 文書等の起案 (1) 起案の意義 文書等の起案とは,地方公共団体の意思を決定するために,これを文書等として具体化するための案文を作成することをいう。起案をする者を起案者という。 起案は,収受文書に基づいて,又は地方公共団体の発意に基づいて行われるものである。 事案の性質,内容によっては課長自らが起案者となる場合もあるが,一般的には,課長の処理方針に従って,事務分掌で定められた事務担当者が起案者となる。 (2) 起案をするときの心構え 起案者は,常に担当事務を調査研究し,関係法令,例規,通達などに精通し,文書等の作成についても,適正かつ迅速に起案できるように心掛けなければならない。 ア 責任者としての意識を持って起案すること。 イ 受信者の身になって起案すること。 ウ 発信者の立場で起案すること。 (3) 起案の準備 起案文は,何の準備もしないでいきなり書いても,良いものは書けない。起案をするときは,起案の目的をしっかりつかみ,起案文の構想を練り,それに必要な内容と形式を検討しなければならない。 ア 起案の目的をしっかりつかむこと。

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イ 起案文の形式について検討すること。 (事務の担当,決裁区分,合議の必要性,発信者名及び受信者名,用字・用語等) ウ 起案文の内容について検討すること。 内容を検討する場合,①法律的な面,②行政的な面,③財政的な面の三つの角度から考える必要がある。 それぞれの観点から注意点を挙げると次のとおりである。 (ア) 法律的な検討 a 許可,認可,特許などの事項が,法定の要件を満たしているか。 b 議会の議決事項ではないか。議決を経ているか。 c 法定の期限,条件などを満たしているか。 d 時効との関係はどうか。 e 法定の経由機関を経由しているか。諮問などの手続を満たしているか。 f 法令,通達などに違反していないか。 g 文書の内容と形式が一致しているか。 (イ) 行政的な検討 a 公共の福祉との関係はどうか。 b 裁量は適正か。 c 住民が遵守できるか。 d 慣習や前例はどうなっているか。また,逆にこれらにとらわれすぎていないか。 e 処理時期が適切であるか。遅れてはいないか。 f 経過措置を必要としないか。 (ウ) 財政的な検討 a 予算上の措置が執られているか。 b 将来に負担を残すことはないか。 c 経費の収入・支出の手続は適正か。 d 資金前渡,概算払,前金払などの特殊な支出の手続を必要としないか。 (4) 起案の方法 ア 起案文書の作成方法 起案は,文書管理システムを利用して行うのが原則である。ただし,定例的なもの,軽易なものなどについては,事務処理の効率化を図るため,例外的に帳簿(帳票)処理や余白処理のような簡易な方法によって処理することができる。 イ 作成上の注意事項 (ア) 起案文は,楷書で丁寧に記載するか,又はパソコンで作成する。 (イ) 起案文書には,案文の前に伺いを記載し,案文の後に関連書類を付ける。ただし,事案の定例的なもの又は軽易なものは,伺いを省略することができる。 (ウ) 起案文書は,左とじとする(ただし,電子決裁に係る起案については,この限りでない。)。

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4 文書等の回議・合議と審査 文書等の回議とは,起案文書の内容に応じて,起案者の直属系統の上司の承認を求めることをいう。 文書等の合議とは,起案内容に関連を持つ他の課に起案文書を回して,承認を求めることをいう。地方公共団体においては,行政需要の増大に伴い事務が専門化・分化して,ともすればセクショナリズムに陥りやすく,組織内での横の連絡を忘れがちである。そこで,合議によって,行政機関の意思統一,事務の円滑な運営を図っているのである。 (1) 回議の順序 起案者の直属系統の上司の承認を,順に受ける。本庁では,知事の決裁を受ける場合,課長,局長,副知事の順に承認を受け,知事の決裁を受ける。 (2) 合議の順序 ア 本庁 他の課に関係のある事案は,同一局内のものは主務課長の意思決定を,他の局にわたるものは,主務局長(課長専決の場合は主務課長)の意思決定を経てから,関係課の原則として課長以上の職にある者に合議する。 イ 地方機関 他の課に関係のある事案は,主務課長の意思決定を経てから,関係課の原則として課長以上の職にある者に合議する。 ※ 局内の関係課長,他局の関係課長に合議する場合は,関係課長のみへの合議を原則とし,その局長への合議については,規則などの特別な定めがある場合や関係課長がその必要があると認めた場合などに限ることとする。 5 文書等の決裁 決裁とは,地方公共団体の長又は長の権限に属する事務の委任を受けた者が,その権限に属する事務について,最終的に意思決定することをいう。 地方公共団体の長の権限に属する事務の決裁権限は本来長に属し,補助機関にはない。しかし,全ての公務の処理を長自ら決裁することは非効率的であり,また,不可能に近いことである。そこで,長の権限のうち,重要なものは長が自ら決裁することとし,その他のものは補助機関に決

起案者 → グループリーダー → 主務課長 → 主務局長 → 副知事 →知 事 課内の関係グループリーダー 回 議 局内の関係課長 他局の関係課長 局 長 合 議

総務課 審査

本庁の例

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裁させることにより,事務の円滑な処理を図っている。 知事以外の者が決裁者となる場合として,代理・委任・専決・代理決裁の四つの場合がある。 (1) 代理 ア 法定代理(職務代理) 法律の定める一定の要件が発生した場合に当然に起こる代理関係で,地方公共団体の長に事故があるとき又は長が欠けたときにその補助機関が代理する場合が,これに当たる。 イ 任意代理(臨時代理) 授権者の意思に基づいて,特定の者に対し,権限の一部を代わって行使させることをいう。 地方公共団体の長の権限に属する事務の一部を,補助機関に臨時に代理させる場合がこれに当たる。 (2) 委任 地方公共団体の長の権限の一部を補助機関や他の行政庁に移譲し,それを受任者の権限として行わせることで,法令等に特別の定めがある場合に限りすることができる。 その事務の権限は受任者の権限になり,受任者が自己の責任で事務を処理する。委任した知事は,委任した範囲内で,その事務を処理する権限を失い,一般的な監督権を持つにとどまる。 (3) 専決 地方公共団体の長又は受任者の権限に属する事務の一部を定められた者が,長又は受任者に代わって決裁することをいい,長の在・不在に関係なく,恒常的に行われる。 (4) 代理決裁 地方公共団体の長やその代理者,受任者,専決権限のある者が不在の場合に,定められた者が一時これらの者に代わって決裁することをいう。 起案文書の事案を代理決裁した者は,その者の認め印の左上に「代」と書かなければならない。この場合に,後閲に付すべきものは,更に「後閲」と書かなければならない。 第5 文書等の施行 1 施行の意義 文書等の施行とは,地方公共団体又はその機関の意思を実現するための最終的な手続をいい,浄書,照合,文書記号・文書番号の記載,公印の押印,発送などの一連の手続のことである。 2 施行の手続 (1) 浄書 浄書とは,決裁文書を清書することをいう。 (2) 照合 照合とは,浄書文書と決裁文書とを照らし合わせてその内容が一致しているかどうかを確認し,誤りがあった場合にはこれを訂正することをいう。 照合は,浄書の誤りを防ぐのが目的であるから,原則として2人で行う。浄書した者又は事務経験の浅い者が決裁文書を音読し,起案者又は事務経験の深い者が浄書された文書を黙読する。

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(3) 文書記号・文書番号の記載 ア 文書記号・文書番号を付ける文書 次に掲げる文書等には,文書記号・文書番号を付ける。ただし,部内者に対する文書等,文書記号・文書番号を付けることを必要としないように様式が定められている文書等及び法令等の規定によって文書発送簿に代わる帳票などに記載するように定められている文書等はこれによらなくてもよい。 (ア) 指令 (イ) 争訟に関する文書 (ウ) 請願,陳情に関する文書 (エ) 上記(ア)から(ウ)までに掲げるもののほか,文書記号・文書番号を付ける必要があると,本庁では総務課長が,地方機関ではその地方機関の長が認めた文書等 現在,本庁で総務課長が認めた文書等としては,次のようなものがある。 a 法令等で文書記号・文書番号を記入するように様式が指定されているもの,又は国などが様式を定めて指示しているもの b 起債に関する文書 c 公聴会での口述申出書 d 諮問,答申 e 補助金に関する一連の文書等 イ 文書記号・文書番号の付け方 (ア) 文書記号は,本庁では総務課長が,地方機関ではその地方機関の長が定める記号を付ける。その文書等が指令であるときは,文書記号の前に「指令」の文字を付ける。 文書番号は,会計年度ごとに,本庁にあっては原則として起案文書ごとに文書管理システムにより付け,地方機関にあっては原則として起案文書ごとに文書発送簿により当該文書等を施行する順序に従い一連の番号を付ける。ただし,これにより難い場合は,総務課長が別に定める帳票により付ける。 (イ) 2会計年度以上にわたる事案の文書番号の付け方 同一事案に属する文書等の文書番号は,その事案の処理が完結するまでは同一の文書番号を付ける。この場合,事案の処理が2会計年度以上にわたるものについては,次年度以降は,それが旧年度の文書番号であることを示すために,最初に当該文書番号を付けた年度の数字を文書記号の前(当該文書が指令の場合は,「指令」の文字と文書記号との間)に付ける。 (4) 公印の押印 ア 公印の意義 公印とは,行政機関が発信する文書に用いる印鑑又はその印影のことをいう。公印の押印の趣旨は,文書が真正に成立したものであることを表し,その文書が発信者たる行政機関自らの意思を表していることを示すことにある。 文書には原則として公印を押さなければならないが,広島県では次に掲げるものは,公印を押さない。 (ア) 部内者に対する往復文書 (イ) 軽易な文書

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a 図書,刊行物,ポスター,資料などの送付通知 b 資料に関する照会(官公署に対するもののほか,定例的又は形式的な調査や照会を含む。)・回答 c 会議,行事,催物などの開催通知・招待通知(会議に係るものにあっては,官公署に対するものに限る。)・回答 d 規程などの送付通知(国からの通知を受けて市町へ通知する場合又は告示・公告などを通知する場合。) e 指令書などの送付通知(指令書,許可書,契約書又は証明書など別に公印を押印した文書の送付通知で県の解釈や運用方針を付け加えない場合。) (ウ) 案内状,礼状,挨拶状などの書簡文 (エ) 祝辞,弔辞などの挨拶文その他これらに類する文書 (5) 発送(郵送,逓送,電子メール,電子掲示板,文書箱,ファクシミリ,公用USBメモリ等) (6) 県報への登載(条例,規則,訓令,告示,公告等) 地方公共団体が,条例,規則などを制定した場合又は重要な事項を決定若しくは変更した場合には,その内容を広く住民に知らせる必要がある。その公示手段の一つとして,広島県では広島県報を発行している。 第6 文書等の整理と保管・保存 1 整理と保管・保存の意義 意思の伝達と保存という機能は,文書等の機能のうちでも最も本質的なものである。文書等は, 地方公共団体の意思を確実かつ普遍的に他に伝達し,統一的で適正な事務処理を確保する手段として重要である。また,文書等は,伝達された地方公共団体の意思の継続性,安定性を保持する手段として,また,事務上の資料や意思決定の証拠物件として,重要な面を持っている。この二つの機能が同時に果たされるところに,事務を文書等によって処理することの本来的な意味がある。このような文書等の機能を十分に生かすためには,文書等が整然と整理され,適正に保管・保存されていて,いつでも利用できる状態になっていることが必要である。 2 ファイリング・システム (1) ファイリング・システムの意義 ファイリング・システムは,「組織の維持発展に必要な文書等を,一切私物化せず,組織のものとして保管・保存し,必要に応じてすぐに利用できるように体系的に整理を行い,必要でなくなれば捨てる制度」であるといわれる。すなわちファイリング・システムの目的は,文書等を整理し,保管・保存することだけでなく,文書化されて蓄積された情報を有効に活用することにある。言い換えれば,必要な文書等を適正に管理し,文書等を記録として効率的に利用するために,組織が一体となって取り組む文書等の整理の技術・方法がファイリング・システムと呼ばれるものである。

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(2) ファイリング・システムの基本的姿勢 3 文書等の分類整理 大量の文書を,必要になった時にすぐ取り出せるようにしておくには,どういう文書をどこにしまっておくかを決め,一定の決まりに基づいて整理しておく必要がある。この決まりが文書の分類である。 広島県の文書の分類は,文書分類表とファイル管理表を基に行う。 (1) 文書分類表 文書分類表は,本庁・地方機関を通じて文書等の分類の基本となる。文書分類表は,総務課長が作成する。 文書分類表は,全ての文書等を体系付けるため,原則として職能に基づいて分類し,文書等の保管・保存に関する統一的な「文書分類記号」,「文書の題名」のほか,「補足事項」(「文書の題名」の補足的説明),「保存年限例」から成っている。 「文書分類記号」は,アルファベットと4桁の算用数字を組み合わせた準十進法により県の業務を職能別主題別分類に従って分類したもので,AからTまで(数字と混同されるおそれのあるI,O,Qを除く。)の17の基本職能から成っている。 ※ 文書分類表の保存場所 グループウェア(エクスチェンジ・シェアポイント)の「全庁文書箱」→「A11 法制・文書」→「文書分類表」 (2) ファイル管理表 保管文書は,課の職員の誰もが,いつでもすぐに取り出せ,有効に活用できるよう管理されなくてはならない。そのためには,文書等を課の一定のルールに従って分類・整理し,定められた場所に収納するとともに,課の職員の誰にでも分かる文書ファイルの題名で保管し,配列する必要がある。これを実現するために,文書等の分類・整理・保管・保存のルールを表したものが,ファイル管理表である。 ア ファイル管理表の機能 ファイル管理表は,文書の分類整理,保管,保存のルールを一目で分かるように,表にしたものである。 これは,機能などから見て,「課の文書分類表」,「保管文書の台帳・文書の索引簿」と

ア 文書等は体系的に分類する。 ○ 文書等は一定の決まりに従って整理する。 文書分類表とファイル管理表に従って分類整理する。 ○ 文書等は年度ごとに整理する。 文書等は事案の処理が完結した日の属する年度ごとに整理する。 イ 文書等を私物化しない。 ウ 文書等の所在を明確にする。 エ 文書等の廃棄を適切にする。

基本職能 A 総務, B 人事・福利, C 税財政, D 経理・管理 E 地方振興, F 民生, G 衛生, H 環境保全, J 労働 等

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もいえるものである。 ファイル管理表は,全庁的な文書分類表に基づいて,各課の業務内容に応じて作成される「課の文書分類表」である。日常の業務の中で発生する個々の文書等の文書分類記号・保存年限はここで定まる。 ファイル管理表は,現に保管している文書等と現年度中に発生することが予想される文書等が整理文書名によって細区分して記載されていることから,必要な文書等を取り出すための台帳,索引簿として活用することができる。 イ ファイル管理表の作成 ファイル管理表は,次によって作成する。 なお,作成したファイル管理表は,文書管理システムに登録する。 本庁では原則として課ごと,地方機関では文書の保管状況に応じて課ごとに作成する。 ファイル責任者が職員の意見を十分聴いた上で,文書事務取扱主任(課長又は地方機関の課長)の承認を経て作成する。 毎年度当初に作成する。 なお,年度途中におけるファイル管理表の変更(修正・追加)は,文書事務取扱主任の承認を経て行う。 ウ ファイル管理表の確認方法 前イのとおり,ファイル管理表は,文書管理システムに登録されているため,文書管理システムにより,自所属のファイル管理表をいつでも確認や出力が可能である。 (3) 整理方法 ア 完結文書と処理中文書とは区分して整理する。 イ 文書は,ファイルケース,文書整理ケースなどの整理用具の特性を生かして整理する。

課の文書分類表 保管文書の台帳・索引簿

作成単位 作成者 作成時期

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4 文書等の保管・保存 (例)保存年限が5年の場合 ・ ・ ・ ・ ・ 4 4 4 4 3 ・ ・ ・ ・ ・ 1 15 1(1年目) 1 (2~5年目) 31 | | | | |

収受文書 処理中 配布文書 完結文書

処理中文書

編さん バインダ・ファイル 文書整理ケース ファイルケース

保管庫 ファイリングキャビネット 保 管 2年目 1年目

文書整理ケース

引継ぎ

H28 H28 H29 H30 H34 処理完結日 起算日 (保管) (保存) 主務課 総務課 (廃棄) 引継ぎ

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5 保存文書の廃棄と文書館の審査・同館への引渡し 歴史的価値がある文書の収集・保存の流れ(本庁の場合) 主 完結年度の末日 務 課 文 書 館 第7 分かりやすく親しみやすい文書 1 県の仕事と「分かりやすく親しみやすい文書」 県は,県民の県政に対する理解と信頼を深め,親しまれる行政を実現するためにいろいろな仕事を進めている。その仕事は,大部分が文書で進められている。文書を通じて県民の意見を聴き,文書を通じて県民にその内容を知らせている。 そのため,私たちが公文書を作成する場合には,県民にとって分かりやすく親しみやすい文書を作成するように心掛けなければならない。 2 必要性 県の作成する文書が分かりにくく,県の考えが,県民の皆さんに伝えられないとしたら,県民

収受文書 起案文書 保存期間の満了 保管(1年)

保 存 保存期間の満了 文書館行政文書等 選別基準による選別 (※) 廃棄処分

分類・整理・目録作成 閲覧

総 務 課

無期限(台帳等)

※ 保存年限30年の文書等は,保存期間満了後,文書館の選別を経ることなく,同館へ引き渡す。

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サービスという使命を,十分に果たしていないことになる。それは,県政にとっても大きな損失になる。 3 作成における心構え 県職員である私たちが県民の一人であるという自覚を持つとともに,県民の皆さんに,県の考えを正しく伝えようとする姿勢に立つことが何より大切である。 第8 公用文通則 1 公用文作成の基本 公用文は,住民の権利・義務に関するもの又は住民の福祉につながるものが多いため,形式・内容ともに整備・統一された適切なものでなければならない。また,相手方に内容を正確に理解してもらえるよう分かりやすく親しみやすい文書等とするために,表現にも配慮したものでなければならない。 こうした文書等を作成するためには,次のことに注意する必要がある。 (1) 内容が正確であること。 (2) 分かりやすい言葉で表現すること。 (3) 行き届いた叙述であること。 (4) 簡潔,明確に表現すること。 (5) 生き生きとした文章であること。 2 公用文の書き方 (1) 文書の左横書き 県の公用文は,原則として左横書きとする。ただし,条例,規則などは例外として縦書きとする。 パソコンによる公用文の作成に当たっては,次のとおり書式設定の標準的な基準を定めている。書式設定においては,高齢者や障害者など文書等の相手方の状況に応じて,読みやすい文書等となるようフォントサイズなどを適切に使い分ける。 項目 種別 用紙サイズ (印刷の向き) 文字方向 フォント フォント サイズ 1行の 文字数 1ページの行数 余白 往 復 文 A4 (縦) 横書き 明朝体 (見出しその他の強調部分はゴシック体を用いることができる。) 11ポイント (10~12で調整可) 40 (35~45で調整可) 40 (30~45で調整可) 上下左右25mm (20~35で調整可) 指 令 証 明 挨 拶 文 書 簡 文 契 約 書 争訟関係文書 (2) 文体 ア 公用文は,誰にでも分かりやすく,親しみやすい文章とするために口語体を用いる。 口語体には,「ます」体と「である」体がある。公用文は,原則として「ます」体を用い

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る。ただし,条例などのように規程形式をとるもののほか,議案,伺い,契約書などには,例外的に「である」体を用いる。 イ 文語脈の表現は避けて口語化する。 例 かような → このような,このとおり ~されたい → ~してください いまだ提出なき課 → まだ提出していない課 (3) 公用文作成の注意事項 ア 必要事項の全てを盛り込み,文章全体を整える。 必要な事項を落とさず書くために,5W1Hの原則を利用する。 イ 結論又は重要な事項を先に,理由又は補足的な事項を後に書く。 ウ 見出し・指示番号などを用いて,一見して文章の趣旨が分かるようにする。 できるだけ,箇条書や,図表などを使うことにより,分かりやすくする。 エ 簡潔な文章にする。 (ア) 文はできるだけ短く区切る。 (イ) 文と文の間に不要な接続詞を置かない。 (ウ) 主語は原則として省略しないで書く。また,一つの文では,主語を一つ,述語を一つとして,途中で主語を変えない。 (エ) 修飾の語句は,できるだけ修飾される語句のすぐ前に置く。 オ 文の飾り,曖昧な言葉,回りくどい表現は避ける。 (ア) 「格段の」,「格別の」,「特段の」といった修飾語は,原則として使わない。 (イ) 回りくどい表現は,簡潔に言い換える。 例 ~することを妨げない → ~することができます 承認することとなったので通知する → 承認する (ウ) 丁寧になりすぎないように表現する。 例 お願いいたします。 → お願いします。 つきましては → ついては (エ) 熟語を使い過ぎない。 (オ) 次のような場合には,「が」,「の」,「に」,「て」などの助詞を用いる。 例 道路工事完成の後は → 道路工事が完成した後は 信用ある金融機関 → 信用のある金融機関 引取人がなく処置に困る → 引取人がなくて処置に困る 3 用語 公用文の用語は,平易簡潔なものを用いる。 (1) 日常使われている易しい言葉に言い換える。 例 ~方を → ~を,~について,~されるよう 還付する → 返す,返還する 遺憾です → 残念です 遺漏のないように → 適切に処理するように

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留意 → 注意,配慮,考慮 別途 → 別に 御臨席,御光来,御光臨 → 御出席 御配意 → 御配慮 (2) 口調のよい言葉を使う。 例 手交する → 手渡す (3) 意味の分かりにくいものは使わない。 例 違背 → 違反, 思料 → 考える, 狭あい → 狭い あい路→ 困難, 隠蔽する → 隠す (4) 紛れやすい同音語は,そのうちの一方を言い換える。 例 管理 看護 看守 監理 → 監督監理 , 監護 → 監督保護 , 管守 → 保管 調整 報償 調製 → 作成 , 報奨 → 奨励 (5) 一般的,日常的に使われていない外来語,略称は,分かりやすい言葉に言い換える。 例 アカウンタビリティー → 説明責任 アウトソーシング → 外部委託 アセスメント → 影響評価 コンテンツ → 情報内容 コンセンサス → 合意 プライオリティ → 優先順位 言い換えが難しい言葉,政策的に普及させたい言葉は,括弧書きで説明を加えて使う。 例 健康で文化的な生活をするために,アメニティ(快適な環境)は,大切な要素です。 4 用字 (1) 漢字 公用文に用いる漢字の範囲・音訓・字体は,常用漢字表(平成 22 年内閣告示第2号)の本表・付表による。 ア 常用漢字表の音訓によって漢字で書くことのできるものは,原則として漢字で書く。 イ 常用漢字表の音訓によって漢字で書くことができないものは,原則として仮名で書く。 (2) 仮名 ア 仮名は,原則として,平仮名を用いる。 イ 次の場合には,片仮名を用いる。 外国の地名・人名,外国語・外来語,擬声語,計量の単位など ウ 次の場合には,片仮名を用いてもよい。 動物・植物の名称,道具類の名称,自然科学用語・病名などで,常用漢字では書けないもの (3) 仮名遣い 仮名遣いは,「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示第1号)による。 (4) 数字

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ア 左横書き (ア) 左横書きの場合は,原則として,算用数字を用いる。ただし,次のような場合は漢字を用いる。 a 固有名詞を書き表す場合 例 九州 紙屋町一丁目 三次市 b 概数を書き表す場合 例 数十日 四,五人 五,六十万 十数万キロメートル c 数量的な感じの薄い語を書き表す場合 例 一般 一部分 四捨五入 第三者 d 万以上の数の単位として用いる場合 例 100億 10億 5,300万 13万 9,000 e 「ひとつ」,「ふたつ」,「みっつ」などと読む場合 例 一つずつ 二間続き 三月ごと (イ) 数の区切りには,3桁ごとに「,」(コンマ)を用いる。ただし,年号・文書番号・電話番号・地番などには,区切りを付けない。 イ 縦書き (ア) 縦書きの場合は,原則として,漢字を用いる。 (イ) 表中の数字の区切りについては,3桁ごとに「、」(てん)を用いる。 ウ その他 算用数字については,1桁の場合は全角(見出し符号の「(1),(2) …」及び英文中を除く。),2桁以上(小数点のある数字,郵便番号,電話番号及び地番を含む。)の場合は半角とする(県報登載の場合の基準と同様)。 例:平成21年9月 30日,0.2%,〒730-8511,(082)513-2231,○○二丁目2-15 (5) 英字 半角とする。ただし,複数の単語から構成される語の頭文字を繋げて作られた語(頭字語) については,全角とする。 例:[email protected],NPO (6) フォント 算用数字及び英字で半角を使用する場合のフォントは,「MS明朝」(見出しその他の強調部分で,MSゴシックを用いる場合は,「MSゴシック」)とする。 ※ ワードの設定では,「日本語用のフォント」を「MS明朝」(「MSゴシック」)に,「英字用のフォント」を「日本語用と同じフォント」に設定する。 (7) 符号の用い方 ア 区切り符号 文と文又は語句と語句との文法的・論理的関係を指示し,文章や文の意味内容を明確に伝えるために用いる符号を区切り符号という。 (ア) 「。」まる(句点) a 次のように用いる。 (a) 一つの文を完全に言い切ったところに用いる。「 」や( )の中でも同様である。ただし,辞令・賞状・表彰状・感謝状・終了証書・合格証書などには用いない。

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(b) 「こと」,「とき」で終わる項目を列記する場合に用いる。 (c) 文の終わりに括弧書きで参考事項を付記する場合は,括弧書きの後に用いる。 b 次のような場合には用いない。 (a) 題目・標語その他の簡単な語句を挙げたり,引用したりする場合 (b) 事物の名称だけを列記するときなどのように,その語句が名詞形で終わる場合。 ただし,更にただし書が続くものについては,用いる。 (c) 言い切ったものを「 」を用いずに「が」・「と」・「を」で受ける場合 (イ) 「,」コンマ「、」てん(読点) 言葉の切れ目又は続きを明らかにする必要のあるところに,次のように用いる。 横書きの文には,「,」を用い,縦書きの文には「、」を用いる。 a 主語の後に用いる。 b 限定・条件などを表す文(通常「ので」,「ば」,「と」,「か」,「ても」,「て」などの接続助詞を伴う。)や語句の後に用いる。 c 文の始めに用いる接続詞・副詞の後に用いる。 d 文が中止するところに用いる。 e 語句を隔てて限定する場合又は並べた語句を修飾する場合に,限定する語句又は修飾 する語句の後に用いる。 f 会話文・引用文などを「 」で囲んで「と」で受ける場合で,それが直接に述語に続かないときは「と」の後に用いる。 g 同種類の語句を対等に並列する場合に用いる。 h 句と句とをつなぐ「かつ」の前後,ただし書における「ただし」の後に用いる。 i 読み誤り又は読みにくさを避けるために用いる。 j 息の切れ目又は読みの間のところに用いる。 k 数字の桁を示す場合に用いる。 このように,読点は,区切り符号中,最も難しく,複雑なものである。したがって,その使用に当たっては,読点を用いる意義が文の意味をより良く理解させることにあることを考えて,具体的事例に応じて柔軟に使用することが必要である。多く用いすぎて,かえって全体の関係が不明にならないように注意しなければならない。 (ウ) 「・」なかてん a 比較的短い語形の名詞を並列する場合に,読点の代わりに,又は読点と併せて用いる。 b 外国の地名・人名,外国語の区切りとして用いる。 c 日付を略して示す場合に用いる。(縦書きのものに限る。) d 小数点として用いる。(縦書きのものに限る。) (エ) 「.」ピリオド a 日付を略して示す場合,省略符号とする場合に用いる。 b 小数点として用いる。 (オ) 「:」コロン 説明文などが次に続くことを示す場合,時刻を書き表す場合に用いる。 (カ) 「( )」かっこ 「〔 〕」そでかっこ a 「( )」は,一つの語句又は文の後に注記を加える場合に,その注記を挟んで用い

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る。 また,標題その他の簡単な独立した語句を囲む場合に用いる。 b 「〔 〕」は,かっこの中で更にかっこを用いる必要のある場合に用いる。 (キ) 「「 」」かぎ 「『 』」ふたえかぎ a 「「 」」は,引用する語句若しくは文又は特に示す必要のある語句を挟んで用いる。 b 「『 』」は,かぎの中で更にかぎを用いる必要のある場合に用いる。 (ク) 「~」なみがた 時・所・数量・順序などを継続的に示す場合(○○から○○まで)に用いる。ただし,文章中には用いない。 (ケ) 「-」ダッシュ a 語句の説明,言い換えなどに用いる。 b 地番を略して表す場合に用いる。 c 区間や時間を表す場合に用いる(大竹-広島, 午前9時-11時)。 d 数量の幅を示す場合に用いる(1本 100-200円)。 (コ) 「-」ハイフン 四半期を書き表す場合に用いる(第1-四半期)。 イ 見出し符号 項目を細別するために用いる。 (ア) 条文形式をとる場合 (省略) (イ) その他の場合 a 左横書き 第1 1 (1) ア (ア) a (a) 第2 2 (2) イ (イ) b (b) 第3 3 (3) ウ (ウ) c (c) ※ 項目の少ない場合は,「第1」を省いて「1」から用いてもよい。 b 縦書き (省略) (ウ) 見出し符号には,「.」を打たず,1字分空けて次の字を書き出す。 例 1 申請者の住所 ……… 2 申請者の氏名 ………

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第9 公用文の書式及び文例 1 伺い (1) 書式 説明事項 1 標題の末尾には,「(伺い)」と記載する。 2 「案の要旨」は,具体的内容が把握できるようにし,かつ,簡潔になるようにする。 3 伺い文には,「○○の理由」,「根拠規定」「経緯」などを記載するが,内容によっては,更に「起案に至るまでのいきさつ」,「案を施行したときに予想される効果」などを記載する。 4 「(案)」は,行の中央に記載し,案が二つ以上あるときは,「(第1案)」,「(第2案)」のように記載する。 5 文書管理システムによって起案する場合においては,標題,「案の要旨」,「・・の理由」等及び案文の記載は,文書管理システムへの登録をもつて代えるものとする。 6 事案が定例又は軽易な場合には,伺い文を記載しないで往復文案から記載することができる。 (2) 文書管理システムで起案(電子決裁)を行う場合 ア 「標題」及び「案の要旨」は,文書管理システムに直接登録する。 イ 「案の要旨」以外の伺い文は,ワードやエクセルなどで作成し,その電子ファイルを添付文書として文書管理システムに登録する。 ウ 施行上の注意など,その他必要な情報を登録する。

×××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ×××○○○○○○について(伺い) 1 案の要旨 ××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ×○○○○○○○ 2 ○○の理由 ××○○○○○○○○○のため 3 根拠規定 ××広島県○○○○条例(平成○年広島県条例第○号) ××第○条×○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ×××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 4 経緯 ××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 5 その他 ××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ (案)

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(3) 紙起案を行う場合 文書等管理規程別記様式第3号の起案用紙を用いて起案を作成する。 (4) 定例的又は軽易な事案の処理 ア 定例的に報告し,通知し,又は依頼するもの …… 定例文書処理簿 イ 事案が軽易な照会・回答・通知など…… 簡易文書処理簿,余白処理※(公印押印を要せず,かつ,保存年限1年未満のものに限る。) ※ 余白処理…往復文書の余白に決裁区分などをゴム印などで表示し,必要事項を記入して処理する方法 <参考:「法規データベース」で条例・規則などを検索する方法>

②②②②クリッククリッククリッククリック ①クリック①クリック①クリック①クリック

③③③③クリッククリッククリッククリック

④標題の一部を入力し,④標題の一部を入力し,④標題の一部を入力し,④標題の一部を入力し, 「検索」をクリック「検索」をクリック「検索」をクリック「検索」をクリック

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2 往復文 (1) 書式 説明事項 1 文書記号・文書番号と発信年月日は,中央右寄りから書き出し,最終字が本文右端から1字分空くように書く。 2 受信者名は,2字目から書き出し,字間を適当に空けて書く。 3 公印は,発信者名の最終字に掛からず,かつ,印影の右端を本文の右端から1字分空く位置に押印する。そのために,発信者名は,ほぼ中央から書き出し,公印を押すスペースが空くように,字間を適当に空けて書く。 公印を省略する場合は,発信者名の最終字が本文右端から1字分空くように書く。 4 発信者名の下中央には,郵便番号・住所・主務課名を括弧書きする。 5 標題は4字目から書き出す。標題が長い場合は,適当な位置で切り上げて2行以上とし,2行目以下の初字は,1行目の初字と同じ位置(4字目)とする。 標題は文書の体裁上均衡がとれるように,中央に書くこともできる。標題が2行以上に

○○第 ○ 号× 平成○○年○月○日× × ×受 信 者 名 様 × 発 信 者 名 × (○○○○課) × ×××○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ×××○○○○○について(○○) × ×○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○。 ×○○○○○○○○○○○○ × 1×○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○ ×(1) ×○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ××ア×○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ×××(ア) ×○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 担当 ○○グループ 電話 ○○○-○○○○(ダイヤルイン) (担当者○○○○)

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なる場合は,1行目の初字と2行目以降の初字がずれることがないように注意すること。 6 往復文の末尾には,担当グループ(係)名・電話番号・担当者名・組織アドレスなどを書く。 7 「×」は,一つに付き1字分又は1行分空けることを示す。 (2) 作成上の注意 ア 発信年月日 (ア) 発信年月日は,通常は決裁完了後に決まるものであるから,原則として起案時は空欄にしておく。 (イ) 発信年月日は,文書等を施行する日と一致させるのが原則であり,決裁完了後に安易に過去の日付を書いてはならない。特別の理由によって,発信年月日を過去に遡らせる必要がある場合には,起案文書の中にその理由を明記しておかなければならない。 (ウ) 発信年月日は原則として元号により表記する。ただし,特に必要がある場合には,元号による表記をした上で,西暦による表記を括弧書きで併記する。 イ 受信者名 (ア) 受信者が,「○○大臣」,「○○株式会社代表取締役社長」などの職にあり,文書等がその職にある者としての受信者に出される場合には,職名のみを書き,氏名は書かない。ただし,法令等によって,氏名を書くように定められているときは,その指示によって書く。 受信者が個人の場合には,氏名を書く。 敬称は,「様」又は「各位」を用いる(「各位」は,複数の相手に対する場合に用いる。)。 受信者の住所は,原則として書かない。 例 農林水産大臣様 ○○県知事様 ○○○○株式会社代表取締役社長様 ○○総務事務所長様 広島一郎様 ○○協議会会員各位 注1 受信者の正式名称を書く。例えば,「○○(株)」と省略せずに,「○○株式会社」と書く。 2 本庁及び地方機関の相互間における往復文にあっては,県名を付けない。例えば,本庁の課に対する文書の受信者名は,「総務局総務課長様」のように書く。 (イ) 受信者が団体の場合で,その仕分け作業などの便宜を図るために必要なときは,受信者名の下に所管課(部)名などを括弧書きする。 例 国土交通大臣様 (○○課) また,受信者の具体的な名称が分からないときは,「○○事務担当課長様」のように書く。 (ウ) 同一の内容の文書等を複数の受信者に宛てる場合 起案文書には,受信者名を連記し,連記した受信者名の右中央に「(各通)」と朱書する。 浄書文書には「(各通)」とは書かず,受信者名を一つずつ書く。 例(起案文書) ○ ○ ○ ○ 様 ○ ○ ○ ○ 様 (各通) ○ ○ ○ ○ 様

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(エ) 受信者を連名にする場合 受信者を連記する。その際,部外者が複数いるときは,事務との関係,受信者相互の関係などを参考にして順序を決め,連記する。部内者が複数いるときは,行政組織の編成順序に従って連記する。また,部外者と部内者の両方が受信者となるときは,部外者を先に書く。 起案文書には,連記した受信者名の右中央に「(連名)」と朱書し,浄書文書には,「(連名)」とは書かない。 例(起案文書) 各 市 町 長 様 各市町教育委員会教育長様 各 保 健 所 長 様 (連名) ウ 発信者名 (ア) 発信者名は,原則として職名のみを記載し,氏名は書かない。ただし,職と氏名の同一性が特に要求される場合又は法令等によって氏名を書くように定められている場合には,職名とともに氏名を書く。 (イ) 法令等によって書式が定められているものも含めて,原則として,発信者名の下中央には,郵便番号・住所を括弧書きする。発信者名が局長名以上の場合は,郵便番号・住所に加えて主務課名を書く。 なお,部内者に対するものには,郵便番号・住所は書かない。 (ウ) 発信者名を部長名,課長名などとする場合には,局名,部名などを省略せずに正式名称を書く。 例(本庁の場合) (知事名) 広 島 県 知 事 〒730-8511 広島市中区基町 10-52 総 務 課 (地方機関の場合) (総務事務所長名) 広 島 県 西 部 総 務 事 務 所 長 〒730-0011 広島市中区基町 10-52 総 務 課 注1 主務課名を括弧書きする場合は,課名のみを書く。ただし,同一名称の課が他にも存在して,課名のみでは主務課を特定できないときは,特定するのに必要な限度で局名なども書く。 2 本庁及び地方機関の相互間における往復文には,「知事」,「副知事」,「総務局長」のように県名を付けずに書く。ただし,受信者が部内者と部外者との連名の場合には,県名を付ける。 3 受信者が,国又は地方公共団体の機関で,所在地を表示する必要のないものは,郵便番号・住所の記載を省略してもよい。 エ 標題 (ア) 標題は,文書等の内容が一見して分かるように簡潔かつ具体的に表現する。

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(イ) 標題の表示は,「○○○○○○○について」とする。 (ウ) 標題の末尾には,文書の性質を示す「照会・協議・回答」などの言葉を括弧書きする。 したがって,「照会します」,「通知します」などの言葉は,標題と重複するため,原則として本文中には用いない。 オ 本文 (ア) 文体は「ます」体を用いる。ただし,箇条書にする部分では,表現を簡潔にするために,できるだけ「である」体を用いる。 (イ) 文章を段落に分けるときは,行を改める。「なお」書き,「おって」書きも原則として,行を改める。ただし,次の文章が「ただし」,「この場合」で始まるものは原則として行を改めない。 (ウ) 本文は簡潔かつ明瞭に,受信者に分かりやすいように書く。 (エ) 時候の挨拶又は「ますます御清栄」の類,「拝啓」,「敬具」などは書かない。 カ 箇条書など (ア) 本文に続けて「箇条書」,「注意事項」,「要領」などを書く場合には,本文の中に「次のとおり」,「次によって」といった言葉を用い,本文と「箇条書」,「注意事項」,「要領」などの間を1行空ける。この場合,「下記のとおり」とはせず,「記」の文字も書かない。 (イ) 本文又はそれに続く箇条書などに記載することができないもの又は記載することが適当でないものを,別の紙や別のページにして添える場合には,その左上部に「別紙」,「別冊」,「別図」,「別表」などと書き,本文や箇条書などの中には「別紙(別冊・別図・別表)のとおり」という言葉を用いる。 (3) 往復文の例 ア 照会 特定の相手方に対して,一定の事項を問い合わせることをいう。 文例1 検討状況の照会 許認可事務などの標準処理日数の検討状況について(照会) このことについて,事務の参考にしたいので,次の事項について回答してください。 なお,参考資料がありましたら1部送付してください。 1 企画立案の局課名と人員 2 実施年月 3 実施方法 4 各課の指導方法 5 その他参考となる事項 イ 協議 特定の相手方との間で一定の事項を打ち合わせることをいう。協議は主として法令等に基づ いて,相手方の意思又は合意を求めるもので,単なる問合せである照会とは異なる。 ウ 回答 照会,協議,依頼などに対して応答することをいう。

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文例2 会議の議題及び出席者の回答 平成○年度○○会議の議題及び出席者について(回答) 平成○年○月○日付け○第○号で照会のこのことについては,次のとおりです。 1 議題 (1) ○○○○○○○ (2) ○○○○○ 2 出席者 ○○課長 ○○○○ 主 事 ○○○○ エ 通知 特定の相手方に対して一定の事実,意思,処分などを知らせることをいう。 オ 依頼 特定の相手方に対してある一定の行為の実現を頼むことをいう。 文例3 契約の一部変更依頼 平成○年度○○○○委託契約の一部変更について(依頼) 平成○年○月○日付けで締結したこの委託契約の一部を,次の理由によって別紙のとおり変更したいので,承諾してくださるようお願いします。 承諾していただいたける場合は,別紙変更契約書に押印して,1通を返送してください。 カ 報告 特定の相手方に対して一定の事実についての経過,結果などを知らせることをいう。 報告は通常,法令等で義務付けられた事項について行われる。 キ 進達 申請書,願書,報告書その他の文書等が住民,市町などから提出された場合に,これを国な どの他の行政機関に取り次ぐことをいう。 文例4 ○○使用の承認申請について(進達) 次の者から,別紙のとおり承認申請書が提出されました。 (書類は整備されており,記載事項も相違ありません。) ク 副申 進達に際して,経由機関が参考意見を添えることをいう。 文例5 ○○事業補助金の交付申請について(副申) ○○組合から,別紙のとおり申請がありました。 この事業は,○○○○であると思います。 ケ 申請 住民が,行政機関などに対して,又は行政機関が他の行政機関などに対して,許可,認可, 承認,補助,証明などの一定の行為を求めることをいう。

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3 指令 指令とは,行政庁がその権限に基づいて,特定の個人又は団体に対して,特定の事項について許可,認可,命令,禁止などの行政処分をする場合又は既に与えた許可,認可などの行政処分を取り消す場合に用いる文書の形式をいう。補助金,交付金などを交付する場合にも,指令の形式を用いる。 指令には,特定の個人又は団体からの申請その他の意思表示を前提として行うものと,そのような意思表示を前提としないで行政庁の意思の発動として一方的に行うものとがある。 4 書簡文 書簡文とは,公務員としての立場で,私文書と同様の形式で儀礼として出すお礼,挨拶,依頼,案内などを内容とした文書をいう。 5 標準ファイル 公用文は,県としての統一性を確保するとともに,内容を分かりやすく伝えるため,形式や内容が統一されたものでなければならない。 しかし,近年の情報機器の発達に伴い,様々な書式設定が可能となっていることから,公用文の形式にばらつきが生じている。 そのため総務課では,パソコンを用いて作成する場合の公用文の標準ファイルを作成し,全庁文書箱に登録している。 ※ 公用文を作成する場合には,「標準ファイル」を活用してください。 登録場所:職員ポータルの「全庁文書箱」 文書箱 > 全庁文書箱 > A11法制・文書 > 公用文標準ファイル

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6 公印押印の位置

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第10 文書管理システム 1 文書管理システムとは 文書管理システムは,収受,起案,決裁などの文書事務処理をパソコン上で電子的に行うことができるものであり,収受文書や起案文書などをこのシステムに登録することによって,文書等の発生から廃棄までを管理することができるものである。また,文書管理システムは,登録した文書等の情報を職員間で共有することにより,行政事務の全般的な効率化・高度化を図るものである。 2 文書管理システムの運用管理体制 文書管理システムでは,システムの管理を広島県行政LAN・WANを利用して行うので,基本的には広島県行政LAN・WAN運用管理要領(以下「LAN・WAN要領」という。)に準じた運用体制とし,各課にシステム管理者・システム担当者を置いている。 区 分 役 割 担 任 者 システム総括管理者 総合的な運用管理 総務課長 システム管理者 課における ・ システムの適正な運用管理(利活用の推進) ・ 情報管理の総括 ・ アクセス権の管理 など 各課長 (文書事務取扱主任・ネットワーク管理者〔LAN・WAN要領第6条〕) システム担当者 ・ 課におけるアクセス権の設定・変更作業 ・ ファイル管理表のシステムへの登録 など ネットワーク担当者 (LAN・WAN要領第8条) 3 文書管理システムの運用方法 (1) 登録の対象とする文書等 ア 収受文書のうち次に掲げるもの(以下「登録対象収受文書」という。) (ア) 保存年限が2年以上の電子メールその他の電子文書(文書事務取扱主任において登録が適当であると認める保存年限2年未満の電子メールその他の電子文書を含む。)で,収受処理又は収受・供覧処理で事案が完結するもの (イ) 電子文書で,それを基に起案する必要があるもの (ウ) 文書事務取扱主任が,登録の必要があると認めるもの イ 起案文書のうち次に掲げるものを除いたもの(以下「登録対象起案文書」という。) (ア) 定例文書処理簿若しくは簡易文書処理簿を用いて処理を行っているもの又は当該文書等の余白を利用して起案を行っているもののうち公印の押印を要しないもの (イ) 財務会計システム若しくは個別業務システムから出力する帳票により起案を行っているもの又は旅行命令簿,時間外勤務命令簿等別に定めた様式により決裁を受けるようにしているもの (ウ) その他総務課長が別に定めるもの (2) 収受 ア 収受の方法

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(ア) 文書事務取扱主任は,登録対象収受文書を電子メールその他の電子文書により受信した場合には,処理方針を示して事務担当者の個人アドレスに電子メールにより転送する。 (イ) 事務担当者は,上記(ア)の登録対象収受文書を受信したときは,文書管理システムの収受登録の画面に従い必要な事項を入力し,当該登録対象収受文書を登録する。 (ウ) 登録対象収受文書(紙文書を除く。)の収受処理は,文書管理システムに登録することにより行う。この場合において,当該文書等への文書収受印の押印は不要とし,文書分類記号及び保存年限は当該登録により付けるものとする。 イ 供覧の方法 文書管理システムに登録した収受文書(電子文書に限る。)のうちその処理を閲覧だけにとどめるものは,文書管理システムの供覧処理により供覧を行う。 (3) 起案 ア 起案文書の作成 登録対象起案文書の起案は,文書管理システムの起案登録の画面に従い必要な事項を入力することにより行う。 イ 電子決裁による決裁の方法 (ア) 電子決裁対象文書 登録対象起案文書は,原則として文書管理システムの電子決裁機能(以下「電子決裁」という。)により決裁を受けるものとする。ただし,次に掲げるものについては,当分の間,電子決裁によらないものとする。 a 決裁に緊急を要するもの又は持ち回って決裁を受けるもの b その他システム上の障害又はシステム上の運用保守などにより文書管理システムが稼動していないときに決裁を受けなければならないもの (イ) 電子決裁の方法 a 電子決裁により決裁を受ける場合,起案者は,起案登録画面の承認・決裁者欄に,決裁者及び承認者の所属・氏名を選択(入力)して,電子決裁処理を行う。 b 起案文書に添付する紙文書がある場合は,文書管理システムから出力される添付文書管理票に添付して決裁を受ける。 c 決裁者及び承認者は,文書管理システムで当該起案文書の登録内容を確認し,承認・決裁処理を行う。 d 上記cの場合で,決裁者及び承認者が当該起案文書の記載事項中の重要な部分を訂正したとき又は当該起案文書を起案者に差し戻すときは,承認・決裁処理画面のコメント欄に,訂正内容,差戻し理由等を入力しなければならない。 e 承認者が事故又は不在のときは,後閲処理により,当該承認者の次順位の承認者(次順位の者が決裁者の場合は,決裁者)の承認(決裁)を受けることができる。上位者による引上げを行うこともできる。 f 決裁者が事故又は不在のときは,広島県決裁規程又は会計管理者事務決裁規程に定めるところによって,その直前の順位の者が代理決裁の処理をすることができる。 (ウ) 電子決裁によらない決裁の方法 登録対象起案文書のうち電子決裁によらないで決裁を受けるものについては,文書等管理規程に定めるところによって,決裁を受ける。

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(エ) 起案文書が決裁されたときは,起案者は,起案登録の画面の決裁年月日欄に,決裁の年月日を入力する。ただし,電子決裁により決裁を受けた場合は,決裁者が決裁処理を行った年月日が決裁年月日として自動的に登録されることとなる。 (4) 施行 ア 浄書及び照合 (ア) 起案文書の記載事項が訂正されて決裁を受けた場合は,起案者は,登録している事項のうち当該訂正箇所を修正して再登録する。ただし,電子決裁により決裁を受けた場合で,承認者又は決裁者が承認・決裁時に修正し,再登録したものを除く。 (イ) 上記(ア)に定める場合のほか決裁文書の浄書に当たり,案文に日付などを記載する必要があるものにあっては,起案者は併せて文書管理システムに登録されている案文の日付などの部分を修正し再登録する。 (ウ) 決裁された登録対象起案文書は,上記(ア)及び(イ)の処理をもって浄書されたものとし,施行しようとする内容と当該起案の登録内容との確認をもって照合されたものとする。 イ 公印の押印 電子決裁により決裁された文書のうち,その施行する文書の全部又は一部に公印の押印が必要な場合は,文書管理システムの機能を利用して公印の押印に係る承認を受けた後,公印を押印するものとする。 ウ 施行の方法 登録対象起案文書の施行は,文書等管理規程で定める方法により施行する。 エ 完結の処理 登録対象起案文書の処理が完結したときは,起案者は直ちに文書管理システムで当該文書の完結処理を行う。 (5) 保管などの方法 ア 登録対象文書のうち,登録対象収受文書,電子決裁を受けた登録対象起案文書で紙に印刷することなく完結したものは,保存年限が満了するまで文書管理システム内で保存・管理を行う。 イ 上記アに掲げるもの以外の登録対象文書の保管・保存については,文書等管理規則・文書等管理規程に定めるところによる。 (6) 廃棄などの方法 上記(5)アにより保存・管理している文書等の保存年限が満了したときは,文書等管理規則・文書等管理規程に定めるところにより,当該文書等の電磁的記録を消去する方法により廃棄する。ただし,文書館に引き渡す文書等は,引き続き文書館において保存するので,電磁的記録のまま引き渡す。

『文書事務の手引』(改訂版)

掲載場所:職員ポータル>全庁文書箱>A11法制・文書>文書事務の手引

掲載時期:平成28年12月~

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※ 次の文書の誤りを探してください。 (例題1)

例 題 集

総 務 第 10 号 平成 29 年4月 12 日 広 島 一 郎 殿 広 島 県 知 事 (〒730-8511 広島市中区基町 10-52) 平成 29 年度広島県○○○○○○大会での講演について(依頼) 県行政の推進につきましては,日ごろから特段のご協力をいただき,厚くお礼を申し上げます。 さて,広島県では,別紙の要領によって平成 29年度広島県○○○○○○大会を開催します。 この大会を一層意義あるものにするため,貴殿に△△△△についての講演(◆◆分程度)をいただきたいと思います。 お忙しいとは思いますが,承諾してくださるようお願いいたします。 担当者 : □□ □□ 電 話 : 082-513-2231(ダイヤルイン)

公 印

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(例題2) (例題3)

平成 29 年4月 12 日 ○○県○○局○○課長様 広 島 県 総 務 局 総 務 課 長 ( 広島市中区基町 ) ○○制度の実施状況について(回答) 平成 29 年4月7日づけ○第○号をもって照会のあった標記のことについては,別紙のとおり回答します。なお,参考までに○○制度の資料も添付しておきます。

公 印

平成 29 年4月 12 日 各地方機関の長様 総 務 局 総 務 課 長 ○○事務説明会の開催について この会議を下記の通り開催するので、関係者を出席させて下さい。 記 1.日 時 ○月○日 10 時 30 分より 15 時 30 分まで 2.場 所 県庁本館6階講堂 3.議題 ① ○○○について ② ○○○について ③ その他

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分かりやすい文書を書く ※ 次の文書について,分かりやすい文章に直してください。 (例題4) ヒント: 文は短くします。「が」,「ので」,「から」などの接続助詞を用いて文を長くしないように します。 (例題5) ヒント: 一つの文の中に,2つ以上の違った事項を盛り込まない。1文1事項を心掛け,接続 詞を使うなどして適当に文を区切ると分かりやすくなります。 (例題6) ヒント: 複雑な内容を盛り込む場合は,なるべく箇条書にします。要点がつかみやすく,一読し て理解しやすい文になります。 (例題7) ヒント: 日本語では,主語が省略されることが珍しくありません。しかし,公用文では原則と して主語を省略しないで書くことが必要です。 また,述語が一つなのに,主語が二つある文をよく見かけますが,原則として一つの 文では主語一つ,述語一つです。

参加者名簿の取扱いにつきましては,プライバシーの保護等に十分留意しつつ,本調査以外の目的には,使用しないとともに,調査終了後速やかに廃棄することといたしますので,御協力をよろしくお願いします。 標記制度について,今般,その要綱の一部を改正し,別紙のとおり定め,平成 29 年4月1日から適用することとしたので,この旨ご了知のうえ本制度の円滑な運用を期されたく,貴職から指導方よろしくご配慮願います。 平成 29年4月 21日午後1時から午後4時まで,A大学教授山川太郎氏による「これからの地方公務員の在り方」についての講演会を広島会館小ホールで開催しますから,事務に支障のない限り,多数の職員が参加できるようお取り計らい願うとともに,会場の都合がありますので,貴課の出席者数を取りまとめの上,平成 29 年4月 14 日までに回答してください。 広島県は,行政の多様化に伴い,文書量は年々増加しています。 研修担当者が挨拶した後,説明を受けます。